彼と彼女の歩く道   作:ノイフェル

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 デジタルの話の少しだけ前の話


  反撃

あるカフェテリアにて

 

 

今日はありがとうございます

 

黒髪の記者は目の前の2人に頭を下げた

 

 

 

別に構やしないけどなぁ

 

あの2人の事、かぁ

 

 

記者の女性は歯切れの悪そうな2人を見て

 

 

言いにくい、ですか

 

と聞くと

 

 

別にそうじゃないけど、アンタ達記者ってのがどうにも好きになれなくてな

 

そうよねぇ。言い方悪いけど、私達の中では台所のGより扱い悪いわよ。貴女達報道関係の人は

 

 

 

そう、ですね

 

 

記者の女性、乙名史は暗い顔をした

 

 

彼等からすれば、自分たち報道に携わる者達は同級生の生活を破壊した者の同類にしか見えないだろう

 

既にあの事件からかなりの時間が経ったとはいえ、彼等からすれば風化する事なくしこりとして残っているのだ

 

 

 

ま、いつまでも言ったところで仕方ないのは間違いない。それは俺たちも分かっちゃいるさ

 

でも、やっぱり気に入らないのよ。シンデレラだか王子様だか知らないけどね。少しでも2人を調べたら分かるでしょ。両親の庇護を受けれない女の子とそれを拒否するしか幼馴染を助けられなかった男の子

それがどれだけ歪なのかくらい

分からないなら手を触れないで欲しかったわ

 

ま、その時に力になれなかった私たちが言うことではないと思うんだけどね

 

 

男性の方は多少冷静であったが、女性の方は憤懣やるかたない。といった態度だった

 

しかし、最後の言葉で力無く女性は笑った

 

 

 

まるで後悔しているかの様に

 

 

 

そうですね。たとえ所属する会社は違ったとしても私もまたマスメディアの一員

その責任については、今後しっかりと果たしていくつもりです

 

 

乙名史は今でこそ、それなりに有名となった雑誌の記者である

 

が、その当時は零細といえる程度の規模しかなかった会社で何とかしようと四苦八苦していた

当然ながら、起死回生の一手としてトレセン学園や2人の記事を掲載しようもいう動きは社内でも少なからず存在した

だが、社長を始めとした経営陣はそれを一切認めず、ウマ娘達によるレース関連の記事を今まで通りに書く事を続けるように指示する

 

 

結果、『皇帝』シンボリルドルフや『女帝』エアグルーヴに『怪物』ナリタブライアン。『鬼脚』ナリタタイシンや『夢を描く姫(シンデレラの希望)』ダイワスカーレット、『豪脚』ウオッカ。などといったウマ娘達の取材を行なうことが出来た

トレセン学園所属のウマ娘は例外なくマスコミ嫌いであり、乙名史の会社は数少ない取材が出来、それを誌面とはいえ伝えることが出来る企業であった

 

 

 

自分達は無関係。と乙名史は思っていなかった

直接的には関係ないとしても、自分たちの記事が他人の人生を左右しかねない。という一点においては他の報道機関と変わらないのだから

 

 

 

 

 

とはいえ、今日は乙名史の彼等への取材である

 

 

 

うーん、あの2人についてかぁ

 

話題には事欠かなかった2人よね

 

 

 

その話題が全く世間に浸透していないのが、不思議でならない

何せ、国政まで巻き込んだ大騒ぎの中心にシンデレラと王子様(2人)はいたのだ

 

普通ならば、それに色気を出して情報を漏らす者もいるだろう。あのマンションの時のように

 

 

 

 

それを乙名史が聞くと

 

 

冗談じゃない。あんな奴と一緒にしてくれんなよ

 

貴女達からすれば、ただの飯の種なんでしょうけどね。私達は2人の事をそれなりに知ってるの

そんな事出来るわけがないでしょう?

