もしも、誰かの掌の上で踊らされていたとしても、私は勝つ、そして生きる。(しかし妄想である)
私たち三人には、共通して幼馴染がいる。名を上坂真冬、これでもれっきとした男であり、私たち三人が恋い焦がれる男でもある。寛大で、優しくて、かっこよくて、おもいやりがあって……話すと長くなりそうなので、ここまでにしておこう。
柔らかいいつものベッドに勢いよく倒れこみ、布団を目元まで引っ張り上げ、瞳を閉じる。今日も、いつもの場所へ行くために。
体を風が必要になぶる。ごう、ごうとうなるなか、瞳を開き、右手に握られたマグナム44を自分のこめかみに押し付け、撃鉄を上げた。
「今日は、何かな……ッ!」
引き金が引かれ弾丸が彼女のこめかみを突き抜け、体がぐらりと傾く。そのまま地面に向かってかなりの速度で落下し、あともう少しで地面と激突する、といった距離で蒼に染まった目をカッと見開く。
いつのまにか握られていた幅広の大剣を地面に打ち付け、真っ逆さまな姿勢をただし、着地する。
ポーン
兵士か、と一人心地につぶやき、大剣で風を斬る。ゴシック調のスカートがはためき、白く、ほっそりとした生足が露わになる。彼女は御影百合子(みかげゆりこ)この世界ではクイーンと名乗っている。
空のマガジンを放り投げ、マガジンポーチから新しいマガジンを取り出し、拳銃にはめ込む。プラチナブロンドの髪を面倒そうにかきあげ、後ろで一つに結う。彼女はミカエル・ランチェスター・美咲(みさき)この世界ではビショップと名乗る。黒の外套に黒のスカート。背中にはショットガンと44マグナムが。
「やっときたわね、クイーン」
目の前の空間が歪み、中からゴシックドレスに身を包んだクイーンが現れる。大剣を切っ先を真正面に向け、ビショップを鋭い眼光でにらむ。
「おはよう、ビショップ。死ね」
「あらひどい。死ね、クイーン」
言うか動くが先か、クイーンは大剣を横に大きく薙ぎ、ビショップの胴体を切断せんと殺気を乗せる。ビショップは紙一重でそれをよけ、虚空から古ぼけた革表紙の本を開く。
「我は求める、ルルイエ!」
革表紙の本がまばゆい光を放ち、虚空から中世の鎧を身にまとった剣士が現れ、クイーンに向かって肉薄する。クイーンは憎しみを込めた舌打ちをし、大剣で剣を迎え撃つ。一度、二度と県が交わり、火花が散る。ビショップは拳銃の銃口をクイーンに向けて引き金を引く。一発、二発と弾丸がはなたれ、クイーンめがけて飛翔した。