多分お気に入りもかなり減ると思いますが、とりあえず投げます
お世話になっている病院の婦長が絶『ふちょう』でした
グラスワンダーに日本文化を教える約束をしたタキオンと彼は速やかに家へと帰った
そして
「・・・・ああ、悪いとは思うのだけど
もう一度お願いできるかな?」
タキオンは自分の幼馴染の口から出た言葉を疑いたくはない
だが、今回だけは嘘であって欲しいと願った
「だから
タキオンと俺の今までの話をして欲しいんだとよ、俺から」
「ちょ、え、ま、え?何、ええ?」
「タキオンとりあえず落ち着けって」
彼は水を差し出す
「・・・・・ん、ん、ん
ありがとう。少しは落ち着いたよ」
「久しぶりだな、そのテンパリタキオンは」
ニヤニヤと彼は笑っている
「だから!その微妙なネーミングは止めてくれと言っているだろう?」
「ぽーん
只今のアグネスタキオンさんからの提案は否決されました」
「即答?!
せめて少しは考えるフリ位したまえよ」
「むーりー」
それから暫くタキオンと彼はソファーの上で格闘した
「つまり、生徒会からの依頼なんだね」
「厳密にはトレセン学園からの依頼やね
ついでに期日は明日」
「規模が大きくなってるよ!?
しかも、明日ぁ!?」
「あれでしょ?来年から外部からトレーナーを受け入れて、本格的にトレセン学園としてウマ娘のレースへテコ入れするからじゃない?」
「ああ、あれかい?ウマ娘によるレース」
「んで、その前の準備段階の一つとして、俺とタキオンの馴れ初めを語れって事じゃ無い?」
トレセン学園に在籍するウマ娘の大半が異性との付き合いがない
現在桐生院家が中心となってトレーナーの育成に力を入れているが、どうしても桐生院家の御令嬢の様に女性トレーナーは数が少ない
となれば、男性のトレーナーに指導されるウマ娘が必然的に増えてしまうだろう
そこで、異性に慣れる事から始めたのではウマ娘のピークを無為に過ごす可能性も存在する
そこで、ウマ娘アグネスタキオンと交際している(トレセン学園のウマ娘達にはまだ秘密にしている)彼に男性目線からの意見。それに引退後を見据えての男女交際についても知識を深めるのが目的らしい
詳しい事までは彼は聞いてないし、聞く気もないが
「な、馴れっ」
タキオンは真っ赤になった
「やっぱり俺のタキオンは可愛いなぁ」
「っ!っ!」
「あ、こら。チャンネル投げるな!ティッシュの箱投げるな」
「つーん」
「ああもう、可愛いかよ」
「つーん」
「タキオン」
「・・・つーん」
タキオンの機嫌を損ねた彼は
「ほら、おいで?タキオン」
「誤魔化してる」
彼が両手を出していると、タキオンはその手の間に体を入れた
そして、彼がタキオンを後ろから抱きしめる
「ふふっ」
「ホント、タキオンこれ好きだなぁ」
「一番近くに君を感じられるからね
当然だろう」
「ウチのお姫様は可愛い事言ってくれちゃって、もう」
「大好きだよ」
「俺もさ」
その夜は久しぶりに二人羽織で寝た
タキオンと彼の間にはルールがある
どの様な時にも『愛してる』とは言わない事であった
今も自活している様に見えて、結局親の仕送りがなければ生活出来ていない。
このマンションとて、町内会長の伝手で確保できたのだ
自分達で自身の生活を支えきれる
そんな確証がない限り、2人が『愛』という言葉を使う事はない
それが2人の誓いなのだ
考え方が古い?
構わない
それがウマ娘アグネスタキオンとその彼氏が選んだ道なのだから
翌日
タキオンと彼は一緒にトレセン学園へと向かった
今日の朝一から彼メインの講演会という名の昔語りだった
「あら?タキオンさんおはようございます
それに幼馴染さんも」
「ああ、マックイーンおはよう
随分と早いんだねぇ」
「おはようございます
メジロマックイーンさんでしたよね?ゴルシの従姉妹の」
「今日は貴女と彼のお話を聞ける機会ですもの
早めに行って前の席を確保しないと
この間はゴールドシップさんがご迷惑を」
「いやいや、ゴールドシップさんとの話は楽しかったですし、また機会があれば是非とお伝えしていただけますか?」
「勿論ですわ!」
「じゃあ、私はマックイーンと席に行くよ
また、後で」
「では失礼しますわ」
「やあ、今日は本当にすまないね」
「ま、仕方ないって事で諦メロンしてるからいいよん」
「こちらとしては頼み込んでる側だからあれだが」
「大丈夫、そこまで無茶はしないって」
「本当か?」
「信用なさすぎてワロエナイ」
「ブライアンにグルーヴ。大丈夫だ
彼に任せておこう」
「注目っ!今日はウマ娘と異性の付き合い方について、特別講師を招いたっ!」
「静聴っ!」
あ、えートレセン学園の皆さん、おはようございます
本日の特別講師なんかを務めます、トレセン学園生徒アグネスタキオンの彼氏です。どうぞ、宜しくお願いします
「タキオンさんの!」
「という事は、『王子様』?」
あっと、その王子様って言うのは私には相応しく無いと思ってます
逆にタキオンがお姫様っていうのには、全力で同意しますが
皆さんはウマ娘というご自身について、どの程度ご理解されておられるでしょうか?
