【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 魔理沙が加わったものの、昼間に戦える人数が限られてしまっているため、かなり厳しい戦いを強いられる。
 そこでレミリアがフランとルーミアにフォーオブアカインドで増えたフランに闇をまとわせて加勢することを提案し、快く了承する。

 しかし、見ているだけしか出来ないということに黒葉は不満を抱き、闇の天井を作り出して黒葉も共に戦おうとするが、ルーミアの能力の限界が訪れ、黒葉は日の下に晒されてしまう。
 その状態でも懸命に戦おうとするが、黒葉は追い詰められてしまった。

 その時、レミリアが黒葉への攻撃を庇ったせいで致命傷を負わされてしまう。

 そのことに黒葉は怒りの限界が訪れ、十分でゲンを倒すと宣言した。

 そして黒葉は気がついていないが、黒葉の太陽焼けが止まった。



 それではどうぞ!


第56話 炎の魔人

side黒葉

 

「お、お前、なんで焼けてねぇんだ」

 

 こいつが何を言っているのかわからない。俺の体は吸血鬼なんだ。日光に焼かれているに決まっているだろう。

 体の焼け方から考えて俺の体は持って十分程度。それまでにゲンを倒せなければ俺も姉貴も死ぬ。

 

 もうあんな辛い思いはしたくない。

 例えこの身が朽ち果てようとも今ここで、ゲンを倒してみせる。

 

「まぁいい。お前ももう虫の息だろう。今度こそ確実に息の根を止めてやる。分身じゃなくてこの俺直々にな!」

「そうか、それはありがたいねぇ。俺もちょうど本物のお前をぶっ飛ばしたいと、そう思っていたところだ」

「言うねぇ、お前はいつも足手纏い、俺が油断していた時以外で俺にダメージを食らわせたことはあったか? 悪いが俺はもう油断はしない。お前は俺の能力を吸収することができるようになったお前は確かに脅威だからだ。残念だったな、ここでお前は死ぬことになるだろう」

 

 俺の言葉に対してゲンは嘲笑うようにそう言った。

 確かに俺は一度もこいつに有効打と呼べるものを与えたことはない。だけど、それでも今やらなければいけないんだ。

 

 姉貴が俺のことを守ってくれたように、今度は俺の番だ。

 この紅魔館のみんなは誰ひとり死なせない。

 

「はぁ……」

「来ないなら、こっちから行くぞ!」

 

 鉄柵を槍のように構え、俺に突撃してくるゲン。

 他のみんなの俺を心配する声が聞こえてくる。俺はまだ紅魔館にきて日が浅いのに随分と大事にしてくれたもんだ。

 姉ちゃんからずっと言われ続けていた。受けた恩は必ず返せ、この言葉は絶対に忘れない。そしてその恩を返す時が今だ。

 

「っ!」

「な、こいつ!」

 

 俺は鉄柵を握りしめて受け止め、そのまま受け流してゲンの懐に潜り込む。

 そしてそのまま俺は足に妖力を込めて鉄柵を握りしめている右腕を軸にして体を回転させながら右腕と妖力を込めた左足に力を込めて全力で横に蹴り飛ばす。

 

「インパクト・キック」

「ぐうえっ!」

 

 その俺の攻撃に反応することはできずにゲンはそのまま蹴りをわき腹に食らって真横に吹っ飛んで行く。

 一瞬炎になって回避しようとしていたが、俺が鉄柵を掴んでいる右腕から炎を吸収して実体化させ、けり飛ばした。

 あいつの炎化は俺があいつの触れているものやあいつ本人に触れていれば炎化を防ぐ事ができる。

 

「やっぱりお前は危険だ、小僧!」

 

 空中で体勢を立て直して着地するとそのまま地面が抉れるほどの力で地面を蹴り、俺へと急接近してくる。

 

「爆熱・スピアー!!!」

「っ!」

 

 体全体を炎上させ、体を回転させながら飛んでくるゲン。

 あの炎は吸収しきれない、それにあれに直撃したら一溜まりもないだろう。

 俺はジャンプしてゲンの攻撃を回避したが、攻撃を回避したことによってゲンの攻撃が地面に直撃、デカいクレータを作り出したのを見て俺は青ざめた。

 あれに直撃していたら俺の体にどでかい穴が開いてしまっていたことだろう。

 

