それでは前回のあらすじ
フランの部屋に行って弁明を試みる黒葉。だが、フランの怒りはどんどんと膨れ上がり、ついには能力が暴走しかけてしまっていた。
フランは苦しみ、ついに黒葉に助けを求める。
黒葉は自信の中に聞こえてくる声にしたがい、フランの首に噛みついて血を吸う。
その血はとても美味しく、黒葉はフランを押し倒して服をはだけさせてしまっていることに気がつかないほどに夢中になって血をすすってしまう。
そこをルーミアに見られてしまい、無事に黒葉の人生は終わってしまったのでした。
「終わってねぇよ!」
それではどうぞ!
side黒葉
あの盛大にフランドールに勘違いされてしまった事件以降、ルーミアとフランドールがどうしてか仲良くなった。
特に共通の話題とかも無い二人なのだが、気がついたときには仲良くなっていたと言うことだ。
仲良くなるのはとても喜ばしいことだ。二人とも俺にとっては大切な人な訳で、その二人が仲良くしているのを見るとほほえましくも思うが、最近は紅魔館に来るとルーミアは速攻でフランドールの部屋に言ってしまうから、少し寂しく思う。
そもそも、フランドールは他人を破壊してしまうことが怖くて引きこもっていたという話だが、ルーミアをそんなに部屋にいれても大丈夫なのだろうか? ついこの前も暴走しかけたばかりで怖くなったりとかはしないのだろうか?
そこら辺は俺はフランドール本人じゃないから何を考えているのかはわからないけど。
「最近は平和ね」
「なんだいきなり」
「だって、あなたも危険なことに首を突っ込むようなこともなくなったし」
「好き好んで危険なことに首を突っ込んでいる訳じゃねぇよ。俺だって平和なら平和に越したことはないんだ」
俺はいつも通りに姉貴と夜の修行をしていた。
姉貴は俺がいつも好き好んで危険なことに首を突っ込んでいるかのような言い方をしているが、本当はそんな危険なことがないに越したことはない。いつも首を突っ込まざるを得ない状況だから仕方がなく突っ込んでいるだけだ。
だが、危険な妖怪は根絶やしにしたいという気持ちは変わっていない。そのために今もなお修行をして続けているのだから。
しかし、あの大男との開墾で少し俺のなかで考えが変わってきている。
確かに本当に人を襲おうとしている妖怪だったらすぐに退治しなければいけないんだが、そんなに全妖怪を殺す必要はあるのだろうかと、そう思い始めている。
人食い妖怪であるルーミアが俺の大切な人になっているように、少しずつ俺のなかでの認識が変わりつつあるのだ。
「でも、やけに最近は平和ね。まるで嵐の前の静けさとでも言うのかしら。なにもなければいいのだけど」
「姉貴がそれを言うと本当になにかが起こりそうだからやめてくれ」
ただでさえ、いつゲンが現れるかわからなくて毎日警戒して過ごしているというのに、これ以上なにかがあったらたまったもんじゃない。
それにしても、あの声はなんだったんだろうか。
俺の感情が高ぶったときに聞こえてくるあの憎悪のこもったようなおぞましいほどに低い声。
それにこの声が聞こえてくると一瞬だけこの憎悪に意識を乗っ取られて攻撃的になってしまいそうになる。
もしかして能力の暴走となにか関係があるのだろうか? よくわからないな。他の人が能力を暴走させてしまったときの経験談なんて聞いたことがないし、フランドールに聞こうにもなんだか聞きづらいのだ。
「それはそうと、最近なんだか霊力、妖力の扱いが上手くなってないかしら?」
「そうか? 確かになんか操る感覚がなんとなくわかる感じはあるけど」
フランドールとの一件が終わったあとから俺は姉貴が言うには今まで苦手だった霊力、妖力の扱い方が上手くなったらしい。
それでもまだ吸血鬼の基本技、血液操作は使えないわけだけど、能力を使用するのにはなれていた。
「ねぇ、黒葉。あなたは運命って信じるかしら」
「運命……姉貴がどういう意図で言っているのかよくわからないことは多々あるけど、今回のは本当に意味がわからんぞ」
「いいから、で、どうなの?」
「運命ねぇ……あるんじゃねぇの? 生まれたときからこういう人生を歩むって言うレールが引かれていて、俺たちはそのレールを歩いているって言うだけっていう話は昔読んだ本にあった気がする。だが、俺はその考えはあまり好きじゃねぇな。すでに決められている運命だからって諦めたくないことも色々あるからさ、だから俺は運命が決まっていて、そしてその運命が俺の望むものじゃなかったら、その運命をぶち壊したいって、そう思う」
「…………そう。黒葉らしいと言えば黒葉らしい回答ね」
俺らしい回答ってなんなのかはわからないが、姉貴のお気に召したらしく、くつくつと小さく笑っている。
姉貴は最近は妙に険しい表情をしていることが多かったから何かあったのか少し気になっていたが、心配は要らなかったらしい。いや、心配をしていた訳じゃないが、毎日顔を合わせる間柄なんだから暗い表情ばかりをされていると気になってくると言うものだ。
すると姉貴は再び深刻そうな表情をして一言俺に言いはなった。
「黒葉、あなたは近々命を落とすことになる」
「え?」
姉貴から告げられたその宣告は俺にとって衝撃的なものだった。
確かに今までも何度も死にそうだなっていう場面はあったし、こんなことばかりをやっていたらいつか死んでもおかしくないなと思っていたが、実際に告げられるのでは衝撃が桁違いだった。
「これは確定された未来というべきものかしら。本当は私もあなたには死んでほしくないけど、変えられない、そういう運命なのよ」
「だからさっきの質問か…………」
確定された未来、運命。この宣告が俺に先ほど質問してきたことに繋がるんだろう。
俺が運命を信じるかどうか。
昔俺が読んでいたのは歴史書だ。その文献のなかには運命のことについてかかれている箇所があり、それによると俺たちはみんな生まれたときから運命が定められていると書かれていた.。
だけど、俺はそれを見て子供ながらにそんなことがあったら面白くないなと思っていた。
最初はこの文献はでたらめなんじゃないかと思っていたが、実際に運命を見ることが出きる能力が見つかっているらしいからこれは本当のことなのだろう。
今まで姉貴の能力は全くわからなかったけど、もしかして姉貴の能力って――
「もう気づいたでしょうけど、私の能力は運命を操る程度の能力よ」
はい!第49話終了
ついにレミリアが黒葉に自身の能力を明かしましたね。
黒葉が他人の能力を知るのは白愛、フラン、結乃に続いて四人目ですね。
黒葉はよく本を読む少年だったので、文献に載っている人の能力ならば知っているかもしれませんが。
そして黒葉が死ぬとは一体?
それでは!
さようなら