彼と彼女の歩く道   作:ノイフェル

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最終編第一話です

相変わらず混沌としている状況

少しずつ、確実に風呂敷を畳んでいく次第


では、どうぞ


明日のために
  満ちぬものたち


政治の世界が大混乱となりつつあっても、学生達の生活は変わらない

 

 

 

そんな中

 

 

それはどういう事なんだ!!

 

アグネスタキオンは自宅であるマンションの自室にて大声を上げた

 

普段から飄々としている彼女からは想像できない姿である

 

 

対峙している彼とて、この姿を見る事は稀であり、出来れば見たくない姿でもあった

 

 

言葉通りだと思うけど?

タキオンはトレセン学園の生徒だ。今まで特例としていたが、全寮制である筈のトレセン学園で通学というのは問題が多い

だから、理事会からタキオンも寮に入るよう通達が来た。そういうこった

 

 

それこそ、おかしな話だろう?私がトレセン学園に来る際の条件としてキミとの生活があったはずだ。そうであったからこそ、私はトレセン学園に通う事を同意した

 

 

彼の言葉にタキオンは反論した

 

そもそも、トレセン学園に通うという選択肢をタキオンが知ったのはトレセン学園入学試験の僅かひと月前。本来であれば受験も間に合うはずがなかった

が、トレセン学園理事会承認のもとで特例措置として受験を認められ、学園周辺の物件からの通学を認められた

彼と自分が『現代のシンデレラと王子様』との噂になっていたからこそ、そこに利用価値を見出していた。それ故の破格の対応だったとタキオンは考えている

 

 

 

警備上の問題もある。これからは何があるのか不鮮明な中での生活を余儀なくされる

となれば、今まで以上の警備体制をする事になる。それでは色々と問題しか出ないだろう

 

 

 

 

 

この秋、彼女と彼を執拗に取材しようとして政府から事実上の廃業を勧告されていた大手マスコミの一つが倒産した

 

理由は資金繰りの悪化であり、政府の勧告によるものではないと報じられている

 

 

が、少し調べればその勧告が全てを決めたことなど明らかであった

 

 

タキオンが学園に通っている間、彼はトレセン学園の警備主任や警備会社などとも話し合い、こうなると今までとは比較にならないレベルの警備体制が必要になるという結論に至った

 

 

何せ、大手である企業が倒産するなど尋常な事ではなく、そこに勤めていた人達とて大勢いるだろう

それによって生活を支えられていた人ともなれば、想像を遥かに超える人数になろうことも

 

 

一流企業に勤めていたにも関わらず、いきなり職を失い、しかも同じ報道系企業への再就職も困難を極めるだろうこの状況

 

 

家族の仕事を誇りに思っていた者からしても、受け入れられるものではない

 

 

 

更にコメンテーターや自称有識者によるタキオンへの想像でしかない、無責任なコメント

これに対して、彼は全て名誉毀損として裁判を起こし、現在は係争中となっている

公判はまだ先ではあるが、相手からすれば彼という存在ほどやり辛いものもないだろう

 

何せ、彼は常に捨て身でかかってくるのだ

立場や地位があればあるほど、しがらみは多くなり、身動きが取れなくなるは必然

 

どちらにせよ、ある程度名の売れている相手であり、芸人などが相手である。イメージなどの問題になり、最悪自分たちのこれからの仕事にも差し支える可能性すらあったのだから、たまったものではない

 

 

当然だが、彼等にもファンがいる。そのファンからすれば彼は好意的に見る事は出来ないだろう

 

既に謝罪をしている者達については示談する事も視野に入れているが、未だに謝罪しようとしない者に対して彼は自分から動く気はない

 

動かなくても、その人物が所属する事務所が勝手に(・・・)対応するのは目に見えているのだから

 

自分で事務所を持っている、所謂大御所や重鎮などと言われている人物はこうなる前にすぐ謝罪してきている

 

 

主に若手に相当する者達は謝罪するのが嫌な様であるし、事務所としても余計なことはしたくないだろうが

 

 

 

 

だが、今回のとある企業の倒産を受けて動かないという選択肢はほぼ無くなった。というよりも怖くて取れなかったのだが

 

 

といったとて、自ら手を下した訳ではないが、そのきっかけを作った一人は他ならない自分なのだから

 

 

 

 

 

となれば、当然当事者視点では被害を与えた自分やタキオンに悪意が集中するのも道理であろう

 

