【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 凍り付く威迅の肉体。

 芭露は勝利を確信しており、下っ端にとどめを任せるものの、茉衣がそれを許さず、茉衣が下っ端と戦うことに。

 そして威迅はというと強引に体表の氷を割り、芭露と戦いを始める。

 芭露は氷で拳を覆って威迅を殴りつけるが、刀で氷を割られて斬られかけてしまう。

 そこで芭露は戦法を変え、威迅を灼熱で追いつめるのだった。



 それではどうぞ!


第99話 強力な助っ人

side三人称

 

「俺の能力かい? まぁ、知られたところで攻略されることは絶対に無いから教えてあげるよ」

 

 そう言うと芭露は両手を左右にめいっぱい広げ、右手に炎を、左手に氷を作り出して見せ、そしてそれをそれぞれ左右に投げ飛ばすと、如何にも暑そうな赤々とした空間と、如何にも寒そうな霜が張った空間が芭露を中心として左右に広がった。

 右の空間に足を踏み入れるとジューと靴が焼け始め、逆に左の空間に足を踏み入れると直ぐに凍り始める。

 

「俺の能力は【熱を操る程度の能力】だ」

「そうか、この怪現象はてめぇが熱を操った結果って訳か」

「そういう事だ。俺が暑い所にいる時はスピードが上がり、寒いところにいる間は防御力と攻撃力が上がる。それは暑けりゃ暑い程、寒けりゃ寒いほど効果は大きくなる」

 

 さっき芭露が腕を凍らせたのは腕の熱を操って表面に氷を作り出したから。

 超スピードになったのは周囲の熱を操って高温にしたことによって筋肉細胞が活性化して超スピードを生み出すことが出来た。

 二種類の力を使うことが出来る芭露はその能力の強さから慢心し、完全に威迅を舐め切っている様子だった。

 

 対する威迅も俯いて震えてしまっているため、芭露は威迅がこの能力に怯えているのだと考えてニヤリも口角を上げる。

 だが、威迅が震えている理由は別にあった。

 

(こいつの能力、強い。スピードも白愛程じゃねぇが、それでもはえーな。こいつは楽に勝たせてはくれなさそうだ。本気は出したくねぇな。下手に強いヤツと戦うと俺の中の狂犬(悪魔)が暴れだしそうになっちまうからな)

 

 目をかっぴらき、不気味な笑みを浮かべる威迅の表情は俯いているため、誰にも見えない。

 だが、それでもそのとてつもなく深く、そして刺すような殺気は周囲に解き放たれ、それを感じとった瞬間、さすがの芭露も額から冷や汗を流し、威迅から距離をとるように飛び退いた。

 

(な、なんだこの強烈な殺気は!? そして深く底が見えない程の濃い霊力。不気味だ)

 

 その姿はまるで蛇に睨まれた蛙だった。

 強烈な殺気は芭露の余裕を押さえ込み、むしろ膝をガクガクと震わせるほどになっていた。

 この殺気は威迅から放たれているものなのか、それとも――

 

「はっ、どれだけ強がったって俺に勝てるわけないんだ!」

 

 芭露は自分にそう言い聞かせるように言い放ち、能力を全開にして左手に分厚い氷のグローブを作り出し、威迅に殴り掛かる。

 威迅もそれに合わせて刀でガードをするが、右足で飛びかかった左手で殴り掛かるというスピードとパワーが合わさった攻撃のため、さすがにそのまま殴り飛ばされて壁に激突し、地面に膝を着いてしまう。

 その場所は高音で熱された場所のため、膝がジューという音を立てて焼けてしまう。

 

「やっぱりだ。威勢だけが強いヤツめ。お前みたいな奴が最初に死ぬんだよ!」

 

(くそ、あんまり本気を出したくはないんだけどなぁっ!)

 

「お兄ちゃん!」

「っ! 茉衣」

 

 茉衣の声が聞こえると威迅は刀を杖代わりにしてすぐに立ち上がり、茉衣を助けに行こうとするものの、それを邪魔するように芭露が殴りかかってくるので、威迅はそれを受け流すように弾いた。

 そんなことをしている間にも茉衣はじわじわとナイフに押され、今にもやられてしまいそうだった。

 

「邪魔だ、どけぇっ!」

 

 威迅は焦っていた。

 もう迷っている暇は無い。そう考えて威迅は全ての力を解き放って茉衣を助けようとしたその瞬間だった。

 突如として茉衣に攻撃を仕掛けている下っ端の背後にナイフが出現し、そのまま下っ端の背中にグサリと突き刺さった。

 

 何事かと威迅は周囲を見回すと部屋の真ん中に一人の人物がいることに気がついた。

 

「先約が居たんですね。えっと、分郷威迅君」

「てめぇは、メイド? どうしてこんなところにっ!」

 

 威迅は芭露の攻撃を弾きながら目の前に現れたメイド――十六夜咲夜に問いかけた。

 

「私も居ますよーっ!」

 

 そう言いながら入口から現れたのは魂魄妖夢。

 既に一振りの刀を抜いており、戦闘態勢――というよりもう既に戦闘してきたようで、その刀には若干の血が付着していた。

 

「な、お前たちも何故ここに!?」

「なんかいっぱい見張りを置いていたみたいだけど、私に切れないものはあんまりありませんからね。薙ぎ倒してきました」

「罠は私の能力には通用しません。罠の攻撃が届く前に能力を使用して回避すれば良いだけですので」

 

 そこで驚いた様子で芭露は叫ぶ。だが、妖夢と咲夜はさも当然と言った感じで言ってのけた。

 戦闘要員と罠解除要員としてすごく相性のいいコンビだったし、しかもその罠解除要員も戦えると来たものだ。

 ここまでたどり着くのには全く苦労しなかった。

 

「へっ、やっぱり甘いなお前らは……そいつだって急所を外している。そんなんじゃ、足元を救われる……ぞっ!」

「ぐっ」

 

 威迅は芭露を蹴り飛ばして距離を取ると、「でも」と言って言葉を続けた。

 

「せっかく来たんだ。ちょっと手伝ってけよ」

「その口調は頼む時の口調なのかと少しツッコミたくなるけど、私たちの目的は元々それですし……妖夢、まだ下っ端たちが居るでしょうし、下っ端は私に任せてあなたは威迅君の方を助けてあげて」

「分かりました、行きますよ!」

 

 妖夢と咲夜のポジションはチェンジし、二人は手を合わせて持ち場に着いた。

 咲夜はもう新手が入ってこないように入口に、妖夢は威迅の横に。

 

「足は引っ張んなよ」

「それは私のセリフです」

 

 妖夢と威迅は互に対抗心があった。

 そして二人は共に一つの目的を胸に芭露との戦いに挑む。

 

(白髪の戦い方を否定するために)

(威迅さんの戦い方を否定するために)




 はい!第99話終了

 ついに咲夜たちが到着しました。

 二人は特に面白みもなく普通にたどり着いた感じですね。

 それにしても威迅の悪魔ってなんでしょうか?

 妖夢と威迅は最悪の出会いでしたから互に対抗心があるんですよね。

 威迅は妖夢の甘い戦い方を否定するために、妖夢は威迅の残酷な戦い方を否定するために共闘します。

 こんなデコボココンビで本当に連携が取れるのでしょうか?

 それでは!

 さようなら
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