 

 

との答えが返ってくる

 

 

 

この地区においては、殊更マスコミ関係者に対する態度はトレセン学園開校から既に五年以上経った今でも冷淡と言っていいものだった

 

というのも、シンデレラことアグネスタキオンについて調べていた(嗅ぎ回っていた)際に役所や学校は勿論、生徒にすら手当たり次第に取材行為をした記者がいた

 

住民の中にはタキオン達に良い感情をいだいていない者もいたのだが、そのあまりにも強引な取材方法を見た彼等は協力する気が失せてしまう

 

それでもある程度の見返りがあるならば、考えもしただろう。だが、半年もしないうちにタキオン達の住所を突き止めた上に現地リポートとの名目でマンションの前での中継などの迷惑を考えない行動を起こしたメディアなどを彼等は見た

 

元々、2人の地元である此処では町内会や学校などは2人の情報についてマスコミに開示するつもりは毛頭なく、2人を知る者ほどその傾向は強かった

そんな空気の中で地元しか知り得ない情報をマスコミに洩らしたとして、果たしてマスコミは自分の立場を考えてくれるだろうか?

そう改めて考えた

 

 

期待できるはずもなかったのだ

 

結局、損得勘定した結果として、協力する事は無理と判断していたりする者もいる

 

 

 

過熱報道した結果、とある事件(彼が襲われる)が起きてしまった事もあり、2人についてあまり良い感情を持っていない者達ですら、それ以上の悪感情をマスコミに持つこととなったのは皮肉としか言いようがない

 

 

 

 

 

 

2人の関係の始まりを詳しく知るものは同級生にはいない

 

 

 

元々、アグネスタキオンという少女は学校に来たとしてもつまらなそうにしていたし、その彼氏となった人物はどちらかというと目立たない人間だったと2人は言う

 

 

だが、いつしかアグネスタキオンは学校に来る頻度が目に見えて減り、彼は学校にいるときは図書室に籠りきりになっていった

 

 

その時、彼は必死で栄養学やウマ娘についての数少ない資料を漁り続けた。レースにて故障したウマ娘の記事を読み、比較する事で『逃げ』と呼ばれる戦法の中でもとりわけ『大逃げ』と呼ばれている他のウマ娘を大きく引き離すものが最も故障した際に重篤なダメージを負いやすい事などを彼は知った

 

だが、五年生位からはアグネスタキオンは学校にキチンと登校するようになり、彼は彼女のそばにいつも居る事となっていた

 

その頃からだろうか。2人の距離感が明らかに変わったのは

 

 

同じクラスであった2人

だが、その2人の様子は対象的

 

タキオンは彼の席よりも後ろだった為に彼の背中を見つめたり、一心不乱にノートに何かを書き込んでいた

板書を書き写しているのにしては、明らかに書いている文量が多かった様であると当時のクラスメートたちは噂していた

 

一方で彼は授業に集中しており、タキオンの視線に気づいていたのだろうが、一切反応しなかった

 

 

昼になれば、学校は給食制でなく各自用意するシステムだった為かいつも彼のお手製の弁当を2人で食べていた

 

昼食が終われば、彼の膝の上にタキオンがのり、彼に後ろから頭を撫でて貰ったり、冬場になれば偶に大きな上着で二人羽織をしてたのを今でも思い出す

 

 

 

彼女達はそれ以降、バカップルし続けた

 

 

食事の際のあーん。は当たり前

目と目で通じ合うのも当然

身体能力において、圧倒的に劣るはずの彼とタキオンのダンスは見ているもの達を惹きつけてやまなかった

たまにタキオンをおんぶして帰るのも日常

見た目炭にしか見えない物体(カーボン)でもタキオンの作ったものなら躊躇いなく食べる彼

それを見て、彼に抱きつくタキオン

その後、彼がダウンしてしまい、タキオンが涙目になって保健室に彼を連れて行くまでが一連の流れだった

 

 

それをみた一部の者達は嫉妬団を結成するも、あまりにも高すぎるバカップルの空気を受けて彼等は正気に戻ったり、彼が参加していた地元婦人会主催の料理教室では愛妻弁当がブームになったり、地元ではペアルックが流行ったり、二人羽織が流行ったりと彼女達の影響は計り知れなかったりした

 

 

 

 

 

そ、そんな事があったんですか

 

 

あったんですよ、記者さん

 

懐かしいよね、それ

 

 

2人から話を聞いた乙名史は驚きを隠せなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、2人に連れられて彼とタキオンが一時期一緒に暮らしていたという場所に乙名史は来ていた

 

 

 

だが、そこは異様な光景だった

 

 

木造の朽ちかけた建物

それだけならば、よくある風景といえる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一面の黒

 

そう形容する他無い景色がそこにあった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これ、百合ですか?

