【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 未だに身動きが取れない状態の黒葉。そんな黒葉の前に一人の少女がやってきた。

 少女の声はとても穏やかで黒葉が心を落ち着かせるには十分すぎるほどだった。

 そんな少女は個々から逃げ出すなら天魔に気を付けろと忠告し、ある力の存在を明らかにした。

 それは加護。加護は時に能力の限界を超えた力を発揮することもあるため、能力以上に気を付けなければいけないもののようだ。

 それだけを告げて少女は黒葉の前を後にした。

 そしてついに黒葉の牢屋前に咲夜がたどり着いた。



 それではどうぞ!


第64話 ステルスミッション

side三人称

 

 咲夜が黒葉を見つける数十分前、咲夜はようやく黒葉が連れ去られた施設にたどり着いた。

 

「はぁ、結構遠かったわね。ちょうど地面がぬかるんでいて助かったわ。足跡も残ってた」

 

 ここまでくる間にはずっと足跡が続いており、それを辿って咲夜はここまでたどり着いた。

 本来、時を止めた場合は自分以外の全ての時が止まり、足跡なんて残っていないはずなのだが、月刃は時を止める能力に慣れていなくて咲夜よりも圧倒的に短い時間、そして長いクールタイムをはさまなければ再度発動することができないのだ。

 いくら月刃の移動速度が異常に速いとはいえ、これがあるから月刃は足跡を残すしかなかったのだ。

 

 そのおかげで咲夜は後を追うことができた。

 

「お願い、無事でいてっ!」

 

 咲夜はお守りの懐中時計を握りしめ、祈りつつ施設の内部へと侵入していく。

 施設の内部は薄暗く、石造りと言うのもあってか圧迫感のある施設となっている。そしてところどころにコケが生えていることからこの施設が本格的に使われていたのはかなり昔の事だということを察することができる。

 ここには月刃やその仲間がいるかもしれない。そう考えていつでも戦えるように咲夜はナイフを構え、周囲の様子を警戒しつつ奥へ奥へと進んでいく。

 

「牢屋があるわね。しかも、なんかすごい異臭。早く黒葉を見つけ出して帰らないとっ」

 

 途中、ところどころには牢屋が存在しており、その牢屋内部からものすごい異臭が漂ってきていた。

 しかもそれだけではなく、薄暗くて気味が悪いことから咲夜は牢屋の中をよく調べようとはしていなかったが、牢屋の中には何の生き物のものかもわからない骨が散らばっていた。

 確実にこの施設は昔、なにかヤバいことに使われていた、そのことはこの情報だけでも簡単に理解することができ、咲夜はより一層早く黒葉を連れ戻さなければいけないと考え、歩く速度を速めた。

 しかし、敵に気づかれるわけにもいかないため、咲夜は足に霊力を纏わせて足音をならないようにして歩いてゆく。

 

 奥へ進むと何やら足音のようなものが聞こえてきたため、咲夜は足を止めて周囲の警戒をする。

 このフロアは比較的今までの場所よりもきれいになっており、どうやら手入れがされているというのが伺えるため、咲夜はここからは人がいるということを確信して時を止めて周囲の確認をする。

 同じく時を止められる月刃が相手だったら時を止めても気が付かれてしまうのだが、他の人相手だったら有効で全く気が付かれることが無い。

 そして咲夜が時を止めて曲がり角をのぞき込んで様子をうかがったところ、咲夜は驚愕のあまり能力を解除してしまいそうになったものの、堪えて目を見開いて驚いた。

 

「な、なにこの大男。軽く3メートルは超えているわよ」

 

 この施設の天井は無駄に高いつくりとなっている。そのため、2メートルもの身長があったとしても全く天井に手が付くことすらないのだが、この大男はあと頭一つ分だけで天井に頭がついてしまいそうなほどの巨体だった。

 服は前開きとなっており、その下にはシャツも何も着ていないようで、腹筋なども見えるのだが、その体には無数の傷があり、歴戦の戦士のような風貌となっていた。

 腕の筋肉の太さだけで咲夜のウエストと同じ大きさはありそうだった。

 あの腕に掴まれてしまったら自分の体なんて簡単にへし折られてしまいそう、咲夜はそう考えて一歩二歩と後ずさる。

 

