彼と彼女の歩く道   作:ノイフェル

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バカップルと言いながら、割とシリアス入ってます


次回より海イベントとなりますが、期待せずに待ってて下さると嬉しいです


 続バカップル(承)

アグネスタキオンが彼を異性として意識し始めたのはいつの頃だったのだろうか?

 

 

 

そう聞かれたらとタキオン本人もいつからだとはっきり答えることは出来ない

 

 

 

 

 

 

 

確かに彼とは幼馴染であり、家族も含めて一番身近な存在だった事は疑いの余地もない

 

 

 

だが、幼い頃の彼はお世辞にも頼り甲斐のある人物とは言えなかったのも事実

 

寧ろタキオンの影に隠れていることすらあった程、臆病な少年だった

 

 

 

 

 

 

 

意外に思うかもしれないが、当時のタキオンにとっては幼馴染である彼すらもどうでも良い存在であった

 

小学3年の時に両親が家を頻繁に空ける事になった時、タキオンは自宅での研究出来る環境を両親に望んだ

 

勿論、トレセン学園にある本格的な研究室の様なものではなく、資料がメインのものではあったが

 

 

 

父は反対したそうではあったが、頻繁に家を空ける事への罪悪感から渋々受け入れた

 

逆に母は私の研究を後押しする様な姿勢を見せた

 

 

 

 

 

だが、タキオンとて幼いながらに女である

母が父との間に愛情など持っていないことも、自分に対しても邪魔としか思っていないことも理解していた

 

 

 

父はその様な事を母が考えているなど、つゆほどにも思っていなかった様ではあったのはいっそ哀れにも思えた程だ

 

 

 

 

 

 

 

 

だからアグネスタキオンは他人が嫌いだった

 

 

心の底では別の事を考えておきながら、平気で嘘をつける。そんな大人が。信用ならない他人が

 

 

 

 

 

親が家を頻繁に留守にする事を聞いた幼馴染が家の手伝いを言ってきた時にも、正直な話としては煩わしさしか感じない

 

両親が不在の自宅はタキオンにとって、数少ない気を休められる場所なのだ。そこに幼馴染とはいえ、異分子が入る事を許容出来るほどに当時のタキオンは大人ではなかった

 

 

 

 

 

 

だが、余りにも必死に言ってくるものだからつい許可してしまっていた

 

 

 

しかし、それは思いの外タキオンにとっても快適な生活になる

 

 

 

 

 

彼は一々いつご飯を食べろだ、風呂に入れだなどと言わないからだ

 

 

晩の7時までにタキオンがリビングに降りてこなければ、ラップをして夕食は置いておくし、風呂は入れて蓋をしておけば問題なかった。いざとなれば追い焚きすればこと足りる程度の話

 

 

洗濯や掃除などもタキオンの自室前に洗濯物を置いておけば、勝手にしてくれていたし、タキオンの自室や研究室については無理に掃除しようとしなかった

 

 

 

だからこそ、タキオンは彼の事を許容する様になった

彼のおかげで雑事から解放され、研究に没頭出来たのだから

 

 

 

 

いつしか、両親が自宅にいる事に違和感をおぼえ、彼が自宅にいる事に違和感を感じなくなっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、奇妙な生活を始めて一年程後の事だった

 

 

 

アグネスタキオンは体調を崩し、寝込んでしまったのだ

 

彼は自身のみではどうにもならないと判断して、タキオンの父親に連絡をとった

 

 

 

連絡を受けた父親は出張先であったが、直ぐに自宅に戻るとタキオンを総合病院に連れていった

 

タキオンと父親が病院に着いて、診察を受けている頃にようやく母親も到着した

 

 

 

 

薬も処方され、回復に向かうと言われた母親やすぐに出張先に戻ろうとした

それ自体は父親も咎めなかったが、彼は良い機会だから、精密検査をお願いするべきと提案した

彼からすれば、ウマ娘というものは未だに分からない部分が多いからこそ、念には念を入れたかっただけだった

 

 

ところが、母親は血相を変えて精密検査に反対した

 

曰く「今回は大丈夫だったのだから、心配するほどでもない。それに私達には仕事がある。態々忙しいこの時期にする必要はない」との事であった

 

 

