『存在』と『虚無』の力は神をも屠る(更新停止、凍結中&新シリーズ作成中)。   作:狩村 花蓮

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前回までの三つの出来事 一つ:主人公はTSしちゃったぞ 二つ:中村恵理を助け清水と仲良くなり、二人の死亡フラグを折ったぞ 三つ:異世界召喚されたぞ


第一章 奈落編
第三話 異世界トータス


三人称side

 

光が収まる。真城たちは目を開ける、目の前にあったのはいつもの教室ではなくいかにも高級そうな石材で出来た大きな広間だった。

 

 まず目に飛び込んできたのは巨大な壁画だった。縦横十メートルはありそうなその壁画には、後光を背負い長い金髪を靡かせうっすらと微笑む中性的な顔立ちの人物が描かれていた。

 

背景には草原や湖、山々が描かれ、それらを包み込むかのように、その人物は両手を広げている。美しい壁画だ。素晴らしい壁画だ。だがしかし、真城はなぜか薄ら寒さを感じて無意識に目を逸らした。 

 

ここは美しい光沢を放つ滑らかな白い石造りの建築物のようで、これまた美しい彫刻が彫られた巨大な柱に支えられ、天井はドーム状になっている。大聖堂という言葉が自然と湧き上がるような荘厳な雰囲気の広間である。

 

しかし、そこある肖像画の顔は、どこか不気味さを醸し出すような、うすら笑いを浮かべていたように見える。 よくよく周囲を見てみると、どうやら自分達は巨大な広間にいるらしいということが分かった。

 

素材は大理石だろうか? 美しい光沢を放つ滑らかな白い石造りの建築物のようで、これまた美しい彫刻が彫られた巨大な柱に支えられ、天井はドーム状になっている。大聖堂という言葉が自然と湧き上がるような荘厳な雰囲気の広間である。

 

真城達はその最奥にある台座のような場所の上にいるようだった。周囲より位置が高い。周りには真城と同じように呆然と周囲を見渡すクラスメイト達がいた。どうやら、あの時、教室にいた生徒は全員この状況に巻き込まれてしまったようである。

 

真城はチラリと背後を振り返った。そこには、やはり呆然としてへたり込む香織の姿があった。怪我はないようで、真城はホッと胸を撫で下ろす。

 

そして、おそらくこの状況を説明できるであろう台座の周囲を取り囲む者達への観察に移った。

 

そう、この広間にいるのは真城やハジメ達だけではない。少なくとも三十人近い人々が、真城達の乗っている台座の前にいたのだ。まるで祈りを捧げるように跪き、両手を胸の前で組んだ格好で。

 

彼等は一様に白地に金の刺繍がなされた法衣のようなものを纏まとい、傍らに錫杖のような物を置いている。その錫杖は先端が扇状に広がっており、円環の代わりに円盤が数枚吊り下げられていた。

 

その内の一人、法衣集団の中でも特に豪奢で煌きらびやかな衣装を纏い、高さ三十センチ位ありそうなこれまた細かい意匠の凝らされた烏帽子のような物を被っている七十代くらいの老人が進み出てきた。

 

もっとも、老人と表現するには纏う覇気が強すぎる。顔に刻まれた皺や老熟した目がなければ五十代と言っても通るかもしれない。

 

そんな彼は手に持った錫杖をシャラシャラと鳴らしながら、外見によく合う深みのある落ち着いた声音でハジメ達に話しかけた。

 

「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。

私は、聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ」

 

そう言って、イシュタルと名乗った老人は、これまた壁画の絵にかいてあったあの女性の顔のような寒気を催すような微笑を見せた。

 

その後、真由美達は場所を移り、十メートル以上ありそうなテーブルが幾つも並んだ大広間に通されていた。

 

この部屋も例に漏れず煌びやかな作りだ。素人目にも調度品や飾られた絵、壁紙が職人芸の粋を集めたものなのだろうとわかる。

 

おそらく、晩餐会などをする場所なのではないだろうか。上座に近い方に畑山愛子先生と光輝達四人組が座り、後はその取り巻き順に適当に座っている。真城は最後方だ。

 

