ごめんなさい!
こんな事をするつもりはなかったんです!
でも何故か筆がのったので書いてしまいました!
会長ファンの方、特にごめんなさい
苦情、批評、非難
如何なるものもキチンと受け止める次第です!
シンボリルドルフは生徒会長である
トレセン学園における生徒会の役割は多岐に渡る
対外的な行事、トレセン学園内での行事の企画、運営
日常生活におけるトラブル、問題の早期発見、早期解決
理事長への要望の提出
これに加えて外部からの人物に対しての審査も行なっている
これはトレセン学園校内に関係者以外を入れた際に問題となる可能性を少しでも下げるために行なわれている
生徒から見れば、理事長が許可したよりも生徒会が認めた者、その方が心理的抵抗は少ないという理事長の判断である
更にトレセン学園寮のフジキセキとヒシアマゾンとの打ち合わせ
現在建設中のトレセン学園トレーナー寮についても生徒会の権限内であった
勿論、生徒会として解決できない問題なら理事長に報告するが、基本的には生徒の生活に影響が出るために生徒会が処理していた
「工事時間の延長、ですか」
「ええ、大変申し訳ないのですが」
トレセン学園の昼休憩に現場責任者が訪ねて来た
無論の事だが、事前連絡はもらっている
「しかし、契約では工事は18時まで、と」
「仰る通りです。こちらとしては申し訳ないとしか申し上げられないのですが」
「どの様な理由が?」
工事の現場責任者は気まずそうに口を開く
「本日の作業は4Fの壁のコンクリート打設なのですが、ミキサー車の一台が渋滞に巻き込まれたとの事でして、現在調整しているのですが、このままだと間に合わない可能性があるのです」
「なるほど」
基本的に打つ数量に応じてミキサー車の台数を決めるのだが、生コンのプラントとの距離に応じてミキサー車の数は増減する
近いのであれば、回転数は早くなるので少ない台数でも回る
遠いのであれば、回転数は遅くなるから台数を増やす
そして、打設の数量は大まかには算出出来るために、それに応じて担当がミキサー車やポンプ車の数を決める
ポンプ車一台に対して同時に接続できるミキサー車は最大で2台。そしてミキサー車一台にどのくらいの時間がかかるかを計算し、そこから終了予定時刻を算出する
時間が足りなければポンプ車を増やすなどの対応をするのだ
今回の場合はプラントが近いためにミキサー車を少ない数を手配したが、そのうちの一台が事故渋滞に引っかかったとのことであった
たかが一台と侮るなかれ
今回のミキサー車の回転が往復1時間。作業時間は大体6時間で計算するから、6回往復出来る
現場の都合により、5トンミキサー車の為であるから、生コン積載量は約2トン
現在は昼過ぎであることから、3回転は終わっている
単純計算で6トン生コンが不足する計算となる
強度などの問題により、途中での中断は出来ない
現在担当が何とかミキサー車の確保に奔走しているが、前日が月曜日で雨であった事から、中々ミキサー車が確保できないのが実情であった
曜日と天気が関係するの?
と疑問に持たれる方もおられると思う
生コン打設時にはそれなりに騒音が出る
さて、それが休日である日曜日にするとして、不快に思わないだろうか?
その前日の土曜日とて、人によっては休みだろう。
工事開始時に近隣との協定を結ぶことは割とある
この道路は通学路だから、朝と夕方は使えない
ここの道路の側道には停めるな
工事の音が気になるから、音出しの作業は9時から
などという近隣とのトラブルを回避する為のものだ
その中に土曜日の音出し作業禁止というのは良くある事だ
当然のことだが、工程的には土曜日に出来なかった作業は月曜日になる
しかし、雨の場合は打設箇所にもよるが、あまり推奨されない
勿論、屋内ならば何の問題もないが
結果、週明けの月曜日に雨が降る。そうすると、火曜日に土曜日、月曜日、火曜日分の生コン打設が被るのである
となると、プラントも忙しくなるし、ミキサー車の段取りも難しくなるということだ
そして、苦慮して手配したミキサー車が一台使えないとなると、その分の補填をしなければならない
他の現場が終わってフリーになったミキサー車を確保せねばならないが、ミキサー車がフリーになるのは自分の予定数を運搬して、それをポンプ車に投入。その後、ミキサー車を洗浄するまでしてやっとである
現在の昼過ぎにミキサー車が捕まるとは思えないからこそ、生徒会に連絡をいれたのだ
打設は遅くするなら幾らでも遅く出来るが、早くするのはほぼ不可能に近いと言って良い
ミキサー車が捕まらない現状、時間をオーバーするのはほぼ確定なのだ
しかし、ルドルフとしてもそう簡単に分かったと言えない問題がある
そもそも工事関係者に渡しているセキュリティキーは時間に連動している
作業関係者が持つセキュリティキーは朝の7時半から夕方の6時までしか作動しない
悪用の恐れが無いとは言い切れないからだ
一応は工事関係者には掲示物をダッシュボードの上に掲示する様にする事により二重のチェックとしたい。それを要請しているが、一部関係者は怠っていた
その為に警備員が一々確認しなければならない事態にもなっていたのだ
キチンとルールをまもっているならば、多少の不都合にも目はつぶれようが、ルールを徹底できないものにそれを適応して良いものか?
