彼と彼女の歩く道   作:ノイフェル

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舞台に上がる者がいる
舞台を降りる者もいる


演目が変われば、演者も変わる


他者を踏みつけた者がいた
その報いを受ける時がきたのだ


 見える道筋、消える者たち

生放送の開始1時間前のこと

 

 

とある財閥の当主より、緊急の用件ということで時間をとってほしいと放送局の経営陣に連絡が入った

 

 

何事かと怪訝に思いながら、用件を聞くと

 

 

現在、野党連合と新党と争っている現在の与党の幹事長

 

その人物が先日亡くなった財閥のグループ企業相談役と共謀して、ナツフジ氏を亡き者としようとしたということ

更に、結果として当時の財閥の後継者と目されていた人物が亡くなった事を事故(・・)として、処理する事を当時の幹事長が請け負った

 

という事がもたらされた

 

更に肉声の会話を録音したテープのダビングも一緒に提供される事となり、これを生放送中に世間へと届けて欲しいとの事だった

 

 

 

だが、あくまでも当主の個人的な感情も含んだ要請である為に、必ずしも聞く必要はないとも発言していた

 

 

当主はこれから、警視庁へと行って証拠を全て提出するつもりだそうだ

 

 

 

財閥へのダメージも避けられないのは確実にも関わらず、彼は全く迷いがなかったようである

 

 

 

 

 

 

 

 

財閥の後継者であった御曹司を亡くした時、当然のように後継者を巡って醜い争いが起きた

 

彼は4人兄妹の末っ子であり、本来ならば兄や姉を支えるべき立ち位置だったのである

 

しかし、聡明だった長兄が亡くなると父から溺愛されていた姉が財閥の長となるべく色々な者たちに働きかけた

それに不満を覚えたのが、第三子であった次男である

溺愛されて、何でも与えられて育てられた姉では財閥の財産を食い潰すだけだと思い立ち、姉と対立する事になった

こちらには母や叔母がついた

 

彼はなんとか2人を説得しようとしたが、受け入れられるはずもなかった

 

当然といえるだろう

 

財閥トップともなれば、動かせる資金や人員は尋常ではない

仮にトップでなければ、精々がグループ企業のトップか専務どまり

 

 

待遇は天と地ほどの差がでるのだろうから

 

 

 

 

だが、その様な争いを何よりも嫌っていた祖父が父や叔父。母と叔母を集めて一喝した

 

 

儂達が優先すべきは自身の安定ではなく、自身が苦しかろうとも働いている者達の安定を何よりも願うべき

それすらわからぬ者達に後を託すわけにはいかぬ!

 

 

 

結果、姉と兄は親類へと養子に出され、仲介しようとしていた末弟である彼が次期後継者となったのだ

 

 

 

とはいえ、彼は英才教育を受けていた長兄や野心に溢れる姉、向上心の塊の様な次兄とも違う

 

 

良くも悪くも次代に残すものを残そうとするのが精一杯だった

 

 

 

 

 

だが、昨年補佐をしてくれていた祖父は病で帰らない人となり、父と母も既に他界していた

 

既に子供ではないが、それでもやはり心細いものではある

 

 

 

 

 

しかし、彼は長兄が亡くなった事件に政党以外の匂いを感じ取っていた

 

確かにあの時点では兄の婚約者とも見えていたナツフジは兄の婚約者の座を狙っていた者達からすれば、邪魔だっただろう

 

事故が起きた際、当時はあまり親しくしていなかった与党に火消しを頼む。というのはわからなくもない

交渉役をしていた人物、つまりナツフジを亡き者としていた者が唯一、与党幹部などとのコネを有していたのだから

 

 

だが、確実に後継者として育てられていた兄が亡くなって、一番最初に動いた者がいたのを彼は思い出した

 

 

そう、姉だ

 

姉は兄が事故死するなり、直ちに周辺の者を使って自分の立場を固めようとした

 

 

 

 

当時は混乱を早期に収める為だと思っていたが、それにしてはあまりにも妙だった

 

あの感情的になりやすい姉が動揺も騒ぎもせずに動き出したのは

 

 

そう考えると次々と疑問が浮かぶ

 

何故、姉は直ぐに組織内を混乱させる様な事をしていたのに、当主の座にあった父は動かなかったのか?

