TSして魔法少女になったけど質問ある?   作:TS百合好きの名無し

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お気に入り件数とかが見たことのない値になっててマジでビビった……
めちゃくちゃ嬉しかった。ありがとう。
感想がもらえたのもすごく嬉しかったです。

あと、誤字報告をしてくれた方々にも感謝を。自分だとどうしても気づけない部分っていうのがあるから本当に助かってます。

今回はちょっと長め(一万四千文字越え)だけど、いつも通りリラックスして読んでね。


仕事で突然お嬢様学校へ転校することになった魔法少女だけど何か質問ある?

 

 

 

1:TS魔法少女

なんか数日前に突然上司から『君、明日からこの学校の生徒になって仕事してね』と言われて超のつく名門お嬢様学校へ転校させられたんだけど

 

 

2:魔法少女を愛する名無し

いやどういうことやねん

 

っていうかTS魔法少女ってイッチあんたまさか

 

3:魔法少女を愛する名無し

ねえ、イッチってもしかしてこの前ホワイトローズちゃんのお宝写真貼ってた人?

 

4:TS魔法少女

>>3

イエス

 

覚えててくれる人がいて嬉しい

 

5:魔法少女を愛する名無し

ああ、君かぁ!

 

6:魔法少女を愛する名無し

待ってた

 

7:魔法少女を愛する名無し

数日ぶりやな

また会えて嬉しいで

 

8:魔法少女を愛する名無し

ワイも嬉しいでー

 

ところで何がどうなってそんなことになったん?

さっそく教えてクレメンス

 

9:TS魔法少女

>>8

おけ

 

上司『君、これまで働いてばかりでまともに学校行けてないよね』

 

私『せやな』

 

上司『最近は後輩の魔法少女たちも育ってきて戦力には余裕があるし、できればこれまで頑張ってきてくれた君にはちょっとした休暇的なものをあげたいんや』

 

私『なるほど』

 

上司『というわけで明日からこちらの学校へ転校してもらうことになった。向こうからの了承は既にもらっとるで』

超名門お嬢様学校への転校手続き書類(承認済み)ドン

 

私『は?』

 

上司『向こうで久々の学校生活を楽しんできてくれ。あ、制服とかは部屋に届けてあるから。ちなみに寮生活らしいから急いで色々準備した方がええで』

 

私『は?』

 

 

 

・仕事内容は新人魔法少女の指導教官(新人研修)

・対象は東京にあるお嬢様学校へ通う同い年の女の子(かなり有名な某企業の社長令嬢)

・期間は約一ヶ月程度を予定

・この仕事をしている間は他の仕事(緊急案件を除く)は入らない

・余計な騒ぎを起こさぬようこちらの正体(魔法少女名やランク)は基本的に伏せて仮の名を使う

・この後上司は怒り狂った私の同僚たちにリンチされとった

 

 

 

10:魔法少女を愛する名無し

ひでえ上司だと思ったけど最後で草

 

11:魔法少女を愛する名無し

最後笑った

 

12:魔法少女を愛する名無し

 

13:魔法少女を愛する名無し

イッチの同僚たち(例の二人)、イッチのこと大好きだもんなぁ

寮生活=イッチと会いづらくなるだからキレてもしゃーない

 

14:魔法少女を愛する名無し

上司のことはともかく、東京で超のつく名門お嬢様学校ってほぼ特定できちゃうな

ふむ、おそらくイッチは今あそこに通っとるのか

 

……学力偏差値かなり高いけど大丈夫?

 

15:魔法少女を愛する名無し

これまでまともに学校行けてないのにいきなりお嬢様学校へ通うことになるとかメンタルヤバそう

俺だったら緊張のあまり死んでまうわ

 

16:魔法少女を愛する名無し

イッチは多分というか間違いなく美少女だしお嬢様学校に居ても外面は違和感なさそう

 

17:TS魔法少女

>>14

学力の方は今のところ大丈夫

 

>>15

めちゃめちゃ緊張したよ……

意識切り替えて頑張ったけども

 

まあそんなわけでお嬢様学校へ通うことになって今日でもう五日目なんだ

 

 

18:魔法少女を愛する名無し

もうそんなに経っとるんか

イッチの転校初日の様子が気になるな

 

19:魔法少女を愛する名無し

大丈夫だった? 自己紹介で噛んだりしてない?

