【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 謎の人物によって黒葉は死にかける。

 そこで謎の吸血鬼が黒葉を吸血するのだった。



 それではどうぞ!


第1章 紅魔館編
第4話 吸血鬼化


side黒葉

 

 俺は目を覚ます。

 そこは真っ赤な部屋だった。

 

 壁紙から家具まで全てが赤いもので統一されていた。これだけ赤かったら目に悪そうなものだが、不思議と不快感は無かった。

 そして暗い。光が入ってきていない。

 

 見渡してみれば、カーテンが閉じられているようだった。

 その隙間から少し漏れる光。だが、これ程光を遮るとはかなり遮光生の高いカーテンらしい。

 

 ここはどこなのか。その現状を確かめようとカーテンを開けようとしたその時、

 

「あ、カーテンは開けちゃいけません!」

「え?」

 

 そんな女性の声が聞こえたものの、俺はそのカーテンを開けてしまった。

 そこには実に眩しい世界が広がっていた。

 さっきまで真っ暗な部屋にいたからだろう。物凄く眩しくて目が痛く感じるのはそういうことだろう。

 

 あれ、だんだんと意識が遠のいていく。

 そしてフラフラとしていると急にカーテンが閉じられた。

 

「ふぅ……危ないところでした」

 

 隣から聞こえる声。

 なぜだか、今は何も見えないので、その声の主を確認することが出来なかった。

 

 というか――

 

「うぐあぁぁぁぁぁぁ!」

 

 目に激痛が走った。

 死ぬ。死んでしまう。妖怪共に攻撃されたのとは比にならないほどの激痛。

 目が実際に焼かれているかのような激痛が走ったのだ。

 

「危ないところでした。もうちょっとで本当に取り返しのつかないところでした」

 

 女性は落ち着いた声だが、俺は全く落ち着くことは出来ずに床を転がり回る。

 なんだこれなんだこれなんだこれなんだこれ!

 光を見ただけでこれ程のダメージを負うのはおかしいだろ。いや、光と言うよりも日光を浴びたのが原因なのか?

 

 いやいや、まさかな。

 そんなのまるで古の文献に出てくる吸血鬼みたいじゃないか。

 

「大丈夫ですか? 少し見せてください」

 

 そう言って優しく介抱してくれる女性。

 女性が言うには傷はそんなに対したことないからすぐに回復するであろうとの事だった。

 実際に十分もしたらぼやけて入るものの、視界は元に戻ってきていた。

 

「ありがとうございます」

「いえ、お礼を言われるほどでは」

 

 さっきまで俺を介抱してくれていた女性は銀髪のメイドさんだった。

 十六夜(いざよい) 咲夜(さくや)さんと言うらしい。介抱しながら名乗ってくれた。

 

「でも、どうして俺は日光に焼かれて……」

「それは――」

「それに関しては私から説明するわ」

 

 突然聞こえてきた声に驚いて弾かれるように声のした方を見る。

 そこには見覚えのある顔があった。いや、見覚えあると言っても、一度のみ。それも、あの最悪の夜に気を失う前に見た程度なのだが。

 

「ふあぁぁぁ……」

「お嬢様、まだ眠いのでは無いですか?」

「いえ、大丈夫よ。これは私の責任だから私に説明責任があると思うの。だから、ここは任せてくれないかしら、咲夜」

「お嬢様がそう仰られるのでしたら」

 

 やっぱり羽が生えている。それと口を開いた時に少し見える牙、それがこの人物を吸血鬼だと言うことを証明している。

 少し幼い風貌だが、とてつもない威圧感があるのは確かだ。

 霊力を感じ取ることが出来ないこの俺でさえ、身震いをしてしまいそうなほどの威圧感を覚えてしまっている。

 

「あなたは」

「警戒しなくても大丈夫よ。私はあなたの敵ではない――まぁ、あんなことがあったのだから、仕方がないのだけど」

「……」

 

 なるべく普通に接していたつもりだったのだが、どうやら警戒しているのがバレバレだったらしい。

 なら取り繕う必要は無いだろう。

 

「ここはどこだ。俺をどうする気だ。殺すのか? それとも、死ぬまで餌にでもするか?」

「うーん、餌にする案は捨てがたいんだけどね」

 

 吸血鬼の発言を聞いて俺は身構えてしまう。

 吸血鬼はそんな俺を見て初めて焦った表情を見せた。

 

「冗談冗談よ。そもそも、今のあなたじゃ餌にはならないわ」

「なんだよ、俺の血が飲めねぇってのかよ!」

「あなた、面倒くさいわね」

 

 まぁ、俺も何となく察してしまっていた。

 あの夜のヴァンパイアウイルスを注入したという発言。恐らく、それはそういう事なのだろう。

 

「……俺は吸血鬼にでもなったか?」

「察しがいいわね」

「まぁ、あの夜のお前の発言、そしてさっきカーテンを開けようとして酷い目に遭った」

「ちょっと、それって大丈夫なの!?」

「はい、ほんの数秒程度でしたので、大事には至らないかと」

「そう、良かったわ」

 

 吸血鬼は何故かその事を聞いて身内の安全を確認したかのようにほっとした表情を見せた。

 どうしてそんなにほっとした表情をしているんだよ、俺は飽くまで他人だろ。

 

「まぁ、確信を持ったのはお前の餌にできないという発言だな。今までの状況証拠からこれしかないと思った」

「なかなか理解力が高くて助かるわ。それと、ごめんなさい」

「え、どうして謝るんだ?」

「私のせいで、吸血鬼にしてしまったのだから。あの時は咄嗟に吸血鬼にするしか思い浮かばなくて……本当にごめんなさい」

「お、お嬢様!?」

 

 吸血鬼は俺に対して深々と頭を下げてくる。

 ここまでしてくるとは思っていなかったので、俺も少し困惑してしまっている。

 だが、これで分かった。

 あの夜のことがあって俺はさっきまで警戒していた訳だが、この吸血鬼はどうやら悪い人って言う訳では無いらしい。

 これだけで信用してしまう俺は自分でもちょろいなと思ってしまうが、人のことはあまり疑いたくない。

 

「まぁ、それは別にいいが。妖怪に近い存在になっちゃったのはちょっと気持ちがあれだな」

「そうね、あなたの姉は妖怪に殺されたと言っても過言じゃないものね」

 

 俺の姉ちゃんは俺を守りながら妖怪と戦って力を使い果たして死んでしまった。

 だからこそ俺は妖怪を憎んでいる。

 

「私はレミリア・スカーレットよ。あなたは?」

「……冬夏 黒葉」

「そう、ねぇ黒葉」

「なんだ?」

「私をお姉ちゃんだと思って接してくれていいのよ!」

「は?」

 

 何言ってんだこいつは。




 はい!第4話終了

 ここから何話かは落ち着いた話です。

 それでは!

 さようなら
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