【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 咲夜、ルーミア、フラン、永琳の四人の前に現れたのは月刃や天魔が居た施設に居た少女、天音。

 四人は天音を警戒するものの、彼女と対話していくうちにどんどんと警戒心を解いていってしまう。

 そこで鈴仙は天音に攻撃したことによって四人の警戒心は元に戻った。どうやら天音の能力によって警戒心を解かれて行っていたようだ。

 咲夜と永琳は去ろうとする天音にナイフと弓矢で攻撃するものの、その攻撃は直撃する前に勢いを落として直撃することなく終わってしまった。



 それではどうぞ!


第74話 黒葉の記憶を取り戻す方法

side三人称

 

「とりあえず、今のこの状況をどうするかよね」

 

 未だに鈴仙にくっついている黒葉に目をやりながらそう発現する永琳。

 さすがにこの状況が長いこと続くのはまずいということは誰の目から見ても明らかな状況だった。そのため、この状況を何とかするためには黒葉の記憶を元に戻したいのだが、その黒葉の記憶を元に戻す方法が思い浮かばないのである。

 

「うーん、もう一度黒葉に強い衝撃を与えてみるっていうのはどう?」

「えへ、えへへへ、強い衝撃、強い衝撃かぁ。それなら簡単だね」

「お、落ち着いて鈴仙! あと、フランさんも変なことを言わないで頂戴」

 

 この全く動かない状況にやきもきしたのかフランはそんな提案をすると鈴仙はこの状況がそろそろ限界だったようで、目をぐるぐると回しながら手を振り上げたので永琳が焦って鈴仙の手首をつかんで止めた。

 だけど、本当にフランはこの案がいい案だと思っていたようだ。

 強い衝撃を食らって記憶を失ってしまったのならもう一度強い衝撃を加えれば記憶が元に戻るんじゃないかと言うことなのだが、おそらく今この状況でそんなことをしたらさらに記憶が無くなってしまう可能性があるということに永琳と咲夜は気が付いていた。

 

 その時、一人の人物がこの永遠亭を訪れた。

 

「おーっす、なんか竹林がものすごいことになってるんだが、どうし––あー、わり、邪魔した」

「逃がさないわよ妹紅」

「げっ、輝夜」

 

 やってきた人物は藤原妹紅。

 以前、ゲンが人里を襲撃した際に黒葉と霊夢と共闘し、ゲンの撃退に貢献した人物で、妹紅はもちろんその時のことは覚えていて来たらすぐに黒葉や咲夜たちがいることに気が付いて声をかけようという考えが頭をよぎったものの、それ以上に外がとんでもないことになっているうえに鈴仙にぴったりとくっついて離れない黒葉、咲夜たちと永琳が何かを話し合っている状況を見て何か面倒なことが起きていると察した彼女は巻き込まれないようにすぐに踵を返してこの場を去ろうとしたものの、背後から伸びて来た手によってそれは阻止されてしまった。

 

 手を伸ばした人物の名前は蓬莱山輝夜。

 妹紅とは昔から殺し合いを続けている人物であり、彼女と妹紅はハブとマングースの様に天敵の間柄なのだ。

 そのため、妹紅がやってきたときに彼女の霊力を感じ取った輝夜は慌てて自身の部屋から飛び出してきて妹紅を止めたのだ。

 

「姫、今までどこに居らっしゃったのですか?」

「……部屋でゲームしてたわ」

「永遠亭がこの惨状なのに?」

「うるさいわね! そうよ、悪い!? 私は別にこの程度の爆発直撃しても死なないし、それに河童の作ったゲームが面白過ぎるのが悪いのよ! 説教するなら河童にしなさいよ!」

 

 見事なまでに綺麗な逆切れだった。

 これには記憶をなくし、8歳児となってしまった黒葉も悪い大人だと判定して輝夜に字と目を向けてしまった。

 

「ははは、お前、圧倒的に年下の男の子にまで悪い大人だって思われてんぞ」

「妹紅、あんた喧嘩売ってるの? なら買うわよ、その喧嘩! もう二度と私にそんな口をきけないくらいにぼこぼこにして殺してあげる!」

「殺したらそりゃ口きけないよな。でもいいぜ、やろうか」

 

 そして妹紅が振り返って二人同時に拳を突き出し、殴り合おうとしたその瞬間、二人の間に目にもとまらぬ速さで永琳が飛び込んできて二人の拳を受け止めた。

 

「う、動かない」

「え、えーと、永琳?」

「……遊ぶなら他所でやってもらえる? 今、ここでは大事なお話をしているのよ」

 

 ガチギレモードの永琳に妹紅と輝夜の二人は震えが止まらなくなってしまっていた。

 この二人は不死身なのだが、不死身でも死の危険を感じるほどの圧を永琳は放っているため、この二人が不死身ではないとしたらショック死してしまうかもしれないというほどの圧だった。

