【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 黒葉の記憶を取り戻す方法を模索する面々。

 しかし、なかなかいい案が思い浮かばなかった。

 そこへてゐがやってきてとある提案をした。

 思い出の地巡りをするということだ。

 やっと黒葉から解放されると思った鈴仙だったものの、永琳は鈴仙についていくようにと指示をした。



 それではどうぞ!


第75話 鈴仙・優曇華院・イナバの憂鬱

side三人称

 

「―え?」

 

 永琳の言葉に対して鈴仙は素っ頓狂な声を上げてしまった。

 目は真ん丸に見開き、状況を理解できていないとでも言いたげな、いや、実際にそう訴えかけるような表情を浮かべていた。

 

「えっと……お師匠様。聞き間違いですか? 聞き間違いじゃなければ私もついていくようにおっしゃられたように思いますが」

「えぇ、そう言ったのだけど」

「ぁぁ――」

 

 鈴仙は永琳の告白にショックのあまり声にならない声を、女の子が出してはいけない掠れたような声を喉から出してしまった。

 白目をむいて口から魂が抜けて行っているように見えることから、本当にショックを受けているんだということが一目でわかる様子を見て咲夜も少し気の毒になるものの、さすがにこのメンツで行くとして自分だけでみんなをまとめ上げるのは非常にきついとは思っていたから鈴仙にはついてきてほしいと思っていたので、助けることはしない。

 

「鈴仙は今は黒葉君に姉の白愛さんだと思われている。だから鈴仙が付いていくと、黒葉君も言うことを聞いてくれやすくなると思うの。だから鈴仙は重要よ」

「えっと……あまり鈴仙さんのハードルを上げない方がいいんじゃないかな?」

 

 さすがにこの状況を見て気の毒に思ったのか、ルーミアがそう発言をした。

 確かに永琳がハードルを上げた瞬間、鈴仙はさらに地面に崩れ落ちてしまい、今では完全に地べたに倒れこんでしまっている。

 その眼には涙が浮かび上がっており、この世の終わりレベルで絶望していた。

 

「わ、私あまり子供の扱いに慣れていないんですけど」

「大丈夫よ」

「何が大丈夫なんですか! 根拠のない励ましはやめてくださいよ!」

 

 あぁぁぁぁぁぁと悲痛な叫び声をあげる鈴仙。

 その様子を見てルーミアとフランはさすがに苦笑いを浮かべることしかできなかった。

 

「わかりました。わかりましたよ! 行けばいいんですよね、行けば!」

 

 鈴仙はもうやけくそだった。

 

「それじゃあ、鈴仙を加えた5人で黒葉の故郷に行って記憶を取り戻してくればいいのかしら」

「そうね。記憶を取り戻せることを祈っているわ。でも一つ気を付けてね。黒葉君をぶっ飛ばしたやつはただものじゃないわ」

「わかってるわ。だって私たちは目の前でその力を見ましたし」

 

 多分黒葉を一撃で倒せなかったことを知っていたからこそ天音を送り込んできたのだから黒葉のことを捜索している可能性はある。

 天音も天音で戦闘能力は未知数だが、精神を一度乗っ取られかけた経験があるから咲夜は気を引き締める。

 今の状態の黒葉はおそらく自衛はあまりできないだろうから、何かがあったら自分が守らなければいけない。

 黒葉を連れて帰ることができなければレミリアに合わせる顔がない。絶対に自分は完ぺきなメイドでなければいけないのだから。

 

 一度敗北したというのも忘れてはいない。でも――

 

「でも、もう負けませんから」

「そう、まぁ、あなたなら心配はしていないわ。それだけの力があればたいていの奴には勝てるでしょうから」

「……そうね、次は油断はしないわ」

 

 永琳は少し咲夜と会話しただけだが、咲夜から放たれているオーラとでも呼ぶべきか……そんな霊力を感じ取って咲夜の力量を把握していた。

 咲夜の力量は並大抵の奴に負けるような力量じゃない。手加減をしても持て余すほどの実力がある。

 でも、負けたのだ。咲夜は月葉に負けたのだ。

 

「じゃあ、さっそく行くことにするわ。黒葉の怪我とかももう大丈夫よね?」

「まぁ、そんなに無理しない程度なら大丈夫よ。私の薬で一気に回復させたからね。でも、そのおかげで体力はかなり奪われてしまっているから無理だけはしないように」

「わかったわ。いろいろとありがとう」

 

 それだけを言って咲夜は黒葉、ルーミア、フラン、鈴仙の4人と共に永遠亭を後にした。

 鈴仙は最後の最後まで辛そうにしていたけども、永琳の圧に負けてしまっておとなしく咲夜についていくのだった。

 


 

「あーあ、失敗しちゃった」

 

 場所は変わり、施設内にて天音はそんな言葉をつぶやきながら歩いていた。

 つい先ほど、永遠亭に行ったが、すぐに追い返されてしまったため、やることがなくなってしまって散歩がてら歩いていたのだ。

 

「おい天音。あいつらはどうしたんだ?」

「お兄ちゃん」

 

 天音が曲がり角を曲がった瞬間、その先で待っていた人物に声をかけられた。

 その人物は黒葉と天音の兄である銀河月刃だった。

 天音もここに月刃がいるということは事前に気が付いていたため、そんなに驚きはしなかったが、その表情から怒っているということは伝わってきたため、少し天音は表情を引き締める。

 

「あー、あの人たちはね、探しに行ったんだけどいなかったよ。本当に逃げ足が速い奴らだね」

「それ、嘘だろ」

 

 黒葉たちがいなかったと嘘をついたところ、一瞬で嘘を見破られてしまった。

 幼いころからともに過ごしている兄妹だからこそ、一瞬で嘘だということを見抜くことができるのだ。

 それと天音が嘘をつくのが下手だというのもある。

 

「お前、人の感情には敏感だが、自分の感情を隠すのは下手だよな」

「まぁ、あたしの場合、ごまかせるしね」

「で、どうして嘘をついた。理由によってはお前をここで始末しなければいけない」

 

 ここで見せた月刃の表情は今まで通りに怒っているという表情なのだが、それ以外にも本気で家族であろうが殺してしまいそうなほど危うい表情をしていたため、天音も少し怖気ついてしまうが、ここで引いてしまったら天音も自分の目的が果たせなくなってしまうため、天音はせっかく始めた嘘なんだから最後までやり通すことにした。

 

「まぁ、想像以上にあの人たちが強かったっていうのがあるね。武器を向けられた時の圧はすごかった」

「確かにあいつらの実力は高いようだ。まぁ、俺には敵わないけどな」

 

 それだけ聞くと月刃は満足したようで、どこかへ行ってしまった。

 どんな説明をすれば月刃が満足するか、それを理解し、その通りの回答を天音はしただけなのだが、予想通りに満足したようだった。

 天音は相手の感情に敏感なのだ。

 

 それに、これに関しては嘘ではない。天音にとっても予想以上に永琳と咲夜の力が強かったからあれ以上は諦めて帰ってきたのだ。

 

「でも、諦めないからね。絶対に仲間にしてもらうんだから」




 はい!第75話終了

 次回からは黒葉の故郷編です。久しぶりですね。

 そして、故郷編からは何人か原作キャラが登場しますし、オリジナルキャラクターも登場します。

 それでは!

 さようなら
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