『存在』と『虚無』の力は神をも屠る(更新停止、凍結中&新シリーズ作成中)。   作:狩村 花蓮

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『存在』と『虚無』の力は神をも屠る、前回までの三つの出来事。一つ、最深部にて多数の首を持つ魔物、ヒュドラと会敵する。二つ、ヒュドラを撃破するも真由美は致命傷を負い瀕死となる。そして三つ、悠馬は魂の座にて元の体の持ち主である本来の真由美と出会う


作者小話:駄作者はACが好きですがゲーム自体はハードの問題で一度もプレイしたことがありません。なので、ゲームの性能と全く異なるACの皮をかぶった何かになる可能性があります。AC愛好家のかた。申し訳ありません。


第十一話 世界への反逆:Awakening

三人称side

 

「・・・・・・・・真由美、起きて。」

「・・・・・・・・なぁ、起きろって。真由美。」

 

どこか西洋風な作りの天蓋付きのベット、そこに横になっているのは、ハジメをかばって致命傷を負った真城真由美その人だった。

 

その近くで真由美のことを見守っているのは、左腕が黒い機械仕掛けの義手になっていて、左目を眼帯で隠しているハジメと

 

白いブラウス?に黒いスカートの上に白衣のようなものを着ているユエだった。ハジメたちはヒュドラを多大な犠牲を払いつつ撃破した。

 

そして、無事に解放者の試練を突破することができたのだった。しかし、ハジメをかばい、心臓を穿たれ致命傷を負い、瀕死になった真由美は未だ目を覚まさない。

 

ハジメは、今もまだ眠り続けている真由美の手を握りながら、目を覚ました時の光景を語るように、思い出していた。

________________________________

 

ハジメは、体全体が何か温かで柔らかな物に包まれているのを感じた。随分と懐かしい感触だ。これは、そうベッドの感触である。頭と背中を優しく受け止めるクッションと、体を包む羽毛の柔らかさを感じ、ハジメのまどろむ意識は混乱する。

 

(何だ? ここは迷宮のはずじゃ・・・・・・・・何でベッドに・・・・・・・・)

 

まだ覚醒しきらない意識のまま手探りをしようとする。しかし、右手はその意思に反して動かない。というか、ベッドとは違う柔らかな感触に包まれて動かせないのだ。手の平も温かで柔らかな何かに挟まれているようだ。

 

(何だこれ?)

 

ボーとしながら、ハジメは手をムニムニと動かす。手を挟み込んでいる弾力があるスベスベの何かはハジメの手の動きに合わせてぷにぷにとした感触を伝えてくる。何だかクセになりそうな感触につい夢中で触っていると・・・・・・・・

 

「・・・・・・・・ぁん・・・・・・・・」

 

(!?)

 

何やら艶かしい喘ぎ声が聞こえた。その瞬間、まどろんでいたハジメの意識は一気に覚醒する。

 

慌てて体を起こすと、ハジメは自分が本当にベッドで寝ていることに気がついた。純白のシーツに豪奢ごうしゃな天蓋付きの高級感溢れるベッドである。

 

場所は、吹き抜けのテラスのような場所で一段高い石畳の上にいるようだ。爽やかな風が天蓋とハジメの頬を撫でる。周りは太い柱と薄いカーテンに囲まれている。

 

建物が併設されたパルテノン神殿の中央にベッドがあるといえばイメージできるだろうか? 空間全体が久しく見なかった暖かな光で満たされている。

 

さっきまで暗い迷宮の中で死闘を演じていたはずなのに、とハジメは混乱する。

 

(どこだ、ここは・・・・・・・・まさかあの世とか言うんじゃないだろうな・・・・・・・・)

 

どこか荘厳さすら感じさせる場所に、ハジメの脳裏に不吉な考えが過ぎるが、その考えは隣から聞こえた艶かしい声に中断された。

 

「・・・・・・・・んぁ・・・・・・・・ハジメ・・・・・・・・ぁう・・・・・・・・」

「!?」

 

ハジメは慌ててシーツを捲ると隣には一糸纏わないユエがハジメの右手に抱きつきながら眠っていた。そして、今更ながらに気がつくがハジメ自身も素っ裸だった。

 