 そして永琳が二人の拳を離して圧をかけるのを辞めるとさっきまでの恐怖からか二人は力が抜けたようにその場に尻餅をついてしまった。

 

「さて、話の続きをしましょう」

「そ、そうね。今はどうやって黒葉の記憶を取り戻すかっていう話だったわね」

「そう、で、そこでうちの馬鹿が暴走しちゃったのよね」

「だって、だってだって! しょうがないじゃないですか! 私にはこの子のお姉さん役なんて務まりませんよ!」

 

 永琳と咲夜の会話に対して鈴仙が涙目で言葉を漏らした。

 永琳も鈴仙は大切な助手であるからして、何とかしてあげたいのは確かなのだが、あいにくとその方法がなかなか思いつかないでいた。

 その時、咲夜と永琳はこの場所にもう一人、新たな人物が近づいてきているのに気づき、その人物が来ている方向へと視線を向け、咲夜はナイフに手を伸ばして警戒の体勢に入るが、永琳はそんな咲夜の肩に手を置いて大丈夫だという意思を示した。

 それによって永琳の意思をくみ取った咲夜はナイフから手を放してただじっとその人物が来ている方へと目を向ける。

 

「話は聞いたよ。その子の記憶を取り戻したいんだって? なら話は簡単じゃないか」

「どういうこと、てゐ」

「記憶喪失を元に戻す定番の手段でしょ? 思い出の地巡りってのはさ」

 

 そういいながら咲夜たちの目の前に姿を現したのは鈴仙と同じようにうさ耳を生やしてピンク色を基調とした服を着用している少女だった。

 それを見て咲夜は今度こそ完全に警戒を解き、脱力してしまった。

 ここに来るまでに何匹ものウサギの妖怪を見てきた。そして彼女はその中の一匹だったのだ。

 つまり、別に彼女たちは敵ではない。もとからこの竹林に住み着いている、もしくはこの永遠亭で働いている妖怪の助手なのだ。

 

「あ、紹介しますね。彼女は因幡てゐ。いたずら好きの妖怪なのですが、珍しいわね。あなたがこういった場所に顔を出すなんて。面倒くさいのが嫌だから気配を感じ取って近づかないようにしているんじゃなかったの?」

「いや、まぁ、そいつには借りがあるし」

 

 そういっててゐがちらっと視線を向けたのは、今現在、記憶喪失真っただ中で鈴仙に抱き着いている冬夏黒葉だった。

 そのことに少し咲夜は目を見開いて驚くとともに非常に感心していた。

 咲夜の知っている黒葉といえば妖怪を死ぬほど恨んで嫌っていて、紅魔館に来た当初は隙あらば妖怪の仲間だからという理由で人間である自分にでさえ攻撃してこようとしていた子だ。

 そんな子が見た目完全に妖怪である彼女に貸しを作ったというのが少し信じられなかった。

 

「前さ、私が遠くの人里に薬を届けに行ったときに森で道に迷ったって話はしたよね?」

「そうね、あの時は大変だったらしいわね」

「その時にさ、森の出口まで案内してくれたのがそこの少年ってわけさ。だから私はその子に借りがある」

「へぇ」

 

 咲夜は黒葉の優しさをものすごく知っている。

 妖怪に対しては最初こそ嫌悪しているような様子を見せるものの、最終的には助けようとしてくれる。自分が助けようとしている対象よりも弱いということを知っていたとしても、強大な相手に勝てないとしても立ち向かうということを知っている。

 昔からその性格は変わっていなかったということを知って少し咲夜は嬉しくなってほほ笑みながら黒葉を見る。

 

「でも、なるほど、私としたことがその案を忘れていたわ。咲夜、黒葉君の思い出の地って知ってる?」

「あんまり詳しくは知らないわ。だって私もお嬢様に少し伝えられたくらいなものだもの。だけど、もしかしたら黒葉の故郷の人里、あそこに行けば何か変わるかもしれない」

「なるほどね、その人里の場所は?」

「問題ないわ。何度か行ったことがある」

「さすがは完ぺきなメイドね」

 

 ようやく黒葉の記憶を戻す算段が付いた。そのことに鈴仙はホッと胸をなでおろして安堵する。

 やっと自分はこの重役から解放されるんだと考えたものの、永琳に次に放たれた一言を聞いて鈴仙は絶望してしまった。

 

「じゃあ、鈴仙も一緒について行ってあげて」

「――え?」




 はい!第74話終了

 やっと黒葉の記憶を取り戻す方法を思いついたのですが、その旅に鈴仙も同行させます。

 ここからが二章に入ってからずっと書きたかった黒葉の故郷編に入ります。

 ちなみにこの故郷編入ってからは一章と同等かそれ以上の長さになるのではないかと思っているのですが、どうなるのでしょうか?

 二章も新キャラ盛りだくさんで行きますよ。

 黒葉の故郷なんてプロローグで軽く書いただけで登場人物なんて居ていないようなものでしたからね。

 それでは!

 さようなら
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