生徒会長としては即答しかねた
なお、この事は理事長にも報告していたが、敢えて理事長は動かなかった。
この工事責任者、いや会社がどのように動くか如何では今後のトレセン学園関連の仕事を任せる事が出来ないと判断していたからだ
組織説明の際に一次業者全てに『原則』生徒会への連絡を義務づけた
だが、施工業者の本社側には『工事において問題が発生した場合、事の大小問わずトレセン学園理事長にも報告する事』をトレセン学園工事に参入するにあたり周知徹底させるように要請していた
つまり大前提として、問題発生時にはトレセン学園生徒会と理事長双方に報告する義務が工事側にはあったのだ
だが、悲しいかな。幾ら本社側が神経を尖らせようとも、それが現場に受け入れられない事もある
問題はそれで収まる問題なのか?そうでないのか?
その線引きがキチンと定められているかどうがだった
故に学園側は『時間的猶予のない』セキュリティキーの貸し出しのみとしていたのだ
つまり、そういう事なのである
シンボリルドルフは熟慮の後、理事長にその話を持っていく様にした
流石の生徒会長でもこの問題は大きすぎるとみたのだろう
現場責任者は顔色を変えた
理事長に話すという事はこの問題をかなり深刻に受け止めている証拠に他ならない
彼は理事長室へ行く前に現場事務所へと連絡を入れ、担当のみでなく事務所員全員でミキサー車の確保を動く様連絡した
「全く、疲れるな、本当に」
午後の授業はない
出来たばかりの組織であるトレセン学園だ
問題は山積みであり、生徒会の誰かが部屋に常駐しなければならなかったからだ
しかし、有事でもなければ仕事はない
既に今日分の書類は済ませている
ともすれば、明日の分で出来るのもしているのだ
コンコン
「む?誰だろうか?」
この時間には生徒は授業中の筈
さっきの人物はもう戻ったとメールが来ている
気のせい、か?
いや確かにノックの音がしたはずだが?
シンボリルドルフは外を確認しようと扉に向かった
「誰も、いないな?」
扉を90度開けて左右を確認する
「???」
気のせいなのだろうか?
彼女は後ろをふと振り返ると
「や」
シンボリルドルフはフリーズした
目の前に何故かタキオンの彼氏がいたのだから
割と近い距離と言えるだろう
「一応、聞きたいのだが?」
「ん?」
気を取り直した彼女は目の前にいる上機嫌な彼に
「許可はとっているのかな?」
ニコニコしながら、彼が出す携帯の画面を見つめる
件名 依頼っ!
送り主 秋川やよい
本文 実はシンボリルドルフが色々あって疲れている様で、一度会ってリラックスさせてくれないか?
「は?」
彼女は間の抜けた声を思わず出してしまった
「は?だって!
可愛いなぁールドルフは!」
「からかわないでくれないかな」
生徒会室に戻ってソファーの対面に座った彼は楽しそうに笑っていた
私はといえば、顔が熱い。鏡を見るまでもなく、真っ赤になっている事がわかってしまう
「いやいや!
何言ってんのさ、ルドルフ!さっきの君の顔、凄く可愛かったって」
ううっ、両親の前でもあんな失態した事がないぞ
それを見られるなんて、穴があったら入りたいっ!
ソファーに座ったまま、視線を下に落とす
恥ずかしくて、彼の顔を直視できないぞ
「いいじゃん、少しは肩の力抜いたってさ」
「簡単に言ってくれるなぁ」
そんな簡単に出来たなら、苦労はしないのに
「じゃあ、試してみる?」
「試す?」
思わず顔を上げた
そこには悪戯を思いついた様な笑顔を浮かべる彼の姿があった
「そ、ルドルフとボクの真剣勝負さ」
「勝負、とは中々面白いことを言うものだね」
分かっているのか?私は勝負に手加減も妥協もしないんだぞ?
彼を睨みつけても、彼の表情は変わらない
「ウマ娘というものは、とかく勝負にこだわる
それを知っていての発言か?」
自然に語気が鋭くなるのを感じる
「おいおい。俺がタキオンとどれだけ一緒に過ごしたと思ってんだ?」
っ!
今までの笑顔から凄みを感じる笑みに変わった
「驚いたな。そんな顔も出来るのか?」
「で、どうするよ?逃げても良いよ?」
挑発的な言い方。だが
「逃げるつもりはない」
私と彼は机を挟んだソファーの向こう側で対峙した
「ルールは私は5分耐える
君は私に参ったと言わせるか、床に膝を着かせる。
相違ないね?」
「問題ない。どんな手を使ってもいいんだな?」
「ああ」
「では、時計の針が12になったら、始めようか」
「負けるつもりはないよ」
5
「言ってろ」
4
3
2
1
さて、彼はどうすっ
「さって、ルドルフちゃん覚悟はいいかなぁ?」
ばかな、数秒目を離しただけで、距離をつめてきただとっ!
