彼と彼女の歩く道   作:ノイフェル

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ついに微妙なバランスで成り立っていたものがくずれおちます


何度も書いてますが、これはハッピーエンドです


では、どうぞ


 崩壊の時

番組プロデューサーの予想はいい意味でも、悪い意味でも外れたと言える

 

 

今回の生放送での党政策討論は本来なら、一時間ある情報番組の一コーナーとする予定だった

 

 

 

ところが、他局より申し入れがあったのだ

 

 

 

党政策討論会だけで、ふた枠とりたい

 

 

 

 

当然だが、その様なものを受け入れる謂れはない

 

本来ならば

 

 

 

それに対して、他局はとある記事を差し出してきた

 

そこには

 

 

 

 

 

 

 

衝撃!昼に起きた惨劇。被害者は今秋の騒動の当事者か!?

 

 

との見出しが一面に記載されていた

 

 

 

対応した人物は申し入れてきた他局の人間を顔を思わず見た

 

 

相手は平静そのものだった

 

だが、その瞳には明らかな侮蔑の色があるのを見て取れた

 

 

 

 

つまり、アチラは知っているのだ

 

あの事件(自局の人間のしでかし)

 

 

 

 

 

その上でこう言っているのだ

 

 

最後の名誉(花道)は用意してやるから、大人しくしとけ

 

 

 

困ったものですね。私たちの権利が当たり前と思っている不心得者が多すぎるのは

 

 

提案してきた局は業界内では珍しく、堅実で誠実な取材を是としておりその為にそこまで大きな会社規模となっていないところだった

 

 

トレセン学園への取材は勿論、彼に対しての取材もトレセン学園側に正規ルートで申し入れており、結果を素直に受け止めている数少ない良識ある局だった

 

 

当然だが、報道においては常に他局に先を越されており、スクープという点においてはかなり目立たない存在だった

 

 

しかし、関係者への適切な配慮から「そちらにならば、話をしよう」と言った取材を好意的に受け止めてくれる者も多かった

 

スクープこそ殆どないが、誤報という点においては殆ど存在しないのが他局にはない特徴である

 

 

 

こと、政治関係においては情報を出すタイミングが事態を大きく変化させる事も理解している為に報道に際しては必ず確認をとってから報道する徹底ぶりだった

 

 

企業としてはこちらの方が古く、世間からは誠実な報道機関と周知されている

一方で業界内では勢いのない落ち目の企業と揶揄されていたが

 

 

 

 

だからこそ(・・・・・)、今回のような事が頻発する業界に対して大きな不満を持っていたのである

 

 

速度を優先するあまり、関係者や周辺への配慮を置き去りにした取材。

ひたすらに数字(部数や視聴率)を求める為に平然と行われる一方的で、有識者やコメンテーター(影響力のあるもの)を使っての偏向報道

 

 

その結果、今秋においては被害を受けた人物から名誉毀損で大量に有識者やコメンテーター、はては報道機関まで訴えられている始末

 

 

そこで誠実に対応すれば向こうも多少は考えてくれたはずなのに、報道機関や人気のある芸人達(コメンテーター)自称(・・)有識者はメディアやSNSを使い、知る権利や報道の自由に思想の自由を理由に謝罪しようとしない

それどころか、彼について憶測混じり、しかもかなり悪意のあるもので世論を味方につけようとしていた

 

逆に本当の有識者やコメンテーターの中でも大御所などと言われている人物は早々に謝罪した。あちら側としても謝罪した上で、今後反省を活かすと言っていることもあり、謝罪を受け入れている

 

 

更に言えば、彼の後ろ盾である国会議員をあたかも大規模な汚職事件であるかのように世論を誘導し、くだんの議員を辞職に追い込んでもいたのだ

 

 

正常な報道を常に心がけている者からすれば、噴飯物であり、彼の擁護記事を書いたり報道してたりもする

 

 

 

だが、トレセン学園関連の情報は丁寧に秘匿されており、これがまた事態の速やかな収集を阻む事になっていたわけである

 

 

 

 

さりとて、メディアの良識を何よりも重視していたこの企業からすれば、とんでもないことだった

 

 

子供であり、親の庇護すら受けることのできなかった少女とそれを守る為に己が周りのものを捨てるしかなかった少年

 

非難されるべきは、果たして彼女と彼なのだろうか?

 

 

いや、違うはずだ

 

真に非難されるべきは彼女の両親とトレセン学園の経営陣であり、この事態を見守ることのできなかった我々メディアであろう

 

 

 

 

だからこそ、この企業は渦中にいる少年が事件の被害者になった時に混乱し、その原因が同業者によるものだとリークされた時の怒りの程は想像を絶するものとなったのだ

 

 

いつも過激な報道をして、様々な家庭を散々破壊する片棒を担いでいたメディア関係者が例えその身内だとしても、それを恨んだ結果事件を引き起こした。のみならず、その情報面で現役の記者と警察官が共謀したなどというのは、到底認められなかった

 

 

 

 

 

公開討論会などと言っても、企画しているところは明らかに与党よりの報道をしているところ

 

実際、調べたところでは一時間の番組内で僅か15分程度だと判断出来る

 

僅か15分で何が出来ようか?