何故、姉と懇意にしていたはずの叔母が次兄の後援にまわったのか?

何故、兄妹の中で一番迅速に動いていたはずの次兄より先んじる事が出来たのか?

何故、姉の目付け役であった人物があのタイミングで家から去ったのか?

 

 

幾らでも疑問はわいてくる

 

 

 

 

 

 

 

彼のその疑念は警視庁に捜査の依頼を出した後、屋敷に戻った時に確信となるのだが、これは次回にでも触れよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

与党ベテラン議員は討論会の前から、既に消耗していた

 

 

何せ、党三役から直々に討論会でしくじる事は許さないと言われていたからである

 

話が違う!

 

彼はその席で何度も叫び出したくなるのを必死で堪えることしか出来なかった

 

 

確かに自分の選挙区ではあまり旗色は良くないだろう

だが、相手は例えかつての有名人だろうと、政治の世界を知らない者

 

 

既に三選を果たしている自分とは違うのだ!

 

 

そう声高に言いたかった

 

しかし、3人の纏う空気がそれを許さなかったのだ

 

 

 

 

 

 

実は中立的なマスコミの調べた世論調査では野党連合の支持率が2割。与党の支持率が3割

そして、新党の支持率は2割7分だったのだ

 

つまり、態度を保留としている層が2割3分いるわけで、党首討論にて政策論議という肝心の部分で遅れをとった与党に追加の支持を集めようとすれば、今回の好機は逃すわけにはいかない

 

 

しかも、その世論調査は党首討論以前のものであり、下手すれば支持率を失っている可能性すらありえた

 

 

 

更に政権与党であった彼等だが、総理について新党に参加した者達は国民からも支持されている者が多数含まれていた

野党から合流した者達も国会審議などでキチンとした質問の出来ている若手が中心だった

 

 

当然、総理以下の人物が抜けた穴を与党に残った者達で埋めたのだが、世間からの視線は厳しかった

 

 

以前、不透明な会計が事務所から見つかって国会で追及された選挙対策委員長は自身の秘書を差し出す事で事なきをえた

 

だが、総理は監督責任を彼に求めていた。しかし、委員長は全てを秘書の責任として無理矢理逃げ切った過去がある

 

 

それが今では選挙対策委員長。他にも元愛人との好ましくない関係を報じられた人物が政務次官になっているなど、国民目線からすれば、明らかに危険な人事が強行されていた

 

 

暫定的な総理を選出する動きもあったが、下手な人物を総理に据えようものならば、国民感情が最悪に成りかねないとの事で、臨時措置として総理が続投している

 

 

 

 

逆を言えば、そこまで与党側の人員は払底しているとも言えた

 

 

確かにキャリアは長い

だが、それがどうしたというのか?

 

 

そして困った事に再選を何度も果たした議員というのは、無駄にプライドだけは高くなる者が多い

 

プライドが高いのは大いに結構だが、能力が伴わなければ滑稽なだけである

 

 

 

 

 

それでも討論会さえどうかにすれば、どうにかなると与党所属の議員達はそう思っていたのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、現実とは時に非情となり、牙を剥く

 

 

討論会直前のニュースにて、現与党の重鎮が過去の犯罪に加担していた事を与野党議員と新党の議員の目の前で報道したのだ

 

 

与党議員は当然、捏造だと一蹴しようとしたが、まさかの肉声付きとあっては否定しづらかった

野党議員はこれ幸いと討論会にて、これを追及。更に過去の疑惑などについても全て詳細を明らかにすべしと主張した

 

これに対して、新党の候補者は

 

あくまでも、警察などの発表でない以上はそれが真実かは不明とすべき

 

と言い

 

 

