【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 気を失った黒葉はルーミアに背負われていたところ、ミスティアに遭遇し、ルーミアはミスティアに心の内を吐露する。

 その後、寝てしまったルーミアと黒葉を荷台にのせてミスティアは紅魔館に送る。

 目を覚ました黒葉は今回のことを思い出して絶対にもう二度と同じことにならないように頑張ることを誓うのだった。



 それではどうぞ!


第44話 理由

side黒葉

 

「うぅん……」

「お、起きたか」

 

 ルーミアは目を覚ますと周囲を見渡し始めて、今の状況を理解し、近くに俺がいることに気が付くと一気に顔を朱に染めて目を回してベッドから転がり落ちてしまった。

 

「あう……」

「大丈夫か!?」

「大丈夫。でも、なんで私は黒葉の部屋で寝て」

「ミスティアが運んでくれたらしいぞ」

 

 それにしても、なんでミスティアが俺たちの事を運んでくれたのだろうか。俺が気を失う前は近くにミスティアの気配はなかったんだが、もしかしたらルーミアが俺の事を運ぼうとしているところでばったり鉢合わせたとかか?

 経緯はどうであれ、世話になったから今度お礼をしないといけないな。

 だが、あそこで気を失うなんて不甲斐ないな。姉ちゃんだったら余裕で勝てていたんだろうけど、俺の場合はかなりぎりぎりだった。あそこでなぜか雪が降らなかったら俺は確実に敗北してルーミアも殺されていた。

 

「そっか……私はあのまま寝ちゃったから……って、みすちーにとんでもなく恥ずかしいところを見られた気が……」

 

 ルーミアは耳まで真っ赤にしながら何かに悶えている。そこまで悶えるほどとはどれだけ恥ずかしいことがあったのだろうか。

 っていうか、勢いとはいえ、あの時は告白紛いなことを言ってしまったような気がする。そう考えるとものすごく恥ずかしくなってきた。穴があったら入りたい気分だ。

 だが、勢いで言ったとはいえ、あれは間違いなく俺の本心だ。ルーミアが好き、その気持ちに偽りはない。もちろんルーミアが妖怪だと理解している今でも好きだ。

 吸血鬼の俺だからわかるが、ルーミアからは少し血の匂いがする。吸血鬼の本能がうずくような匂い、これは人間の血の匂いだ。このことから考えるとルーミアは人食い妖怪なのだろう。そして俺たちが初めて会った時、あれはおそらく獲物を探していたのだろう。

 だが、あれ以降は血の匂いが濃くはなっていない。普通に血の匂いは感じていたが、それは人間だからと思っていた。人間からは多少なりとも血の匂いを感じるものだ。吸血鬼の鼻は美味しい人間の血をかぎ分けるために特化しているのだろう。本当に嫌な能力だけどな。

 

「ねぇ、黒葉」

「なんだ?」

「私の事が好きって本当?」

「っ! まぁ……その……なんだ……。あの時は勢いで言ったが嘘偽りない俺の本心とだけ言っておく」

「そ、そうなんだ……えへへ」

 

 口元を緩ませて笑うルーミア、ものすごく可愛い。

 この笑顔を見ていると俺はこの笑顔を守るために戦っていたんじゃないかと思ってくる。

 だけど、すぐに暗い表情に逆戻りしてしまった。何か思い詰めているような様子だ。

 確かにここを出ていったと言うことだから何かに思い詰めてしまっていたのだろう。まぁ、その内容も大体わかってはいるんだけど。

 

 

「……黒葉、私は妖怪なんだよ」

「知っているけど」

「それも黒葉が嫌いな人食い妖怪」

「やっぱりか」

 

 たぶん、ルーミアは自分が人食い妖怪だと言うことに思い詰めて出ていってしまったのだろう。

 だが、俺は人食い妖怪だから嫌いと言うわけではない。人に嬉々として危害を加える妖怪が嫌いなだけだ。

 

