彼と彼女の歩く道   作:ノイフェル

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書き連ねた結果、中途半端な物が出来ていたので完成させてみた


いうまでもないですが、クオリティはないです
内容も『ないよう』ですな


お気に入り乱高下してて、苦笑を禁じ得ない

とはいえ、この様な小説もどきを読んでいただきありがとうございます

では、どうぞ


 大人たち

汚職のスキャンダルを報じられ、世間から白い目で見られていた元国会議員の男性は自宅で連絡を受ける

 

 

あの少年が刺されたというのだ

 

 

 

刺したのは中学生の男子

 

動機は自分の両親の仕事を奪い、自分の家族を壊したから

との事だった

 

少年の両親はこの秋に倒産した大手の企業に勤めていた

その企業は強引な取材を続け、再三の各方面からの警告を無視し続けた結果、孤立してしまう事になったところである

 

これだけならば、マスコミにおける最大手の一つである。蓄えていたモノも決して少なくはなかったからどうにかなった

しかし、政府から直々に勧告を受けた事を知った投資家達は早々に株式を手放した。彼等からすれば、儲けになるならいざ知らずその材料が致命的に不足している企業の株式など保持する理由などないのだから

結果、今年度末までは放映権などもどうにか出来る様に交渉していた者達の想いなどお構いなしに株価が大幅に下落した

そして、この状況を不安視した株主達は最早暴落と言って良い程の値崩れを起こした事による損益の補填を求めた

 

彼等からすれば、決して値崩れするはずのないもの(安全牌)が、経営陣の無策によりまさかの事態を引き起こしたと見えるのであるからして、当然といえたのだろう

 

 

だが、大手であるからこそ取引金融機関も多い。ならば、取引先の金融機関に借り入れを申し込む事でどうにか事態の収束を試みた

 

俗な言い方だが、彼等に残された手段は自分たちに強権を振るった現政権のスキャンダルを見つけるか、政権与党の重鎮を説得するほかない。それに必要なのは実弾(賄賂)であるのだから

 

 

スキャンダルを報道するにも、彼等では世間からの視線も厳しい

となれば、同業者を頼るなり利用するならしなければならないのだが、彼等のした事がきっかけとなり報道機関に対しても政府が大鉈を振るう口実が出来てしまっていた

 

他所のところとて、強引な取材をしてないとは誰も言わないが、それでも致命的なミスをおかす事は避けていたと自負していたのである

その努力(あくまでも彼等マスコミ視点)が無駄になったとなれば、決して良い感情をいだける筈もなかった

 

 

これも動かすには(利益)を用意する他なく、それは今の彼等にとって容易ならざる事であった訳である

 

 

それに加えて理性的な判断の出来る会社は大手である筈のこの会社との契約打ち切りなどを打診してきた。さらに世間からの風当たりが強いと判断した芸能プロダクションや事務所なども契約の打ち切りや一時停止などの措置を取り始めた

 

それ故に融資を欲したのだ

しかし、今までの経営状態でいえば融資出来るのだが、彼等(金融機関)とて利益を上げぬ事にはどうにもならない

 

融資する事自体に問題がなくとも、政府から睨まれている事は彼等も独自のルートから知っていた

しかも、生命線である放映権の取り上げが真剣に検討されているとなれば、融資したとしても返済されるかは非常に怪しい

 

金の切れ目が縁の切れ目ではないが、誰だって沈む船を財産を載せるものはいないだろう

 

ましてや、額が大きすぎるのであるから、どこの金融機関も容易に首を縦には触れなかったのだ

 

 

更にその企業にとっての不運は続く

 

緘口令をひいたはずであった『今秋からの放映権の取り上げ』の予定。これが社員達に漏れたのである

 

番組の放送が収入の中心であったからこそ、この話は社員達に衝撃を与えた

 

その結果、退職金がもらえるうちに退職する者が増え始め、更にそれを見た者たちも退職を意識する様になってしまう

 

 

児童の両親はその騒動において、倒産が決定的になってから退職した

 

両親からすれば、信じ難い事であったし、仮に退職したとしても同業者に再就職する事は容易だと考えていたからこその判断だった

 

 

だが、よりにもよって政権幹部からの警告を再三無視した挙句、倒産の憂き目にあった企業からの退職者

 

しかも、両親は番組制作に深く関わっていた

それも報道関係の番組の、である

 

2人は自身の番組にて、トレセン学園について取り上げた事がある

その際、コメンテーターなどにそれとなくトレセン学園に対するネガティブなイメージを拡める様に指示していた

 

 

 

果たして、ある意味ではその企業が倒産した遠因ともなり得る番組の制作、しかもその中枢にいた人物を雇いたがるだろうか?