 

 

乙名史は恐る恐る尋ねた

 

 

らしいな

 

うん、これ『黒百合』らしいわね

 

 

 

木造家屋を囲むようにして生えている黒百合

数はおそらく100はくだるまい

 

 

それはその家屋を守る様にも、外部の者を拒絶している様にも乙名史には見えていた

 

 

 

 

どうしてこんなに?

 

 

乙名史は自然とその疑問が口に出た

 

 

 

 

そりゃ、お兄ちゃんが好きだったからに決まってるでしょ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

乙名史と2人の前に現れたのは1人の少女だった

 

 

 

なに?なんかごようですか?

用がないなら、さっさと消えてください

 

 

 

眉を顰め、目を細めて3人を見る少女

そこには好意の一欠片もなく、あるのは昏い情念のみであるように乙名史には見えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの子はいったい?

 

 

その場を後にした乙名史は2人に問いかける

 

 

 

あの子は彼の従姉妹です

 

 

タキオンにスカーレットやデジタル(従姉妹)がいるように、彼にも当然従姉妹や従兄弟はいた

 

なんだかんだで面倒見の良い彼である。当然彼女達は彼に懐いていた

聞くところによると、彼が三年生の時まではそれなりに彼とも関わり合いになっていたという

 

 

 

 

だが、それ以降は彼がアグネスタキオンにかかりきりになった為に従姉妹である彼女は大好きだった兄との接点がほとんどなくなってしまった

 

トレセン学園に彼が向かう事になった際、彼は両親を半ば切り捨てた事で彼に対する彼女の両親の印象も最悪となってしまったという

 

 

彼女は必死に両親を説得しようとしたが、叶わなかったのだ

結果、彼女は自分の友人が此方に引っ越す時に友人にくっついて此方に来たらしい

 

 

そして、兄が過ごした(廃墟)の周りに兄が大好きだった黒百合を植えた

従兄弟達と一緒に

 

 

大好きな兄が帰ってくる様に祈り(願い)をこめて

忌々しいウマ娘への憎悪(呪い)をこめて

 

 

 

だが、彼女はキチンとわきまえて行動出来る為に周回の大人達も注意は出来ない。勿論、注視はしているが

むしろ、従兄弟の方が問題であった

 

アグネスタキオンという名前を知らなかった彼は必死でそれを突き止めようとしたのだ

その行動力はトレセン学園の最寄り駅まで自分1人で向かう事が出来た事からもお分かりいただけるだろう

 

 

当時の彼の年齢は小学校五年生

それが自宅から2時間も離れた駅に独りで向かい、隣県のトレセン学園にたどり着く直前まで行ったのだから

 

 

幾ら彼女の友人が言おうとも、彼女は此処から離れない

 

 

大好きな兄が残してくれた場所を失いたくなくなかったから

 

 

 

彼女からすれば、彼の両親も敵であった

大好きな兄を止められなかったのだから

 

 

少女はトレセン学園での一連の騒動をTVで見た

 

 

そこにあったのは、世間に自分の姿を出すしかなかった兄

そして、それを止めようともしない無責任に見えた理事長とやらとウマ娘(シンボリルドルフ)の姿だった

 

だが、彼女は兄の想い人はアグネスタキオンという名前である事を知っていた

だからこそ、彼女は許せなかったのだ

 

兄を矢面に立たせておきながら、姿を見せないウマ娘(アグネスタキオン)

 

ウマ娘(アグネスタキオン)に都合の良い様に使われる事をよしとする兄が

 

 

 

 

この木造家屋は聞くところによると、幼かった頃の兄とウマ娘が秘密基地として利用していたらしい

 

