なお、まだ開眼してない模様
パン屋にて勤労に励んでいたタキオンの幼馴染であったが、銀髪のナイスボディなウマ娘と出会い、視線が合ってしまった
「ん?」
「ん〜?」
ヤバイ
彼がタキオンと過ごしてきた13年培った経験が警鐘を鳴らしている
ブルー、イエロー、レッドで言えば恐らくイエロークラス
つまり、タキオン換算ならば目が笑ってないレベルである
しかし、タキオンの幼馴染として無様を見せるわけにはいかない
幸いにも仕事は終わった
だが、迂闊に動けば
彼はサッと視線を相手の頭部と尻尾に向けた。勿論、数秒で、だ
ウマ娘全般に言えるのかは知らないが、タキオンの場合は不機嫌な時に視線を向けられる事は嫌がる
となれば、目の前のウマ娘もそうであると仮定するの現状では最良だろう
尻尾の緊張はなし
耳は入店時に比べると、やや動きが早い様に見える
興奮の兆候あり
目
瞳孔の開きなし
ハナ
拡大してる様子なし
口
呼吸にやや乱れの兆候あり
顔全体において、やや緊張が見られる
脚
現在は力が篭っている様相なし
腕と手
腕も見た目では異常なし
手はやや握りしめている
緊張の恐れあり
トータル
レッドよりのイエローと判断
此処までの時間僅か15秒
伊達にタキオンの幼馴染兼ストッパーをしてる訳でもない
なお、先の生徒会との追走劇においても、この能力を遺憾なく発揮できた事がスペック上では劣る彼が勝ち得た要因であった
焦ると余計な刺激を与えかねない
そう判断した彼はごく自然かつ最少限の動きで店から出て行った
ゴールドシップは目の前の男に戦慄していた
従姉妹であるメジロマックイーンを迎えに来たものの、少し到着が早かった為にトレセン学園周囲を散策していた
良く勘違いされるが、ゴールドシップは感覚のみに頼るウマ娘では断じてない
彼女は周りの状況や周囲の感情を理解した上で、自身の本能を優先する事が多いだけなのだ
今回とて、来年従姉妹のメジロライアンとメジロパーマーと共にトレセン学園に入学するからこそ、周辺の散策をしているだけである
が、ゴールドシップの凄いところは本能ともいえる直感により、行動したとしても後々には上手く作用する事が多いのだ
だからこそ、問題行動の多いゴールドシップがマックイーンの迎えに選ばれた訳である
だが、そんなゴールドシップにとっても目の前の男は正体不明である
そして、男がゴールドシップに少しだけ視線を向けた時
(おいおい、このゴルシちゃんが緊張してるって?
へぇ、面白いじゃん)
確かに男は一瞬だけ、口元を歪めた
男はそのまま店の外に出て行った
ゴールドシップも直ぐに追いかけたかったが
「おばちゃん、これくれよ!」
此処はパン屋
買い物をせずに出る事など誰が許してもゴルシが許さなかった
パン屋の裏手にある空き地にゴールドシップと男
ゴールドシップは内心焦っていたが
「こんばんわ。キミウマ娘でしょ?」
「は?」
ふっ、決まったな!
これぞ対イエロークラスのタキオン戦術
『先出し』よ!
うんうん
さっき迄の緊張が何処かに飛んでったね
口元も少し力が抜けてるし、イケルイケル!
いや、え、何だよコイツ
ヤッベ、楽しい奴なの?
ゴールドシップは好奇心の塊である
そして、彼女がいる家は『メジロ家』というウマ娘の名家である
当然ゴールドシップにこんなに気安く接してくる人間もウマ娘も居なかった
どうしても、格式やしきたりがあるからだ
だが、今この場に居るのは『メジロ家』のゴールドシップでなく、ただのゴールドシップ
ゴールドシップの好奇心というエンジンに今、火が入った
「え、マジ
じゃあお前って、あの『王子様』なのか?」
「あ、その呼び方はやめて」
「お、おう」
ある程度話をすると、相手が有名な人物だと分かった為に興奮したゴールドシップに対する相手の反応は、死んだ目だった
有無を言わさない圧力を感じたゴールドシップは即答した
「けど、凄えよなぁ
幼馴染のウマ娘とそこまで一緒に居られんのかぁ」
「そだね。タキオンと居るのがいつの間にか当たり前になってたからなぁ。最初の数ヶ月だけだったな、マジで辛かったのは
ま、ゴルシみたいな奴だったなら、タキオンとはまた違う意味で楽しそうだけどもなぁ」
「はー!
良いよなぁ、アグネスタキオン先輩は」
これは偽らざる本音だった
今の生活に不満はない。それでも隣の芝は青く見えるものだから
「何だったら、今度タキオンとも話する?」
「おっ、いいのか?
そりゃあ私からすれば嬉しいけどな!」
「大丈夫だろ
まあ、ブラックコーヒーケースで持参する様に強くすすめるがな」
「あ?何でだ」
「良くわからんが、地元の連れ達からはそう言われてたんだよなぁ」
「ん〜、分かった!今度行く時にはそうするぜ!」
「おけおけ
じゃ、暇な時に連絡くれや」
「任せとけって!
っと、そろそろトレセン学園に行かなきゃな」
「従姉妹に会うんだっけ?」
「マックイーンにな!」
「なら、ボクも行くかなぁ」
「うっし、じゃ一緒に行くか!」
「よ、マックイーン!」
「ゴールドシップさん!」
「やぁ、遅くなってすまないね」
「ええって、んじゃ帰るか。タキオン」
「あれがタキオンさんの」
「へぇ?あれがアグネスタキオン先輩かよ」
「というか貴女知り合いでしたの?」
「今日知り合った!」
「どういう事ですの?」
自分たちの家に帰るタキオンと彼を見送るマックイーンとゴールドシップだった
「さっきの彼女は?」
「ん?マックイーンさんの従姉妹のゴールドシップだってさ」
「ふぅん」
「そういじけなさんなって!俺にはタキオンがいるんだからさ」
「やれやれ、今はそれで我慢するよ」
彼はタキオンの頭をゆっくりと撫でていた
タキオンは彼に寄りかかりながら、目を細めた
「さて、今日の晩御飯はどうするよ?」
「ふぅむ、鍋は季節外れだろうし
うむむ、悩むねぇ」
「んじゃ、久々にあれにするか?」
「おやおや、仕込みはしているのかい?
あれに手間がかかると言ったのは他ならぬ君だと思っていたが」
「備えあれば憂いなし。そういう事」
「全く
嬉しい事を言ってくれるねぇ」
その日は豚バラ丼だった
地元の同級生から見た2人
「バカップル」
「リア充」
「砂糖製造機」
「ブラックコーヒーの糖度を上げる2人」
「『束縛』のタキオン
『執着』のアイツ」
「うちの地元で二人羽織を流行らせた元凶」
「わりと病んでる2人」
「不釣り合いな2人」
「でもお似合い」
「早く結婚しろ」
「これで付き合ってないとか、マジかよ」
「終業式でお姫様抱っこした無敵のカップル」
この出会いをきっかけにゴルシはフリーダムになった
つまりマックイーン達は彼を怒っても許される
多数のお気に入りや評価にガクブルな私ですが、宜しければお付き合いください
絡ませるウマ娘 part2
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