おおかた与党や野党の代表ばかりクローズアップして、新党側には質問させるつもりもないのだろう

 

 

であれば、わざわざそんな時間しか用意できない番組に出演させる必要はない

 

幸いと言いたくはないが、相手を動かすに足るものは用意している

 

中身のない情報番組(与党の都合の良い情報しか流さないもの)に時間を取るくらいならば、こちらでふた枠。つまり2時間与えて存分に議論してもらおうではないか

 

 

それが彼らの会社の経営陣の判断だった

 

 

そして、それは現場で働くもの達の総意でもある

 

彼らの本音は

 

あんなの(他の局の連中)と一緒にするな!!

 

だったのだから

 

 

 

 

 

 

結果、以前同じことを相手にしていた事もあり、渋々ながらもこれを受け入れる他なかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、これを知らされた与党側は難色を示した

 

 

何せ、いきなりフィールドが変わったのだ

彼らからすれば自分たちのフィールド(懇意にしている局の番組)であったからこそ、討論会を受けたという事情がある

 

 

以前の党首討論においては与党は新党はおろか、野党にすらも論破されかかるという大失態をやらかしていた

 

 

一応、各組織には各候補への支援を要請していたが、地方の支部の中には露骨に不安を言ってくるものすら出てくる始末

 

これでは、マズイと判断している

だからこそ、今回の討論会は負ける事が許されない

 

 

それ故に舞台を自身の有利なものとした上で、時間すら短時間に区切ったのだ

 

これならば、多少不利になっても司会者が気を利かせて(・・・・・・)討論を打ち切れる

 

 

 

 

 

そう、思っていたのだ

 

にも関わらず、よりにもよって中道的な態度で有名なテレビ局がその舞台を用意することとなってしまった

 

 

 

更に配信チャンネルを併用して、気になる質問などが出てきた場合にはこれを取り上げる手法を取るというではないか

 

 

 

既に与党側の代表として、大々的に与党公式ホームページなどでも宣伝している

 

これは彼が再選を目指す選挙区に出バを表明している人物対策だった

 

 

 

相手は総理率いる新党の目玉候補の1人であるクガヤシ

 

 

そう、かつての悲劇のある意味では当事者だった

 

 

 

 

彼女は私立大学を卒業して以降、姿をくらませていたが元々弁のたつ人物であり、度々現役の頃には討論会などにでていた論客である

 

 

対する候補は自分の父親の地盤を引き継いだ所謂2世議員だった

 

名門大学の法学部を出ているが、それとて優秀とはいえない能力

ただ、派閥間のバランスを取る為に彼を引き入れただけにすぎないのだ

 

 

この選挙区は議員の父によりインフラ整備や各種行政サービスの充実が早期に実現した

その背景から、高齢者になればなるほど父親への信望は厚い

 

その期待をうまく利用して、その息子が議員になっただけなのだ

 

 

 

当初こそ、若者を中心に『世襲議員』である彼に対して不信感が盛り上がったのだが、表向き(・・・)は不祥事がなかったことから息子の地盤は固まる事となった

対立候補を野党も用意したが、その選挙区の議員として立候補しながらも縁もゆかりもない人物ばかりだった為に与党内では確定した選挙区として扱われる様になった

 

加えて、いつも高齢者からの熱狂的支持を集めるこの議員に嫌気がさしたのか若者の投票率が目に見えて減っていった事も彼が長年議員を続けてこれた理由だろう

 

 

 

だが、彼が得意とするのは実務でも論舌でもなく、組織間の利害調整だった

 

しかも、割と表に出せない方面の

 

 

 

ところが、今回出バしてきたクガヤシはこの選挙区出身であり、女性であり、ウマ娘でもある

しかも、今回世間の注目を集めている総理率いる新党の候補としての参戦だった

 

 

 

実際、選挙前に彼の陣営が聞き取り調査したところによると、今まで選挙を棄権していた二十代と三十代はクガヤシ側の主張にある程度理解を示しているとされる

 

では、磐石である高齢者(五十代以上の年代)の支持はどうかと調べると無視し得ない結果が出てきた

 

 

当時の財閥御曹司とウマ娘(ナツフジ)の事故は話題にも上がりながらも徹底した捜査が行われていないとみられていた

 

更にウマ娘という存在をうまく消化できなかった彼らの一部はクガヤシの主張に耳を貸していたのだ

 

 

つまり、鉄板と言われていた票田が崩れ、今までは殆ど機能していなかった若者の票がクガヤシ側に流れる可能性が高いのだ

 

 

当然ながら、後援会などの活動でクガヤシ達新党の主張がどれだけ困難な物かを強調し、支持を引き剥がそうと試みた

 

 

 

だが、クガヤシは自身の選挙事務所を広く開放し、市民達との議論の場として機能させ始めた

 