ウマ娘という存在自体は近年市民権を獲得しましたが、未だに一般には周知されていないのが実情であると感じています
ウマ娘という名称は知っていても、それだけでは意味がありません
私は幸いにして、幼馴染であるアグネスタキオンが居たおかげでウマ娘というものにも興味を持つことが出来ました
調べて愕然としたのが、ウマ娘と一般男性との婚姻の成立する率でした
どのくらいか少し皆さんで考えてみてください
「む、たづなっ!
興味深い話だな、これは」
「はい」
では答えを言いますと
大凡2%だそうです
この数字はまだ私が小さかった頃の数字ですので、今はそれより上向いているとは思いますが
その理由はウマ娘に対する不安であるとボクは思います
ウマ娘と交際するにしても、常に付き纏うのが両者の力関係です
どうしてもそのぶぶんにおいてはウマ娘側に軍配が上がります
そうなると不安になるのです
「此方の意見は通らないのではないか?」
と
勿論、そんな事はありません
貴女達ウマ娘だって、話し合える。分かり合えるのです
しかし、悲しい事にすれ違いは起きるものです
貴女方の中では有名らしい私とアグネスタキオンでもそうです
日常の些細な事でもすれ違いになる事はあります
知り合いの方が言うには「円満な関係を維持しようと言うのなら、先ずは話し合いだ」
との事です
それには私も同意します
「相互理解、か」
「言うほど簡単ではないがな」
「そういえば、母も言っていました」
日常生活において、些細な事でも良いと思います
私とタキオンは共に食卓を囲んだり、他愛のない話をしたりもします
そうやって、徐々に相手の事を理解していけばいいのだと私は思います
「うん、ご飯か」
「いや、そこに反応するんかい」
今日何があった?
明日何する?
明日のご飯はどうする?
そんな他愛のない会話でも、私は幸せを感じます
そして、出来ればタキオンもそうであって欲しいと願っています
皆さんは来年度より本校において、トレーナーと共にトレーニングに励む日々を過ごされると聞いています
恐らくは相手は年上で、ともすれば異性の方でしょう
何よりも大切なのは、『1人で抱え込まない』事だと思います
「ふむ、彼がタキオン君の幼馴染か。興味深いな」
「凄いね!ハヤヒデ、タイシン!」
「ああ、もう静かにしろっての
1人で抱え込まない。か」
趣味や嗜好、生活リズムに価値観
様々なものが異なるでしょう
時には煩わしく思うこともあると思います
今だからタキオンとも笑って話せますが、私は小学四年生の頃からタキオンの家にご飯を作りに行ってました
最初は私から言い出した事ではありましたが、あくまでも一時的なものと思っていた私とずっとして欲しいタキオンでは当然考えに差がありました
正直に言えば、当時の私は心の底では喜びながらも一方で面倒に思っていた事も確かです
じゃあ何故それを続けたか?そう聞かれると私は答えるのに躊躇しますね
私にとってタキオンは『最も近い他人』でした
でも私の中の景色に彼女が居ないと不思議と風景が色褪せて見えました
私にとっての日常は彼女と共にある事をその時初めて自覚しました
お恥ずかしい話ですが、それを自覚してからタキオンにはだだ甘だったと我ながら思いますが
「自分の中の景色」
「分かります〜。甘やかしたくなる時ってありますよね」
当時の私はまだ小学生。今の私もどれだけ言おうとも、中学2年生です
子供の戯言と非難される事も、否定される事もあると思います
それでも、私はアグネスタキオンというウマ娘と共にこの道を歩きたい
いえ、歩いて行くのです
彼女の後ろからついて行くのでも、彼女に後ろからついて来て貰うのでもなく、共に歩いて行く
「凄い覚悟ですね」
「む、つまりあの人はアグネスタキオンさんとバクシンする訳ですね!」
「ついていくんじゃなくて、一緒に」
皆さんもこれから沢山の困難が待ち受けているとは思います
それでも、貴女は1人ではないんです
孤独な王者である必要も悪役である必要もないんです
「孤独な王者、か」
「耳が痛いものだね」
彼はそう言って壇上を降ります
「え?」
「どうしたの?」
「タキオンさん、此方に来られてますわよ!」
「何だろうね
私の中の経験則が逃げろ!と言っているよ」
そして彼はアグネスタキオンの前に来た
「」
タキオンは言葉もなかった
彼女を助けてくれた、あの夜と同じ顔をしていたから
「タキオン」
「え、ちょ、待ちたまえ」
会場がどよめいた
それもそうだろう
タキオンを抱き寄せた彼はそのまま彼女をお姫様抱っこしたのだから
「た、タキオンさんっ!」
メジロマックイーンの目は輝いていた
「マックイーンさん、ウチの姫様借りてくよ?」
「ええ!ええ!
