【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 宿を探す面々だが、黒葉が自分の家を提供しようとする。

 黒葉の家に行くと白愛が死んでいることがばれてしまう所だったが、そこへ茉衣が現れる。

 茉衣は咲夜たちに威嚇するものの、宿として自分の家を提供してくれることに。

 そんな茉衣についていき、家に行くとなんとそこには妖夢、鈴仙、ルーミアに最悪の印象を与えた分郷威迅がそこにいた。



 それではどうぞ!


第86話 お姉ちゃんならここに居るけど……

side三人称

 

「茉衣っ!」

「は、はいっ!」

「なんでこいつらがここに居るんだよ!」

「だ、だって……泊まるところに困ってるみたいだったから」

「そんな犬猫を拾って来るみたいに連れてくるんじゃねぇ!」

 

 威迅は茉衣を目の前に正座させて説教をしていた。

 突然誰かを連れてきたという所もそうだが、聞いてみたら黒葉の友達みたいだったから連れてきたという意味の分からないことを言い出したため、威迅はものすごく怒っているのだ。

 

「第一、なんでこんな奴を連れてくんだよ! 俺はこいつのことが嫌いだってのは知ってるだろうがよ!」

「い、いきなり押しかけてごめんな」

「うっせー、雑魚。てめぇには話しかけてねぇ」

「お兄ちゃん! 黒葉君を雑魚呼ばわりするのはさすがにひどいんじゃないの!?」

「ぐ、う、うるせぇな」

 

 威迅が黒葉を雑魚呼ばわりしたことによって茉衣が怒り、立場が逆転して威迅はたじたじになってしまって顔を反らして悪態をつくことしかできなくなってしまっていた。

 さっきまで説教をしていたのは威迅の方だったため、みんなは茉衣より威迅の方が立場が強いのかと思っていたが、実際は茉衣の方が強いようだ。

 

「初めまして威迅君。私は十六夜咲夜と言います。以後お見知りおきを」

「フランドール・スカーレットだよ!」

「ルーミア……」

「そうか、メイドとゴスロリと金髪だな。覚えた」

「ちょ、ちょっと、お兄ちゃん! さすがにしつれ――」

 

 咲夜とフラン、ルーミアの三人はまだ威迅に自己紹介をしていなかったため、自己紹介をすると威迅は淡白な返事を返し、自分は名乗らないまま立ち上がってどこかへ歩き始めた。

 それを茉衣が咎めようとすると言い切る前に威迅は部屋の中へと入っていき、扉をバタンと音が出るほどの勢いで閉めてしまった。

 これは威迅の「お前らとは関わるつもりはない」という拒絶宣言に等しい。

 それを見ると茉衣は頭を抱えてしまい、申し訳なさそうに咲夜たちの方へと顔を向けた。

 

「すみません。お兄ちゃんが大変失礼なことを……」

「随分と荒れているようですね」

「えぇ、ここ数年ずっとこうなんですよ。白愛さんが死んでしまってから」

「あぁ……」

 

 突然の茉衣の台詞にみんなは反応することができず、茉衣の言葉を止めることができなかった。

 終わった。ここで無理やり記憶を思い出させてしまうことによって黒葉の記憶喪失がよりひどいものになってしまう。そう考えたものの、黒葉の言葉はみんなの予想もしていなかった返しだった。

 

「え? お姉ちゃんならここに居るけど……」

 

 茉衣の白愛が死んだという言葉を鵜呑みにして記憶を探るのではなく、鈴仙のことを手で示しながらあっけらかんとした態度でそう言った。

 そう、黒葉の中では鈴仙が白愛ということになっているため、黒葉からしたら目の前に白愛がいるのに何言っているんだこいつ? っていう感覚なのだ。

 もちろん昔の黒葉の態度は柔らかいもので丁寧なものなので、そんな言い方はしないものの、それに近しいことを発言した。

 

 茉衣は当然その発言に疑問符を浮かべ、意味わからなさそうにしているが、みんなは「助かった……」とほっと胸をなでおろした。

 

「え、この人って別に白愛さんじゃ……」

 

 そこで今度こそはさせまいと咲夜が茉衣の口を塞ぎ、鈴仙の腕をひっつかんで二人を連れて廊下へと駆け込んだ。

 その姿をみんな見ていたが、あまりにも突然のことで呆けてしまい、何もできなかった。

 

 そして二人を廊下へと連れてきた咲夜は一呼吸を置くと二人を話して三人で近くによって話し始める。

 

「あの、茉衣ちゃんにはいっていなかったけどね、今黒葉は記憶喪失にかかっているんです」

「え、記憶喪失?」

 

 その一言を聞いて茉衣は口元に手を当てて驚愕する。

 それは当たり前だ。誰だって親しい人が記憶喪失になったと聞いたら驚くし悲しむ。どうにかしたいと思うのが当然の感情だ。

 

「まぁ、記憶喪失といっても記憶退行のようなものですが……それで黒葉は8歳の頃にまで記憶が戻ってしまっている。だから黒葉の中では白愛様は生きていることになっているの。そして、その白愛様に似ているこの鈴仙・優曇華院・イナバを白愛様だと思っているということよ」

「どうも、白愛さん役をやっている鈴仙です。一刻も早くこの船を降りたいのでなるべく早く記憶を戻してほしいです」

「き、記憶喪失って……何とかする方法はないんですか!?」

 

 非常に狼狽えた様子で茉衣は咲夜につかみかかりながら問いかける。

 その眼には涙が浮かんでおり、本気で黒葉のことを心配しているというのがうかがえて、咲夜は少し微笑ましい気持ちになった。

 この子になら協力をお願いしても大丈夫そうだと考えて、咲夜は自分たちの計画をすべて話すことにした。

 

「あまり強制的に記憶を思い出させると記憶障害が悪化する可能性がある。だから黒葉には白愛様が死んでいるということは伏せてこの鈴仙をこのまま暫く白愛様だと認識させておきたいんです。そしてこの人里を観光している間に記憶を取り戻すことができればと思っています」

「そう……ですか」

 

 咲夜がすべて計画を伝えると茉衣は少し考える素振りを見せると、咲夜に問いかけた。

 

「記憶を取り戻した後はどうするんですか?」

「そうですね……一度紅魔館に帰ってから少し考えようかと……」

 

 その瞬間、咲夜の真横を鋭い風が吹き、咲夜のほほを少し斬りつけた。

 咲夜と鈴仙が恐る恐る風の吹いていった方向を見てみると、鋭い刃物で切り付けられたような跡が壁に出来上がっており、これが当たっていれば簡単に人を斬ることができるということを考えて青ざめる。

 

「黒葉君は渡しませんよ? あなたなんかに、泥棒猫なんかに」

「え、え、泥棒……猫?」




 はい!第86話終了

 威迅は基本的に人の名前を覚えようとしません。

 威迅が覚えているのは自分の家族の名前と白愛の名前だけです。といっても威迅は白愛のことを冬夏と呼んでいて下の名前で呼ぶことはないんですけどね。

 そして茉衣の泥棒猫の発言の真意とは?

 それでは!

 さようなら
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