【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 永遠亭を出発してから二日が経過した。

 五人はようやく黒葉の故郷にたどり着いた。

 そこは刀鍛冶がいっぱいる人里。壊れてしまった黒葉の刀を新調するにはちょうどいい里だった。

 そこで五人は二組に分かれて里を探索することにした。



 それではどうぞ!


第77話 鍛冶街へ行こう!

side三人称

 

 二組に分かれた後、紅魔館組の三人は鍛冶街にやってきていた。

 この人里は鍛冶師が多くいることから鍛冶師が集まっている鍛冶街というものが存在している。

 そこには腕のいい鍛冶師からあまり腕がよくない鍛冶師まで幅広く存在している。

 今、この三人がこの場所に来た目的は黒葉の刀を探すためであることから、ある程度腕のいい鍛冶師ではなければいけない。

 もしかしたらこの後の戦いにその刀を使うことになるかもしれない。天魔たちと再び戦わなければいけなくなったときに使うかもしれない。

 そんな時になまくらの刀など通用はしない。戦いの土俵に立つには良い刀がなければいけない。

 

 しかし、この人里にはいっぱい鍛冶師が存在しているため、いい鍛冶師を探せなければいい刀など手に入れることはできない。

 

(黒葉が白愛様の刀を使ってくれれば話は早いんだけど……この様子じゃ使ってくれなさそうね)

 

 黒葉には吹雪は白愛の手にあるべきという考えがあるため、何度言っても黒葉は吹雪を手に取ろうとしないし、あんまりしつこく言いすぎても黒葉を混乱させてしまって記憶障害を悪化させてしまう可能性があるため、あまり咲夜も言えないでいる。

 

「焼ける匂いがするね」

「おそらく炭を焼いている臭いでしょう。刀は鉄を焼いて成形するそうですし。まぁ、詳しいことは分かりませんが」

「へぇ、あんなに固い鉄を成形できるんだ。すごい」

「このナイフだって鉄を成形して作られていますしね」

 

 フランの言葉に咲夜は自分のナイフホルダーからナイフを取り出して見せた。

 今までフランは外の世界というものから閉ざされた場所で暮らしてきたため、いろいろなことに興味深々なのだ。

 だからフランはこの人里に来てからは本当の子供の様に目をキラキラさせて周囲を見回していた。完全にお上りさんだった。

 

(まぁ、今回の目的は観光ではないですが、妹様が楽しそうにしているのでよしとしましょう)

「あ、あそこです!」

「へ?」

 

 さっきまで周囲を見渡していて一言も発していなかった黒葉が突然声を上げたもので、咲夜は少しびっくりして弾かれるようにして黒葉の方へと顔を向けた。

 黒葉は指をさし、その指先は一軒の鍛冶屋へと向かっていた。

 かなり興奮している様子で、笑顔を浮かべている黒葉だったが、咲夜はその様子を見て疑問に思ってしまった。

 多分黒葉はこの人里出身だということからどの鍛冶屋がいい鍛冶屋かっていうことを知っているのだろう。だけど、それにしては――

 

(あそこ、閑古鳥が鳴いているようですが……)

 

 そう、咲夜は紅魔館のメイドをしているということから人一倍気配に敏感だし、それを探るすべがある。

 だからどこにどのくらいの人数が集まっているかはわかるのだが、ほかの鍛冶屋にはいくらかお客さんらしき気配はあるものだが、黒葉が指をさした鍛冶屋にはおそらく鍛冶師であろう気配以外は一切の気配がない。

 つまり、それだけ信用されていない鍛冶屋ということなのだろう。

 

「えっと……あそこがいいんですか?」

「そう、あそこならいい刀がありますので」

 

 この人里に関しては黒葉がこの中で一番詳しいだろうから咲夜はできるだけ黒葉のいうことは信用したかった。

 だが、今回ばかりは疑うしかなかった。

 

 本当にそこで大丈夫なのだろうか? とか、でたらめな仕事をされてしまうんじゃないだろうか? とかいろいろな思考がぐるぐると咲夜の中で巡る。

 そんな時フランが口を開いた。

 

「咲夜、とりあえず行ってみようよ。それから考えればいいじゃん」

「っ、そう、ですね。話位は聞いてもいいかもしれませんね」

 

 フランがそんなことを言って来るとはかけらも思っていなかった咲夜は一瞬驚いたものの、すぐにフランの言葉を肯定した。

 別にすぐにこの鍛冶屋に決める必要はない。とりあえず話だけ聞いて、ダメそうだったら別鍛冶屋に決めればいい。ただそれだけ。

 そう考えて咲夜は黒葉の案内通りに鍛冶屋に入ることにした。

 


 

 鍛冶屋に入ると、外とは違い、空気は澄んでいてまったくもって炭の臭いはしなかった。

 目の前にはカウンターが存在しており、その向こうには仕事道具であろうかまどが存在していたものの、火はついておらず、臭い的にも暫く使用されていないようだった。

 この光景を見た咲夜はいよいよ怪しいと考えて目を細める。

 

「あれ? こんなおいぼれの店に来るなんて珍しいね」

「ん?」

 

 目を細めた咲夜だったが、すぐにその表情は驚きの表情に変化し、目を見開くこととなった。

 突然カウンターの向こうの部屋から一人の男性が姿を現した。

 年齢的にはかなりの高齢で、この年齢で鍛冶仕事をするのはかなり厳しそうだ。

 この男性の姿を見た瞬間、咲夜はなるほどなと納得した。

 

(多分この男性がここの鍛冶師なのでしょう。物腰は柔らかい、横柄というわけではない。周りに展示している刀とかも粗悪というわけではない。それどころか洗練されている。多分人間として年齢による体の限界によって鍛冶ができないっていったところね)

 

 咲夜は試しに近くに置いてあったナイフを手に取り、それを光にかざしたりして観察してみた。

 光に照らされたナイフはきらりと輝き、きれいに輝く刃に咲夜の顔が映し出される。

 

(刀のことは分からないけどナイフなら分かる。このナイフは一流品。とてもいい鉄を使っているのはもちろん、相当な技術があってこその仕事ね)

「ゆっくりしていってよ。まぁ、そこにあるのしか出せないけどな。わしはもうこの体だからオーダーメイドとかできないんだ」

 

 刀には人それぞれ会う刀、合わない刀が存在している。

 そのため、店に置いてある刀が手に合わないのであればオーダーメイドをするしかない。だけど、そのオーダーメイドができないとなると鍛冶屋としてはかなりの致命傷。

 それに、売れたらさらに刀が補充されることはない。

 これらが理由でこの鍛冶屋は人が入ってくることはなく、閑古鳥が鳴いてしまっているのだ。

 

「せめてうちの孫が継いでくれたらよかったんだけどな」

「孫?」

「いや、何でもない。ゆっくりしていけよ。必要なら呼んでくれ」

「はい、ありがとうございます。えっと……」

分郷(ぶんごう)剛志(つよし)だ」

「では分郷さん、よろしくお願いします」




 はい!第77話終了

 刀鍛冶についてはこれからもっといろいろと掘り下げていくとして、この故郷編の序盤は二視点に分かれて物語が進んでいきます。

 鍛冶街サイドの黒葉、咲夜、フラン。こっちは咲夜メインで進んでいきます。

 観光サイドのルーミアと鈴仙。こっちは今のところ考え中ですが、主に鈴仙メインで進んでいくと思います。

 気まぐれでサイドを変更するので、楽しみにしていてください。

 それでは!

 さようなら
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