 

 

 

もしかしたら、雇う所もあったのかも知れない

 

 

だが、2人は大企業であった会社に長年勤めていた。そのプライドが「同じくらいの規模の会社でしか働きたくない」という行動につながった

 

 

 

だが、雇うかどうか判断する方からすればとんでもない事でしかない

 

 

直接的に政府から言われてないとしても、ある意味では政府から睨まれている可能性がある人物。それを引き受けるのはメリットよりリスクが遥かに上回る

 

そう判断したとして、誰が責められようか

誰しも自分の会社を潰したいとは思わないのだから

 

 

 

結果、両親は職を失っても再就職の目処が立たなかった

 

 

 

児童は口うるさい両親が常に家にいる事が不満だった

口を開けば、前の会社の事や自分たちを採用しない者たちへの不満。そして、全ての元凶となった子供への恨み言ばかり

 

今まで人を使う側であった両親は今更使われる側になるなど我慢ならなかった事もあり、徐々に家庭内の空気も悪くなっていくのに大した時間はかからなかった

 

 

 

そういったものが、少年を凶行に走らせたのだ

 

 

 

 

 

タキオンの彼がトレセン学園に行く道中、ほんの僅かな警備の穴があった

 

距離にすれば僅か10メートル程

 

ここは彼の自宅のマンションから所轄の警察官が少し離れた所で監視して、ここでトレセン学園所属の警備員に引き継ぐところだった

当然ながら、トレセン学園所属の警備員はあくまでもトレセン学園内やトレセン学園外周部のみにおいて、その職権が及ぶものであって、彼等はSPではない

雇用主もトレセン学園であり、秋川理事長では無い以上は彼女が勝手に動かせるはずもなかった

 

SPをつける事は国会議員であった彼が在職中はできていたが、その職を失った事により困難となってしまう

 

 

 

 

 

当初、つまりは今年の春にはSP任せの予定だった為、この様な警備体制は予定されておらず、例の騒動により彼等の住居であるマンションが明らかになった事により急遽策定したものだった

本来は辞職した国会議員が私費でSPを継続してつける事になっていたのだが、何をしようとも吊し上げる連中(トレセン学園のスクープを狙う記者たち)により、阻害されていたのである

 

その為、急遽作り上げた体制であった。

 

 

その警備予定では所轄は彼を自宅マンションから、トレセン学園外周部(・・・)まで監視する事になっていた

 

 

だが、何故か警察官の中には外周部まで彼が行く前に姿を消す者も少なからず存在した

彼からすれば、警察側に余計な手間をかけているという意識があった為にそれを指摘しなかった

 

 

トレセン学園所属の警備員達はまさか、いなくなっているなどとは想像しておらず、彼がトレセン学園より帰宅するときは姿を見せていた事もあり気付くことはなかった

 

 

たちが悪い事に帰宅時はキチンと所轄も適切な警護をしていた事が仇となった形でもある

 

 

そこに加害者の男子生徒は潜んでいたらしい

 

 

凶器は一般に流通している包丁

男子生徒は彼を刺した後、傷口を抉る様にしたそうだ

 

 

すぐにトレセン学園側の警備員が取り押さえたが、不思議な事に時間的には近くにいたであろう担当の警官は現れる事がなかった

 

それよりも近くの交番から警官が駆けつける方が早かったらしい

 

 

更に連絡では担当の警官が後から戻ってきて、救急車を呼ぶ必要はない。と指示した

 

 

 

 

 

 

議員職を辞したといえ、その人物は彼を保護する責任がある

 

これは国会議員である事とは別の問題だ

 

 

大人の都合に子供を巻き込んだ責任。それから目を背ける程に男性は無責任でも、非道でもない

 

 

 

連絡してきたのは、所轄の警察のある警部

 

