【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 魔理沙は黒葉を守り切ることができなかったことを悔しがっていた。

 そこでルーミアとフランが黒葉を助けに行くことを提案し、三人で共に黒葉を助けに行くこととなった。

 一方咲夜は月刃の足跡を辿りながら森の中を走り続け、ついに黒葉が落としたものと思われる刀を発見した。

 魔理沙たちは出発したばかりだが、咲夜はあともう少し。

 頑張れみんな、黒葉はもうすでに心が折れかけている!



 それではどうぞ!


第63話 加護という力

side黒葉

 

 もう時間の感覚がおかしくなってきた。

 外の様子も全く分からないし、前回月刃がこの部屋に来てからどれくらい経過したかと言う時間もわからない。体内時計はもうとっくの昔に壊れてしまっていた。

 あることと言えば手錠が手に食い込む痛みと膝に感じる床の熱だ。

 もうすでにずっと膝を付けていたら熱いと思うレベルの温度となっている。

 

 精神的におかしくなりそうだ。

 普通に拷問されるよりもこっちの方が俺にとってはきつく感じる。

 これならまだ太陽に当てられて殺された方がまだましのレベルだ。

 

 その時、またまたこの部屋の扉が開いた音がした。この足音も聞きなれた音で、いつも通りに俺の牢屋の前で足音が止まった。

 そうか、また一時間が経過したのか。

 月刃はまた同じ質問をしてくるのだろう。

 そして俺は再びそれを拒み、この床の温度をあげられてしまう。おそらく次上げられたら膝が焼かれてしまうほどの温度になることだろう。

 

 そんなことを考えていると予想外の声が聞こえて来た。

 

「ねぇ、あなたはそこから出たい?」

「っ」

 

 それは月刃の声ではない。男物の声でもない。

 少女の声だった。

 しかも師匠たちのような俺が聞いたことのあるような声ではない穏やかな声、心が落ち着いていくような、心にすっと入り込んでくるような澄んだ声が聞こえて来た。

 この人は俺が今まで会ったことのない人だ。

 

 敵なのか? それとも味方なのか? それすらも判断がつかない。

 

 そしてそんな風に考え込んで俺が返事をしないでいると少女は再び口を開いた。

 

「ねぇ、冬夏黒葉君。あなたはこの監獄から抜け出したいですか?」

「冬夏黒葉、君はそう呼んでくれるのか?」

「んー、それはあなたの態度次第。あなたが銀河の仲間になるっていうなら、あたしはあなたのことを銀河太陽って呼ぶし、あなたがここにいる人たちに逆らいたいというなら、あたしはあなたのことを冬夏黒葉って呼ぶ」

「……君は敵なのか? 味方なのか?」

「うーん……今は味方とでも言っておくかな」

 

 いくつか質問をしてみたが、この少女はどうにも俺の質問に対して答えをはっきりとさせていないところがある。

 つまり、この少女が言いたいのは俺の態度次第では敵にもなるし、味方にもなると言いたいのだろう。

 声のトーンからも悪人とも思えないし、調子が狂う相手だ。

 

 だが、敵にも味方にもなるということだから、受け答えには注意しなければいけない。

 そもそも、この少女は月刃側の人間なのか? 多分今これを聞いても適当にはぐらかされておしまいのような気がする。

 この少女が月刃側の人間なのだとしたらここで抜け出したいと言ったら大変なことになってしまうかもしれないが、もしもこの少女が月刃と敵対している側の人間なのだとしたらもしかしたら助けてもらえるかもしれない。

 

「まぁ、助けてって言ってもあなたを助けることなんてできないんだけどね」

「え?」

「だってあたし、そこの牢屋の鍵を持っていないもの」

 

 持ってないのかよ! 少し期待して損してしまった。

 

「でも、もしも、そこから出て逃げだすんだとしたら月刃に気を付けることはもちろんだけど、天魔っていう人には絶対に近づいちゃダメよ」

「天魔?」

「そう、あの人には誰も勝つことはできない」

 

 この少女は月刃よりも気を付けなければいけないという存在として天魔と言う人物を上げて来た。

 その天魔という人物がどれほど強い人なのかが分からないけど、月刃よりも気を付けなければいけない存在として上げたということはおそらく天魔は月刃よりも強いのだろう。

 多分、圧倒的に。

 

 しかし、ここまで話していて話的に今すぐに俺をどうにかしようとか、そういうことではないらしい。

 だけど、それならどうしてこの少女はここに来たんだろうか。何しにここに来たんだろうか。

 考え込んでいると再び少女が口を開いた。

 