「なるほど・・・・・・・・これが朝チュンってやつか・・・・・・・・ってそうじゃない!」

 

混乱して思わず阿呆な事をいい自分でツッコミを入れるハジメ。若干、虚しくなりながらユエを起こす。

 

「ユエ、起きてくれ。ユエ」

「んぅ~・・・・・・・・」

 

声をかけるが愚図るようにイヤイヤをしながら丸くなるユエ。ついでにハジメの右手はユエの太ももに挟まれており、丸くなったことで危険な場所に接近しつつある。

 

「ぐっ・・・・・・・・まさか本当にあの世・・・・・・・・天国なのか?」

 

更に阿呆な事を言いながら、ハジメは何とか右手を抜こうと動かすが、その度に・・・・・・・・

 

「・・・・・・・・んぅ~・・・・・・・・んっ・・・・・・・・」

 

と実に艶かしく喘ぐユエ。

 

「ぐぅ、落ち着け俺。いくら年上といえど、見た目はちみっこ。動揺するなどありえない! 俺は断じてロリコンではない!」

 

ハジメは、表情に変態紳士か否かの瀬戸際だと戦慄の表情を浮かべながら自分に言い聞かせる。右手を引き抜くことは諦めて、ハジメは何とか呼び掛けで起こそうと声をかけるが一向に起きる気配はなかった。

 

その内、段々と苛立ってきたハジメ。ただでさえ状況を飲み込めず混乱しているというのに何をのんびり寝ていやがるのかと額に青筋を浮かべる。

 

そして、イライラが頂点に達し・・・・・・・・

 

「いい加減に起きやがれ! この天然エロ吸血姫!」

 

〝纏雷〟を発動した。バリバリと右手に放電が走る。

 

「!? アババババババアバババ」

 

ビクンビクンしながら感電するユエ。ハジメが解放すると、ピクピクと体を震わせながら、ようやく目を開いた。

 

「・・・・・・・・ハジメ?」

「おう。ハジメさんだ。ねぼすけ、目は覚め・・・・・・・・」

「ハジメ!」

「!?」

 

目を覚ましたユエは茫洋とした目でハジメを見ると、次の瞬間にはカッと目を見開きハジメに飛びついた。もちろん素っ裸で。動揺するハジメ。

 

しかし、ユエがハジメの首筋に顔を埋めながら、ぐすっと鼻を鳴らしていることに気が付くと、仕方ないなと苦笑いして頭を撫でた。

 

「わりぃ、随分心配かけたみたいだな」

「んっ・・・・・・・・心配した・・・・・・・・」

 

しばらくしがみついたまま離れそうになかったし、倒れた後面倒を見てくれたのはユエなので気が済むまでこうしていようと、ハジメは優しくユエの頭を撫で続けた。

 

それからしばらくして、ようやくユエが落ち着いたので、ハジメは事情を尋ねた。ちなみに、ユエにはしっかりシーツを纏わせている。

 

「それで、あれから何があった? ここはどこなんだ?」

「・・・・・・・・あの後・・・・・・・・」

 

ユエは口ごもる。まるで、真実を伝えていいものか、迷っているような。普段感じられないような真剣で険しい感じを肌に感じたハジメは、覚悟を決める。

 

「教えてくれ、ユエ。いったい何があった。」

「ハジメ・・・・・・・・んっ、分かった。」

 

ハジメは、ユエの説明を聞く。聞けば、あの後、神水を飲ませたものの、ハジメが目覚めることはなく。どんどん顔がおかしな色に変色していったそうだ。呼吸もすごい早いサイクルで繰り返されていたようだ。

 

すると、なぜか心臓を穿たれたはずの真由美が、自身の力を使ってハジメの体を診断しはじめた。その時には胸の穴は閉じていたという。そして真由美は一通りの診察を終え、ユエのハジメの状態を説明し始めた。

 

曰く、ハジメの左目に当たった極光の光は、ハジメの眼球を完全に破壊し、そのまま神経を通って脳にまでその毒素の猛威を振るっていたようだ。このままでは完全に脳が破壊され始めは死に至ると、そう言ったらしい。

 