どうやら、所轄の中でもトレセン学園に対する扱いで温度差があるとの事

 

警察署長は良く言えば、場の空気を読む人物

悪く言えば、優柔不断な人物だった

 

 

当然のことながら、トップがそうであるから下は各々自分勝手に動き始めた

 

大多数は未来を守ってほしいという願いを真摯に受け止め

ごく少数の者達は、下らない。と内心侮蔑していたらしい

 

 

 

 

そもそも色々とおかしな事が多い

 

 

先ずは警察関係者とトレセン学園警備部、しかもどちらも担当部署以外が知り得ることのできない筈の双方の僅かな間

 

更に彼は確かにこの時刻にトレセン学園に行く事は多いと聞いている。だが、一学生の身である男子生徒がそれをどうやって知ったのか?

 

そして、担当の警官は何故姿を隠したのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

調べさせれば、すぐ判明した

 

 

 

その場所を教えたのは、男子生徒の父親の元同僚と名乗った男

担当の警官にそれを命じたのは、その警官の直接の上司

 

 

 

 

そして、両者は警察内の情報をリークする側とその情報を受け取る側だったのだ

 

その恩恵を担当の警官も少ないながらに受けていた

 

 

 

 

更にこの情報を掴んだ警察庁は直ちに所轄の警察署を始めとした近隣の警察全ての調査を開始。彼が刺されてから、僅か2週間後の事である

 

それにより、様々な事が明るみになった

 

 

元々、ウマ娘に対して良い感情を持っていなかった所轄警察署の一部が大袈裟ともいえる対応を主導した署長に反発

 

各部署において、彼等は少しずつ情報をマスコミにリークしていた

 

だが、リークした情報を大っぴらにされると自分たちの存在が明るみになると思っていたから、マスコミ側には情報の秘匿を要請していたそうだ

 

 

結果、彼等はその存在を警察内以外に悟られる事がなかったとの事らしい

 

 

 

 

 

とはいえ、今回の件で明るみになった事はあまりにも大きい

 

アグネスタキオンの彼氏を病院に直接送った挙句、術後直ぐに家に戻した警察官。それを指示した上司や黙認した同僚

更にこの情報を加害者に提供した記者

 

 

彼等はルビコン川を渡ったのだ(越えてはならぬ一線を越えた)。確かに彼個人は既に国会議員職になく、警察に対して行える事はそこまで(・・・・)多くはない

 

だが、たとえ国会議員でなかろうが、世間から白い目で見られていようが認めてはならぬ事がある。許してはならない事があるのだ

 

 

彼は電話機を手に取った

 

 

 

自身の責務を果たすために

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、一本の電話が総理官邸にもたらされた

 

 

既に選挙準備で慌ただしくなっている与野党と異なり、総理をはじめとする新党に属する者達はそこまで慌てていなかった

 

自身が管理するホームページやブログ。または配信チャンネルやSNSを使用して自分達の主張を発信し、否定意見に対しては殊更丁寧に対応していた

 

無論、言うほどに簡単なものではないし、候補者も多忙であったが、新党に属している現職議員からすれば選挙の時になってから慌てて広報活動をするなど必要がない行為である

 

 

自分達がしてきた事を堂々と。隠すことも偽ることもなく、ただありのままに公開し、これからの未来図を国民に提示する

 

その結果、落選しようともそれは自らが及ばないだけなのだから

 

 

新人候補は仕方ないが、自分たちが国会議員としてキチンと職務を果たす事を日頃から意識しているもの達が大多数を占めている新党としては選挙カーなどを動員しての選挙活動は諸刃の剣であると認識していた

 

 

 

そもそも、時間ギリギリまで選挙カーで回るというのは、場所によっては迷惑行為にしかならない

 

住宅地の近くで選挙カーを走らせるにしても、時間を考えなければならないし、保育園や幼稚園の近くで昼頃から選挙カーを走らせるなどそれこそ迷惑そのものである

 

効率よりも、新党の者達は迷惑にならない事を重視したのだ

 

 

それよりも、ポスターなどの掲示物などから関心を持ってもらうべきだと判断していたし、常に誰かをブログやTwitterなどにおいて叶う限り迅速な対応をする様に努めていた

 

 

 