 

20:魔法少女を愛する名無し

いや、普段魔法少女として活躍してるから会話は大丈夫やろ

 

21:魔法少女を愛する名無し

大勢の知らない人の前で自己紹介するのって緊張するんだよなぁ……

 

22:TS魔法少女

>>18

了解、転校初日の様子を伝えるね

 

まず校舎がすごく大きくてびっくりした

あと、どこを見ても女の子しかいなくて『本物の女子校なんだなぁ……』って新鮮な気持ちで職員室に向かったよ

 

そこで先生と顔合わせ&打ち合わせをして、朝の会のタイミングで配属クラスにて自己紹介を行うことになった

自己紹介については……まあ無難にできたと思う

みんな転校生に興味津々みたいで、この時から一日中ずっと誰かしらの視線を感じ続けることになった

 

朝の会が終わったらさっそく一時間目の授業。

いきなり先生に問題を当てられたけど余裕で答えられたし、授業自体は全然ついていけそうなレベルで安心したよ

 

その後の休み時間は色々とクラスメイトから質問攻めにされて大変だったなぁ……

 

そんな感じで普通に授業を受ける→休み時間に質問攻めにされる→授業を受けるの繰り返しで、特にこれといったイベントもなく、あっという間に放課後になったよ

 

 

23:魔法少女を愛する名無し

>>22 まず校舎がすごく大きくてびっくりした

銀髪美少女JCが『すごく大きくて……』と言っている様子を想像してちょっと興奮しちまった俺はもうダメかもしれない

 

24:魔法少女を愛する名無し

>>23

悔い改めて

 

25:魔法少女を愛する名無し

>>23

おまわりさんこの人です

 

26:魔法少女を愛する名無し

おまえら真面目にイッチの話聞いたれ(呆れ)

 

27:魔法少女を愛する名無し

うーん、普通によくある転校生の初日って感じやな

 

28:魔法少女を愛する名無し

いやイッチのことや、ここから一大イベントが始まるに違いない

俺は詳しいんだ

 

29:TS魔法少女

続けていい?

 

30:魔法少女を愛する名無し

ええで

 

31:魔法少女を愛する名無し

オナシャス!

 

32:TS魔法少女

まあそんなわけで何事もなく放課後を迎え……

またクラスメイトたちに囲まれてそれに対応していたら突然モーゼのように人垣が左右に割れて、いかにも育ちの良さそうなお嬢様たちのグループが私のところにやってきたんだよね

 

一体何が始まるのかと彼女たちを見ていたら、グループの中心にいたお嬢様(指導対象の新人魔法少女ちゃん)が開口一番に、

『あなたが今日から私を担当する指導教官の方よね』

って話しかけてきた

 

まさかこんな人目のあるところで仕事の話をし始めるとは思わなくてびっくりしつつも肯定したら、

『(魔法少女としての)身分証明書を見せてちょうだい』

って言われたから機関の身分証明書(魔法少女名やランク偽装済み)を見せたんだ

そしたら――

 

『……は? Cランク!? もうすぐCランクに昇格する私が何故今更この程度の人間に教えを乞わなければならないのかしら。最低でもエース級か準エース級の者を割り当てるのが当然でしょう。あなた、私を馬鹿にしてるの?』

って感じでなんかすごく不機嫌そうに睨まれて怒られた

 

33:魔法少女を愛する名無し

うわ、めちゃくちゃプライド高くて面倒臭いやつだこれ

 

34:魔法少女を愛する名無し

これは最悪な第一印象

イッチかわいそう

 

35:魔法少女を愛する名無し

ランクのこととかの事情は伝えなかったん?