そして真由美は、その毒を何とか出来るかもと言い出した。魔力枯渇であまり思考がまとまっていなかったユエは、真由美に任せることにしたようだ。すると真由美はハジメの頭に手をやって

 

ハジメの、毒素に汚染された脳を同化で直し、毒素だけを吸収した。ハジメの顔は目に見えるほど劇的に治っていき、顔色が正常に戻り、呼吸も普通レベルに落ち着いた。しかし問題だったのが真由美だった。

 

どうやら修復が完璧ではなかったらしい。ハジメの毒素を吸収した後、突然胸を押さえ苦しみ始めた。抑えていた手の隙間からは大量の血が絶え間なく出ていたらしい。そのまま真由美は意識を失いたおれた。

 

ユエは神水を飲ませる。傷こそ治ったようだが、完全に血の気が引いた彼女の顔が元に戻ることはなかった。それと同時に決戦の場となった空間の奥にあった大きな扉が開き、ユエは、すでに疲労困憊な体を酷使してハジメと真由美を運んだそうだ。

 

「んで、そこにあったのが・・・・・・・・」

「んっ、反逆者の住処・・・・・・・・もとい、解放者の住処」

 

そして、今に至る。

 

「真由美は・・・・・・・・まだ、目を覚ましてない。」

「そうか・・・・・・・・くそっ!俺があそこで油断しなけりゃこんなことにはっ!」

「ハジメ・・・・・・・・」

「でもまずは、使えるものを探さなくちゃな。」

 

ハジメはベットから出る。そばにはもともと来てた服があったのでハジメはそれを着た。今更だが、ハジメは自分がなんで裸だったのか、気にしないことにした。

 

ベッドルームから出たハジメは、周囲の光景に圧倒され呆然とした。

 

まず、目に入ったのは太陽だ。もちろんここは地下迷宮であり本物ではない。頭上には円錐状の物体が天井高く浮いており、その底面に煌々と輝く球体が浮いていたのである。

 

僅かに温かみを感じる上、蛍光灯のような無機質さを感じないため、思わず〝太陽〟と称したのである。

 

「・・・・・・・・夜になると月みたいになる」

「マジか・・・・・・・・」

 

次に、注目するのは耳に心地良い水の音。扉の奥のこの部屋はちょっとした球場くらいの大きさがあるのだが、その部屋の奥の壁は一面が滝になっていた。

 

天井近くの壁から大量の水が流れ落ち、川に合流して奥の洞窟へと流れ込んでいく。滝の傍特有のマイナスイオン溢れる清涼な風が心地いい。

 

よく見れば魚も泳いでいるようだ。もしかすると地上の川から魚も一緒に流れ込んでいるのかもしれない。

 

川から少し離れたところには大きな畑もあるようである。今は何も植えられていないようだが……その周囲に広がっているのは、もしかしなくても家畜小屋である。

 

動物の気配はしないのだが、水、魚、肉、野菜と素があれば、ここだけでなんでも自炊できそうだ。緑も豊かで、あちこちに様々な種類の樹が生えている。

 

ハジメは川や畑とは逆方向、ベッドルームに隣接した建築物の方へ歩を勧めた。建築したというより岩壁をそのまま加工して住居にした感じだ。

 

「・・・・・・・・少し調べたけど、開かない部屋も多かった・・・・・・・・」

「そうか・・・・・・・・ユエ、油断せずに行くぞ」

「ん・・・・・・・・」

 

石造りの住居は全体的に白く石灰のような手触りだ。全体的に清潔感があり、エントランスには、温かみのある光球が天井から突き出す台座の先端に灯っていた。薄暗いところに長くいたハジメ達には少し眩しいくらいだ。どうやら三階建てらしく、上まで吹き抜けになっている。

 

取り敢えず一階から見て回る。暖炉や柔らかな絨毯、ソファのあるリビングらしき場所、台所、トイレを発見した。どれも長年放置されていたような気配はない。人の気配は感じないのだが・・・・・・・・言ってみれば旅行から帰った時の家の様と言えばわかるだろうか。

 

しばらく人が使っていなかったんだなとわかる、あの空気だ。まるで、人は住んでいないが管理維持だけはしているみたいな・・・・・・・・

 