そもそも街頭演説は候補者が一方的に自身の主張を流すのであって、仮に真面目に聞こうとしている者が居たとしても、それに候補者が対応する事は稀である

下手すれば、大物議員が応援演説をしに来た場合などは聴衆をSPがマークするという本末転倒な話もある

はっきりいえば、党の重鎮が評価しているかなどよりも何をしたいか?何をこの数年間で感じたのか?のほうが余程選挙民からすれば参考になるだろう

 

更に街頭演説する場所は大抵人通りの多い駅前などであり、通行の妨げになる事もしばしば見られる

 

 

近年では露骨に他の政党を名指しで非難するなど、選挙の形としてマトモなものであるのかすら怪しくなりつつあるとすら思われているのも実情である

 

勿論、ネットに明るくない人達もいるのだろうから、街頭演説が一概に悪いとも言えないのであるが

 

 

 

 

 

そんな最中、官邸に入った一本の電話が事態を急速に動かした

 

 

 

 

 

真っ先に動いたのは警察庁である

 

警察庁長官は自身に捜査権が存在しない

総理大臣からの指示があれば、その限りではないものの、余程の事がない限りはそれを行使する事はない

それ故に問題のあった警察署の管轄であり、取りまとめである警視庁に連絡を入れた

 

 

当然ながら、警視庁はこの連絡を受けて迅速に動いた

何せ、今はまだ世間に知られていないだけで明らかに警察の不祥事である

現職の、しかも警察署の中でも管理職にある人物が自身の思想のために警察の業務に口を出した。それだけでも大問題である。更に意図的に防げた公算の高い事件を引き起こしたともなれば、例え同じ警察組織とて容認できない

 

更に本来ならば、速やかに捜査が行われなければならないにも関わらず、捜査は所轄が秘密裏に行なっているとの報告だ

実際、近隣の警察署から人員を確認の為に動かしたが署内においてすらもこの事を周知しきれていない有様だ

 

軽犯罪であれば、それもいいだろう

だが、今回の一件は明らかに殺人未遂であり、しかもその原因に現職の警察官が複数関与している可能性が極めて高い。そう判断せざるを得ないのだ。もたらされた情報が確かならば

 

 

 

それだけでも所轄の警察署の管理職のクビがまとめて飛ぶ事態。にも関わらず、事もあろうにそれが官邸経由でもたらされたというのだから、最悪などという生ぬるい話ではない

 

 

事が事だけに最悪の場合、警察庁長官が動く可能性すらあった案件なのだ

つまりそれは、警察庁がこちらの自浄作用をあてにしていないという明確すぎるメッセージとなってしまうのだ

 

現職の警視総監は警察庁長官に良い感情をいだいてはいない。いないが、そんな些細な事を気にしている場合ではなかった

 

 

 

直ぐに所轄の警察署に対する捜査を始める様指示を出すとともに、もう一件についても迅速に捜査する様命じる事になった

 

 

 

総監の周辺には、今回の選挙戦の結果を見てから動くべきではないか?という意見もあった

 

確かにウマ娘との協調を強調(・・)する現総理率いる新党とその総理に反発する与野党では、ウマ娘関連の政策については明らかな温度差があるのは事実

 

 

新党側が勝つならば、今回の件は当然重視されるだろう。だが、新党側が負けたならば、様々なウマ娘やメディアに対する政策などは即時修正される可能性も出てくるだろう

 

であれば、今急いで動く必要性はないのではないか?

 

それが彼等の意見であった

 

 

だが、警視総監はその意見を一蹴した

 

 

本件の本質は例えどの様な意図があろうとも、決定した事項に対して現場と管理双方の一部が違反した事

本来ならば、一番法やルールを厳正に守らねばならない筈の警察が、だ

 

警察は思想の自由は認められていたとしても、それを公務に持ち込んで公務の妨げを助長するなどあってはならない。また、それを看過してはならないのだ

 

それを認めてしまえば、我々警察の存在意義にも関わるのだ

 

 

と諭した後に、迅速な行動を取るように各所へと通達した

 

 

 

 

因みにこの頃、タキオンと彼はデートしていたのだが、ある意味で幸運といえただろう

 

 

 

何せ、例の組織(アグネスタキオンを愛でる会)は全力でそちらにリソースを振っていたのだから

 