ここに案内されるまで、誰も大して騒がなかったのは未だ現実に認識が追いついていないからだろう。イシュタルが事情を説明すると告げたことや、カリスマレベルMAXの光輝が落ち着かせたことも理由だろうが。

 

教師より教師らしく生徒達を纏めていると愛子先生が涙目だった。

 

全員が着席すると、絶妙なタイミングでカートを押しながらメイドさん達が入ってきた。そう、生メイドである! 地球産の某聖地にいるようなエセメイドや外国にいるデップリしたおばさんメイドではない。

 

正真正銘、男子の夢を具現化したような美女・美少女メイドである!こんな状況でも思春期男子の飽くなき探究心と欲望は健在でクラス男子の大半がメイドさん達を凝視している。

 

もっとも、それを見た女子達の視線は、氷河期もかくやという冷たさを宿していたのだが・・・・・・・・。だが真城は男子の方を見向きもせず、たった今、メイドが持ってきて、クラスメイトの前に出したお茶(おそらく紅茶のような何か)

 

を凝視していた。真城は魔眼を行使する。この時期になるまで何も真城は訓練を怠っていたわけではない。日本では到底できない、戦闘用の魔眼こそ用意できなかったが、それ以外・・・・・・・・例えば今使ってる、対象物に成分を詳しく知ることのできる

 

特殊魔眼:検分の魔眼 などである。いささかチートである。それは置いておいて、このお茶には少しだけ思考能力を鈍らせる薬が入っているようだ。既に飲んでいるバカもいるので真城は忠告するのをやめる。

 

学校では意図して目立ってこなかった彼女である。まぁだからこそミステリアスのレッテルを張られた(鈴から聞いた噂)のだが・・・・・・・・そんなことをしているとイシュタルと名乗た人物が説明を始めた。

 

 

真由美side

 

皆さんどうも、悠馬改め真由美です。いやね、覚悟してたとはいえ驚いちゃったよ。突然目の前が真っ白になったかと思えば気づいたらここだもん。

 

そりゃ疑心暗鬼にもなるよね。まぁそんなことはどうでもよくて、さっきのあの腹黒クソ神官が言ってたことを要約するわ。

 

とはいっても言ってることは至極単純。要は人間ピンチだから戦ってくれや、というもの。なんともまぁ身勝手な話だよね。

 

まず我々じゃどうにもならないってあのクソ神官は言ったけど、いやいや待ってそこまで放置したのはあなた達でしょ?ってことよ。

 

前提としてそもそも間違ってんのよ。いくら異世界からの来訪者?でこの世界の住人より基礎スペックがあるからって戦闘ど素人の俺らに頼むかねって話。

 

日本はこのところ一度も銃を使った戦いがなかったくらいに平和だったんだよ。戦い方なんて知ってる奴いないし、せいぜいできて街中での不良同士の殴り合いが限界だよ。

 

俺や八重樫さん、クソオブクソの光輝みたいに剣術とか習ってても人とか切ったことある奴なんていない。当然だ。そんなことしたら捕まるもん。

 

そういうのはね、惨殺と化したことある殺人犯にでもやらせりゃいいのよ。特に俺らは成人してない学生。そんな奴らに頼むのなんて論外、とおれは思うんだよねぇ。

 

「ふざけないで下さい! 結局、この子達に戦争させようってことでしょ! そんなの許しません! ええ、先生は絶対に許しませんよ! 私達を早く帰して下さい! きっと、ご家族も心配しているはずです! あなた達のしていることはただの誘拐ですよ!」

 

あっ、愛ちゃん先生キレてる。いやまぁ実際その通りなんだけど・・・・・・・・でもね愛ちゃん先生。この先の展開知ってるから言えるけど、それってできない相談なんだよね。

 

「お気持ちはお察しします。しかし……あなた方の帰還は現状では不可能です」

 

おう随分ときっぱりいいやがるじゃねぇかクソ神官。

 

「ふ、不可能って……ど、どういうことですか!? 喚べたのなら帰せるでしょう!?」

 