トレセン学園にもその矛先は向かうであろうが、彼方には優秀な弁護士がついている

 

迂闊な事が出来るとも思えない

 

 

 

 

 

 

ルドルフについては、正直なところ申し訳ないと思っている

 

 

 

が、ある日それを詫びた時には

 

 

顔を上げてくれ。キミがタキオンを守る為に余裕がなかった事。私も理解しているさ

理事長からも言われたよ。私まで出る必要はない!とね

 

 

そうしてくれたなら、どれだけ良かったか

 

 

私の事も考えてくれて本当に嬉しく思う。だが、私はキミに色々と与えられすぎている

 

 

そんな事は

 

 

ない、とはたとえキミとて言わせない。キミがどう思ったのではなく、私がどう受け取ったのかが重要だろうからね?

 

 

はぁ

薄々感じていたが、ルドルフも大概頑固だな?

 

 

おや?それは光栄だ。私にとっては褒め言葉だろうね、それは

 

 

じゃあ、詫びるのは失礼だな

 

 

 

ルドルフ

 

ありがとう

 

 

ふふ。そう言ってくれるのか。そうだな、そちらの方が私にとって有難いな。アナタの力になれ、嬉しく思う

 

 

 

といったやりとりがあった

 

 

 

もっともルドルフとしては、いつもストレス解消に付き合っている(甘えさせてくれる)彼に対してこの程度では到底足りないとすら真剣に思っているのだが

 

 

タキオン曰く彼と自分の次に愛が重いのはルドルフであるとの事らしい

 

 

 

 

彼がルドルフのところを去った後

 

寧ろ私は嬉しく思うよ?他ならぬ私がアナタの盾になれるのであれば、どんな称賛の声より、勲章よりもその事実は勝る

 

それに、だ

 

 

と1人呟き、口元を歪めると

 

 

アナタとタキオンに私がいるところならば、たとえそれが地獄だったとしても、私にとっては天国さ

 

と笑った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悪意から遠ざけたいからこそ、タキオンはトレセン学園の寮に入るべきなのだ

 

どれだけ守れるか不透明なのだから

 

 

勿論、取れる手段は全て取るし、出来ることは全てするつもりだ

 

 

 

タキオンも一緒に戦うと言ってくるだろうが、これは俺の見栄(意地)なのだ

 

彼女と共にいる為の誓いでもある

 

 

 

タキオンを守ることも出来なくなったら、タキオンの元から去る

 

彼の行動原理であり、何があったとしても譲れない一線なのだ

 

 

 

強くもなく、賢くもなく、正しくもないし、綺麗でもない

 

 

そんな自分がタキオン(自分にとっての宝石)のところにいる根っこの理由は正にこれだった

 

 

 

そこだけは何があっても、揺らいではならない所なのだ

 

 

たとえ、タキオンに嫌われたとしても

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トレセン学園内部においても問題が起きていた

 

 

 

いや、内部というには些か語弊があるだろうが

 

今年の12月に完成予定である筈のトレセン学園トレーナー寮

既に建物自体の工事は今月いっぱいで終了する目処が立っているのだが、残りの内装工事に問題が発生していた

 

 

この内装工事を担当する一部の業者が工期を延ばせないかと言ってきたのである

 

トレセン学園側からすれば、そこは工事を依頼した元請との話し合いであり、はっきり言えば工期さえ守ってくれるのであれば問題にするつもりはなかった

 

 

だが、彼らは元請を飛び越えてトレセン学園に直接連絡してきたのである

 

実はこの言い出してきた会社は分裂した与党に残っている議員の影響下にある会社であり、厳密には与党議員の弟が経営している会社であった。

 

その為、会社の規模はさておいても、影響力だけは無視し得ないものであったのである。そう少なくとも経営者は考えていた

 

 

 

 

だが、工事としてスタートする前ならいざ知らず、既に工事としては終盤に差し掛かっている

 

このタイミングでそれを言い出すのはどういう事か?と秋川理事長は首を傾げた

 

 

 

 

逆である

 

『今』だからこそ、この様な言い分を通せると向こうは踏んだのだ

 

内装工事と言っても、資材の手配や人員の手配、見積もりの作成などする事はかなりあり、それをこれから僅か2ヶ月しかない時間で出来るかと言われたら、誰も断言できない

 

 

替えを用意するにも時間がかかり過ぎる

なればこそ、『今』ごねるのだ

 

 

 

 

 

しかも、依頼主である政府は現在大混乱中

 

ともすれば、もう少し自分に有利になれる様動けるのではないか?