既にかの組織は学生間のサークル活動の域を越え、様々な方面へと影響を与えるものとなりつつあったのだから

それこそ、発起人が望んだことであるが

 

 

 

最近は内向き、つまりタキオンの周辺やトレセン学園に注力していた為に彼への手当が減っていたのは事実

 

アグネスタキオンが彼と同居していたマンションを離れる事になって以降、少しずつだが、確実にアグネスタキオンのみ(・・)を注視する様になっていた

 

 

 

発案者であり、発起人でもあるタキオンの彼氏からすれば望むところである

 

が、組織のまとめ役であるマックイーンを始めとしたメンバーはアグネスタキオンと彼。双方が揃っている事こそが肝要と考えていた

 

 

にも関わらず、彼の事を疎かにせねばならない理由

それは今の組織の肩書きにあった

 

 

 

元々発足時はアグネスタキオンの彼氏公認組織

それが後にトレセン学園理事長公認組織。更にはアグネスタキオン当人公認組織という変化があった

ここまでは基本的方針が変わる事はなかったのだ

 

ところが、2人の別居の時期に何故かトレセン学園理事会がこの組織を公認する様になった

 

 

マックイーン(会長)特別顧問たち(秋川やよいと駿川たづな)副会長たち(ナリタブライアンとシンボリルドルフ)は違和感を覚えながらも名誉顧問(タキオンの彼氏)からの要請とあって受け入れた

 

 

 

 

これは有事の際にタキオンを守る方法(権力)を引き寄せる為に彼が主導して特別顧問(秋川理事長)を介して行なった事である

 

確かにトレセン学園創設者ともいえる秋川やよい理事長はトレセン学園内において、絶大な影響力を持つ

更に外部に対しても決して侮ることのできない影響を及ぼせる

 

だが、トレセン学園創設にあたっての出資者は秋川家のみでなく、他の名家や企業も資金面などで協力しているのだ

それ故にトレセン学園には理事会が存在し、その筆頭が秋川理事長なのであるわけである

 

 

であるからして、秋川理事長の権限は広範に渡れども理事会によって常に制限されるのである

 

 

特に再来年の2月より開催が予定されているURAファイナルズ

この開催を巡っては理事会の中でも意見が割れた

 

ウマ娘達によるレース

それを来年度から拡大し、既存のレースを含めてG1、G2、G3と格付けする事で出走への条件をつけたのである

それは経済界に影響力を持つ理事会のメンバーをもってしても、容易になし得ることではなかったのだ

 

 

そもそも低迷しつつあるウマ娘達のレース

それに対する起爆剤とするべく開校したのが、トレセン学園であり、その先に各種レースという受け皿を増やす事により、ウマ娘という存在を世間に広める。そして、社会進出にもつなげる

 

ある意味では非常に欲張りな話であったともいえる

 

 

 

海外では既に周知されているウマ娘達によるレース

それに比べてこの国の何と遅れていることか

 

 

 

それはウマ娘に関わりのある仕事をしている者達が一度は思うことであった

 

 

 

然れども、悲しいことではあるが理想だけでは世の中は回らないのも事実

 

拡大するウマ娘達によるレース

それに伴う放映権や各種事業

付随するであろう雇用の拡大

 

 

ウマ娘達の事を知らなくとも、飛びつくには十分なメリットがあったわけである

 

 

言い方は良くないだろうが、その利益目当てに参入したもの達がトレセン学園理事会の約半数を占めている

 

 

これにより、理想に傾倒しがちな秋川理事長に対する抑止力としているわけだ

 

 

その彼等がアグネスタキオンを愛でる会に名前だけとはいえ、参加しているのはひとえにメジロ、桐生院や政界に対する影響力を期待している部分が多いにあったともいえる

 

 

勿論、それ相応の対価を彼等とて支払う事になるのだが、長い目で見れば元は取れると判断出来た

 

 

 

 

トレセン学園は様々な思惑の交差する場所となっていたのだ

 

 

 

 

 

 

であるからこそ、政府にせよ、理事会にせよ、秋川理事長達にせよ触れてほしくないという思いがあった

 

 

ただでさえ初の試みが山積しているトレセン学園

そこで市民の理解を得るための看板として現代のシンデレラとその王子様(アグネスタキオンとその幼馴染)が必要だったのだ

 

 

 

はっきり言えば、2人とトレセン学園の間に関連する事などアグネスタキオンがトレセン学園に入学しなければ存在しない

 

別にトレセン学園で2人が出会った訳でもないのだから

 

 

 

それでも、2人の姿は間違いなくウマ娘達の希望となる

 

そこに羨望、嫉妬、渇望など様々な思いがあろうとも、ウマ娘と一般男子という組み合わせに憧れをいだかないウマ娘が果たしているだろうか?