 

その頃はまだ(・・)彼女にも構ってくれていた

 

多分、誰もが幸せだった頃

 

 

 

 

 

だから、彼女は此処に拘る

 

 

頼らなくても、力が弱くても、それでも一生懸命だったあの人を。頼り甲斐が、周囲の人たちに認めさせなければ、自分自身を偽らなければならなくなったあの人の優しい思い出のあるこの場所を

 

 

 

 

 

例え、それが他の人たちに認められなかったとしても

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな事があったんですか

 

 

 

乙名史は絶句した

 

 

世間では最近になって頭角を現しつつあるダイワスカーレットのトレーナーを勤めるアグネスタキオンに注目が集まりつつあった

 

 

当然ながら、彼女が2年ほど前に話題となったシンデレラである事がネットでは問題視された

 

 

何せ『鬼子』とネットでは侮蔑すらされている彼の恋人だったのだから

 

 

 

 

 

 

 

ネットとは常に情報が飛び交う

 

故にその中から真実を選び取らねばならない

 

 

 

 

 

しかし、騒動の当時のネットの反応は

 

 

 

ただの子供が高すぎるマンションに住んでるっておかしくね?

 

マンションの写真投稿しただけで、裁判沙汰とか何それ?

 

え、何コイツ?

何様のつもりなの

 

裁判って言うけど、それお前の金じゃないだろ?

 

 

 

などという彼に対して批判的な意見が多かった

 

いや、多かったのではなく、目立っていたのだ

 

 

 

更に大手のマスコミ関係の企業が倒産すると、その実害を受けたとする者達の彼への攻撃は止まるどころか、過激になっていった

 

 

一部マスコミからすれば、それこそ望む流れであった為に、敢えてこの流れを放置していた背景もある

 

 

当たり前だが、彼を庇う意見や冷静になるべきとの意見も少なからず存在した。が、往々にして非難意見の方が市民権を得やすい事も悪い方向に作用した

 

 

特に当時彼と裁判で争っていたコメンテーター(著名人)のファン達は彼を目の敵にしていたのだ

 

 

 

 

 

 

その後、騒動が収束するにあたり、各メディアは少しだけその騒動の真相を説明する事としたか、時間をかけなかった事もあり、それが世間に浸透することはなかった

 

 

 

 

この事にタイシンは控え目な表現で赫怒しており、レース終了後のインタビューは全てトレセン学園を通じてのコメントに留まっていた

 

流石にルドルフはそういかず、甚だ不本意ながらも取材に応じることとなってしまっていた

 

 

もっとも、取材するマスコミからしても、この問題を取り上げられてしまうと非常に面倒な事にしかならないから、ルドルフなどトレセン学園のウマ娘には当たり障りの無いインタビューとならざるを得なかった

 

ルドルフ達はその真意を理解していたからこそ、必要最低限の事しかコメントしなかった訳である

 

 

 

 

 

 

 

しかし、タキオンやマックイーン、ルドルフやタイシン達はこの事を非常に不愉快に思っており、時期を待っていたのだ

 

 

 

 

 

 

そして、アグネスタキオンというウマ娘がダイワスカーレットのトレーナーとして注目を浴びたタイミングで、記者会見を開く事とした

 

 

 

これはあくまでもダイワスカーレットの記者会見だとメディア各社は思っており、今後の目標などについてだと判断していた

 

 

 

 

だが、忘れてはならないのがダイワスカーレットこそが、最もこの状況に不満を溜め込んでいた事であった

 

 

尊敬する姉の為に大好きな兄が必死に行動した結果、兄は世間での居場所を失った

 

住んでいるマンションの住民からも心無い言葉を浴びせられ、ネットでは未だに彼を犯罪者呼ばわりする始末

 

 

彼等が言うには

 

税金で生活している

との事らしい

 

 

 

全くの誤解である

 

 

トレセン学園に彼が学園創設から来ている回数はかなりの数になるが、講演会や学園所属のウマ娘、トレーナーなどへの相談窓口などによる彼への報酬の全ては彼の生活資金に回っており、彼の手元に残るのは精々ニ、三万程度である

