続・ウマ娘日記 ―日本トレセン学園編― version 1.0 作:fire-cat
8月30日(月)
お兄ちゃんが、今日はお前の日だなぁって、起きてきた私の顔を見るなりいうんだもん、誕生日じゃないし何のことだろって首傾げちゃったよ。今日はハッピーサンシャインデーって言って太陽のような明るい笑顔の人のための日なんだって。この日に生まれた人は笑顔の素敵な人が多いことから生まれた記念日だって言われたけど、私ってそんなに明るい笑顔してるのかな? 自分じゃ意識してないんだけどね。でも、明るい笑顔で過ごせばハッピーな気分になれるもんね。
8月31日(火)
今日で合宿もお終い。
明日から後期授業が始まる。あー。レポート提出しなくちゃいけないんだった。まだなーんにも手つけてないよ~。誰かに見せてもらわなくちゃ。
9月1日(水)
今日は始業式。始業式は午前中で終わったんだけど、今日は防災の日という事でお昼から防災訓練。関東大震災が起きた9月1日11時58分32秒に黙とうして、その後は私達ウマ娘は、障害競走用の水濠を使って私達が洪水の時に上流に立って勢いを弱めながら高齢者とかの避難を助けるウマ筏を組んだりする避難誘導訓練や、瓦礫の除去とかブルーシートを担架のように使う方法とかの救助訓練を中心に、お兄ちゃん達ヒトは初期消火訓練やAEDの使い方や心肺蘇生法を学ぶ応急救護訓練を中心に訓練したんだよね。この種の防災訓練って福来多喜音学園じゃやらなかったから、言っちゃって良いのかわからないけど、結構新鮮で面白かったよ。
それにしても秋川理事長がWRAの国際会議とかで海外出張中だから樫本理事長代理が理事長の代わりに始業式で講話をしたんだけど樫本理事長代理の話も福来多喜音学園の村山学園長と変わらない話だったなぁ。白眉の村山学園長が何度も同じ話してたし、それを10年も聞いてたんだもん。おかげで震災の数字はすっかり覚えちゃったよ。樫本理事長代理の話も関東大震災じゃ死者・行方不明者はヒトとウマ娘併せて推定5万人、阪神淡路大震災じゃ死者・行方不明者は併せて2,220人、東日本大震災も死者・行方不明者は併せて1万人ちょっとって内容だったよね。私にとって真新しい内容はこれでも死者・行方不明者は少なくなってるはずだって言われてるって事かな。東日本大震災の時は私達ウマ娘が居なかったら死者・行方不明者は18,000人以上はいただろうって言われてるんだって。そう言えば高齢の義父母と乳児を抱えて津波から間一髪で逃げ切ったウマ娘のお母さんの話とか、定員8名程度の大きさに近所の人達を20人乗せたリヤカーを曳いて津波から逃げ切った宮城トレセン学園気仙沼分校の学園生の話とか生活の時間で習ったっけ。
それにしても「訓練は本番の様に、本番は訓練の様に」って理事長代理の話じゃないけど日ごろの訓練って大事だよね。
学園に戻って来たから私の勝負服を修正に出したんだけど、お兄ちゃんが理由をしつこく聞いてくるんだよね。トレーナーとしては勝負服に何か問題があったら聞いてくるのは当然なんだろうけど、オトシゴロの身としてはお兄ちゃんと言えども一緒に暮らしている異性に「勝負服着たらお尻が半分近く見えちゃってた」なんて言いにくいよ~。
9月2日(木)
いつものアレがきちゃった。ホント、ないと不安になるし、あるとつらいし。しょうがないか、こればっかりは。
あ、そういえば今日はエンデュランスって競技の授業があったんだ。なんでも数十キロメートルの長距離を数時間かけて走破してタイムを競うらしいんだけど、前に聞いた、障害競走で優秀な成績出して有馬記念で走った先輩も学園を卒業してそのプロ選手になってるらしいんだ。その大きな大会が明後日に北海道であるらしいんだよね。行ってみたい気もするけど、流石にお金かかるし、ダメだよね。……ダメもとでお兄ちゃんに聞いてみようかな。
9月3日(金)
二日目はホント怠いよ。でもがんばる。昨日、エンデュランス競技の話をしたら、お兄ちゃんが大会の研修に行く予定だったんだって。いいなぁって言ったら、お兄ちゃん、不思議そうに私を見るんだよ。話を聞いたら私とノーザンデュークちゃん、ミリオンベルーガちゃんも一緒に行くことになってるんだって。忘れたのか? って、午後には北海道に出発するから荷物は用意しておけってさ。うっそ~! 私、聞いてないよ~! 準備急いでしなくちゃ! って学校休んで大急ぎで準備する羽目になっちゃった。
ノーザンデュークちゃんにメールしたら、授業中に言ってましたよ。一緒に聞いてたじゃないですか。だって。
……その時寝てたのかなぁ? って、なんか前にそんなこと言ってたような気もしてきたけど、もしかして、アレがそうだったのかなぁ? 眠くて眠くて聞き流してたし、なんか言われてたからテキトーに生返事してたけどひょっとしてアレがエンデュランス競技のことだったのかぁ!! 全然覚えてなかった~!