 愛ちゃん先生、叫ぶ。そりゃそうでしょうよ。”帰れない”何て言われたら誰だってそうなる、俺だってそうなる。

 

「先ほど言ったように、あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々人間に異世界に干渉するような魔法は使えませんのでな、あなた方が帰還できるかどうかもエヒト様の御意思次第ということですな」

「そ、そんな……」

 

おうやっぱエヒトのやろうはブチ殺決定ー。いいよねゼウスのじっちゃん。

 

『構わぬ。それにしてもエヒトとはな・・・・・・・・あ奴めこんなところで神の真似事をやってたのか。』

 

えっ?じっちゃんエヒトと知り合い?

 

『あ奴は一度、神の権能をむやみやたらに使いすぎたのでな。我が力の大半を奪って追放したんじゃ。そしたらあ奴めこんなところで生きながらえておったとは。』

 

へぇー、そんなことやってたんだあいつ。というかありふれって、創作物だからそこに出てくる神様って存在しないのかと思ってたんだけど違うんだね?

 

『厳密に言うと我が知っているのは力があった時のあ奴だ。あ奴のような神は信仰を力に変えて生きる。それは人間でいう創作物でも可能である。我のような神は信仰なくても名が有名だから生きることができる

 

が、あ奴の場合信仰がなくなってしまえば、そのまま自然と消えてしまう。あ奴先後の力を振り絞り消える直前に創作物という基本的には信仰が途絶えることがない世界を作ったわけだ。後は信仰の力で己を直し

 

神格へもう一度至ろうとしているとそういう訳であろうな。』

 

じゃあつまり、忘れられると困るから忘れられない世界を作ったわけだ。

 

『まぁそういう認識でよい。ともかくだ、ここまでのことをしでかしておいて御咎めなしというのはあり得ぬ。よってゼウスの名において其方に神殺しの許可を与える。』

 

おーありがとゼウスのじっちゃん。本当は戦いたくないんだけどね。日本大好き、戦いなんてゲームの中だけで十分なんじゃい。

 

っと、話をこっち側に戻そう。つまり、だ。帰れないからみんな不安がってる。そしてな、原作だとここら辺であの害悪が動くんだけど・・・・・・・・

 

「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ。……俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。

それを知って、放っておくなんて俺にはできない。それに、人間を救うために召喚されたのなら、救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。……イシュタルさん? どうですか?」

「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい」

「俺達には大きな力があるんですよね? ここに来てから妙に力が漲っている感じがします」

「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から数十倍の力を持っていると考えていいでしょうな」

「うん、なら大丈夫。俺は戦う。人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!」

 

ギュッと握り拳を作りそう宣言する光輝。無駄に歯がキラリと光る。おうやっぱり動いたかこのの害悪くそ光輝。ほぉらみろ、てめぇのカリスマ力でみーんなやる気だしちゃったじゃねぇか。

 

やってやる、やってやるぞォー!とかフラグめいたこと言ってる奴いるし。

 

「へっ、お前ならそう言うと思ったぜ。お前一人じゃ心配だからな。・・・・・・・・俺もやるぜ?」

「龍太郎・・・・・・・・」

「今のところ、それしかないわよね。・・・・・・・・気に食わないけど・・・・・・・・私もやるわ」

「雫・・・・・・・・」

「え、えっと、雫ちゃんがやるなら私も頑張るよ!」

「香織・・・・・・・・」

 

 

いつものメンバーが光輝に賛同する。後は当然の流れというようにクラスメイト達が賛同していく。愛子先生はオロオロと「ダメですよ~」と涙目で訴えているが光輝の作った流れの前では無力だった。

 

それ見たことか。全く、少しお説教だな。俺は自分の前にあるテーブルを叩く。勿論力は抑えてあるよ。

 

「雰囲気にのまれるな、馬鹿ども。」

 

俺はいつもの事務的な口調をやめて、素の口調で話す。

 

「バカとは何だ皆に向かって!失礼だとは思わないのかっ!」

「あんたの持論なんてどうだっていい。そして光輝の意見に賛同した人もだ、分かってんの?戦えってことは、命を奪うってこと。そしてそれは何もゲームに出てくるゴブリンみたいなやつばっかりじゃない。

