【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 黒葉が天魔の一撃により、重傷を負って記憶喪失になってしまった。

 そんな黒葉はなんと、鈴仙の事を姉と呼んだのだ。

 理由としてはいたって単純で、鈴仙と黒葉の姉である白愛の容姿が酷似していたためである。

 全員黒葉に自己紹介をしたところで永琳は状況を把握するために黒葉を鈴仙に任せてほかの三人を連れて部屋を出て行った。

 そしてそんな永遠亭に忍び寄る不吉な影。

 これからどうなってしまうのか?



 それではどうぞ!


第72話 咲夜がいない日

side三人称

 

 黒葉達が大変なことになっているころ、紅魔館ではいなくなった咲夜の代わりにパチュリーが料理を作っていた。

 今、この紅魔館にはレミリアとパチュリーの他には妖精メイドと美鈴が居るものの、美鈴には門番としての仕事が、そして妖精メイドは確かに料理担当もいるので、出来る事には出来るが妖精という種族は基本的にあまり頭が良くないため、放置していると何をしでかすか分からないのでパチュリーが咲夜の代わりを務めていた。

 だが、彼女は基本的に図書館から全く動かない生活をしていたせいで体力が皆無と言っても過言ではないほどだった。

 そのため、体力切れを引き起こすのは必然だった。

 

「む、むきゅー……確かに咲夜は働き者で仕事量も多いんだろうなとは思っていたけど、この量はさすがに多過ぎよ。よく咲夜は倒れないわね」

 

 咲夜がメイド長に就任するまでは別の担当者が居て、今は高齢のため、退職をしてしまったが、そのころはこんなにメイド長としての仕事は多くはなかった。

 確かに一般メイドよりは多かったかもしれないが、ここまでではなかった。

 ただ単に咲夜がレミリアに恩を返すためにとものすごく頑張りすぎた結果、今の仕事量となってしまっている。

 

「はぁはぁ、死ぬわよ。いつか」

 

 仕事量が多く、息切れをして椅子に倒れてながら愚痴をこぼすパチュリーだったが、それでもやめようという気にはならなかった。

 いつも咲夜にはお世話になっているというのもあるし、咲夜たちが大変な思いをしている今、自分だけがさぼるわけにはいかないという気持ちもあるからである。

 

「パチェ」

「っ、レミィどうしたの? 寝て居なさいと言ったはずだけど」

「でもちょっとは動けるくらいまで回復したから様子を見に来たのよ」

「はぁ、吸血鬼って便利な体ね」

 

 レミリアはがっつりと胸を貫かれたのだ。

 辛うじて急所は外れていたものの、それでもかなりのダメージだったはずなのだが、一日程度で歩けるほどにまで回復するとはとんでもない回復力だと少しパチュリーはうらやましくなってしまった。

 パチュリーも使おうと思ったら回復魔法を使えるものの、回復魔法は苦手なものだから自分にかけることができないため、自身を回復することはできないから傷の回復力は人間よりは少し早いくらいだ。

 

「それよりも結構大変みたいね」

「そうね、いつも咲夜がこの量の仕事をこなしていたと考えるとゾッとするわ。まぁ、私の体力が少ないというのもあるのでしょうけど」

「そうねぇ、帰ってきたら長期休みを与えようかしら」

「その方がいいわよ。一応咲夜は普通の人間なんだし、このままだったら過労死するわよ」

「ははは、紅魔館がブラック企業だったなんて笑い話にもならないしね」

 

 パチュリーとレミリアは主従関係ではない。パチュリーはレミリアに住まわせてもらっている親友である。

 そのため、他の人たちとは違って二人の間だけのフランクな会話が弾む。

 

「そういえばレミィ、皆はいつごろ帰ってきそう?」

「うーん、まだ妖力が完全には回復していないからあれなんだけど、これからみんな大変な戦いに巻き込まれるみたいね。私の体力が万全じゃないのが悔やまれるわ」

「そう、みんな無事に帰ってくるといいわね」

「あ、それと美鈴に伝えておいてほしいことがあるのだけど」

「なに?」

「一週間後、気を付けてね。多分そのころはまだ咲夜たちは帰ってきていないでしょうけど、招かれざる客が来る可能性があるわ」

「わかったわ。伝えておく」

「よろしくね。じゃあ、私はもう部屋に戻るわ」

「えぇ、そうして頂戴。あまり無理はしないように」

「わかってるわ。それじゃあね」

 

 レミリアが部屋の方へと歩いていくのをパチュリーは見送ると早速作業を中断し、美鈴の居る門へと向かった。

 すると案の定美鈴は寝ていたため、咲夜のナイフの代わりにパチュリーの魔法であぶられたとさ。

 


 

side三人称

 