9月4日(土)
北海道、でっかいどー!
え? 寒いし古い? 何のことだかさっぱりわかりましぇーん。
昨日の夜遅くに北海道の帯広に着いたんだけど、今日の打合せして解散だったから全然楽しめなかったんだよね。朝、帯広空港から鹿追町ってとこに移動したんだけど、十勝平野って広いよねぇ……。
全日本エンデュランス大会なんだけど、誰も参加資格ないからみんなで見学。それと本番は明日なんだって。
13時から競技前検診とかがあるらしいんだけど、私達が見学するのは開会式からだから、それまで自由にしてていいんだってさ。
というわけで、学園のOG先輩のオジュウチョウサン先輩とアップトゥデイト先輩に紹介してもらっちゃった。お兄ちゃんは苦手そうだったけど、話を聞いたらお兄ちゃんが駆け出しの頃にチームの学生さんだったらしくて、色々若気の至りでやんちゃしてた頃のこと覚えられてるからなぁとか言ってた。
二人ともストイックな雰囲気でブライアン先輩みたいだったけど、お兄ちゃんと先輩たちの最初の会話が、ケツの殻は取れたか、ひよっこくん。だったもんねぇ。お兄ちゃんが苦笑してたら、あのちんまい子がこんなに大きくなって、お姉ちゃんはうれしーぞとか抱きしめてたりして、漫才見てるみたいで面白かった。私達のことも紹介してもらったんだけど、私が障害競走から有馬記念を目指してることをお兄ちゃんが話したら、2人がバシバシと背中叩いてきて、期待してるからな!! って随分気風のいい姐御肌な人達だった。
んで、よーく私達の走り見ておけ。って笑い声とともに立ち去って行ったけど、何というか豪快な人達だった。
9月5日(日)
今日は全日本エンデュランス大会の本番。で、オジュウチョウサン先輩とアップトゥデイト先輩が参加する第1競技の選手権競技スタートって、午前3時だったんだよね……。眠くて眠くて。
ただ、エンデュランス競技ってタイムレースなんだね。最短時間でコース走行を終えたウマ娘が第1位となるのは普通の競技と同じかなぁ? 違うとすれば競技は競技者自身が自由にペース配分を考えて準備することとコンディションが大事で、何度も診察がある位かなぁ。だから、最もコンディションの良いウマ娘が表彰されるベストコンディション審査なんてのがあるんだろうなぁ。
交流懇親会が18時からあったんだけど、明日は健康診断とかあるから夕方には帯広に出発したんだよね。オジュウチョウサン先輩とアップトゥデイト先輩のゴールはギリギリで見られたんだけど、挨拶できなかったのはちょっと残念。後、明日の表彰式も見られなかったよ。
全日本エンデュランス大会、こんな感じで進みました。
9月4日(土)
受付 12:00~14:00
第1回競技前検診 13:00~15:00
開会式16:30
9月5日(日)
第1競技 選手権競技スタート 3:00
第2競技 80km競技スタート 5:00
第3競技 60km競技スタート 5:30
第4競技 40km競技スタート 6:30
交流懇親会 18:30~
9月6日(月)
表彰式/閉会式 8:30~9:30