ま、まて!
「ーーーー!!」
「はーい、ルドルフちゃん
たかいたかーい!」
は、恥ずかしすぎるぞ、これはっ!
い、今私は彼に所謂『たかいたかい』をされている
声が出せない程、恥ずかしい
というか、私もそれなりにあるんだぞ?
それをこうも簡単にっ!
「どう?ルドルフちゃん?たのしいっしょ?」
「ーーーーーっっ!!」
声なんて出せるわけないだろう!
ううっ、恥ずかしいのに
そうだ。時間はっ
未だ一分も経っていないだと!
「よーしよし、もっとゆっくりしようねー」
だが、何故だろうか
凄く安心する
ああ、だんだんねむ、く
シンボリルドルフというウマ娘は早熟な少女であった
小学校低学年の頃から、既にカリスマの片鱗を見せており、周囲の人々を惹きつけていた
そして、両親もまた少し親離れが早いことに一抹の寂しさを持ちながらも、彼女の歩みを止める事は無かった
そして、彼女は小学五年生のときにふと考えた『ウマ娘にとっての幸せとはなんだろうか?』と
彼女がもう少し弱ければ、もう少しわがままなら自分の幸せだけを考えていただろう
だが、彼女は弱くもなく、自分を律する事も出来てしまった
彼女に憧れる者、期待する者は多くいるだろう。彼女はそれを力に変える事ができる
だが、それでもシンボリルドルフというウマ娘はただの〇〇という少女なのだ
彼女はいつしか自分から出ている少量の血に気づかないまま、成長していったのだ
「お、〇〇偉いなー」
「〇〇。良くできたわね、でも無理したらダメよ?」
〇〇は何か懐かしいものを見た気がした
「んっ」
シンボリルドルフは目を覚ました
「お、起きたか?」
彼が目の前にいる
天井が見える
「ここは?」
体を起こすと彼の上着が掛かっていた
「大丈夫か?
わりぃな、少しやり過ぎたか?」
彼の言葉の意味が分からなかった
「どういうこと?」
「ルドルフはさっき俺がたかいたかいしていた時、涙を流して気を失ったんだよ」
「そうなの?」
「??本当に大丈夫か?」
彼が私のおでこに手を当てる
その懐かしい感触に思わず目をつぶってしまう
「熱はないな」
「あ、」
彼の手が離れてしまった
「どした?」
「ううん、なんでもない」
「やれやれ、今回は俺の負けだな」
「そう?」
そうとは思えないのだが
「んで?どうすんの、罰ゲームは」
「ばつげーむ?」
そういえば、そんな事を言った気もするな
「なんでもいいの?」
「何でもではないな」
そうか
そうだな
なら、これならタキオン君も許してくれるだろう
「あたまを」
「ん?」
「あたまをなでてほしい」
「???
それでいいのか?」
「うん」
シンボリルドルフと彼は隣り合わせで座っていた
彼としては、甚だ疑問な距離感だがシンボリルドルフは「いい」「だいじょうぶ」と譲らなかった為に彼が折れた形である
「んじゃま、いいか?」
「うん」
彼が私の頭を撫でる
ゆっくり、でも優しく
そうか、私は
寂しかったんだな
だから、彼の温もりが
すまない。タキオン君。君の彼氏を取るつもりはない
そんな隙間が君たちの間にない事は知っている
でも、今この瞬間だけは
彼を好きになる事を許してください
シンボリルドルフは彼の温もりの中で目を閉じた
「んじゃ、無理しなさんなよ?」
「無論さ。今日は助かったよ、ありがとう」
「何、ルドルフの為だからな、気にすんな」
「気をつけてな」
彼はシンボリルドルフとのやりとりを思い出していた
なんてっかなぁ、昔のタキオンに本当に良く似てるなぁ、ルドルフは
思わずタキオンが好きなたかいたかいしてみたけど、泣くほど嫌だったかぁ
なんかアイツ見てると昔のタキオンを思い出すんだよ
人との温もりに飢えていたタキオンと
元気になったみたいだから、とりあえず良しとするか!
「やれやれ、初恋とは叶わぬものとは言っていたが、まさか相手のいる人物に懸想しようとはね
本当に我ながら、情けないなぁ」
彼の去った生徒会室でシンボリルドルフのすすり泣く声だけが残った
というわけで、会長の失恋回となってしまいました事を此処にお詫びします
シンボリルドルフのキャラクター大好きなんですよ、でも何故かこうなった
おかしい、エアグルーヴメインの話の息抜きに書いていたはずなのに
どおして?