「ねぇ、加護って知ってる?」

「加護?」

「そう、ごくわずか、一部の人のみに発現するオリジナルアビリティー。加護は時に能力の限界を超えた力を発揮することがある。加護持ちの相手には気を付けて」

「あ、あぁ、忠告ありがとう」

 

 加護……そういえば月刃もそんなことを言っていたな。加護がどうのって。

 確かゲンも加護っていうやつを持っているって月刃が言っていたような気がする。そして月刃はそんなゲンを容易く倒すことが出来るというようなことも言っていた。

 つまり、月刃も加護を持っている可能性があるっていうことか。

 

「じゃあ、またね」

「……もう行くのか?」

「うん、もう少しで月刃が来るから。本当はこっちに来るなって言われてたからね」

「そうか」

 

 それだけ言うと少女はこの部屋から立ち去って行った。

 本当に少女の目的が何だったのかは分からないが、久しぶりに月刃以外の人物と話をしたような気がしてさっきまで俺かけていた心が少し復活したような気がする。

 あの少女の優しい声色、あれが心の傷をすっと癒してくれたような気がした。

 これならあともう少し頑張ることが出来そうな気がする。

 

 その数分後、再びこの部屋の扉が開かれた。

 今度入ってきたのは正真正銘、銀河月刃だった。

 すると月刃は入ってくると開口一番、単刀直入に俺に問いかけて来た。

 

「お前、天音と何か話したか?」

「天音?」

 

 天音と言うのはおそらくさっきの少女の事なのだろう。それくらいは何となく察した。

 だが、今ここで月刃にそのことを話すのは間違っているような気がしたから知らないふりをすることにした。

 

「いや、知らないならそれでいい。で、だ。そろそろ俺たちの仲間になる気になったか?」

「それは何度も断っているだろ?」

「まぁ、断るならそれでいいけど、苦しむのはお前だぞ」

 

 月刃がそういうと俺の膝が付いている床の温度がまた上昇してしまった。

 ついに本格的に膝が焼けるような熱さとなってきたが、それを感じた瞬間に俺は能力を発動させた。どうやら俺は能力を発動している間は熱さにある程度耐えることができるようになるらしい。

 膝に能力を一点集中させてなるべく熱さを感じないようにする。これならばしばらくは耐えることが出来そうだが、霊力を使い果たしたその時が完全に終わりだろう。

 

「おーうまいもんだな。だが、それがいつまで持つかな。お前はさっきゲンとの戦いで消耗しているはずだ。あれから数時間が経過したとはいえ、まだ体力も完全には回復していないだろう? 大人しく諦めた方が身のためだと思うけど?」

「悪いね。俺は仲間になるっていう言葉を話せなくなったのさ」

「ふーん。まぁ、俺は困んないけどな。だけど、可愛そうだな。言えなくなったということは焼かれて死ぬしかないというわけか。あ~かわいそうに」

 

 特にかわいそうとは思っていないような声だ。

 確かにこのままだと俺は焼け死ぬことになってしまうだろう。だが、吸血鬼となった俺がそう簡単に死ぬとは思えないから、しばらく猶予がある。

 それまでにここから抜け出す方法を探さないと。

 

 そうして月刃はこの部屋から出て行った。

 その直後、入れ替わりで誰かがこの部屋に駆け込んできた。

 霊力を探ってみると、俺は驚愕のあまり、タオルの中で目を見開いてしまった。

 まさかこんなところまで来るとは思ってもいなかった。

 

「黒葉、助けに来たわ!」

「し、師匠!」

 

 月刃と入れ替わりでこの部屋に入ってきたのはほかでもない、俺の師匠である十六夜咲夜だった。




 はい!第63話終了

 ようやく進展しそうですね。

 咲夜は時を止めることができる分、4時間ほどでこの場所へとたどり着くことができました。

 まぁ、月刃は超スピードと時止めで10秒くらいでここへとたどり着くことはできるんですけどね。

 実際は走ってこようとしたらめちゃくちゃ遠い場所なんですよね。この二人がものすごく移動早い系の力を持っているためにこの程度の時間で到着することができました。

 そして天音と言う少女の存在。彼女は一体何者なのか?

 視点である黒葉の眼がふさがれているため、風景に関する情報が牢屋と言うこと以外、今回は何もありませんでしたね。

 それでは!

 さようなら
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