だが、もしもこれが事実だった場合は間違いなく疑惑の議員は刑事責任を問われるでしょうな。何せ警察機構に対する介入ですから

 

 

と能面の様な顔をして、発言した

 

 

 

 

その後は与野党議員と新党の候補者の間で政策論議がなされる事となったが、この討論会のもう一つの参加者であるリスナー(国民)から与党議員に対して痛烈な質問が何度も飛び、その度に彼は

 

私には判断できかねる問題ですので

とか

それは、その当時の事情がありましたので

と、当たり障りのない事を言ってしまう

 

 

いうまでもないが、此処は国会ではない

国会内で通じた言い訳が通る道理はなかった

 

 

終いには

 

与党の議員さんはマトモに質問を答えるつもりはあるのか?

 

とまで言われてしまい、彼は顔を赤くしながらも、沈黙する他なかった

 

 

 

野党議員にも、かなり厳しい意見が寄せられたが

 

 

その件に関しては事実関係を速やかに確認して、国民の皆様へとお知らせしたいと思います

と自身では答えられない事には言うものの、建前ではなく国会議員としての発言をしっかりしていた

 

 

当然だが、混乱を招いたとされるウマ娘擁護の政策を打ち出す新党の候補者にも厳しい意見が叩きつけられた

 

 

これについて、候補者の人物は自身の経験やクガヤシとナツフジとの話などから可能な限り答える様にした上で

 

 

皆様のご指摘の通り、まだまだ問題を抱えております

であればこそ、皆様からも様々なご意見やご指摘などをいただき、未来へとつなげていきたいと新党の候補者、議員一同考えております

 

 

と結んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、討論会(それどころ)では無かったもの達もいた

 

 

与党重鎮をはじめとする幹部達だった

 

当然、重鎮は捏造報道と切り捨てた

安堵する者たち

 

そこに電話が鳴り響いた

 

 

 

 

 

 

 

特捜部による強制捜査の知らせだった

 

 

特捜部はこの事故について、何年もの間検察のトップから隠れて捜査し続けていたのだ

 

決定的証拠を欠く事と、検察のトップが明らかに政権よりの態度を示していたことから、特捜部は全てを極秘に行なっていた

 

 

 

そして、待ち望んだ確たる証拠

 

それを持って、特捜部は史上初となる政権与党幹部の事務所への強制捜査と踏み切ったのだ

 

 

 

 

今回の判断には、警察庁長官と警視総監、更に司法長官の承認を得ての超法規措置

何せ判断するべき検察のトップが相手側に含まれていたのだから

 

 

 

 

 

 

 

更に混乱は続く

 

 

検察庁のトップが逮捕されたのだ

 

 

 

 

既に過去の証拠を持っている者は辞職した後だとトップは思っていたし、事実そうだった

 

だが、その人物が報道を見て警察署に出頭してきた事で全てが明るみに出る事となる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、報道各社にはさらなる凶報が齎された

 

 

トレセン学園関係者の少年が中学生の男子生徒に刺された事が大々的に報じられたのだ

 

更に近隣住民からの数々の不法行為などが次々とSNSなどで暴露されていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、与党重鎮は国会閉会後であった事から即座に任意同行を求められた

 

既に逃げ場のない事をはっきりと自覚した議員は全てを話す事となる

 

 

 

検察庁のトップについては公務を妨害したとして、即座に逮捕された

 

 

 

任意同行で聴取されていた記者もそのまま犯罪行為の扶助の罪で逮捕される事となる

 

 

 

 

わずか1日で様々な事が起きる事となってしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、そんなこと(・・・・・)よりも問題があった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、弁明を聞こうかな?

 

 

怒れるタキオンがタキオンの彼の前にいたのだから

 




政権を独占していたが故に慢心し、思う通りに物事を動かしてきた者達の末路でした


これから、しばらくはトレセン学園関係の話になる予定

これはウマ娘の創作ですからね、当たり前ですが


近日中に次を投稿します

ではご一読いただきありがとうございました

 バッドエンドのifいります?

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  • それより更新だろ?
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