【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 黒葉はパチュリーからルーミアの伝言を聞かされ、今まで現実から目を背け続けてきたことを後悔し、ルーミアを探しに出かける。

 ルーミアは森を彷徨いながら黒葉への思いを馳せる。

 そこへ、大斧を手にした大男が現れ、ルーミアを殺そうとする。

 そしてルーミアが殺されそうになったその瞬間、間一髪の所で黒葉が助けに入った。



 それではどうぞ!


第40話 守りたい一心で

side黒葉

 

 はぁ、間に合った。

 俺が到着した時にはルーミアが殺されそうになっていたから後先考えずに割り込んでしまったが、なんとか攻撃を受け止めることができた。

 しかし、こいつ本当に人間か? ものすごく攻撃が重くて受け止めた刀を握っている腕が痺れている。

 

「吸血鬼め」

「そうだ、俺は吸血鬼だ。夜に吸血鬼に目をつけられることがどう言うことか、わからないわけじゃないだろ」

「確かに最初はお前が吸血鬼であることに驚いたが、お前、弱いだろ」

「っ!」

 

 一瞬で俺が弱いことを見抜かれてしまった。

 まぁ、実力者ならこうして攻撃を当てあっただけで相手の実力を感じ取ることができるのだろう。

 確かに俺は吸血鬼にしては弱い。結局いつも誰かに守られている。だけど、今回は話が違う。今回は俺が、俺自身の手でなんとかしないといけないんだ。

 俺はルーミアを守りたいんだ。

 

「そんな弱い奴に、お前はこれから倒されるんだよ! お前を殺してお前の血をじっくりと啜ってやるよ!」

「できるものならやってみろ」

「《業火》」

 

 俺は一気に刀を振り抜いて大男を押し飛ばすと納刀して拳に霊力を込めて殴りかかる。

 

「《インパクト》!」

 

 その俺の拳は大男の手によって止められてしまった。くそ、こいつどんな握力して嫌がるんだよ。人間の領域を超えているだろうが!

 すると拳の骨がミシミシと音を立てるほどに強い握力で拳を握られた。

 

「く、がっ!」

「ふん!」

 

 痛がる俺にもう片方の腕で斧を振りかぶって俺のことを叩っ斬ろうとしてくる。だが、そんな攻撃を易々と受けるつもりはない。今の俺は夜の王者、吸血鬼だ。

 今の時間帯は夜、俺にとって絶好の時間帯だ。そう簡単にはやられねぇぞ!

 

「《インパクト・キック》!」

 

 俺は足に霊力を込めると体をひねるようにして大男のことを蹴り飛ばした。

 手がものすごく痛い。どうやらさっき握られたことによってヒビが入ってしまったようだ。力が入らなくてまともに刀を握ることができないが、この程度の傷ならば、吸血鬼である俺ならすぐに治る。

 それよりも、今は俺の力があいつの力に劣るというのが問題だ。正面から攻撃してあいつに勝てる気がしない。

 

「ルーミア、逃げろ」

「え、でも」

「お願いだ。逃げてくれ。今の俺にはお前がいないとダメなんだよ。逃げて、そして生きてくれ」

「っ!」

「さて、そろそろ殺される覚悟はできたか!」

「な!」

 

 さっき蹴り飛ばしたはずの大男が突如目の前に現れた。まるで一瞬で移動してきたかのようだった。

 地面には足跡が残されている。ここら辺はジメジメとしていてぬかるんでいるからよく足跡が残る。だからこいつは走ってここまでせっきんしてきたのだろう。

 恐らくこれは逃げても無駄だというこいつからの警告なのだろう。

 

「お前はどうして俺たちを殺そうとしている」

「……妖怪だからだ」

「妖怪だから?」

「妖怪は人を襲う。大切なものを奪っていく。だから、俺は妖怪を殺し続けるのみだ!」

「くっ!」

 

 突然大男は斧を振ってきたので俺は咄嗟に刀でガードをしたが、その威力故にぶっ飛ばされて木に背中を強打してしまう。

 まだ痛みでしっかりと刀を握れないというのにこの威力の攻撃はなかなかにきつい。だけど、この攻撃に耐えなければ俺たちは二人ともこいつに殺されてしまう。

 ルーミアを守りたい、そのことが俺の体をうごがしていた。

 ここで諦めたら一生後悔する。そして取り返しのつかないことになってしまう。

 

 ゲンに歯が立たなく、己の弱さに打ちのめされたあの日から俺は修行をさらに厳しくした。師匠にも姉貴にもものすごく協力してもらった。

 だというのに、なんだこの体たらくは。

 姉ちゃんだったらこの状況でも絶対に諦めないで戦い続けるはず。あの日の夜がそうだったように。

 

 俺はもう最弱の黒葉じゃないっていうことを今ここで証明してやる!

 

「さて、まずは邪魔なお前から排除してやるか。大地割り!」

 

 一気に大男は俺との距離を詰めてきて上から大斧を振り下ろしてきた。

 この程度の攻撃にやられていたら俺は誰も守ることができない。ゲンを倒して姉ちゃんの仇を打つなんて夢のまた夢だ。

 やってやる!

 

「はぁっ!」

 

 俺は刀に炎を纏わせて回転斬りを放つと俺への攻撃を中断して大男は飛び退いた。それを見て俺はかたなに霊力を込めて一気に放ち、霊力の斬撃――霊力斬を放った。

 それを大男は薙ぎ払ってかき消してくるが、俺は攻撃の手を止めることはない。

 再度刀に炎を纏わせると一気に大男との距離を積める。

 

「《業火》!」

「くっ!」

 

 炎を纏った刀での居合一戦。その一撃を大男は斧で防いできたが、俺はその斧をもっている腕に蹴りを放った。

 

「しまっ!」

「燃えろぉぉぉぉぉ!」

 

 燃え盛る刀を構えると俺は大男に振り下ろす。今までにないほどの絶好の機会、今を逃したらいつこいつを倒すことができるんだというほどの絶好の機会。

 絶対に当てる!

 

「はぁぁぁぁぁぁっ!」

「うぉぉぉぉぉぉっ!」

 

 そんな俺の刀を大男は腕で受け止めてきた。

 かきぃぃぃんと腕と刀がぶつかり合ったとしたら相応しくないような甲高い音が鳴り響いた。

 そこで俺は気がついた。こいつの腕には鉄製の籠手がはめられていた。しかもものすごく硬く、切ることができそうにない。

 

「こっちもまだ負けられねぇんだよ!」

「かはっ!」

 

 残ったもう片方の腕で俺は殴り飛ばされてしまった。

 そのまま地面に倒れて混んでしまう。胴体にものすごい衝撃が走ったせいで呼吸がうまくできない。

 そんな俺を心配してルーミアが慌てて近づいてきた。

 

「そんな心配するな。てめぇらはおんなじ場所に連れて行ってやるからよぉ……地獄という場所にな!」




 はい!第40話終了

 大男はものすごく強く、黒葉を圧倒していましたね。

 そして千載一遇のチャンスだったものの、鉄製の籠手によって受け止められてしまいました。

 果たして黒葉は勝つことができるのでしょうか?

 それでは!

 さようなら
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