更に自身の配信チャンネルなどにおいても、夜になると精力的に活動する事とした

 

 

結果、後援会や支持者に丸投げしている現職との差が強調されていく事になってしまう

 

彼も一度は配信チャンネルを使って自身の主張をしようとしたが、クガヤシの様に質問を次々と投げ込まれ、それに対する対応を怠った結果、若者の支持を失う事となった

 

 

 

悪いことは重なるもので、野党は超党派を結成し野党連合として各選挙区に候補者を擁立したのだが、なぜかクガヤシの選挙区には対立候補を用意しなかった

 

結果、現職国会議員と新人のクガヤシによる一騎討ちとなる公算が高まった

 

 

 

 

この様な背景があり、党本部としてもくだんの国会議員の劣勢を挽回させるべく、今回の討論会への参加を打診したのだ

 

 

 

本来ならば、これはただのショーであったにも関わらず、与党側の予想を裏切る形で討論会が開かれる事となってしまった

 

 

 

この議員は党本部の完全に公認候補として名が知られているために、万が一負けた場合の動揺は下手すれば全国規模に及ぶだろう

 

 

 

 

しかも、相手は例の事故(ナツフジの事件)を隠蔽したとされる与党のベテラン。しかも、その議員の派閥のトップが警察などに圧力をかけて捜査妨害をしている

 

 

彼らウマ娘研究会の面々は何もせずに過ごしてきた訳ではない

自分たちのコネや人脈を使い、少しずつ真実に近づきつつあったのだ

 

 

 

そして、現状最大の問題が現職の検察トップがその指示をしていた事だった

 

 

もしも、これが明るみになれば、与党の支持は吹っ飛ぶ

 

検察トップを強引に据えたのは総理に対立する人物であり、現在の与党No.2なのだ

 

 

勿論、総理にも批判は及ぶだろうが、この指示を受けて実行したのは総理が議員になる前の事

 

 

しかし、指示した者は当時も与党議員だったのだ

その指示を受けて捜査を妨害する事をした人物は忖度した功績(・・)を評価されて検察のトップへと任命された

 

 

 

 

 

どう見ても、真っ黒です

 

本当にありがとうございます

 

 

 

 

 

つまり、彼ら与党が選挙に負ける事になった場合は様々な不祥事が露見する可能性がある

 

しかも、警察庁長官は今回の傷害事件には裏があると考えており、異例ともいえる警視総監との緊密な連携をしているという

 

更に異例中の異例ともいえる特捜部との共同捜査を行なう公算すら出てきていた

 

 

 

 

勿論、与党内では検察トップに働きかけて特捜部の動きを牽制するべきだという意見もあるが、それをした場合はやましい事があると公言する様なものである

 

 

出来るはずもない

 

 

 

 

 

 

 

 

長年、この国の政権与党として君臨してきたこの党は隠し事など琵琶湖にも埋めきれない程に山積している

 

 

これをどうにかしているのは、彼らの権力である

 

 

 

 

議員も落ちればただの人

 

という言葉もある

 

 

勿論、完全に影響力を喪失するわけではないが、致命的なものになることは疑いの余地もない

 

 

 

 

 

であるからして、前哨戦たる討論会で負けることは出来ないのだ

 

色々な意味で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、彼らは忘れていた

 

 

確かに警察側の捜査を止めれば、警察から()何も漏れない

しかし、あの事故は依頼主(・・・)がいた事を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある屋敷にて

 

 

 

なんだこれは!!!

 

 

屋敷の主人の怒声が部屋に響いた

 

 

その主人の手元に一枚の手紙があった

 

 

 

 

 

 

 

 

私の父は償うことも出来ない大罪をおかしました

 

 

貴方の兄上様の死の原因を作ったのは私の父だったのです

正確には兄上様とお付き合いされていた女性を亡き者としようとしていたのです

 

先日亡くなった父の遺品を整理していたところ、その時の証拠を見つけました

父とあの事件(・・)の揉み消しを依頼した与党の重鎮議員との会話です

 

例え知らないと言っても、私は貴方を長年裏切り続けてきたのです。貴方や先代様、兄上様にも多大な恩を受けておきながら

 

 

この手紙を貴方がお読みになった頃には、私はこの世にいないでしょうが、お許しを

 

 

 

 

との内容だった

 

 

 

つまり、兄と義姉上(あねうえ)はよりにもよって、身内に命を奪われたというのかっ!

 

 

 

 

 

許せぬ。兄を、義姉(あね)を奪った者も。それを自分たちの利益とした者も

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰も知らないところで導火線に火がついた

 

 

 

 

 




というわけで、10年以上前のヤイバがいきなり飛んでくる事となります

さー、大変だぁ(白目)



お気に入り増えすぎて、リアルで発狂しそう

そろそろ冷え込んでまいりましたので、皆様どうかお身体にはお気をつけて


後でアンケート実施するのでご協力頂ければ幸いです

 バッドエンドのifいります?

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