 

そんな考えがあったのだろう

 

 

 

なお、この動きは与党議員のあずかりしらぬところで行われていた

 

 

 

当たり前である。ただでさえ、クリーンなやり方を全面に押し出してきている総理率いる新党

それに対してなんとか候補者を立てようとしている与党だが、苦戦は免れない

 

既に世論調査において、既存の政党である与野党の支持を新党が超えているとのデータすら出ているところもある

 

下手をうてば、文字通り『致命傷』となることは間違いない

ましてや、この業者は与党議員への忖度の一環として選ばれたに過ぎない

 

 

 

本来ならば、工事を受注した元請が各種工事担当を決めるのが通例である。にも関わらず、この会社だけは上からの圧力により無理矢理ねじ込まれたのだから

 

 

 

もしも、このやり方を当の議員が知ったなら、顔色を真っ青にして止めるだろう

 

 

今まで(立場が安定している)なら、まだ庇い立ても出来るだろう

 

 

 

だが、今はそうではないのだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、情報のリークとは何もマスコミだけのお家芸ではない

 

 

 

 

 

今回のこの越権行為に対して、最も不満を抱いたのは他ならぬ元請だった

 

既にトレセン学園生徒会や理事会から厳重注意を受けているのだ

一時は工事自体の存続すら危ぶまれる事態になった事を彼らは良く覚えていた

 

 

この工事だけではない

将来的に見た場合、トレセン学園の増改築やウマ娘関係の仕事の受注にも関わってくる。元請をしている会社の経営陣はそう考えていた

 

だからこそ、問題が発覚した時には現在トレセン学園の工事を担当している職員全てを入れ替えるべき。との話も真剣に話し合われたほどであった

 

 

そこまで神経質になっている工事において、自分達を無視して直接施主の一つでもあるトレセン学園理事長に直談判する協力会社など認められるはずもなかった

 

 

そこで、元請の会社の経営陣はこの様な事をした(くだん)の会社経営者に発言の撤回とトレセン学園側と自分たち元請への謝罪を求めた

 

 

 

 

 

だが、その対応を受けた側は自分の後ろには与党議員がいるのだと、あからさまに恫喝しようとした

 

話し合いにならないと判断した経営陣は直ちにその業者を現場出入り禁止、取引停止とした上で可及的速やかに(最優先の扱いで)代理の業者を探す事とした

 

それと共に、その業者に対しては法的措置の検討に入ったのである

 

 

 

 

その動きに不快感を持った経営者は自身の兄(与党議員)に力を借りるべく連絡を入れた

 

 

 

 

 

 

連絡を受けた議員は仰天した

 

 

それもそうだろう。こんな危険な時期によりにもよって、槍玉にあがる特大の爆弾を他ならぬ自分の身内が持ち込んできたのだから

 

彼は直ぐ自分の弟に対して、自重を求めた

 

 

弟の会社の仕事の大半は彼の立場があったからこそ、受注できたものであり、お世辞にも評判が良いとはいえなかった

だからこそ、自分の立場が失われれば、お前の会社だってヤバくなるのだぞ?と

 

 

事ここに至ってようやく理解した弟であったが

 

 

 

 

 

手遅れであった

 

 

相手は建設業界では中堅どころか大手とすら言える企業

 

即座に法務担当が動き、裁判を起こす事をマスコミ各社に文書で以って通達した

 

 

 

 

一つだけ弁護するところがあるとすれば、弟である経営者はトレセン学園の工事を引き延ばす事で兄を助けようという意識があったところだろうか

やり方は間違っていたが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

様々なモノを巻き込みながら進んでいく

 

 

その先の景色が見えるまで




というわけで、ifルートにおけるトレーナー寮の完成遅延は避けられる模様

別の問題が噴出しましたが、まぁいいでしょう



では今回より新しいアンケートを実施したく思います

皆様の一票がこの小説のルートを決定します
こぞって御参加下さると幸いです

あ、それとお気に入り五百件到達したので、記念小説っていります?
タキオンとルドルフに〇〇〇〇の甘々小説

よろしければご意見下さい
ではご一読ありがとうございました

アグネスタキオンと彼の別居生活は

  • タキオンが諦める
  • 彼が折れる
  • ルドルフが妙案を思いつく
  • ネイチャが奇策を思いつく
  • メジロのパワーをゴルシに!
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