「回避したか、だがその逃げ方は感心しない」

「っ!」

 

 ジャンプで回避して未だ空中にいる俺に鉄柵の槍を向けてくるゲン。

 俺は空を飛ぶことができないから今攻撃されたら回避する方法が無い。非常にまずい状態だ。

 あの威力の攻撃をまともに食らったさすがに終わる。最悪の結果が待っている。当たるわけにはいかないけど、この状況はどうすることもできない。

 

「死ねぇ!」

「黒葉ぁぁぁぁぁぁぁっ!」

「フラン、ドール?」

 

 ついに回避できない状態の俺にゲンは鉄柵の槍を投擲してきた。

 当然俺は空中で身動きが取れない。回避のしようがない。どうすることもできない。絶望的な状況だ。

 そして俺はせめてものの抵抗として俺は右腕に妖力を集め、拳に力を込めて殴りつける。

 

「インパクト!!」

 

 そして俺の拳が鉄柵を殴りつけたその瞬間の出来事だった。

 拳が鉄柵に直撃した瞬間、俺に向かって飛んできていた鉄柵が木っ端みじんに"破壊"されたのだ。

 一瞬フランドールが俺に向かって飛んでくる鉄柵を破壊してくれたのかと思ったが、今フランドールは四人ともゲンの分身体と戦っていて俺に手助けしている余裕はない。

 なら、今のはなにが起こったんだ。

 

「っ、てめぇ、今のは何をしやがった!」

「わかんねぇ。だけど、窮地は脱したぞゲン」

「何を言ってやがる。これは序の口だ!」

「え」

 

 その瞬間、ゲンの肉体が変形し始めた。

 炎を纏い、その炎が徐々にその体を形作っていく。

 その炎はどんどんとゲンの体を巨大化させていき、俺の何倍物の大きさになっているが、まだまだ巨大化し続ける。

 その姿は禍々しく、まるで炎の魔人のような姿へと変化していく。

 

「お前をこの力で一捻りしてやる。炎魔人《イフリート》」

「っ!」

 

 体全体が炎となったゲンからこれまで以上の熱量が周囲に放たれ、周囲の草花は焼け焦げてしまって花畑が台無しになってしまっていた。

 だが、そんなことは今は問題ではない。このタイミングでこいつが大幅に強くなってしまったというのが一番問題だ。

 

 さっきよりも強くなったこいつに俺は勝つ事ができるのか? いや、勝てるのかじゃない。勝つしかないんだ。

 たとえこの命が燃え尽きようとも。

 

「すぅぅぅぅぅ……はぁぁぁぁぁ……すぅぅぅぅぅ……はぁぁぁぁぁ……」

 

 俺は強大な相手を前に恐怖という感情が出てきてしまってバクバクしてきたため、気持ちを落ち着かせるために深呼吸をした。

 

「黒葉っ! くっ」

「へへ、銀髪メイド。そう簡単に助けに行かせると思ったか?」

 

 師匠が魔人となったゲンを見て俺を助けに来ようとしてくれたみたいだけど、目の前にいるゲンの分身体に行く手を阻まれてしまってこっちに来れないでいる。

 確かに今の俺の力じゃ不足しているかもしれない。なんの代償もなしにゲンに勝利するっていうのは無理なのかもしれない。だけど、それでも俺はここの人たちを守りたいから、だから戦う。

 

 俺が刀を構えるとゲンはニヤリと口元を歪めた。

 

「俺に殺される覚悟は決まったか?」

「いや、それを覚悟するのは俺じゃない。お前だ」

「なにぃ?」

「お前は俺に殺される覚悟は決まったのか? ゲン」

「余程殺されたいらしいな。避けられない運命というのを思い知らせてやるよ!」

 

 避けられない不変の運命。俺には死の運命があると姉貴は言っていた。

 恐らく俺はこいつに殺されてしまうんだろう。だけど、頑張れば相打ち、道連れくらいは可能だろう。

 ただでは死ぬつもりはない。死ぬなら、こいつを殺してからだ!

