ぶっちゃけると、この設定は非難されると思いながらも初期に考えていた設定
ねじれ捻れまくった結果、タキオンと彼の意思疎通はかなり困難になっていた模様
人だからね、仕方ないの
アグネスタキオンは親しい人物ならいざ知らず、知らない者にまで興味を持とうとしない人物だ
これは、幼少期において両親から半ば放置されていた事による、自分を守ろうという深層的な心理から生じたものである
知らない者と関わるな。それよりも自分の夢を追いかけろ
それが幼いタキオンの抱いていた考えだった
しかし、彼と出会う事で少しずつではあるが、彼女の生活のみならず、価値観すら変化をもたらした
というのも、小学校においてタキオンのフォローを彼は全て引き受けていた事を知ってしまったから
当初は煩わしいだけの存在であった彼であるが、それは時を重ねる毎に
側にいた方が便利な者から
側にあると落ち着く者
そして
側にいないと落ち着かなくなる
と徐々に変化していった
アグネスタキオンは聡明な人物であり、その頭脳は自身が疎かにしてきた事で幼馴染の彼が様々な不利益を被っていた事を知った
そして、歩く様な速さであったが他者との付き合い方を考える様になっていったのだ
そして、トレセン学園で様々な出会いを経験した彼女だったが、彼女の中の線引きは全くぶれなかった
つまり
彼やマックイーンにルドルフ達と
全く関心を持たないもの
であった
その日も彼女はいつも通りに研究室にこもって自身の研究をしていた
この研究室には大型のモニターがあり、テレビとしての機能も有するハイスペックな物だ
研究室の常連である
実はこの大型モニター。かなりの高額製品でありマックイーンでも驚くほどの値段がつくものだった
そのモニターでカフェは後1時間後に迫った討論会を見る為に、その局の番組を見ていた
スマートファルコンやゴールドシチーからマックイーンが聞いた話では、報道機関の中では最もマトモであり、信用できるとの評価だったからである
だが、討論会の始まる直前に臨時ニュースが差し込まれた
トレセン学園関係者の少年が刺されたというニュースが
マンハッタンカフェと共に雑談に興じていたタキオンは、昨日のデートにおいて、彼の様子が少しおかしかった理由を今更ながらに把握したのである
討論会の前という事で、短すぎるニュースとなったが、タキオンは自分のスマホでネットの海から情報を手に入れようと試みた
それを横目で見ていたカフェはエアシャカールやタマモクロスなどに連絡することとした
タキオンの目のハイライトが戻っていたから
討論会の内容についてはどうでも良かった
いや、カフェ個人としては無視したくない内容だったのだが、それ以上に激怒しているタキオンを止めねばならなかったのだ
その荒ぶりようといったら、尋常ではなくエアシャカールにマンハッタンカフェは勿論、オグリキャップやタマモクロスにスーパークリークまで抑えに回ってなお、互角だったほどである
最終的にはナイスネイチャとサクラバクシンオーまで加わった事でようやくタキオンは平静を取り戻した
この日、たまたまジャラジャラのトレーニングの為に彼がトレセン学園へと来ていた事を知っているが故に余計にカフェ達は必死になったといえるだろう
アグネスタキオンは幼い頃に両親から放置されて育った
しかし、タキオンはそれを嘆く事も悲しむ事もなかった
母が頻繁に家を空ける。父もそう
タキオンに残されていたものは、父親が
タキオンは母からキャッシュカードを預かり、それから日々の食費などを出せば良いと言われていた
母親と父親では同じ系列の会社に勤めていながらも、出張という点においては然程に回数は変わらない
後で判明したが、父は交渉などで飛び回る事が必要だったのだが、母は不倫相手の家に入り浸っていた
タキオンの食費として彼女の父親がタキオンの口座に振り込んでいた金額はタキオンの生活を支えるにはじゅうぶんなものであった
それはあくまでもタキオンと父親の間での話し合いで決まった事である。実際は父親があまりにもタキオンに何もしてやらない事を気にした事であり、父親は妻が自身の出張中に自宅へ残っている事を承知の上での話だった
だが、とある時に母親はタキオンに父親からかなりの
タキオンの父親がその口座を開設したわけではなく、母親が口座を用意した
であるからこそ、母親は知っていたのだ
口座の暗証番号と銀行印を
そして、嵩張る通帳などに興味を持っていなかったタキオンの隙を見て、母親は通帳を自身の手元においた
後は記帳してみれば、彼女が思う以上にタキオンへと夫がお金を渡している事が判明するのは当然だった