 場面は戻って咲夜たちは永琳に案内されて診察室へと通された。

 永琳は三人分の椅子を用意すると、いつも自分が座っている椅子に座り三人を座るように促した。

 そして三人がゆっくりと椅子に腰を下ろしたことを確認すると永琳は単刀直入に効いた。

 

「で、なにがあったの?」

「実はとても強い敵と戦ったのだけど、黒葉が負けてしまって」

「なるほど、それでこっちまでぶっ飛ばされたと……その戦った相手は相当な化け物のようね」

「そうね。対峙した瞬間、私は一歩も動けなくなってしまったわ。なんとか私たちは逃げてこられたけど、魔理沙が今も尚、私たちのために戦ってくれているわ」

 

 咲夜は簡単に現在の状況を説明した。今の状況を説明するのには連れ攫われたとか脱出したとかそんなのは必要ない情報だ。

 今一番大事な情報はものすごく強い敵と戦って負けたことが原因で黒葉が記憶喪失になってしまったという流れだ。

 

 永琳はそんな咲夜の話を聞きつつ、ペンを走らせ、メモを取っていく。

 冷静に聞いているつもりだが、永琳は少し驚いていてペンが震えていた。

 なぜなら永琳は咲夜の実力は何となく知っているし、咲夜が強い相手と対峙した程度で動けなくなるほどのタマじゃないということはよく知っているのだが、そんな咲夜が対峙した瞬間に動けなくなってしまうほどの強敵とはどれほど強い敵なのだろうかと、この永遠亭の事を心配していた。

 

 そこで永琳はあることに気が付いた。

 

「ねぇ、戦った場所からここまで地面を抉りながら飛んできたということは道しるべがあるのと一緒じゃない? そいつ、ここに来ることはないかしら」

「え、あ」

 

 そこで咲夜も気が付いた。

 さっきまで咲夜は黒葉の事で頭がいっぱいになっていたため、気が付かなかったが、この抉れている地面を辿ってここにたどり着いたのはほかでもない、咲夜たちなのだ。

 それなのに、それを咲夜たちだけしかできないとも限らない。

 もし万が一、魔理沙が敗北してしまって追いかけて来たとしたらここまで来てしまう可能性がある。ここは今、幻想郷中で一番危険な場所となってしまっていたのだ。

 

「まずいわね。そこまで強いとなると私も勝てるかしら」

「で、でもここには強い人がいっぱいいるんだよね! いっぱい強い霊力とか妖力を近くから感じるよ」

「そうね、フランの言う通り。でも咲夜が動けなくなるほどの強敵となったら通用するかどうか」

 

 フランの言う通りここには強い人、妖怪がそろっている。だけど、天魔に通用するかと言ったら話が別なのだ。

 

「霊夢が居てくれたら……」

「霊夢? 確かに霊夢は強いけど、それでも咲夜が動けないほどとなったら……」

「前見たことがあるんだよ! とっても霊夢は強い。私たちが苦戦していたゲンを少し本気を出しただけであっさりと倒してしまったのだ!」

 

 ルーミアの説明には力がこもっていてとても説得力のあるものだったが、もともと心配性である永琳にとってはその説明を聞いても尚、心配がぬぐい切れることはなかった。

 大事になればおのずと霊夢は動き出すだろうが、その前に天魔が今ここに来てしまったら、この永遠亭が破壊されてしまうだろう。

 

 その時、ゆっくりとこっちへ近づいてくる霊力を感じた咲夜と永琳はいっせいに霊力の感じる方へと視線を向けた。

 

「咲夜」

「えぇ、この霊力は敵の仲間よ。気を付けて」

 

 感じる霊力は咲夜が施設内で感じた一人の霊力と全く同じもので、そして不気味な雰囲気を纏っている。

 しかも、一般人よりは霊力を濃く感じるということはそこそこ実力があるということに他ならない。

 戦うとしたら正面から戦えば圧勝できてしまうほどの霊力量だが、それでも警戒を怠ってはいけない。なにせ、どんな能力を持っているか分からないから。

 

「およ、もう気づいてたんだ。さすが樹海持ちだね、これでも隠ぺいしてたんだよ?」

「その程度の隠ぺいで隠れられると思ったの?」

「そんなこと思うわけないじゃん。あたしの力なんてたかが知れてるんだからさ」

 

 そういって四人の目の前に姿を現したのは銀河天音という少女だった。




 はい!第72話終了

 実は今、咲夜が紅魔館を留守にしている間、パチュリーが咲夜の仕事の代わりをやっていたんですね。

 ただ、パチュリーは体力の限界があるため、体力の限界が来たら美鈴とポジションを変わったりと何とかやっているようですよ。

 そして咲夜たちの目の前に天音が突如現れました。果たして、彼女の目的は如何に?

 それでは!

 さようなら
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