なるほど、一見すれば分からなくもない理屈ではあるだろう

 

 

実際、2人とも出張先から何とか予定を空けて帰ってきているのだから、余り時間をかけれないのも道理ではある

 

 

 

 

 

だが、それ以上に自分の娘(アグネスタキオン)を心配する気持ちが彼にはあった

 

 

確かに家を頻繁に空けている駄目な父親だ

しかも、幼馴染の少年に面倒をかけているという噂も耳にする

 

親として彼は間違いなく駄目な部類であろう

 

 

だからといって、目の前で苦しんでいる娘を放置できる程に愛情が無いという訳でもなかった

 

 

 

 

母親にはとりあえず先に出張先へ戻ってもらい、彼は後日の念の為の検査と並行して精密検査をしてもらう事にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その判断が全てを狂わせるともしらないで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、検査結果を聞きにタキオンと父親。それに幼馴染の彼が病院に来ていた

 

何故、幼馴染の彼が同行しているのかといえば、タキオンが望んだからであった

 

彼女の中では既にいつも居ない両親より、いつも側に居てくれる幼馴染の方が信頼できると判断されていたからである

 

 

父親としては、余りにもショックな話であったが、自業自得として割り切るほかなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

そして精密検査の結果を父親のみが呼び出されて聞く事になる

 

 

 

 

 

 

 

タキオンと幼馴染の彼は『少し離れた』待合室で待つ事になった

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで病院側は致命的なミスをおかした

 

アグネスタキオンはウマ娘である。それ故に聴力も一般的なそれを遥かに上回るのだ

 

これもまたウマ娘が世間に浸透していない弊害とも言えるのだが、この時においてのこのミスは余りにも致命的だった

 

 

 

 

 

病院側としては父親とタキオン双方に配慮したつもりだったのだろうが、その配慮は最悪の結末を生み出すこととなる

 

 

「タキオンは私の娘じゃ無いってどういう事なんだ!」

 

事が事だけに、父親としても声を荒げる事を止める事は出来なかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、

 

 

 

 

ハハ。どういう事なの?

父さんが父さんじゃないって、どういうこと?

 

 

その悲痛な叫びが、よりにもよってタキオンに聞こえていなければの話だ

 

 

 

 

 

 

 

アグネスタキオンはその時、ようやく理解した

母が父親を愛さない様に、彼女もまた母にとって邪魔だった事に

 

 

 

 

 

 

それに気付いた時、タキオンの中で何かが音を立てて壊れた

 

 

 

 

 

そして、状況も分からない幼馴染の彼であったが、泣いているタキオンを見て、何も言わずに抱きしめた

 

 

 

 

 

その時、彼は誓った

 

タキオンを傷つけるモノ全てから彼女を守る、と

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、タキオンを取り巻く環境は一変したと言ってもいいだろう

 

 

父親はタキオンとの接し方が分からなくなり、仕事に逃げ

母親はタキオンのせいで今までの苦労が全て水の泡になった。それにより、タキオンを憎んだ。徹底的に自分の娘である筈のタキオンを追い詰めようとしたのである

 

だが、タキオンを傷つけようとする事を何よりも許せない幼馴染の彼はその頃から仮面を被り始めた

人付き合いの良い子供。愛想の良い子供

 

それにより、タキオンを守ろうとしたのである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皮肉な事に、タキオンがもっとも嫌っていた仮面を被る大人にタキオンが最も頼っていた幼馴染が近づいていったのである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それ以降、タキオンと彼の生活はみてくれこそ安定して見えるが、危険なバランスで成り立っていたのである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タキオンが彼を異性として認識したのが病院の一件であるとは思っている

 

 

だが、それからの彼がタキオンにとっての心からの安らげる場所になっているのかと聞かれたら、タキオンは即答できない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

確かにトレセン学園での生活も彼との共同生活も楽しい

 

 

だが、自分の何処かで警鐘をならしている自分がいるのだ

 

 

 

 

だからこそ、今回態々彼と海に行くのだ

 

最近、気の休まる事が少ない彼の休息の為。そして彼との優しい思い出を増やす為に




このカップル2人ともかなり歪んでます。今更ですが


というか、まだ8月に辿り着かないという話


やべ、何話になるんやろか?

少し閑話挟んでも良いですか?

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