そして、彼女は
不幸な事にタキオンに振り込む金額はタキオンと父親が話をして決めた金額よりもかなり多かったし、タキオンは通帳の中身を見ることを全くしなかった
父親として、せめて娘には不自由させたくないという親心だったのだろうが
タキオンが実験道具や資料などを欲しがった時も父親は叶う限りはそれに応えた
そして、余ったお金は
しかし、妻からすれば
勿論、彼は家庭に結婚した時に決めた以上の金額を常に入れており、一般的な家庭に比べるとかなり裕福な暮らしを送っている
娘に渡しているお金はあくまでも仕事の出張費手当や臨時ボーナスであり、何ら問題にならないと彼は思っていたし、それはある意味では真実だろう
だが、結婚した理由が理由である妻からすれば、不愉快でしかなかったのだろう
彼女は娘の預金を問題ない程度に引き落として、
それをタキオンが知らなければ、
だが、ある日ふとタキオンは珍しく通帳に記帳した方がいいと思い立ち、自分が通帳を保管していた場所を見た
なかったのだ、通帳が
それから数日後、母親が一時的に帰宅した
翌日には出張へと行ったであるが
そして、タキオンは保管場所に通帳が戻ってきた事に気がついた
気になって、通帳を開いてみれば
タキオンはかなり几帳面であった
額こそ気にしなかったが、父親のお金である事を理解していたので、いつも口座から出すときには必ずメモを取っていた
彼女なりに、父親に感謝していたのだから
ところが、全く覚えのない引き落としの履歴があった
しかも、タキオンがいつも出す金額よりも多い額が、である
その後、タキオンはわざと気付かないふりをして暫く過ごした
確かに母親の行動を注視するとおかしい部分がある
いつも家を空けたままにしていた母親が、何故か月一の頻度で帰ってくる。別に家事をするわけでもないというのに
そして、そのタイミングはいつも父親がお金を振り込んでくれる第三月曜の翌日
いつからか、母親の服などが変わっていた
それでも、母親なのだ
タキオンの事を全くと言って良いほどしてくれていなくとも、あの人は自分を産み育ててくれたのだ
アグネスタキオンという少女は願った
嘘であって欲しい
と
しかし、再び見た通帳にはタキオンの覚えのない
この時、タキオンの中のナニカが音を立てて壊れたのだ
それ以降は語るまでもない
母親に絶望したが、嫌悪も憎悪もしなかった
ただ
ああ、こういう事を平気でできる
という乾いた感情だけがあった
父親には感謝もしていたが、既に父親に対しては金銭面くらいしかタキオンは頼るつもりもなかった事もあって、タキオンは両親が自宅にいる事を良く思わなくなる
そうなると、娘に負い目のある父親は歩み寄る事が出来なくなり、母親はそれでも月一だけは帰ってきた
しかし、タキオンは母親に通帳を手渡してこう言った
これが必要なんだろう?私には
と
この時初めて母親はタキオンが自分のしていた事に気付いていた事を知った
しかし、既に半年近く行われてきた行為の結果、タキオンは母親を一切信用しなくなってしまった
そんな中で彼と出会い、彼に様々な事をしてもらっていた
彼の手料理を食べたときには涙し、ふとした時にリビングに降りると彼がいる事に安心感を覚える事となっても不思議ではない
しかし、世間の目は当初タキオンの家に頻繁に出入りする彼に厳しかった
何せタキオンの家の事情を近所の人達が共有するには、タキオンが一度高熱を出して倒れる時まで待たねばならなかったのだから
アグネスタキオンにとって、スカーレットもデジタルも大切な存在だ
それは断言できる
マックイーンやルドルフ、タイシンやカフェ達も素晴らしい友人だとそれも断言しよう
しかし、アグネスタキオンという少女にとって、この世で何者にも変え難い存在は彼しかいなかった
勿論、彼も自分も思春期というかなり複雑な時期。隠し事の一つや二つは何とか堪えよう
だが、彼が殺傷されたなどという非常事態を彼の一番そばにいた筈の自分が知らなかった事に目の前が真っ赤に染まった
そして、彼がこの前のデートの時にそれを話してくれなかった事が何よりも悲しく、腹が立ってしまったのだ
だからこそ、タキオンは彼と話をしなければならない
なのに
くっ、タキオン落ち着け!
あかん。タキオンの奴マジや!
シャカール!自分、会長呼んできてくれや!
タキオン!少しは落ち着けっての!
ちょっと!タキオンさん、落ち着いてよ!
やむを得ませんね
少し皆さんタキオンさんを抑えていてください
カフェさん、何かあるのですか?