 

「ゲン、テメェを喰らってやるよ!」

「やれるもんならやってみろよ!」

 

 するとゲンは燃え盛る巨大な拳を俺に向かって振り下ろしてきた。

 俺はそれを受け止めるために刀を構えたが、その瞬間に声が聞こえて来た。

 

「黒葉、伏せろ!」

 

 その声が聞こえて来たため、俺は慌ててその場に伏せると、ゲンの拳に高威力のレーザーが飛んで来て破壊してしまった。

 これは間違いなく魔理沙のマスタースパークだ。だけど、魔理沙はさっきまでゲンの分身体と戦っていたはずなのに、なんでこっちにマスタースパークを撃って来たんだ?

 そう思ってマスタースパークを辿って魔理沙の方を見てみると、なんと魔理沙の足元にゲンの分身体が転がっていた。

 気は失っていないようだが、足が消滅しており、うまく動けない状態になってしまっていた。すぐにそのダメージも炎で回復してしまうが、その隙を突いてこっちに援護射撃をして来たという事らしい。

 

「ま、魔理沙」

「なんだよその鳩が豆鉄砲でも食らったような顔は。私はお前を何回も妖怪から助けたし、霊夢と一緒に何度も異変を解決した事がある伝説のまりねぇだぞ? 分身体ごときに遅れをとるまりねぇじゃない!」

 

 そうだ、魔理沙は昔から強かった。心配する必要なんてなかったんだ。

 魔理沙の力なら本体よりも力が劣る分身体ごときには遅れをとるわけがない。

 それだけの力があれば俺と魔理沙が替われば本体にも勝てそうなものだが、多分魔理沙は俺の気持ちを汲んでくれているんだろう。そして俺のことを信じてくれている、俺がゲンを倒すって信じてくれているから俺に本体を任せてくれている。

 なら、その信用に答えないとな。

 

「ありがとう、まりねぇ」

「お、やっとまりねぇって呼んでくれた!」

「これっきりだけどな」

 

 ゲンは破壊された腕を炎を出して再生してしまった。

 俺はこの失った左腕を再生させることはできない。

 対照的で能力の性能に差がある俺たちだけど、一つだけ俺の方が(まさ)っている点がある。

 俺には俺のことを信じてくれる仲間がいる、俺には俺のことをまるで本当の家族のように大切にしてくれるみんながいる。それが俺をさらなるステージに連れて行ってくれる。

 

「許さん、許さんぞ! お前ら全員皆殺しにしてやる!」

「……」

 

 再び俺に拳を振り下ろしてくるゲン。だが、今度は魔理沙の方のゲンも完全復活を果たしてしまったため、援護は望めない。

 他のみんなもゲンの分身体を相手しているため、ここは俺が一人で乗り切らなければいけない。

 

「黒葉ぁぁぁぁぁぁ」

 

 その時、フランドールの声が聞こえて来た。その声はどうやら俺のことを心配してくれているようだった。

 大丈夫だよ。勝てなくても、負けることは絶対にないから。

 もう、大丈夫だ。

 

 ドゴン!

 その轟音が周囲に響き渡ったその瞬間、俺に向かって振り下ろされて来た拳がまるで破壊された鉄柵の槍のように破壊されて粉々になった。

 炎が周囲に飛び散ったものの、その小さな火はすぐに形を止めることが出来なくなって消滅したため、どこかに燃え移るということはなかった。

 

「な、なんだと!?」

「い、今の力、まるで妹様のような」

「こ、黒葉さま!?」

「フランの能力……」

「わ、私の能力を黒葉が」

 

 どうやら今俺は夢中で無意識にフランドールの能力、ありとあらゆるものを破壊する程度の能力を使用してしまったらしい。

 となると、さっき鉄柵を破壊したのも俺の力?

 でも、なんで俺がフランドールの能力を使えるんだ? そんな疑問が頭に浮かぶが、今はそんなことはどうでもいい。大事なのは俺がフランドールの力を使えて、この力を使えるということはみんなを守ることができる確率が上がったということだ。

 

「さて、ゲン。覚悟はいいか? 俺もさ、お人形遊びが好きだったんだよね。だから、すぐに壊れないでくれよ」

「わ、私の台詞取られた!」




 はい!第56話終了

 なんと黒葉がフランの能力を使用しました。

 今まで黒葉は白愛とフランの能力を使用しました。

 どういうことなのでしょうか?

 そして黒葉が宣言した十分まではあと五分です。

 それでは!

 さようなら
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