「やっぱり、私のこと、嫌いになったよね」

「ルーミアは最近人を襲ったりしていたのか?」

「してないよ。黒葉に嫌われたくなかったし

 

 よかった。どうやら俺と会ってからは人に危害を加えたりとかはしていないようだ。

 だが、最後に何を言ったのかがよく聞こえなかった。

 

「なら大丈夫だ。俺が嫌いなのは人に嬉々として危害を加えるやつだけだ。その括りでいうと妖怪じゃないけどゲンがものすごく嫌いだ。今すぐにでもぶっ殺してやりたいほどに」

 

 今でも妖怪を殺してやりたいと思う気持ちはあるけども、今は昔とは違って妖怪相手だったら問答無用で切りかかろうとは思っていない。

 少なくともルーミアたちのような友達と呼べる妖怪は大切にしたいと思っている。ただ、人に危害を加えるようならば少し考えなければいけないが。

 だが、これだけならば今まで通りに妖怪だと言うことを言及せずに過ごしていればいいだけのことだ。まだ他に理由があるのだろう。

 ここまでは考え付いたが、ここから先はルーミアに聞いてみなければわからない。

 

「なぁ、どうして俺の前から姿を消そうとしたんだ? 妖怪だと言うことがバレたくないだけだったら、今まで通りに妖怪だと言うことを言わないで過ごしていればよかったんじゃないか?」

「実は……最近、すごくお腹が空くんだよね」

「お腹が?」

「人食い妖怪は人の肉が一番のエネルギー源だからそろそろ人の肉を食べないとエネルギー供給が間に合わなくなってきて……人を見るとものすごく美味しそうに見えちゃって……で、最近は黒葉のこともものすごく美味しそうに見えちゃって……」

「お、おう……」

 

 想像以上に困った悩みだった。

 確かに前に授業で人食い妖怪についての授業があったときに人肉が一番のエネルギー源だって聞いたことがある。そしてそのエネルギーが枯渇すると理性が壊れて見境なく人を襲ってしまうと。

 確かに、それじゃないと人を食べる意味ってないもんな。

 で、ルーミあの話によると俺のことを補色対象としてみてしまっているらしい。たぶんそれは俺が元人間と言うのが関係しているのだろうけど、どうしたものか……。

 確かに見境なく人を襲ってしまうと言うのは問題がある。だが、だからと言って無関係の人を巻き込むわけにもいかないしな……。

 たぶん、俺に危害を加えないために俺から距離をおいたのだろう。

 

「黒葉は吸血鬼なんだよね? 極度に血を欲することはないの?」

「俺はないな。姉貴は普段はトマトジュースを飲んでいて、本当に限界が来たら輸血パックを飲んでいるらしいけど、前に勧められたが飲んだことはないな。たぶん、元人間だからだろうな」

「そ、そうなんだ。いいなぁ……」

 

 たぶん、ルーミアはずっとこの飢餓に頭を悩まされてきていたのだろう。

 何とかしてあげたい。何とかしてあげたいけど代案が思い浮かばない。

 出きれば俺の肉を食わせてあげたいんだが、俺はまだ死ぬわけにはいかないから、まだルーミアに食べられるわけにはいかない。

 本当に肉じゃないとダメなのだろうか。確かに肉を食べるのが一番効率がいいんだろうけど、俺たち吸血鬼のように血だけではダメなのだろうか?

 肉を食べる際に血も一緒に食べることになるだろうけど、その血を食べてエネルギーは吸収できなのだろうか?

 

「なぁ、ルーミア。吸血鬼みたいに俺の血を吸ってみないか?」

「え?」




 はい!第44話終了

 ついにルーミアの飢餓問題も解決しそうですね。

 しかし、ルーミアは血を吸うことで飢餓を紛らわせることが出来るのでしょうか?

 それでは!

 さようなら
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