タキオンを必死で抑えているオグリキャップとタマモクロスにナリタタイシンとナイスネイチャ、それにスーパークリーク
此処の事をタキオンと同じくらい知っているマンハッタンカフェ。彼女は倉庫から拘束するための道具を持ってくるために他のメンバーに時間稼ぎを頼んで倉庫に向かった
エアシャカールは生徒会室に急行し、シンボリルドルフ達を連れてくることとした
メタ的な事ではあるが、現在のタキオンのパワーはステータスで表記するとC +相当であり、これは同世代のウマ娘の中ではナリタタイシンに次ぐ能力であったりする
タキオンは自分の感情を処理できていなかった
私は彼に怒っているのか?
それとも、悲しんでいるのか?
わからない
彼が自分の心が
でも、苦しい
辛いんだ
千々に乱れる思考の中で、それでも残ったのは
彼に逢いたい
それだけだった
ニュースで彼が刺されていたと聞いたタキオンが先ず感じた感情は安堵だった
おかしいと思われるかもしれないが、アグネスタキオンという少女にとって、彼はなくてはならない存在となっていた
無論、彼をこの様な目に合わせたもの達については、例えどの様な事があろうとも必ずそれ相応の報いを与えることを決意していたが
この考えは彼と同じだとタキオンは願っていたが、彼自身はタキオンを悪意や害意から遠ざけるために徐々にタキオンから離れようとしていたのであった
タキオンにとっての幸福、即ち彼と共にいる世界と
彼にとっての幸福、アグネスタキオンとその周りの世界を守る
これは似て非なるものであったといえよう
元々彼はタキオンに必要とされる為だけに家事やウマ娘、人体などについての知識を貪欲に集めた
しかしこれは、あくまでもアグネスタキオンの為であり、彼からすれば必要ないのであれば、いつでも投げ捨てれる程度のものでしかない
彼が望むのはアグネスタキオンという存在が安心して暮らせる世界であり、それを脅かすものは出来る限り排除したいと常に考えていた
それはタキオンの恋人である自分とて例外ではなかった
だが、これは彼自身の弱さから来るものだと他ならぬ彼が一番理解していたのだ
どこまで行っても、タキオンに追いつくことの出来ない自分ではタキオンと釣り合わないのではないか?
この考えは常に彼の意識の片隅にあった
結局のところ、タキオンの道を無理矢理変えたのではないか?
アグネスタキオンというウマ娘は間違いなくシンボリルドルフ達と互角の実力を持っている
身内贔屓などでは決してない
だが、彼女は一連の騒動により、マスコミの前に出る事が困難となってしまったのである
更に彼女の物心ついてからの研究テーマであった『ウマ娘の限界』という研究まで、奪ってしまったことを最近になって知った
正確にはトレセン学園に行く際、タキオンは彼に以前の研究テーマについて嬉しそうに話していた
だから、彼はタキオンが以前の研究テーマを研究しているものとばかり思っていたのだ
しかし、そうではなかった
タキオンの研究テーマは昔と変わったままだったのである
彼がそれを知ったのは、とある製薬会社の人物からの接触によってだった
製薬会社からすれば、ウマ娘であることを含めてもアグネスタキオンという人物の優秀さは明らかであり、他の企業に先んじて彼女を獲得しようとしていたのである
しかし、この製薬会社はトレセン学園におけるタキオンの研究室については出遅れてしまい、全く交換できなかった
そこで、彼女の将来の伴侶の公算の高い彼と良好な関係を持つことで自社の状況を一変させようと考えたのである
いうなれば、
ということだった
交渉担当にあたった人物は、アグネスタキオンの研究者としての優秀さをアピールしながら、彼もまたウマ娘関連における豊富な知識を持つことを絶賛した
この製薬会社は将来的にウマ娘へ処方する薬の開発に手をつけたいと考えており、世間のウマ娘から好意的に見られているであろう彼も交渉役として自社へと引き入れたいと考えていたのである
だが、それはタキオンが彼に隠して研究していた研究テーマ
ウマ娘の力を完全に人と同じレベルまで落とす薬
の存在を彼に突きつける事となったのだ
研究者というものの中には、組織などお構いなしに自身の研究テーマ完成に注力するものが現れる
本来ならば、タキオンの研究テーマは部外秘なのだが、こと研究者という者は偶にそう言った組織の
確かに全てを自分がするよりも得意分野毎に分けた方が研究も進みやすいのは事実だろう
しかし、その行動は当事者であるタキオンの同意を得た上でならば問題ないが、そうでなければ大問題となる事もある