 

それとて、自身の食費に充てねばならないし、水道光熱費などもかかる。余裕などなかった

 

 

あくまでもデートなどはタキオンやルドルフ、タイシンから資金は出ており、彼は常に自宅か学園にしか居られない

 

 

 

それもこれも、本来ならパン屋というアルバイト先を確保していたにも関わらず、執拗な取材行為により学校にもアルバイト先にも行かなくなってしまった事が原因だった

 

 

 

 

当時、トレセン学園理事会は彼にカウンセラー的な仕事を割り振りつつ、パン屋のアルバイトで資金を調達してもらうつもりだった

 

 

彼のパン屋の収入が確定すれば、その不足額をトレセン学園における諸事で補填する予定を立てていた

 

 

それが叶わなくなった為に、秋川理事長や駿川秘書、理事会やメジロからの資金提供で彼の生活は維持されていたのだ

 

 

あまり知られていないが、タキオンをマンションから出して以降の彼の主食はカップ麺であり、1日千円程度の生活を送っていたのである

 

 

 

 

これをタイシンが最初に気づき、即座にタキオンやルドルフ達。更にスカーレットやウオッカにデジタルまで押しかけての大問答になった

 

 

料理は出来る

しかし、自分のためにそれをする必要はない

 

 

それが彼の偽らざる本音だった

 

 

 

 

 

 

 

 

スカーレットはそんな不健康極まる生活を強いてきた要因であるマスコミを何よりも嫌悪していた

 

 

 

 

であるからこそ、この場を整えたのである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

記者会見という名の弾劾の場は混乱を極めた

 

 

スカーレットとタキオンが提示したのは、これまで2年にも及ぶ彼に対する様々なマスコミ関係者による行為であり、2年前に起こった彼への殺傷事件についての詳細をテレビの前で赤裸々に語った

 

 

当然だが、一部のメディアは放送を止めた

 

 

しかし、これがかえって視聴者の興味をひき、彼等はその内容を知る為にネットという海に泳ぎ出す

 

 

マンションにおける騒動より、トレセン学園関係者はマスコミの報道姿勢に大きな疑問を感じていた為に、同時にトレセン学園公式チャンネルにて生配信を行うことを通例としていた

 

 

結果、2年間もの間マスコミが隠していた

 

 

彼を刺した人物はマスコミ関係者により行動をコントロールされた結果、犯行に及んだ事

そして、その事実をマスコミは知りながらも意図的に報道しなかった事などを暴露したのだ

 

 

 

 

 

 

そして、タキオンは自分の想い人である彼がどれだけ窮屈な生活を送ってきたのかを語った

 

 

 

 

 

当然だが、政府や警察などへの根回しも済んだ上での行動であり、タイミングを合わせて、政府は元議員の協力の元、当時の詳細な資金の流れを発表した

 

 

そこには、元議員の個人的な資産こそ使われていたが、税金の投入の事実は一切なかった

 

 

当たり前である

元々彼やアグネスタキオンの面倒を見る話は、政府からではなく彼の地元出身の国会議員からだった

 

議員から議員に話が渡ったからとて、税金の動く余地はないのだから

 

 

 

 

 

 

 

更にタキオンは自身の生い立ちを話した

 

 

 

自分は望まれて生まれてきた訳でも、両親から幸せを願われた訳でも無い。と

 

 

実父はお金のために母を望み、母は育ての父の立場と財を欲した

実父と母は自分たちの未来のためだけに育ての父を欺き、私を利用しようとした

 

 

育ての父はその事実に戸惑い、距離をおいた

世話をする筈の母は事もあろうに私に与えられていたお金にすら手をつけた

 

 

そんな私を守ろうとしてくれた彼をこの2年間悪様に言ってくれた以上、私が容赦できるなどとは思わない事だ

 

 

 

 

滅多に見せない鋭い視線を居並ぶマスコミ関係者にタキオンは浴びせた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やった事を無かった事には出来ない

どれだけ地位が高かろうとも

 バッドエンドのifいります?

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