 

ハジメとユエは、より警戒しながら進む。更に奥へ行くと再び外に出た。そこには大きな円状の穴があり、その淵にはライオンぽい動物の彫刻が口を開いた状態で鎮座している。

 

彫刻の隣には魔法陣が刻まれている。試しに魔力を注いでみると、ライオンモドキの口から勢いよく温水が飛び出した。どこの世界でも水を吐くのはライオンというのがお約束らしい。

 

「まんま、風呂だな。こりゃいいや。何ヶ月ぶりの風呂だか」

 

思わず頬を緩めるハジメ。最初の頃は余裕もなく体の汚れなど気にしていなかったハジメだが、余裕ができると全身のカユミが気になり、大層な魔法陣を書いて水を出し体を拭くくらいのことはしていた。

 

しかし、ハジメも日本人だ。例に漏れず風呂は大好き人間である。安全確認が終わったら堪能しようと頬を緩めてしまうのは仕方ないことだろう。

 

そんなハジメを見てユエが一言、

 

「・・・・・・・・入る? 一緒に・・・・・・・・」

「・・・・・・・・一人でのんびりさせて?」

「むぅ・・・・・・・・」

 

素足でパシャパシャと温水を蹴るユエの姿に、一緒に入ったらくつろぎとは無縁になるだろうと断るハジメ。ユエは唇が尖らせて不満顔だ。

 

それから、二階で書斎や工房らしき部屋を発見した。しかし、書棚も工房の中の扉も封印がされているらしく開けることはできなかった。仕方なく諦め、探索を続ける。

 

二人は三階の奥の部屋に向かった。三階は一部屋しかないようだ。奥の扉を開けると、そこには直径七、八メートルの今まで見たこともないほど精緻で繊細な魔法陣が部屋の中央の床に刻まれていた。いっそ一つの芸術といってもいいほど見事な幾何学模様である。

 

しかし、それよりも注目すべきなのは、その魔法陣の向こう側、豪奢な椅子に座った人影である。人影は骸だった。既に白骨化しており黒に金の刺繍が施された見事なローブを羽織っている。薄汚れた印象はなく、お化け屋敷などにあるそういうオブジェと言われれば納得してしまいそうだ。

 

その骸は椅子にもたれかかりながら俯いている。その姿勢のまま朽ちて白骨化したのだろう。魔法陣しかないこの部屋で骸は何を思っていたのか。寝室やリビングではなく、この場所を選んで果てた意図はなんなのか・・・・・・・・

 

「・・・・・・・・怪しい・・・・・・・・どうする?」

 

ユエもこの骸に疑問を抱いたようだ。おそらく反逆者と言われる者達の一人なのだろうが、苦しんだ様子もなく座ったまま果てたその姿は、まるで誰かを待っているようである。

 

「まぁ、地上への道を調べるには、この部屋がカギなんだろうしな。俺の錬成も受け付けない書庫と工房の封印……調べるしかないだろう。ユエは待っててくれ。何かあったら頼む。」

「ん・・・・・・・・気を付けて」

 

ハジメはそう言うと、魔法陣へ向けて踏み出した。そして、ハジメが魔法陣の中央に足を踏み込んだ瞬間、カッと純白の光が爆ぜ部屋を真っ白に染め上げる。

 

まぶしさに目を閉じるハジメ。直後、何かが頭の中に侵入し、まるで走馬灯のように奈落に落ちてからのことが駆け巡った。

 

やがて光が収まり、目を開けたハジメの目の前には、黒衣の青年が立っていた。この青年の名はオスカーオルクス。反逆者改め解放者の一人だそうだ。そしてハジメは知った。この世界のこと、創造神エヒトのこと。そして彼は神代魔法の一つ、生成魔法を託された。

 

そして、その昔、偉大な錬成士とたたえられたことのある彼が残した数々のアーティファクトも、である。ハジメは、そんな彼を、庭に埋葬してやることにした。その誇りをたたえて。もし彼がひとりで奈落に落ち、ユエとここにたどり着いていたらこんなことはしなかっただろう。

 