 

36:TS魔法少女

>>35

もちろん伝えようかと思ったけど、『すみません、あなた程度の人間にかける時間はありませんので。もう帰って結構ですよ』とまともに取り合ってもらえなかったんだよね……

 

ちなみに彼女が魔法少女であることは周知の事実らしくて、私が魔法少女であるという情報もすぐに広まっちゃった

 

37:魔法少女を愛する名無し

えぇ……

 

38:魔法少女を愛する名無し

これはイッチに同情するわ

 

39:魔法少女を愛する名無し

どう考えても人に教えを乞う人間の態度じゃないですねこれは

 

40:魔法少女を愛する名無し

初日がこれとかマジでキツい

 

41:魔法少女を愛する名無し

今日で五日目らしいが学校生活の方は問題なく送れとるん?

イッチがストレスためてないか心配になってきたで

 

42:魔法少女を愛する名無し

ワイも心配や……

 

43:TS魔法少女

>>41

ちょっと色々あったけど今は問題なく送れているよー

心配してくれてありがとう

 

44:魔法少女を愛する名無し

少しホッとしたわ

せめて学校生活だけでも楽しめないとイッチがあまりにもかわいそうだからな

 

45:魔法少女を愛する名無し

で、肝心の仕事(新人指導)の方はどうなっとるん?

初日の様子を見るに、まともにイッチの指導を受けてくれなさそうやが

 

46:魔法少女を愛する名無し

上司も何故こんな厄介な新人にイッチを割り当てたのか……

 

47:魔法少女を愛する名無し

確かに先行きが不安になる出会い方だけども………

一応期間は約一ヶ月程度あるらしいし、毎日少しずつコミュニケーションをとって地道に距離を詰めていくしかないやろな

 

48:魔法少女を愛する名無し

イッチも大変やなぁ

 

49:TS魔法少女

>>45

現在は仕事も順調だよー

 

例の新人ちゃんも『お姉様ーっ!』って私のことを慕ってくれてて可愛いし、思っていたよりもなかなか充実してる

 

上司もたまにはやるじゃんって思った

 

50:魔法少女を愛する名無し

え?……え?

 

51:魔法少女を愛する名無し

……あれ?

 

52:魔法少女を愛する名無し

ん……? あれ?

 

53:魔法少女を愛する名無し

>>49 『お姉様ーっ!』

高慢なお嬢様をあっさり攻略してて草生えますよ

 

54:魔法少女を愛する名無し

イッチってもしかしてコミュ力◎?

その能力を俺にも分けて欲しい

 

55:魔法少女を愛する名無し

>>49 『お姉様ーっ!』

君は誰?状態になったわ

 

あとリアルで同級生のことお姉様って呼ぶ人初めて見た

 

56:魔法少女を愛する名無し

>>49 上司もたまにはやるじゃんって思った

イッチが普段の上司をどう思ってるのか伝わってきて草

 

57:TS魔法少女

>>55

ぶっちゃけ同級生なのに何故『お姉様』呼びなんだろうかとは少し思っている

 

さらに言えば周囲の人からまでも何故か『様付け』や『お姉様』って呼ばれるようになっちゃったし……

私ってもしかして老けて見えるのかなぁ

 

58:魔法少女を愛する名無し

転校から数日で(同級生から)『お姉様』呼びの定着化は笑う

 

59:魔法少女を愛する名無し

直接的な関わりが多くなりそうな新人ちゃんはともかく、周囲からも『お姉様』って呼ばれとるんか……一体何をしたらそうなるんや

 

60:魔法少女を愛する名無し

>>57 私ってもしかして老けて見えるのかなぁ

それはない(あくまで勘だけど不思議と断言できる)

 

61:魔法少女を愛する名無し

>>60

君は正しい

俺のサイドエフェクトがそう言ってる

 

イッチよ、原因を解明するために君がこの数日間どんな風に周囲と関わったか具体的に教えて欲しい

 

62:TS魔法少女

>>61

別に普通だと思うけどなぁ……

 

クラスメイトから料理のアドバイスを聞かれたり、何人かに勉強を教えてあげたりしてるくらい

あと初日の放課後から見学や体験の名目で部活動を色々回ったかな

 

63:魔法少女を愛する名無し

ふむ、なるほど

 

では何か記憶に残っている特別な出来事はある?