構いませんわ!」
「いや、私の意思は?」
彼のお願いに、マックイーンは何度も首を縦にふる
一方でタキオンは真っ赤になりながら彼の腕の中にいる
「えー失礼しました」
タキオンを抱っこしたまま、壇上に戻ると普通に話を続ける
彼の腕の中のタキオンはぽかぽかと彼の胸元を叩いているが、誰の目から見ても本気には見えなかった
「私は何処にでもいるありふれた人間です
それでも、彼女と居たい。この気持ちだけは誰にも否定させません」
「いやいや、ありふれてないって
はぁ、でも良いなぁ。私もそういう人見つけられるのかな」
今更ですが、自己紹介を訂正させて頂きます
私はアグネスタキオンの幼馴染でなく
「いや、ちょっと!」
アグネスタキオンの彼氏です
今後、私の可愛い彼女共々宜しくお願いします
「ちょっと君いいか、んっ」
その宣言と共にタキオンに口づけした
「皆さんにも善い出会いがありますように」
ーーーーーー!!!!
会場内のウマ娘達は声にならない歓喜の声をあげた
「全く、全くっ!」
「まぁまぁタキオンさん」
「正直すまんかった
でも公開しても『こうかい』しない」
その後、目の前でのキスシーンを見て興奮冷めやらぬウマ娘達を生徒会メンバーと職員がなんとか解散させた
会場には彼氏をぽかぽかと真っ赤な顔で叩くタキオンとそれを落ち着かせようとするマックイーン。満足そうな表情の彼氏
「非常に為になった
なったが、最後のアレは必要だったのか?」
「全くだ。もう少しやりようもあったのではないのか?」
「ふむ、公開しても『こうかい』しない、か
覚悟とダジャレを両立させるとは、流石だな」
喧騒を何とか収めて疲労困憊の生徒会メンバーがいた
約1名別の意味で感心しているが
「や、あそこできちっとタキオンとの関係を示した方がわかりやすいっしょ」
「私の精神が保たないのだが?」
「はーい、タキオン。撫で撫でしましょうねー」
不服そうなタキオンを抱き寄せて頭を撫で回す
(う、羨ましくなんてっ!
うう、羨ましいですわっ!)
「人目を気にしろと言っている!」
「確かに目の毒だな」
「そうだがな」
「え、今の生徒会メンバーに権利何てあるわきゃないでしょ?」
「どういう事だ!それは」
彼のあまりな物言いにエアグルーヴは怒る
「え?だって前日にいきなり明日講演会するとか、ふつーにあり得なくね?
勿論、秋川理事長には1時間ほど苦情申し立てたけど」
「うぐっ」
「ぐぬぅ」
「それを言われると、何も言えなくなるな」
「え、ではわたくしはどうなのです?」
「ああ、マックイーンさんはゴルシからGOサイン貰ってたから、ごめんね?」
マックイーン、まさかの身内からの裏切りであった
「恨みますわよ、ゴールドシップさん」
『えー、ゴルシちゃん知らない〜⭐︎』
と空耳が聞こえてきたが、マックイーンは全力でスルーした
「ま、でもこれで多少は一般男性に対する意識も変わるでしょう」
「確かにな」
「ふん、貴様もいう事に同意するのも癪だがな」
「そうだろうな
少なくとも君というウマ娘と確かに繋がっている者の存在を確認出来たのは、私たちにとって大きいだろう」
「あの、皆さん。タキオンさんが」
「アグネスタキオンについては今は忘れろ」
「あっ、はい」
話を急に真面目モードに戻すタキオンの彼氏にナリタブライアンとシンボリルドルフは素直に、エアグルーヴは不本意そうにだが、同意した
ウマ娘と付き合う者がいる
それだけでも効果はあるが、直接目にした方が皆の意識改革につながるのは間違いではない
マックイーンが話題にしかけたタキオンは現在、彼氏の腕の中で彼の腕を甘噛みしている
擬音にするなら
はむはむといったところか
やや涙目で上目遣いのアグネスタキオンは僅か数日しか付き合いの無い生徒会メンバーやマックイーンにとって、衝撃的だったのだ
彼からすれば日常茶飯事であるが
なお、彼の急激な話題変更は
同級生から
『温度差で火傷する』
『話題ジェットコースター』
と呼ばれてたりする
作者の実力不足?
ナンノコトカナー
なお、彼からすればタキオンの可愛さを語るにはせめて1日は欲しいと考えており、今回程度では全く足りないと考えていたりする
後の話であるが、某人物を中心とした『アグネスタキオンを愛でる会』というトレセン学園公認の組織が密かに結成される事になるのだが、それはまた後に話をしよう
次回からタキオンや一部のキャラクターをしっかり動かしたい
うん、動かせるといいな
絡ませるウマ娘 part2
-
ビワハヤヒデ
-
ウイニングチケット
-
ナリタタイシン
-
オグリキャップ
-
タマモクロス
-
エアグルーヴ
-
スーパークリーク
-
その他