しかし、彼の隣にはユエと真由美がいた。そして真由美はそんな彼を称えずにぞんざいに扱ったと聞いたら、小言を言ってくるだろう。人の死をよく知る真由美を、それをそばで見ていたハジメは、何となくこうしないといけない気がした。

 

埋めるときその骸の顔が少し笑顔になったように見えたのは気のせいではないだろう。その後、ハジメはいろいろなものを作った。新しい武装や移動手段、そして咄嗟のアーマー代わりになるお守りのようなものまで。

 

それはまるで、ハジメの後悔と執念が作り上げた集大成のように見えた。

_____________________________

 

「ってな感じのことがあったんだよ。お前にもしっかり話してやりたい。俺を救ってくれたことも含めて、お前には話しておきたいことが山ほどあるんだ。だから頼むよ・・・・・・・・目を開けてくれ!」

 

ハジメは、自分の回想を終え、再び真由美の方を見る。すると真由美の体が、突如として光りだす。

 

「真由美ッ!?」

「おいおい・・・・・・・・一体何が起こってやがる!?」

 

真由美の体は緑色の結晶に覆われて行き、全身を覆うと、今度はそれが一点に収束して、巨大な結晶が真由美の体の上で浮遊する。

 

それはベット横のスペースに降りると、それはどんどん人型をなしていく。足ができ、体ができ、腕ができ、手ができ、頭ができ。

 

するとその人型の結晶が光を放つ。そして光が収まると、そこには紫色の髪の毛に赤い瞳、そして紫色の扇情的なドレスを着た女性らしき人型がたっていた。

 

「あ、あー・・・・・・・・この声。いつもの声と違う・・・・・・・・違う体になったのかこれ。」

「お前・・・・・・・・誰だ?」

「おっ、ハジメじゃないか。無事そう・・・・・・・・には見えないけどとりあえず元気そうで何よりだよ。」

「なぜおれのことを知っている?」

「知っているも何も、私は真由美の裏の顔・・・・・・・・えっと、二重人格といったほうがわかりやすいかな?」

「二重人格・・・・・・・・だと?」

「そう、二重人格。真由美の喋り方が女性としてははっちゃけた喋り方だっただろう?あれは”私”の影響。」

「そんな与太話が信用できるか!」

「これはファンタジーでもフィクションでもない。・・・・・・・・ノンフィクションなんだよハジメ。」

 

裏の真由美?の顔が険しくなる。

 

「私は、真由美が死に体の時、アイツが作り出した偶像だ。でも、それは突然、いわゆる”別の人物像”、一つの体に二つの人格ができている状態になった。でも今の今まで俺はずっと眠っていた。それが今回こいつが致命傷を負ったせいで覚醒してしまった。」

「じゃあつまり、お前は真由美であって真由美ではないと?」

「そういうことだ。本来の真由美・・・・・・・・めんどくさいから宿主でいいや。宿主が致命傷を負って動けない。でもハジメたちの旅の歩みをここで止めるわけにいかない。だから私が出て来た。

宿主の管理とお前のサポートのためにな。最も、戦力的には宿主には劣るし、技能も”自身がもし個体を与えられたら持つはずだった技能”しか持ち合わせていない。多分、本当の意味でのサポートに徹することになる、という訳だ。」

「・・・・・・・・分かった。とにかくお前が出張ってきてるってことは、真由美は一応無事ってことでいいんだな?」

「あぁ、しばらくは目覚めないとは思うが。」

「それが確認できただけ十分だ。それで?その某人理修復する物語に出てきそうな紫髪のキャスターみたいな恰好のお前は何と呼べばいい?」

「えぇッと、そうだな・・・・・・・・ユーマって呼んでくれ。で、え”?私ってばそんな姿してんの?」

「・・・・・・・・把握してないのか?」

「当り前だろっ!私はさっき目が覚めて気が付いたらここにいたんだ!自分の姿なんて確認できるか!」

「・・・・・・・・分かった。こっちにこい。鏡があるから。」

「分かった・・・・・・・・猛烈に見たくないけど・・・・・・・・」

 

こうして第二の人格はハジメと一緒に姿を確認しに行ったのだった。

_____________________

 

「なんじゃこりゃあ!?」

 

