夏。それは浪漫に満ちた季節
夏、それは普段と違った姿が見える季節
夏、異性にアピール出来る貴重な季節
例え決まった相手がいるアグネスタキオンでも、その原則からは逃れられない
いや、寧ろ彼の姿が世間に知られた事でアグネスタキオンの焦燥感はいつもよりも大きなものとなっていた
タキオンの彼はたしかにお世辞にも美形とは言いがたいだろう
決して、運動神経抜群や頭脳明晰でもないし、天才でも秀才でもないだろう
どこにでもいるであろう、普通の少年なのだ
でも、そんな彼がアグネスタキオンは好き
つまらない駄洒落を言ったり、慣れない料理を作ったり、苦手なはずの家事を必死でやっている。いつも劣等感を感じながらも歯を食いしばって自分のために努力してくれる、そんな彼が
良く歪な関係と言われてきた。自分と彼では釣り合わないとも言われてきた。彼よりもっと良い相手がいると
アグネスタキオンにとって、彼は日常そのものなのだ
だからこそ、彼が辛そうにしている事には耐えられない。彼は自分に笑っていて欲しいと言う。だが、それならば彼も笑っていて欲しいのだ
トレセン学園に入ってから、アグネスタキオンは気が気でなかった
何せ顔合わせの時にはっきり感じた事がある
トレセン学園生徒会は彼女にとって未来の強敵足り得ると
『今』はシンボリルドルフだけだろう。彼の良さは傍目からは分からない。彼の懐に入って初めて理解できるものだから
だが、将来的にはわからない
そして、タキオンは自分にそこまでの自信を持てない。
彼と一緒になったのは、あくまでも彼と幼馴染であったからであって、嫌な事だが、彼と幼馴染でなければ一緒になれたなどとは思えなかったのだ
どちらかと言えば、研究に没頭して周りとも余り溶け込めず、孤立した挙句に相手を見つけたらひたすらに甘えるのではないかと思っている
それはタキオンにとって、あまりにも恐ろしく、しかし有り得る未来図であった
だからこそ、タキオンはシンボリルドルフにだけは彼と距離を詰める事を許容した
彼女は聡明でキチンとした倫理観を維持できる人物だ
仮に彼と一緒にいても良いと言われたとしても、必ずタキオンに遠慮するだろう
だが、ウマ娘というものは本来激情的になりやすいもの
ひとたび冷静さを失えば、どの様な凶行に走ったとしても不思議ではない存在である
故に定期的にガス抜きをさせる事で、彼女の理性を維持すると共に、タキオンへの罪悪感も持たせておくのだ
されば間違いなく、彼女は決定的な間違いをする事はないだろうと判断していた
更に
我ながら情けないとは思う
彼の彼女なのだから、自分の魅力で彼を繋ぎ止める。くらいは言うべきであるが、アグネスタキオンは自分にそこまで自信を持てないのが現状であった
とは言っても、『恋は戦い』とも言うと聞くし、彼を素直に誰かに譲るなど到底あり得ない選択である
だからこそ、タキオンはタキオンなりに努力するのだ
ああ、スカーレットかい?久しぶりだねぇ
ん?問題はないと思うよ、ありがとう
ところでスカーレット、既に夏休みだろう?どうだい、私の知り合いがプライベートビーチを貸してくれると言う話でね?
良ければキミとウオッカくんも来ないかい?
落ち着きたまえよ。当然だが彼しか異性はいないし、そんなに多く人を集めるつもりはないよ
ふむ、明後日か
分かった、少しだけ待ってくれるかな?
確認してみよう
もしもし、マックイーン?
ああすまないね。この前の件なのだが、明後日など大丈夫かい?
随分と準備がいいのだね。こちらとしては助かるけども
そうだね、そうなると問題は彼をどう説得するかになるか
ふむふむ、ではお言葉に甘えるとしようか
ありがとう。では明後日
スカーレットかい?待たせてすまないね
明後日の始発で此方に来れるかな?
そうか、では駅のロータリーで待ち合わせという事で頼むよ
合言葉は『行方も知らぬ』
そうだとも『恋の道かな』で頼むよ
ああ、では明後日に
やれやれ
夏休みに入ったけど、正直な話暇なんだよなぁ
ん?スカーレットの奴から電話?
おう、どうした?
明後日の予定?そりゃ暇だけど、どうしたんだよ?
は?タキオンさんと兄貴と海に行くって?
いやいやいや、マジかよ!
そりゃ、行くに決まってるだろ!
は、水着?
お、おう。なんでそんなにやる気なんだよ
なんでか明日スカーレットの奴と水着選ぶ事になったんだが
学校指定の水着じゃダメなのかよ
スカーレット曰くダメらしい。なんでだよ
翌日、スカーレットとあたしは近所のデパートで新しい水着を買ってみたんだが、一つだけ言わせてほしい
あたしたちまだ中一だぞ!
んなに大胆な水着いんのかよ!
スカーレット曰くいるらしい
なんでなんだよ
ま、あたしまで付き合う必要ないから、スポーツ系の水着にしたんだけどさ、買ってから他にも先輩方が来るっていうのは卑怯じゃないか?
ふふふふふふ、明日はタキオンさんと顧問との海ですわ!
タキオンさんを誘っておいて正解でしたわね!
まぁ、参加したい方が多すぎたので
主催である私は当然参加するものだと主張しようとしたら、まさかのゴールドシップさんが参加しようとしたのには困りましたわね。思わず
まったく!顧問からの指導の成果でしょうが、妙にやり辛くなってきましたわね、ゴールドシップさんは
ちなみにタキオンを誘ったメジロマックイーンであったが、如何にメジロ家のプライベートビーチであっても、大勢では邪魔者に目をつけられるとの建前により、マックイーン含めて僅か8名までという枠を設けていた
更にタキオンとその彼に、ダイワスカーレットとウオッカ。つまりマックイーン以外では僅か3名というとてつもない倍率の枠となっていたりもする
特別顧問も参加したそうにしていたが、流石に自重してもらった
厳選なる抽選の結果、
なお、盾にされていたのがメジロ家の某ウマ娘であった事はマックイーンにとって今更であったりする
だが、トレセン学園一の
アグネスタキオン以外にいない
と
そんなこんなで始まろうとする
果たしてまともに終わるのだろうか?
ダイスを振って、まさかの結果に草生えた
どうして、タイシンとネイチャがはいったのだろうか?
頑張って書こうと思います
少し閑話挟んでも良いですか?
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やれ
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要らん