 

 

今までにウマ娘とその指導者が結ばれた例はそれなりにある

 

 

上手くいったかはさておきだが

 

 

 

 

しかし、ウマ娘を幼馴染にもった人物はほぼ間違いなくウマ娘に対して強烈な劣等感を持つ

 

走れば届かず

学べど届かず

磨いても届く事ない遠き星

 

それがウマ娘を身近に持つ者が持つ感情

 

 

ウマ娘(幼馴染)を見れば自身の至らなさをいやでも実感する

 

これで相手がそれを鼻にかけるような人物であればまだ救われよう

 

 

されども、彼女達は身近な人物である彼等を心配し、力になろうとする

なるほど素晴らしいだろう。なんとも人間味溢れるものだ

 

 

だが、そうであればあるほどに彼等は追い詰められてゆく

少しずつ、しかし確実に彼等の中の負の感情は育ってゆくのだ

 

 

 

そして、いつかそれは爆発する

 

しかし忘れてはならないのはウマ娘達も必死なのだ

 

 

『嫌われたくない』『理解し(分かっ)て欲しい』『そばに居たい』

 

そう言った感情をウマ娘達も自分の中で何とか消化しようとしているのだ

 

 

爆発するときは感情的になる

 

果たして年単位で鬱積した感情をぶつけられたウマ娘達が冷静でいられようか

 

 

実はウマ娘による軽犯罪における被害者の多くはウマ娘の近しい異性。とりわけ幼馴染が多いのである

 

 

 

トレセン学園とはウマ娘達の育成機関であると同時にトレーナー(年上の人物)との円滑なコミュニケーションを学ぶ場所でもあるのだ

 

 

 

当然ながら、ウマ娘達を導くトレーナーも様々な事を学ばねばならない。

現状でトレーナーとして成果を出している人物が教育者としての能力を併せ持つかは別問題

 

 

実際、既にウマ娘達の世界で有名な樫本トレーナーとて指導者としては一流でも、教育者としての能力は未知数

 

 

であればこそ、アグネスタキオンという幼少期に家庭の問題を抱えたウマ娘と上手く付き合っていけた彼は重要なのだ

 

 

秋川理事長には知らされていないが、彼をトレセン学園の非常勤講師とする案も理事会内で出ている

勿論、年齢等を考えれば問題もあるだろうが、カウンセラーや相談役などと言った役職を与える事も考えていた

 

 

既に本格始動まで時間的猶予のないトレーナー育成

ウマ娘達との円滑なコミュニケーションという面においては、先駆者であるウマ娘の指導者よりウマ娘達に寄り添ったものが出来ると期待しているからである

 

 

 

アグネスタキオン(1人のウマ娘)の為でなく、未来(ウマ娘達)の為に彼を使い潰す(・・・・)つもりなのだ。理事会は

 

 

一番苦しい時期を彼に任せて、ある程度の道筋が出来れば他の者達に任せる

 

 

少数の犠牲で未来が守れるのであれば、彼等理事会からすれば問題になる事はない

 

 

つまり、彼に色々と恩を売る事が重要。その為の努力を彼等は惜しむつもりはなかった

 

 

突然ともいえるアグネスタキオンの学生寮への入寮は彼等理事会からすれば好都合だったすらいえる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メジロ当主は自室でため息をついていた

 

 

今のトレセン学園を取り巻く状況もそうだが、それ以上に問題視せねばならないのは娘の1人であるゴールドシップの事だった

 

 

 

自由奔放で、奇抜な行動をとりがちな娘であるが、当主とて若い頃はゴールドシップ以上に無茶苦茶な事をしでかしたりもしていた

マックイーン達には到底言えない事ではあるのだが

 