ユーマはハジメに案内され、鏡のある部屋に来ていた。しかし、その顔は鏡を見るや、ムンクの叫びにも似たような絶望の表情を浮かべる。

 

「な?言ったろ?」

「イッタイドウシテコウナッタ・・・・・・・・」

 

そう言って泣き崩れる姿はその美貌と相まってとっても幻想的に見える。本人にとっては皮肉以外の何でもないのだが。

 

「なんというか・・・・・・・・うん、ドンマイ。」

「うわぁぁぁん!ハジメぇ。お前優しいなぁ!」

「だぁぁぁぁ!その姿にその声でこっちにくっつくんじゃねぇ!ゆえに余計でいらん誤解されるだろうが!」

「それもそっか。今の私は真由美であって真由美じゃないからなぁ。」

「大丈夫・・・・・・・・気にしない。」

「うわぁぁぁぁ!?ユエちゃん!いつからそこにいたの!?」

「ついさっき。叫び声が聞こえたから、どうしたのかと思って。」

「そっか・・・・・・・・ありがとう、ユエちゃん。」

「それで?お前はいったい何ができる?」

「技能の話か?」

「あぁ、勿論。」

「メインの技能は、”機体作成” ”義体作成”。前者はアイアンマンのスーツを想像してくれるといい。要はロボット、ひいては人型の起動兵器にカテゴライズされてるもので私の記憶にあるやつであれば

それ相応の資材があればアイアンマンみたいにスーツを着て戦えるようなアーマーを作り出せる。後者は純粋に私のこの義体の予備を素材さえあれば大量に作れるって技能だ。後はまぁ魔術に関するアシスト系スキルとかだし、今んとこはこんなものかな。」

「お前・・・・・・・・それ普通にすごくないか?」

「ハジメほどではないだろう?自由度はそっちの方が上だし、俺の機体作成のスキルはあくまで作れるだけ。補修とメンテナンスは自分でやんなきゃいけない。錬成の技能の下位互換+特化型と言える代物だ。」

「でも記憶があれば作れるんだろう?普通にすごいと思うんだが・・・・・・・・」

「謙遜は過ぎると嫌味だぞハジメ。それよりハジメ。資材をくれ。アーマーを作る。」

「今からか?」

「さして時間がかかるわけじゃない。最も、生身でもある程度は戦えるが・・・・・・・・ステータスがこれだもんなぁ・・・・・・・・」

______________

 

 ユーマ 年齢不明 女 レベル92

 

  天職:機鎧の魔術師

 

  筋力:50

 

  耐性:30

 

  敏捷:28

 

  魔力:30000

 

  魔耐:30000

 

 技能:機体作成[+武器作成][+消耗品作成][+動力作成]義体作成 ルーン魔術(偽)

 

_________________________

 

「まさか、義体の肉体にステータスが引っ張られるとは思わなかった・・・・・・・・泣けるぜ。」

「あーうん。もう何も言うまい・・・・・・・・」

「もういいや、ハジメ。私は作業してくる。できるまでユエと一緒に居てくれ。勿論くんずほぐれつしててもいいぞ。私は別に気にしないからな。」

「そんなことするかぁ!・・・・・・・・ってユーマ、お前その作業着どこから出した?」

 

そこにいたのは、先ほどまでの扇情的なドレスではなく、どこかの金髪錬金術師の義手の調整をやっていそうな少女の着ているつなぎのような服にそっくりな服を着たユーマだった。

 

「これ?魔術だけど?」

「魔術?」

「ルーン魔術(偽)って技能があったのはお前も見たよな?あれすっごく便利でさ。日本語を魔力込めて書くとその文字通りのことが起こるのよ。つまり日本語の文字がルーン文字の代わりをしているってわけ。だからツナギって服に書いて服を魔力で変えたとそういう訳だ。」

「お前も多分大概以上だと思う。」

「言ってて私も思ったわ。」

 

そう言ってユーマはハジメが用意してくれた鉱石を使って自分のアーマーを作り始めた。ハジメはユエと一緒にベッドルームへと入っていった。なお、ユーマは作業している途中、男の悲鳴とベッドが激しくきしむ音と水の音を聞いたが無視することにした。

 

 