 本当だったら時を止めて動けなくなっている相手なんて敵ではないと考える咲夜だが、なぜだかこの大男には時を止める力をもってしても勝てる気はあまりしないというのが本音だ。

 

「は、早くいかないと」

 

 そこで本来の目的を思い出し、咲夜は急いで黒葉の元へと向かっていく。

 ある程度進むとようやく黒葉の霊力を感じ取ることができるようになった。この施設はどうやら霊力を遮断する素材で造られているようで、この施設に近づいても内部の霊力などを感じ取ることは全くできなかった。

 だが、霊力を感じ取れた咲夜は急いで黒葉のいる部屋へと走っていくと、突如として黒葉のいる部屋から一人の女の子が出てきたのが見えた。

 

 ツインテールの清楚系の女の子で花柄の和服を身にまとっていた。霊力はあまり強くないように感じるが、一応この施設にいるということで咲夜は物陰に隠れて様子をうかがい、女の子がその場から立ち去るのを待つ。

 すると、そこにちょうど月刃もやってきて女の子の正面に立った。

 

「おい天音、今そこの部屋から出てこなかったか?」

「別に。あたしはちょっと散歩していただけよ。お兄ちゃんの言いつけ通りにあの部屋には入ってないわ」

「どうだかな。最近のお前の態度を見たらどうにも反逆しようとしているように見えて仕方がない」

「反逆なんて物騒だねお兄ちゃん。あたしがお兄ちゃんとお父さんに勝てると思う? 第一、あたしは妖怪にすらまともに勝てないのよ? それなのに逆らって」

「それもそうだな。お前が反逆しようとしたら親父には一秒足らずで殺されるな」

 

(天音っていうのは多分あの女の子の名前よね。それにお兄ちゃんっていうことはもしかして月刃の妹っていうこと? となると黒葉にはまだ姉か妹が居たっていうことなのね」

 

 敵の存在をいち早く知ることができたというのは咲夜にとってはものすごく良いことだったが、どうにもすぐそばに月刃が居て、さらにはこの施設に二人が認めるほどの強い敵が存在しているということが分かり、咲夜はげんなりしてしまう。

 その強い敵と言うのはさっき見かけた大男の事なのだろうが、あれは本当に咲夜でも倒せる気がしなかったほどだ。

 霊夢ほどの力があればあるいはと言う感じだが、現状勝機が見えないというのは確かだった。

 

「とにかくあたしはあの部屋には入ってないよ、安心して」

「腑に落ちないがまぁいい。疑わしいだけだ。妹だから今回は見逃してやるよ」

「やったーっ、お兄ちゃんやっさしいー」

「うるせぇ。さっさと帰れクソガキ」

 

 その会話を最後に天音ちゃんはその場を後にし、月刃は黒葉のいる部屋の中へと入っていった。

 そこでようやく咲夜も動き出し、部屋の前まで移動してくると、扉に耳を当てて内部の様子を聞くとそこでようやく咲夜は黒葉が今一体どんな状況に立たされているのかを知り、怒りがどんどんと込み上げてくるのを感じた。

 今すぐにでもこの部屋に突撃して月刃をぶっ飛ばして黒葉を助けたい、咲夜はそう思ったがつい先ほど月刃に敗北したことを思い出して踏みとどまった。

 今この状況で考えもなしに突撃しても牢屋の中の人数が増えるだけだ。今は大人しく月刃がこの場から去るのを待った方がいい、そう考えたのだ。

 

 少し待つとようやく月刃が部屋から出て来たので、咲夜は月刃が見えなくなるのを待ってから入れ替わりで黒葉のいる部屋へと突撃した。

 

「黒葉、助けに来たわ!」

「し、師匠!」

 

 こうして咲夜は黒葉の元へとたどり着いた。




 はい!第64話終了

 今回は咲夜が黒葉の元へとたどり着くまでの話を書きました。

 ちなみにこの施設にいるキャラは天音以外全員ゲンよりも強く、その中でもあの大男はレベルが違います。

 果たして咲夜は無事に黒葉を連れ帰ることができるのでしょうか?

 それでは!

 さようなら
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