 

64:TS魔法少女

>>63

特には……あ、でも、放課後に廊下を歩いていたら遠くからソフトボール部のボールが飛んできて、それに当たりそうになってた子を助けたことはあったな

熱があったのかずっと顔が赤くて保健室まで付き添ってあげたのでよく覚えてる

 

65:魔法少女を愛する名無し

察した

 

66:魔法少女を愛する名無し

俺も察した

 

67:魔法少女を愛する名無し

漫画とかでよくあるやつ

 

68:魔法少女を愛する名無し

なるほどなるほど

では続けてイッチに尋ねよう

君って運動得意? 苦手なスポーツある?

 

69:TS魔法少女

>>68

運動は得意かな

苦手なスポーツは特にないです

 

70:魔法少女を愛する名無し

うん、察した

これはもう確定かな

 

71:魔法少女を愛する名無し

・美人で家庭的で勉強ができて、素直に相談に乗ってくれる人柄の持ち主

・加えて運動も得意でおそらく高いレベルで何でもこなせるタイプ

・明らかにプライドが高くて有名そうなお嬢様が『お姉様』と呼び慕っている上、現役の魔法少女という肩書持ち

・おまけにさらっとイケメンムーヴをこなせる

 

いや君、女子校で周りにこんな姿見せてたらそらそうなるよ

 

72:魔法少女を愛する名無し

イッチのスペック高すぎィ!

 

73:魔法少女を愛する名無し

何この完璧超人

周囲から慕われる要素しかないですねこれは

 

74:魔法少女を愛する名無し

イッチが周囲から慕われる理由はよく分かった

ところで、そろそろ例の新人ちゃんをどう攻略したのか聞いてもいい?

 

75:TS魔法少女

>>74

別に攻略ってほどのことをした覚えはないんだけど……

とりあえずお姉様呼びをされる前にあった出来事を語るね

 

二日目の午後に、新人ちゃんが担当する地区に突発的な予期せぬ魔獣の出現が観測されて彼女が急遽出動する出来事があったんだ

 

76:魔法少女を愛する名無し

突発的な魔獣の出現……イレギュラーか

 

77:魔法少女を愛する名無し

あー、たまに起こるっていう

マジで何の前触れもなく起こるから対処が非常に難しいやつじゃん

 

78:魔法少女を愛する名無し

これさっそく緊急案件に遭遇してるよねイッチ

 

79:TS魔法少女

もちろん私も彼女と一緒に現場へ急行したよ

それで、なんとか被害が大きくなる前に駆けつけることはできたんだけど、現場でさらなるイレギュラーが発生しちゃったんだ

 

移動中に聞いた観測情報から魔獣の推定戦力はCランクって話だったのに、いざ現場に着いたらCランクどころかAランクは確実にあるような化け物が待ち構えていたの

 

80:魔法少女を愛する名無し

は?

 

81:魔法少女を愛する名無し

は?

 

82:魔法少女を愛する名無し

は?

 

83:魔法少女を愛する名無し

AランクをCランクとして報告するとか誤報告ってレベルじゃねーぞ!?

 

84:魔法少女を愛する名無し

ぜ、絶望しかねえ

 

85:魔法少女を愛する名無し

新人ちゃん逃げて! マジで逃げて!

 

86:魔法少女を愛する名無し

ちょ、ちょっと待って、Aランクってあれでしょ? 

たしか原則としてBランク以上の魔法少女たちが必ず三人以上で対処するように定められているっていう……

 

87:魔法少女を愛する名無し

>>86

それで合ってる

 

間違ってもタイマンなんてものを挑んではならないレベルとされ、Cランク以下の魔法少女は挑むこと自体が自殺行為なので戦力としてカウントされず、むしろ避難を求められる

 

88:魔法少女を愛する名無し

個体によってはAランク魔法少女三人がかりでも勝てるか怪しいとされるレベルのものもいるらしいで

 

89:魔法少女を愛する名無し

え、マジでイッチたち何故生きてるの……?

 

90:魔法少女を愛する名無し

ちょっと待て、最近の東京での話だよな?

そんな話全然聞いてないぞ!