はたから見れば、ただの研究だろう
しかしそれは、アグネスタキオンという少女のまだ少ない人生の中のかなりの時間を費やしてしている研究テーマ
しかも、それを一番知ってほしくなかった彼に知られてしまったのだ。タキオンの想いとは裏腹に。しかもタキオンの全く知らないところで
それ以来、彼はやはりタキオンの夢を自分が奪ったのだと自らを追い込んでいった
その結果が、一連の騒動において彼がメディアに姿を現した理由でもあったのだ
そして、その目論見はうまくいったと言ってもいい
加害者が自分よりも歳下であったことこそ予定外だったが、それだけである
彼はトレセン学園警備部はいざ知らず、所轄の警察官の中にも不平不満を溜め込んでいるのも薄々感づいていた
タキオンには身勝手だが、いつまでも夢を追いかけてほしいと彼は願っている
彼自身は理想を追い続けよう
力尽き、斃れるその日まで
タキオンは一筋の流星ではなく、皆を見守る月であってほしい
一瞬だけ煌めき、消える役目は自分がするから
タキオンとその彼氏
この2人は割と拗らせていたのである
本質的には
ただ、タキオンの休める場所となる為に彼はひたすらに自分を律していたのだ
それを知っていてもタキオンは彼に甘えることを控える事が出来なかった。
それだけ、アグネスタキオンという少女が受けた痛みは深かったということであろう
だからこそ、アグネスタキオンは恐れるのだ
彼を失う事を
彼がいたから、研究を続けられた
彼の心遣いがタキオンを癒してくれた
彼の些細な仕草を見て、タキオンはいつも嬉しかったのだ
隠し事をされるのは嫌だ
自分を捨てた両親を思い出すから
彼と一緒に居ないのも嫌だ
彼と過ごす時間は本当に楽しいのだから
彼の料理が好きだ
彼と自分を繋げてくれたものだから
でも、彼は少しずつ遠ざかっている様な気がしてならない
それが何よりもタキオンには辛かった
とある屋敷にて1人の男性と1人の女性が向き合っていた
言いたい事があるなら、さっさとしなさいよ
女性は不愉快極まるといった表情を隠そうともしなかった
では、聞くが
兄上が亡くなった事件の裏で絵を描いていたのは貴女だな?姉上
男性の発言に女性の眉が顰められた
そう。ようやく気づいたのね
彼女は皮肉げにそう言い捨てた
彼女は語る
ナツフジという、未来に自身の姉となる人物。そして、ウマ娘を彼女は受け入れられなかったと
父親にも必死で訴えたが、それについては一切聞き入れてもらえなかったと
そして、彼女は口にした
アンタやアイツがどれだけウマ娘に好意や理解を示そうとも、結局世間ではウマ娘という存在は未だに未知のものなのよ
だから、大衆は少し離れたところで彼女達を見るだけにとどまる
そうよね、そうすれば傷つかないものね
彼女の口角があがる
でもね。アンタは知らないでしょうけど、人というものは本当にどこまでも功利的になれるものなのよ
どういう事だ
世間では今騒がれている子供。確か『シンデレラの王子様』だったかしらね。
その相手、つまりはシンデレラとやらの両親をアンタは知っている?
知るはずもないでしょう
そうよね
普通はそうよ
でも、私は知っているの。シンデレラの母親を、ね
彼女は語る
アグネスタキオンの母親と不倫関係にある人物を彼女は良く知っていると
彼は彼女と以前数年間付き合っていた人物であり、率直に言ってしまうと浪費家であり、見栄を張る人物だ。しかも大卒にも関わらず、数年は仕事をせずにブラブラしていた
その割にはプライドは非常に高く、自分の会社を創りたいといつも言っていたのである
そして、財閥の娘である彼女と出会い、世間慣れしていなかった彼女は興味本位で少しの間だけ付き合っていた事がある
別れた後も彼は
酒の席で彼は言っていた
今はある女と付き合う事にしているが、どうやら自分の子供を産んだらしいと
そして、その娘がウマ娘であったとも
だから、彼は今年できたトレセン学園にそのウマ娘を入れようと相手に持ちかけたそうだ
しかし、事もあろうにその娘は懇意にしていた男と共にトレセン学園に行ったというのだ
彼は実父として名乗り出るべきか悩んだのだが、そうなると現在相手の女性はその夫に離婚調停を申し入れた上に、裁判を起こされている
確実に彼自身も巻き込まれることになるのだ
勿論、
何せ、ウマ娘とはいえ未成年で自分の娘なのだ
どうとでも言い含める事でレースの賞金を手中に収める事ができる、と
つまり、付き合っていた元カレからしても、シンデレラの王子様は邪魔者でしかなかったのである
だが、今の騒動が収まるまではその人物からシンデレラの父親であることを世間やトレセン学園に公表しようとは考えていない
