朝起きたら自分だと名乗る美少女がいた   作:スカアハ

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久々に投稿したので、文体とか変わっているかもしれませんがご容赦ください
ひねもすって名前でXしてます。
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第10話

「ひま…」

 

そう彼女がつぶやく。

 

暇、それは欲しいときには何としてでも手に入れたいと願うものの、いざ手に入ってしまえばもてあまし、挙句の果てには退屈となって自らを苦しめる。

 

とは思うものの、私の今の立場からすると暇なんて言葉は羨ましいことこの上なく、端的に言えば、課題に追われている私に対しての配慮とかないのかな?こいつ。

 

「暇なのはいいことでしょ」

 

課題の片手間に返答する私に対して、むくれている彼女。面がいいとこんな表情でも絵になるのはずるいと思います。

 

可愛そう、もとい可哀そうではあるが、こちらとしても単位という何としても手に入れなければいけないものがかかっているため構っている暇などない。

 

テキストを開き、レジュメをあさり、やたらと迂遠な表現をつかい文字数を稼ぐ。大学受験の果てにやってることが夏休みの読書感想文の文字埋めとあんまり変わらないの現代社会のバグでしょと思わなくもないが、単位を得るためなので仕方ない。

 

一つ言えるのはノルマのように文字数があるのはよくないよね、就職するときはノルマがない会社を目指そう。そう固く誓った。

 

「ひーまー」

 

「ひまひまひまひまひまひまひま!!」

 

そんな私の誓いなんて無視して、彼女が大声でわめく。

 

「うるせえ!!」

 

「だって暇なんだもん!!!」

 

「欲しいときは是が非でも手に入れたいけど、今はもてあまして苦痛なんだもん!」

 

思ったより声が出てしまったな、なんて思う間もなく、それより大きい声が返ってきて驚く。

というかさすがは自分、考えることは同じなんだね…。

でも、なら今は私が何としても暇を手に入れたいほうの立場ってことも考慮してね…。

 

とはいえ、こんな大声を出すほどに退屈に喘いでいる自分を放置するのも忍びない。

レポートを書く手を止め、彼女のほうへ向く。

放置ではなく説得へ切り替えよう。

 

「暇なのはわかった」

 

「わかったけども、こっちも課題がやばいんだって」

 

「課題がやばいのは放置してたからじゃないんですかぁ?」

 

痛いところをついてきやがったこいつ。

そうなんですよね、割と自業自得なんですよねこの状況。

とはいうものの。

 

「異議あり、私が放置していたということはあなたも放置していたはずなので、考慮してくれてもいいと思います」

 

「んぐぐぐ…」

 

「というか、暇なら課題手伝ってよ」

 

「んー、手伝ってあげたいのは山々なんだけど」

 

「私の知識が通用するところはもう終わってそうじゃん」

 

そうだった、とりあえず大学には行かないようにって話し合ったから途中から講義受けてないんだった…

やらかしたな、というか最初っから手伝ってもらえばよかったか…

 

「あー、じゃあゲームでもしてれば?」

 

「は?そんなのすぐ考えましたけど?」

 

急に不機嫌になる彼女。

 

「課題中にゲームされたら気にするかなぁって思った私の気遣いをなんだと…」

 

あー、なるほどね。

確かに気になるかもしれない。どうやら、彼女なりに私のことは気を遣ってくれてはいたらしい。

惜しむらくは課題が終わるまで静かにしていてくれれば完璧だったのに、なんて思わなくもない。

 

「気にならないっていうならするからね!ゲーム!」

 

ふてくされたように言う彼女はコントローラーを取り出し、ゲームを起動しようとする。

そんな彼女を見ながら

 

「おい、やるならこっちにしようぜ」

 

そう言って、私もコントローラーを取り出し起動するソフトを指定する。

 

「いや、課題は?」

 

「まあ、あそこまでいけばあとはなんとかなるよ」

 

「それに、一人より二人でしたほうが退屈しのぎになるでしょ」

 

彼女が私に対して気を遣ってくれていたのだから、私が彼女に対して気を遣ってもよいだろう。

というか、一度目に付くと流石に気になってしまう。そう、気になってしまうからであって、べ、べつにちょっと寂しそうに見えたとかそういうわけじゃないんだからね!

 

「ふーん?」

 

そんな私の内心を見透かしたように言う彼女。おそらく見透かしてはいるのだろうけど。

 

「よし!じゃあ、私の気遣いを無下にした分、ゲームでボコす!」

 

「は?課題の邪魔した分こっちがボコすが?」

 

そういってゲームに更けていった。

やはり、ゲームは一人より二人のほうが楽しい。彼女の横顔を見つつそう思った。

 

なお、課題は彼女が寝た後に徹夜で必死に終わらせた。もう二度と課題をため込んだりしない、そう誓った。




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