そうして2時間程度たった後、ユーマはそのアーマーを完成させた。そこになぜかつやつやなユエと、少しやつれたハジメが入ってきた。

 

「ユーマ。これって・・・・・・・・」

「そう。これが俺が作った戦闘用アーマー!ホワイト・グリントだ!」

 

そこには、白い装甲色をしたアーマー。ホワイト・グリントが鎮座していた。

 

「性能は折り紙付き。でもいろいろと魔改造してみた。まずQB、これは最高8000まで出るようにしてある。おかしいね。続いてOB、こいつは25000まで出せる。アハハおかしいね。

武装は右手の武装が051ANNR、左手の武器が063ANARでちゃんと再現。でも中身まではあまり再現できてない。理論上はこいつの動力をそのまま電力に変換し、撃ちだすレールガン方式を採用している。

弾薬は”消耗品作成!のスキルで鉱石さえあれば無限に作れる。動力はコジマ粒子を、ルーン魔術(偽)で無害化&効率化した通称ν-コジマドライブ。これで最長20時間の無補給作戦行動が可能になりました!」

「お前アホだろ。うん、アホだな絶対。というか原作の設定無視して何してるんだお前は!」

「・・・・・・・・ユーマ、ドンマイ。」

「とりあえず、だ。戦力はこれでそろった。これからこのくそったれな世界に喧嘩を売るぞ。」

「ん!」

「言われなくても。」

「俺や真由美・・・・・・・・もといユーマの武器や俺達の力は、地上では異端だ。聖教教会や各国が黙っているということはないだろう」

「ん・・・・・・・・」

「そうだな。彼らにとってはオーバーテクノロジーもいいとこだ。」

「兵器類やアーティファクトを要求されたり、戦争参加を強制される可能性も極めて大きい」

「ん・・・・・・・・」

「あぁ。」

「教会や国だけならまだしも、バックの神を自称する狂人共も敵対するかもしれん」

「ん・・・・・・・・」

「あのクソ神が喧嘩売ってくれるなら買うけどな。」

「世界を敵にまわすとかいうトチ狂ったヤバイ旅だ。命がいくつあっても足りないぐらいな」

「今更・・・・・・・・」

「それこそ今更だ。」

 

ユエとユーマの言葉に思わず苦笑いするハジメ。真っ直ぐ自分を見つめてくるユエのふわふわな髪を優しく撫でる。気持ちよさそうに目を細めるユエに、ハジメは一呼吸を置くと、キラキラと輝く紅眼を見つめ返し、望みと覚悟を言葉にして魂に刻み込む。

 

「俺がユエを、ユエが俺を守る。そしてユーマはそれを支え、俺たちがユーマを支える。勿論真由美もだ。それで俺達は最強だ。全部なぎ倒して、世界を越えよう」

 

ハジメの言葉を、ユエはまるで抱きしめるように、両手を胸の前でギュッと握り締めた。そして、無表情を崩し花が咲くような笑みを浮かべた。返事はいつもの通り、

 

「んっ!」

「あぁ!」

 

第一章 主人公side Fin

 




という訳でここまで読んでいただきありがとうございます。さて、主人公の状態について少しばかり説明を。現在オリ主は、主となる肉体である”真城真由美の肉体”を同化の技能によって全力で修理中のため同化の技能が使えない状態になっています。

そこで、本体のコピー品、つまるところ義体を作ることになったが、その義体の性能が大きく劣ることもあり、本体が持っている技能がコピーできないという状態となってしまった。そこで代案として出たのが、本来の真城真由美が持つはずだった技能を義体に移すことで

義体でも十分に使える技能として使わせる、というような感じです。つまるところハードがダメで高性能なソフトが入れられないからハードに見あうソフトいれたった、というのが今のオリ主の状態です。これは後々、設定を出すのでそちらを参照していただくといいかもしれません。

ということで次回は設定か、清水たちクラスメイトsideのお話のどっちかになると思いますのでどうかよろしくお願いしますではまた次回お会いしましょう。さようなら

光輝君はどうするべき?

  • 主人公たちを邪魔し続ける
  • 改心させる
  • いっそのこと殺す
  • 魔人族の手先になる
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