面倒ごとは避けるべきなのだから
財閥の娘であり当主になれなかった女は過去の事を掘り返しかねない人物達の影響力の排除。その元カレは自分の未来のための障害の排除という一点において利害の一致を見たのである
結果、彼女は自分の
なお、その元カレは幾度かタキオンの住むマンションに押しかけていたが、マンション側としても管理会社としてもこれ以上の混乱を望むわけもなく、マンションの騒動の1週間後には施設警備員を独自に雇い、出入りについて徹底管理させていた
そのために彼はタキオンはおろか、彼にも会う事は出来なかったのだ
つまり、今回のタキオンの彼が襲われた理由は
彼のせいで不利益を被ったマスコミ
彼のせいで職を失い、生活を壊された元社員の家族を
彼が騒いだせいで昔の罪が暴かれそうになった財閥の娘
彼が娘のそばにいたせいで自身の贅沢な生活を奪われたタキオンの母親とその不倫相手
彼とタキオンが騒がれたせいで、
という者達により引き起こされたものだったのだ
馬鹿な
男は絶句した
その規模にではない
1人の子供にそこまでの悪意をいだける大人達の良識のなさにである
マスコミは自業自得であり、幾度も『警告』がトレセン学園や政府から出されていた事は部外者である彼とて知っている
それでも彼らマスコミの殆どは少年を飯の種とし、トレセン学園には『自由』の名を振りかざした取材行為を求め続けた
自由であるならば、果たすべき義務や責任があるにも関わらず
当事者でないとしても、報道に対する責任からは免れない。いや、免れてはならない
そうでなければ、彼らマスメディアの存在価値はどこにあるというのか?
彼らは責任の元で報道をしているのであって、その責任が今回は尋常ならざるものだったということ
職を失い家庭を崩壊させたというのであれば、その責は処分を下した与党や政府に負わせるものであるはず
少年が政府や与党を動かしたわけでもないのだから
これについては、いうまでもないが情報提供した同業者や家庭内において加害者の少年の両親がタキオンの彼氏を誹る事はあっても、元同僚や政府を誹る事はなかったからだ
両親からすれば、あくまでもタキオンの彼氏が騒いだ事が要因であり、自分たちには一切の非がないと認識していた
姉についてはいうまでもない
例え財閥当主の椅子がほしかったからとて、そのために自分の兄やその婚約者を手にかけるなどあってはならない事
タキオンの母親とその不倫相手についても論ずる必要はないだろう
子供を産んだのであれば、その命に対する責任は持つべきであって、それを結婚しているとはいえ実の父親でない人物に責任を持たせるなどマトモではない
しかも、それをひたすら隠しておきながら利益になると知った瞬間に父親として名乗り出るなど許されるべき事ではないだろう
それを許すとしたら、当事者である子供と今まで騙されていた父親
だが、その父親も仕事人間らしく娘には最低限しか関わっていないとも聞いた
育児放棄されておきながらも、その娘がマトモに育ったというのであれば、両親ではなく周囲の人間がしっかりしていたのだろう
聞き及ぶ限りでも、アグネスタキオンの彼氏は子供ながらにしっかりしているとの事であるなら、認めるべきは彼氏であろう
今まで何一つしていない人物が今まで苦労してアグネスタキオンに寄り添ってきた人物をどんな顔をして非難できるというのか
警察についても、これまた論外だろう
不服ならば、それを申し立てるべきであり、例えどの様な感情をもったとしてもその職務遂行にそれを持ち込んで良いはずがない
持ち込むのであれば、それは最早公僕としてどころか組織人としての資格すらない
ましてや、その結果として傷害事件を誘発し、あまつさえそれを隠蔽しようなどという事は断じて認めてはならない
思考にふける弟を女は目を細めて見ていた
アンタのその気質は本当に立派だと思うわ
でもね、それだけでは何も変えれないのよ
清濁併せ飲みなさい。そうすれば、この家も安泰よ
彼女はそう呟いた
この一時間後、この女性は警察に出頭
彼女の知る限りの事を警察に話した
この作品のメインキャラに絡む人たちは基本的にみんな何かしら抱えているという話
近づけば遠ざかり、遠ざかれば近づく遠き星
蜃気楼の様に夢を見せ、そして消えゆくもの
夢とは叶えるもの
理想とは理(ことわり)を想う
つまり、届かないもの叶わないものと私は思っております
ではご一読ありがとうございました
バッドエンドのifいります?
-
いる
-
いらない
-
それより更新だろ?