それに越えてはならない部分はゴールドシップも弁えているし、それは彼女を知っているメジロ家の人間もよく理解している

 

 

だが、今回の件についてはギリギリ(グレーゾーン)であると思っている

 

 

自由奔放で周囲を振り回す事の多いゴールドシップだが、長姉のマックイーンは勿論のこと、ライアン、ドーベル、パーマーや分家筋のアルダン等にも愛されている

 

それは彼女がいつも他人の笑顔を求めて行動しているからだ

 

 

 

 

 

メジロのウマ娘や使用人たちからも好かれるウマ娘。それがゴールドシップなのだ

 

 

 

 

 

 

 

だが、そのゴールドシップが事もあろうに配信という試みをしたいという

 

 

メジロの当主としては世間に対して、一つの発信源を手に入れる事であるからして喜ぶべき事だった

 

しかし、ゴールドシップの母親としては可愛い我が子に世間の生の声が向くと思うと素直に喜べない話なのが彼女にとって大問題だった

 

 

配信するということは、二通りあると彼女は聞いた

 

事前に録画したものを配信するか、世間でいうところの生放送(ライブ)

どちらにせよ、コメントという形をもってゴールドシップに届くわけである

 

賛意も賞賛もあるかも知れない。しかし、話題にするのは賛否両論で世間を騒がせているあの子達(ウマ娘)の世界についてなのだと聞いた

 

 

 

一連の騒動により、職を失ったもの

社会的立場を失ったものがいる

 

その一方で、傍目からすれば彼女達ウマ娘はトレセン学園を得て、シンデレラと王子様(アグネスタキオンとその伴侶)という未来への希望がいる

 

 

確かにマスコミの一連の行動にて、アグネスタキオン達は実害を被った訳だが、当事者でない者達からすればそれは有名税とでもいうものに見えなくもないだろう

 

更にいえば、渦中の彼も表に出て彼を擁護したシンボリルドルフも配信しているゴールドシップもまだ子供だ

 

となれば、当然ながら私達大人が前に出て守らねばならない筈なのに、何故子供達が渦中にいるのかを疑問視する者達が現れる

 

 

それだけならまだしも、必ずゴールドシップ(ウマ娘や彼)に対して不平不満をぶつけようとする者も現れるだろう事は想像に難くない

 

 

親として、それを容認するべきかどうかは非常に悩む話だ

 

 

 

 

 

 

 

彼女の脳裏にかつての悲劇(御曹司とナツフジの事故)がよぎったとしても不思議ではなかった

 

 

 

そして、彼女はとある人物と連携すべく動きはじめた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とあるテレビ局の選挙担当を務める人物は悩んでいた

 

 

上司から、新党について好意的な発言を控えて現在の与党支持が上がるような報道をせよ。そう言われていたからである

 

彼が個人的に懇意にしている人物、つまり与党側の某人物よりもそれとなくそういった流れを作る様に頼まれている

 

 

だが、初回の放送において露骨なまでの新党下げ、与党上げの放送を行なった結果、かなりの数の苦情が寄せられたのだ

 

かつての御曹司の悲劇を知る者からは「事実を歪曲して報道するな!」と言われ、若者からは「私達が親などから聞いた話と少し違うけど、どっちが正しいの?」との疑問が多く出てきた

 

 

番組内において、とあるコメンテーターはウマ娘研究会の事を

 

 

まるで合コン会場ですね、それは

 

 

と冗談混じりで発言したのだが

 

 

 

 

その結果、死人が出てるのだが?

 

知らないなら知ったふりするなよ!

 

不愉快極まる

 

 

などといったかなりキツイクレームも出ていたりする

 

 

 

番組側としては、局の意向で出演してもらっている為にかなり気を遣わねばならないのだが、今回はかなり問題だと思っている

 

 

コメンテーターや有識者は概ね局の意向を汲んで動いている

だが、今回は企画の一部に討論会がある

 

今回の選挙における目玉の一つがウマ娘関連の政策の是非

与党、野党の各党に新党からそれぞれ1人ずつ代表を出しての事

 

 

しかも、生放送である

 

 

彼の長年勤めてきた経験はこう言っている

 

 

 

 

やめとけ。と

 

 

 

何せ、与野党の代表は議員としての経歴は長い。しかし、ウマ娘についてどの程度の知識を有するのかと聞かれたら彼には分からない

 

