女体化鯖に劣情を抱く……それはつまりホモでは?    作:独断独歩

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影の女王

※サーヴァントはレイシフトに同行出来ない。 

 

「え、なら何の為に召喚するの?」

 

と、疑問を口にする立香だが、そこら辺は思っても口にしてはいけない(ガチャ)のこと。

その内、夏イベントとかハロウィンとかクリスマスとか緩い感じの時に同行出来るようになるので召喚しておいて損はないとカルデアの技術顧問であるダ・ヴィンチちゃんに言いくるめられてしまった。

 

「暇だな」

 

しかし損はないが、召喚された彼らとて元人間。藤丸立香が人理修復に赴いている間は基本暇をもて余している。

史実通りの宮本武蔵こと武蔵さんはブラブラと渡り廊下を歩きながらそうボヤていた。

 

少し前までは武蔵ちゃんと鍛練してその暇を潰していたのだが、彼女は聖杯でうどんを作ったとかで謹慎処分を食らってしまい今はいない。

なら別の武芸者を相手しようにも、マスターの立香は『引き運』と言うものがとてつもなく悪いらしく、自身らを除けば、キャスターのアンデルセンやアサシンのシャルロットなど近接戦には少々不向きなサーヴァントしか喚べていないかった。

 

 

 

「それは丁度いい。私も相手を探していた所だ」

 

いや、一人例外がいた。

 

 

まるで、その言葉を待っていましたとばかりに現れた女傑(スカハサ)が一人。

得物のゲイ・ボルグを肩に下げた彼女は極上の料理を前にヨダレを垂らす、獣のような顔をしている。

 

「悪いが、物の怪の類いを斬る気分ではない」

 

「そう言うな。お主から発せられる溢れんばかりの闘気に当てられてはケルトの戦士で血が疼かぬ者はいない」

 

これからの戦いを想って、熱い吐息を漏らすスカハサ。

 

「お主以外の侍と呼ばれる奴らと槍を交えたこともあるが皆、中々に血湧き肉踊る物を魅せてくれた」

 

「言伝てに極東の島国で侍の時代、お主は地上最強の名を集約したと聞く」

 

「これでどうして高ぶる槍を収められようか!」

 

カルデアで勝手な私闘は禁止されているが、今にも槍を突き出してきそうな勢いに武蔵さんは嫌な顔をする。

生前ならば彼も嬉々として刀を抜いたかもしれないが、今は人理修復の歳時、味方同士で腕を高める為に()()()ならまだしも、この女の目はまるで戦場で武勲を上げようと躍起になっている足軽のようだった。

 

彼は最強の侍ではあったが、主君に支える武人でもあった。多くの部下に恵まれそれなりの財も築き、現代の状況がどれほどの物かは分かって弁えているつもりだ。

 

こんな時に私情を優先する。それが小さい物なら良いだろう。我慢は体に毒だ。大きくとも稀釈して迷惑が掛からないよう少しづつ消化するなら問題はない。

 

だがしかし。この女は死合いでしか満足出来ない生粋の狂人の類い。

いや、武蔵さんの目には化け物を人の範疇に無理やり押し込んだようにも見えたので物の怪と呼んでいた。

 

早い話、武蔵さんは彼女が嫌いだった。

だから無視して、アルデルセンの所にでも顔を出そうかと思考を余所に飛ばす。兵法をしたためたものとはいえ彼も生前『五輪の書』という書物を遺した。

同じ作家として通ずるものがあるのか、あの御仁とは不思議と会話が弾むのだ。今度の夏フェスとやらで現代版に()()()()した五輪の書を出す相談でもしようかと、スカハサを横切る。

 

「冗談では済まされぬぞ」

 

その首筋に当てられた槍の先。スカハサは次の瞬間、幾千の刃が自身を切り裂く幻影を視たが、涼しい顔をして笑っていた。

 

「やはりお前はイイ。どうだ私の弟子にならんか?」

 

「得物が違えば流派、源流も通ずるところがない」

「だが学ぶべきことは数多ある。そのか細い剣を捨てお前もケルトの戦士として鍛えれば、よもや私を殺すことだって出来るかも──」

 

 

「俺は武士だぞ?」

 

それは武蔵の触れてはならない琴線だった。

 

武蔵の精神は成熟している。全盛期の肉体を取り戻して、時折熱くなることもあるが、組織の決まり事は厳守する、いわゆる出来た大人であった。

 

だがそんな彼でも、怒ることはあるわけで。

 

まるで今のお前(武士)では足りぬと挑発されれば無礼討ちだと刀剣を抜いた。

 

「切捨御免」

「いいな!そうこなくては!!!!」

 

 

※二人は謹慎を食らった。

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