それでは前回のあらすじ
フランを追いかける黒葉。必死に弁明をするが、受け入れてはくれない。
そこへ霊夢が登場し、フランが黒葉に襲われそうになっていると説明したため、黒葉は大ピンチに。
黒葉は霊夢にこれまでの経緯を説明すると霊夢は親身になって相談を聞いてくれて、フランへの弁明を手伝ってくれることとなった。
それではどうぞ!
side黒葉
俺と博麗様は横並びでフランドールの部屋へと向かっていた。
さっき、フランドールが向かっていった方向にはフランドールの部屋があるので、おそらくフランドールは部屋に戻ったのだろうと推測した結果だ。
最近は色々あったりしたからこっちの方に来る時間が無くて結構久しぶりにフランドールの部屋へと来ている気がする。
こっち側には掃除でちょくちょく来ていたけど、フランドールの部屋の掃除は師匠がやっているからフランドールの部屋に立ち寄る用事が無かった。
「それにしても、フランが自分から部屋の外に出るなんてね」
「まぁ、確かに。初めて会ったときは絶賛引きこもり中でしたから、さっき外に出ているところを見たときはびっくりしました。ただ、フランドールが誤解して飛び出していったのを見てそれどころじゃなくなったんですが」
「ふーん……」
そういえば博麗様はなんで紅魔館に来ていたんだろう。
前の時は俺を攻撃したという負い目からか見舞いに来るという目的のために来たが、博麗様がこんな妖怪の巣窟のようなこの紅魔館に来るという理由が見つからない。
まぁ、でも、この博麗様の様子を見たら妖怪とも仲良くやっているっていうのは伝わってきたわけだが、それでもどんな用事があったのかが気になって仕方がない。
「博麗様はどうして紅魔館に来たんですか?」
「ん? あんたよあんた」
「え、俺っすか?」
俺が質問をすると俺の前を歩いていた博麗様は急に立ち止まって振り返ると俺の額を指先でチョンと押してきた。
どうやら博麗様が紅魔館に来た理由はまたもや俺がらみの事らしい。だが、博麗様が来るような心当たりは何一つない。吸血鬼になってから一度たりとも血を飲んでいないから、退治される謂れもない。
俺が何が原因で博麗様が来ることになったのかわからずに頭を悩ませると、博麗様は深くため息をついてその理由を語った。
「あんた、また戦って大けがを負ったらしいわね。しかも、今回は意識不明の重体にまで至ったらしいじゃない」
「え、なんでそれを」
「博麗の巫女の情報網を甘く見ないことね」
どうやら俺が気を失っている間に博麗様のところまで俺が戦って意識不明になったっていう情報がどこからか伝わったらしい。
あの戦いは人目につかない場所での戦いだったから博麗様に届いているとは全く思っていなかった。
しかし、そうなると博麗様は今回も俺の事を心配して見舞いに来てくれたということになる。なんだかんだ言って面倒見がいい人のようだ。だが、その面倒見がいい性格を吸血鬼である俺に発揮してもいいものだろうか? 仮にも俺と博麗様は敵対関係にあるべき存在なんだが……。
「全く……次からは私に助けを求めなさい。いいわね」
「分かりました。ですが、あれは俺がやらないといけないことだったんです。俺が、俺自身の手で戦わなければ意味が無い。ルーミアに本気を伝えるにはあれしかなかったんです」
「……そ」
俺が言ったことには多分、博麗様は納得していないし、本来だったら強く説教をしたいところだろう。だが、ルーミアに本気を伝えるためにっていう俺の気持ちもわかるから今回はこれくらいで許してくれたんだろう。
だけど、確かに前に俺に攻撃をしてしまってから負い目はあるのかもしれないけど、どうしてそれで博麗様は俺にそこまで手を貸してくれるのだろうか。全く分からない。
それにしても、俺を心配してきてくれたのか。ちょっとうれしいな。
妖怪については討伐対象だけど、俺の事は心配してきてくれた––なるほど!
「あっれれ~博麗様。博麗様は博麗の巫女としての責務を果たさないといけないのに妖怪である俺の心配をしてくれたんすか? 優しいっすね~! あ、これが噂のツンデレイ––ガッ」
「そんな言葉、どこで習ったっ!」
俺が最後まで言い切る前に博麗様の腕が顔面に伸びてきてアイアンクローをされて持ち上げられた。
その博麗様の表情はまるで般若のようで、俺とそしてもう一人に対する明確な殺意を感じ、あぁ……俺はここで死ぬんだなと走馬灯が頭の中をよぎる中、うっすらとそう思った。
『俺、博麗霊夢と親友なんだぜ。あいつの話、聞きたいか?』
『うん、聞きたい! 聞かせてよまりねぇ!』
森の中の大きな岩の上に座って話をする魔理沙と幼少期の俺。
魔理沙は昔からこうして俺のところにやってきてはいろんな話をしてくれて、俺はその話を聞くのが大好きだった。
そして今回の話題は博麗様の事についてとの事で、俺は文献でしか博麗様のことを
『そうかそうか、ならあいつの事を教えてやろう。あいつはな、まずツンデレだ』
『ツンデレ?』
『そう、ツンデレだ。あいつ、他人に興味ないように見せて実は人一倍他人の事を心配してるんだよ。差し詰めツンデレイムと言ったところだな』
『そ、そうなんだ』
幼いながらにこのことが博麗様本人に知られたら魔理沙が大変なことになってしまいそうだなと思ったことを覚えている。まぁ、今の今まで忘れていたから、今このような状況になっているわけだが。
そして俺は薄れゆく意識の中、無意識に告発してしまった。
「ま、まりねぇ…………」
「魔理沙あああああああああ!」
博麗様は俺の事を投げるように手放すと窓を突き破って魔法の森の方へと飛んで行ってしまった。おそらく魔理沙を絞めに行ったのだろう。やっぱり博麗様は8の突く人なんじゃないだろうかという疑惑がどんどん大きくなっていってしまっている。
だが、どうやら俺は助かったらしい。尊い犠牲だったが、俺はこの犠牲を決して無駄にはしない。
まりねぇ、天国で見ていてくれ。絶対に俺はゲンを倒して見せるからな!
この日、魔法の森に魔理沙の悲鳴が響き渡ったという。
はい!第47話終了
今回は霊夢と黒葉の会話でした。
霊夢は弁明を手伝ってくれると言っていましたが、結局ここでパーティー離脱です。
果たして黒葉はフランの誤解を解くことができるのでしょうか?
それでは!
さようなら