対する新党側の代表は元ウマ娘研究会のメンバーであり、今回新党側の候補者として与党の安定区からの出バを予定している人物だ

 

言うまでもなく、ウマ娘についての知識は与野党の代表よりもある事は間違いないのた

 

 

 

 

そもそもの話

 

このテレビ局は、現在内部で分裂の危機にある

と言うのも、この局の記者の1人が傷害事件の重要参考人として任意同行を求められたのが発端だった

 

いや、これは正確ではない

 

同業者が実質政府により倒産に追い込まれた事で、各社はこれからの行動の選択を迫られた訳だが、この企業は

 

潮目の変わるのを待つ(頭下げて、時間を稼ぐ)事を選んだ

 

 

 

 

 

だが、この判断は社内において番組制作などに関わるもの(数字を取りたいもの)事務方や裏方スタッフ(会社を潰したくないもの)とに二極化される事につながった

 

 

これだけでも問題なのに、経営陣間でも対立する雰囲気が出来つつあったからたまらない

 

 

社長は会長(創業者)の娘婿であり、彼は会社の更なる躍進。つまりこれまで通りの報道姿勢を貫く事を良しとした

会長が病床の身であったことと、同業者の大手が倒産した事による一時的な混乱が業界内での勢力拡大。ひいては自分の立場の強化につながるとの判断からだった

 

これに異を唱えたのは副社長と専務だった

2人からすれば、今回の件は今までの状況とはまるで緊急性が異なると主張し、社長に対して報道の自粛。即ち、トレセン学園関係の無思慮な報道の停止を求めた

業界大手であった会社すら、倒産に追いやったのだから今更二の太刀を振るう(もう一社倒産させる)事を躊躇う事はないと思っていたからである

 

勿論、その様な事は余程の事がない限りは(・・・・・・・・・・)行なう予定は総理にもなかったが、そんな事を彼等が知るはずもないし、知っていても信じられなかっただろうが

 

 

社長は2人の発言に不快感を隠そうともしなかったが、副社長も専務も義父(会長)がこの会社を発展させた功績を認めていた事から渋々受け入れた

 

 

だが、一度でも会社のトップが取材行為を認めたと判断した一部の者は正当な権利(トレセン学園への取材)の為に密かに動き出した

 

トレセン学園近隣で出待ちをしている者達を隠れ蓑として、ある人物はこう考える

 

 

 

ならば、目障りな人物(渦中の人物)を行動出来なくすれば良い

 

 

 

その結果、1人の男子中学生が凶行に及んだわけだ

 

 

この流れを主導した人物はあえてこれを見逃し、後にこのスクープを大々的に報じるつもりだった

 

 

 

だが、彼の思惑よりも事態は速く動きはじめた

 

 

まず彼にルートを教えた警察内部の人物が早々に判明し、その人物の交友関係を辿った結果と加害者の少年の供述により、彼は捜査線上にあっさりと浮上した

 

任意同行としていたが、既に証拠固めはほぼ終わっていた

警察内部の人物も記者を完全に信用しておらず、個人で記者の情報をまとめていたから

 

 

 

 

しかし、このタイミングが非常に不味かった

 

生放送の僅か2日前だったのである

 

 

現在は任意同行である為に局としてもわざわさ報道すべきではないと判断していたが、生放送の番組を取り仕切る人物からすれば勘弁願いたい話である

 

局の意向と懇意にしている政治家からの要望だけでも勘弁して欲しいのに、身内のスキャンダルを抱えたまま生放送など正気の沙汰ではない

 

 

仮に生放送中は隠し通せたとしても、その後発覚すれば情報を取り扱う者としての資質に大きな疑問をつけられるだろう

生放送中に他局から報道されようものならば、目も当てられない

 

 

 

彼は直ぐに番組中止を訴えたが、議員や候補に社長お気に入りのコメンテーターの都合の問題もあり中止は認められなかった

 

 

 

 

 

 

 

選挙の前哨戦ともなる生放送

 

 

これが一つの転機となる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




昨日、ふと日間ランキング見てたら、まさかのランキング入りしてて草どころか芝生えました


どうしよう。と思いながら書いてます


ではご一読ありがとうございました
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