さっきイシュタルさんはこう言ったよね?”魔人族”って。ゴブリンとかの異形の化け物だけだったら”魔族”という表現で事足りるし、そもそも知恵がない化け物にそう簡単に負けるほど人間は弱くない。

ここまで来たら、私の言いたいこと、分かってる人もいるんじゃない?私たち同様に人型の敵がいるってことよ。それも私たちと同じぐらいの知恵を持った敵が、ね。」

「それがどうしたっ!俺たちはこの戦いに必要とされたからここにいるんだ!戦うのが道理だろう!」

「そんな道理ががあるなら今すぐ捨ててやる。さて、皆に聞こう。”人殺し”の覚悟はできてるの?」

 

皆息をのむ。そりゃそうだ。誰だって人殺しはしたくねぇよ。俺だってそうだ。

 

「そっちの都合で勝手に連れてこられ、拒否権もないまま戦争に駆り出されて、人殺しできませんでしたなんて言ったら私たち、全員死ぬわよ。一人残らずね。」

「そんなことない。俺がさせない!それに第一、人殺しをする必要なんてない!h・・・・・・・・」

「捕虜にすればいい、でしょ。そんなことができてたら、私たちはいらないでしょうね。全員を守る?戦い方を知らない私たちをあなたが?できるわけないでしょ。」

「くっ!お前はこの世界の人たちがかわいそうだとは思わないのかっ!」

「論点をそらすな馬鹿光輝。私はいま人を殺す覚悟はあんのかって聞いてんの。・・・・・・・・まぁいいわ、論点をずらすってことはその覚悟がないってことだし。

はっきり言うわね。私はこの世界がどうなろうと知ったこっちゃない。私はただ元の世界に帰ってゆったりとした生活を送りたいだけ。死にたくないもの。

でもみんな勇敢だね。誰か分からない人のために自分の命をかけれるんだもの。私には到底真似できない。」

 

その言葉で光輝は完全に反論できなくなったようだ。あッれぇ?原作だともうちょい突っかかってくると思ったんだけどな。まぁいいや。ここまで言えば誰も言い返せまい。

 

覚悟はできてる。そのためにいろいろな経験を積んだ。だからって誰も死なせないなんて言うのは土台無理な話だ。これは戦争なんだよ。確かに俺はね、俺とおれに関係する人全員が正しい生き方ができるようにとゼウスのじっちゃんにお願いした。

 

けどね、ありふれの原作を知ってるからこそ、俺はこのエヒトとかいうくそ野郎が仕組んだお遊びとしての戦争で何が起こるか知っている。だからせめて、手が届く相手くらいは助けたい、と思う。

 

という訳でそのあとはイシュタルとかいう目にいれたくないような奴が俺たちを止めて、この山の下にあるハイリヒ王国というところで生活することになった。

 

先ほども言ったけど、俺たちは戦い方を知らない。ここに来た時点で戦いにかかわる運命には逆らえない。まずはどうにかして檜山と光輝は何とかしないといけない。

 

俺が深く原作にかかわって破綻させてもいけない。帰れませんってなったら俺としても困る。そのためにはハジメには申し訳ないけど奈落に落ちてもらわないと・・・・・・・・

 

まぁ俺もついて行くけどね。という訳で神山と呼ばれる場所からリフト的なもので降り、麓?にあるハイリヒ王国を目指した。後は原作通り事が運んだ。

 

えっ?それだけじゃわからないって?いやだって、あのクソ神官がハイリヒ王国の国王に手の甲キスをやらせて自己紹介があってとそんなもんだよ?

 

ということで部屋が割り当てられ私は一人部屋で寝ることになった。さて、明日からいよいよ訓練だ。どこまで強くなれるのかな?私。

 

 

 

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございました。ではまた次回お会いしましょう

光輝君はどうするべき?

  • 主人公たちを邪魔し続ける
  • 改心させる
  • いっそのこと殺す
  • 魔人族の手先になる
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