【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 大妖精と体術の授業を受けるものの、惨敗してしまう黒葉。

 敗北して傘を手放してしまう黒葉だったものの、ルーミアがキャッチしてくれたことによって一命を取り留める。

 ルーミアになぜ傘をいつも持ってくれるのかと聞くと、どうやら黒葉が吸血鬼だと知っているかららしい。しかも、その情報源はレミリアだった。

 しかし、少し火傷を負ってしまったものの、たまたま近くで体術の授業を受けていた結乃が能力を使用して黒葉の傷を回復させる。

 ルーミアは黒葉と結乃が仲良くしているのを見て嫉妬した。

 ゲンが再度現れるまで、黒葉の修行の日々は続く。



 それではどうぞ!


第38話 ありがとう・さようなら

side黒葉

 

「今日もついてくるのか?」

「ついていくのだー」

 

 なんだか最近はルーミアがついてきて一緒に帰ることが日常になりつつある。そして一緒に晩飯を食うのだ。

 だが、最近は何か思い詰めたかのような顔をしていることが多い。そしてそれを聞いてもなにもないとはぐらかされるから少し心配だ。

 

「今日も飯食っていくか?」

「うん、もらっていこうかな」

「了解。んじゃ、師匠に伝えとく。といっても、あの人のメイド力は天元突破してるから俺が言わなくても作ってくれていると思うけどな」

 

 そんな感じでいつも通りに森の中を歩いて帰宅していく。

 ここは結構妖怪が出てくるが、今は夜なので、全力を出せるから野良の妖怪なんかには負けない。

 その度にルーミアが怯えた表情をするが、恐らく妖怪が飛び出してきたことによる恐怖だろう。前までは俺も妖怪が怖かったからわかるが、本来妖怪は恐怖の対象となる存在ゆえ、結乃の反応もあながち間違えではない。

 

 そんなこんなで門前まで帰ってきたのだが、いつも通りに美鈴が寝ている。

 いつも通りの光景なので、特に驚きはしない。師匠には美鈴を殺す勢いで起こせと言われているのだが、俺が攻撃したら逆に返り討ちに会うので俺は館内に帰って師匠に密告しようと思う。悪く思うなよ美鈴、寝ているお前が悪い。

 

 そんなこんなで館内に入ると突如として目の前に出現した師匠に美鈴のことを密告して荷物を運ぶことを申し出てくれたので俺とルーミアは荷物を俺の部屋に運んでもらうように頼んで預けると、その瞬間に師匠は消えて代わりに背後から悲鳴のような声が聞こえてきた。どうやら制裁が下ったらしい。

 

「んじゃ、飯ができるまで図書館にでもいくか?」

「えっと、それよりも黒葉の部屋がいい」

「そうか? じゃあ、俺の部屋に行くか」

「うん」

 

 そんなこんなで俺とルーミアは俺の部屋へと向かった。

 


 

sideルーミア

 

 最近、胸がちくちくするようになった。それは黒葉と須賀さんのやり取りを見てからだった。

 そしてすごく黒葉とのつながりが気になるようになってしまった。他の誰よりも仲良くしたいと思ってしまった。

 今日だってみんなが途中まで一緒に帰ろうと黒葉を誘おうとしているところで私は強引に黒葉を引っ張って連れてきてしまった。

 黒葉はどうやら何も気にしていないようだったけど、他の誰よりも仲良くないと安心できなくなってしまった。こうして黒葉を独占することによって胸のちくちくが治まって楽になる。

 

 だけど、紅魔館に来ると再度ちくちくしてしまう。

 この紅魔館には私程度の仲じゃ到底敵わない仲の人がたくさんいる。その中の一人、咲夜さんはとんでもなく美人だし、優しいし、いつ黒葉が掘れてもおかしくないような人。それに私と違って人間のようだし……。って、なんで私、そんなことを気にしていんだろう。

 

 だけど、そろそろ仲良くするのも限界に来ているかもしれない。

 私はパチュリーに言われた通り、人喰い妖怪。黒葉に出会ってから人を食べないようにしていたけど、そろそろ限界、細胞の一つ一つが人間の血肉を欲しているというのがわかる。

 

 しばらく食べていないからか、最近はずっとお腹が空いて仕方がない。

 人間が食べるようなご飯でもお腹は満たされるんだけど、それは空腹を誤魔化しているだけで、本当にお腹がいっぱいになるわけじゃない。それに、最近は味覚もおかしくなってきて前は人間も食べるような料理で美味しいと思えていたんだけど、最近は美味しく感じなくなってきた。

 

「ルーミア、チョコがあるけど、食うか?」

「うん、もらうのだー!」

 

 そう言って私は黒葉からチョコを受け取ってかぶりつく。だけど、美味しいとは思えない。やっぱりパチュリーの言う通り、人喰い妖怪が人を食べないで生きていくのは無理があるのかも。

 

 私、黒葉とはずっといい友達でいたい。だから、黒葉のことを捕食対象として見るのは絶対に嫌だ。

 とんでもない飢餓状態のせいか、最近では人間たちが美味しそうに見えて仕方がない。体の隅々の細胞がそれを欲しがっているとわかる。だけど、黒葉に嫌われたくない。

 今はまだ黒葉は吸血鬼の血も混ざっているから大丈夫だけど、もしかしたら今後……。

 

「黒葉、ちょっとお手洗いを借りるのだ」

「あぁ、いってら」

 

 黒葉は手をひらひらと振って私を送り出してくれるが、私の目的地はトイレなどではない。

 私はトイレとは逆方向に進んでエントランスに辿り着く。

 するとそこにはパチュリーが佇んでいた。

 

「……そう、それも一つの答えね。あなたにとって黒葉は大事な人、だから、美味しそうに見えるのは耐えられなかったのね。私は止めないわ」

「…………ねぇ、一つ、お願いをしていい?」

「何?」

「黒葉に伝えて欲しいんだ。楽しかった、今までありがとうって。きっと私が人喰い妖怪だってわかったら軽蔑するし、殺されるだろうから、最後はいい友達のルーミアで別れたい。それと、ごめんって伝えて」

 

 もう黒葉に会えないと考えると涙が出てくる。そんな私を見て同情したのかパチュリーは静かに頷いた。

 

「……わかったわ」

「ありがとう」

 

 私は涙を拭うと館から勢いよく飛び出した。

 後でもしかしたら黒葉は気がついて私を追いかけてくるかもしれない。夜の黒葉は私を軽く凌駕するほどのスピードを誇るから出来るだけ遠くへ、見つからない場所へと走る。

 

 ――ごめん、黒葉。そしてありがとう。




 はい!第38話終了

 ついにルーミアが黒葉に別れを告げて飛び出していってしまいました。

 黒葉はどうするのか?

 それでは!

 さようなら
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