【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 双剣の修行をする三人。

 暫く修行を行った後、休憩に入った三人。そのタイミングを見計らって咲夜は妖夢に祖父のことを聞いた。

 妖夢の祖父はものすごく強い剣士で、妖夢の師匠だったのだという。

 だが、妖夢の祖父はもう行方不明になっていて帰ってきていないとのことだった。

 そして妖夢は思い出す。自身の祖父との修行の日々を。



 それではどうぞ!


第94話 砥石を求めて

side三人称

 

「すみません、付き合ってもらってしまって……」

「いえ、大丈夫です。ちょうどやることもなかったですし。妖夢さんもよかったんですか?」

「あ、はい。大丈夫です。私がこの里を旅行地に選んだ理由って刀の工房を見学してみたかったっていうのが一番大きな理由ですし、目的地はおんなじですので」

 

 今日の特訓が終了した後、黒葉、咲夜、妖夢の三人は橋を渡って鍛冶街へと向かっていた。

 今は昨日とは違ってまだ太陽が昇っているため、咲夜が黒葉の上で日傘をさしている状態で、あまりにもスマートに差しているため、黒葉は特に気にする様子もなく歩いている。

 

「それにしても昨日も思いましたが、大きな川が住宅街と鍛冶街を隔てるように流れているんですね」

「それだけじゃないですよ。昨日、僕らが入ってきた里の入り口以外は全部川に囲まれていて、この里は川と森に囲まれているんです。まぁ、僕の家は川の外、森の中にあるので囲まれてはいないのですが……」

 

 この里は中央にある太い川を挟んで二分されており、それぞれ大きな木製の橋二本で繋がれている。

 そしてこの川は流れも速く、そこそこの深さもあるため、基本的に泳いで渡ることが出来ず、橋を渡って行き来することとなる。

 というか、そもそも今の黒葉が川を泳ごうとしたら流水を超えられないという吸血鬼の性質上、おぼれるしかないのだが。

 

 そしてどうして三人は鍛冶街へと向かおうとしているのかというと――

 

「いやー、砥石を買い忘れてしまうとは……お恥ずかしいです」

「昨日貰った刀を研ぐのに必要ですからね」

「あ、それなら私も砥石が欲しいかもですね。ちょうど砥石を切らしていまして」

 

 昨日、剛志から刀をもらった黒葉だが、今日になってまださび落としをしていなくて砥石もないことに気が付いて慌てて買いに出ているということだ。

 そしてそれならと咲夜は付き添いに、妖夢は観光を目的に一緒に行くことになったのだ。

 そんな三人が目指している工房はもちろん決まっている。

 咲夜と妖夢はこの里のことをまだよく知らないため、黒葉についていく形となるのだが、黒葉が向かう工房なんて一つしかない。

 

「おじさーん」

「ん? お、黒葉君か」

 

 もちろん剛志の工房だった。

 というか、黒葉は剛志の工房以外にあまり知らないため、ほとんどの用事はこの剛志の工房を利用している。

 

 そこで剛志は黒葉の後ろにいる妖夢へと視線を移すと妖夢に話しかけた。

 

「それと……そっちの嬢ちゃんは初めてだな」

「はい! 始めまして、魂魄妖夢です! よろしくお願いします」

「魂魄……か。まぁ、ゆっくりしていってくれ。こんなおいぼれの鍛冶屋だからあんまりいいのはねぇかもしれないけどな」

 

 それだけ言うと剛志はカウンターの向こうにおいてある椅子に座って黒葉たちの様子を眺める体制になった。

 しかし、その目は黒葉たち三人をまんべんなく見ているというよりかは妖夢の方をじっと観察しているようにも見える視線で、それに妖夢も気が付いたのか剛志の方へと視線を向けた。

 だが、その視線を向けられたところで剛志は視線をそらさずにじっと目を合わせられたことで妖夢は不思議に思い、首をかしげてしまう。

 

「あの、私に用ですか?」

「いや、気にしないでくれ」

「いえ、あの……気にしないでと言われても……」

 

 妖夢はちょっと顔をしかめたものの、変な視線というよりかは様子を見られているというような視線で、どうにも見守られているといった感じだったため、深く考えると頭が痛くなってくると考えて商品の方へと視線を戻した。

 黒葉と咲夜は一直線に砥石の方へと向かい、選び始めたものの、もともと観光が目的で砥石はついでだった妖夢は物珍しさから近くにおいてある商品の刀やナイフなどに興味を示し、手に取ってみている。

 

 どれもいいものではあるのだが、剛志の年齢を考えるともう刀を新しく打つことが出来ないのだろうと考えると少し妖夢はさみしい気持ちになった。

 

(この子は……いい剣士になる。いい目つきをしている)

 

 剛志はその職業柄、いろいろな剣士を見てきたため、その剣士の素質を見ただけで感じ取ることが出来るようになった。

 そしてそんな剛志は妖夢を見ただけでいい剣士になると感じ取ったのだ。

 まだまだ発展途上の力ではある。半人前ではあるが、殻を破ることが出来れば爆発的に強くなれると感じ取った。

 

「おじさん、この砥石をお願い」

「はいよ。3000円だ」

「はい」

 

 黒葉は剛志に3000円を支払うと砥石を受け取った。

 黒葉が購入した砥石は目の細かいものと目の粗いものの二種類だ。

 目の粗い砥石は大まかに研ぐときに使う用、そして目の細かいものは目の粗い砥石で研いだ後の仕上げようとして使う。

 剛志に貰った刀はかなりさびてしまっていたため、これほどさびていたら丁寧に研がなければいけないと考えて慎重に砥石を選んでいた。

 

「私もこれ、お願いします」

「はいよ」

 

 妖夢は目の粗いもののみ購入した。

 どうやら妖夢は目の細かいものはまだ残っているようだ。

 

「ありがとうございました。またお願いします」

「おう、こんなおいぼれの店でよければいつでもこい」

 

 三人は砥石を購入すると店を後にしていった。

 黒葉がお礼を言い、咲夜と妖夢の二人はお辞儀をして外に出ていく。そんな姿を見送ってから剛志は椅子に座ったままため息をついて自身の後ろにある扉の奥へと声をかけた。

 

「今、お前さんの孫が訪ねたぞ。会いたいとは思わんかったのか?」

「…………覚えておらんのだ。あっても何を話せばよいのかわからぬ」

「そうか……だが、お前と同じように記憶喪失になったやつは今、一生懸命記憶を取り戻そうとしておるようだ。あの子自身は記憶がないから記憶を取り戻そうとも微塵とも思っていないようだが、あの子の脳が活性化している。なんかの刺激で一気に思い出すかもしれないな。まぁ、それはそれでパーにならないか心配だが……お前さんも記憶を取り戻せるといいな。最強の剣士、魂魄妖忌」




 はい!第94話終了

 意味深なラストでしたね。

 妖忌は実はここに居たんですよ。

 原作では全然妖忌の情報というのが明かされていないので、ここはオリジナルですが、実は黒葉の故郷に居てなぜか記憶を失っているといった感じです。

 記憶を失った理由はしっかりとあるので、今後明かしたいと思っています。

 そしてそろそろストーリーを進めますので、お楽しみに。

 それでは!

 さようなら
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