 

91:魔法少女を愛する名無し

>>90

大きな混乱を招きかねんから情報規制されとるってことやで

 

ワイらが何も知らずにいつも通りの日常を過ごす裏で、彼女たちは人知れず命をかけてワイらのために戦ってくれとるんや

本当に頭が上がらんよなぁ……

 

92:魔法少女を愛する名無し

>>91

ほんそれ

 

93:魔法少女を愛する名無し

ほんまにイッチたちが無事で良かったで……

でもそうなるとどうやって生き延びたのかが気になって仕方ないんや

 

94:魔法少女を愛する名無し

>>93

それな

 

Aランク相手にDランクの新人ちゃんを連れた状態で対峙とは……

状況的にマジで絶望しかなかったと思うんですが

 

95:TS魔法少女

>>93

ごめん、どうやって対処したかについては流石に守秘義務に反するから話せない

 

ただ、一言だけあの時の感想を言わせてもらうと、

新人ちゃんがAランク魔獣に無謀な特攻をかまそうとしてめちゃくちゃ焦った

 

96:魔法少女を愛する名無し

はぁっ!?

 

97:魔法少女を愛する名無し

ちょっ、新人ちゃん何やっとるん!?

 

98:魔法少女を愛する名無し

その子は馬鹿なの?

 

99:TS魔法少女

>>97

>>98

駆けつけた場所でちょうど一般市民が殺されそうになっていて、それを助けるために動いたんだよ

 

確かに新人ちゃんの行為は決してほめられたものではなかったけれど、あの場面で誰かのために咄嗟に動くことのできるその姿を見て、私は彼女のことが結構気に入っちゃったんだよね

 

100:魔法少女を愛する名無し

ただの馬鹿かと思ったらめちゃくちゃ良い子だった

 

101:魔法少女を愛する名無し

新人ちゃん、君ってやつは……

 

102:魔法少女を愛する名無し

でも一歩間違えたらというか普通なら死んでてもおかしくない行為だから素直に褒められんくて複雑な気持ちや

 

103:魔法少女を愛する名無し

>>102

それな

 

104:TS魔法少女

まあそんなわけで、なんとか危機を乗り越えたら彼女から『お姉様』って呼ばれるようになって今に至るよ

一応名目上は休暇のはずなのになんでいきなりこんな事件に巻き込まれてるんだろうね私は……

 

さて、これ以上語るとそのうちボロが出そうなので今回はここで終わり!

また次のスレで会いましょう! さよなら!

 

105:魔法少女を愛する名無し

おつー

もう少し聞きたかったが守秘義務がある以上仕方ないか

元気でなイッチ!

 

106:魔法少女を愛する名無し

おつ

体調には十分に気をつけてな

また会えて嬉しかったで!

 

107:魔法少女を愛する名無し

おつ

頑張ったイッチが残りの休暇をしっかり満喫できるよう祈っとくわ

 

108:魔法少女を愛する名無し

いやー、今回もなかなかすごい話やったな

 

109:魔法少女を愛する名無し

ほんと話題に事欠かないイッチやで

 

110:魔法少女を愛する名無し

守秘義務があるから仕方ないとはいえ、やっぱAランク魔獣をどう対処したのか気になって仕方がない俺氏

 

111:魔法少女を愛する名無し

>>110

多分みんな同じこと思ってるぞ

 

112:魔法少女を愛する名無し

実際、Aランク魔獣と魔法少女がタイマンで戦ったらどうなるん?

教えて有識者!

 

113:魔法少女を愛する名無し

>>112

では僭越ながら私がお答えするよ

 

Aランク魔獣の強さは個体差があるとはいえ大半が文字通りの化け物レベル

もし魔法少女たちが奴らにタイマン勝負を仕掛けたら魔法少女ランクごとの結果はこんな感じだとされている

Cランク以下→瞬殺される

Bランク  →約一分もてば上出来

Aランク  →なんとか一分以上戦える

 

※Cランク以下が瞬殺される理由の一つとしては、常時発している威圧だけで並大抵の魔法少女では彼らの前で戦意を保てず硬直や気絶をしてしまうことが挙げられる

 

加えて、魔法少女の殉職理由の約半数がAランク魔獣との戦いによる戦死である模様

 

114:魔法少女を愛する名無し

…………

 

115:魔法少女を愛する名無し

……えっ、これマジ?

 

116:魔法少女を愛する名無し

とんでもない奴すぎて草も生えない

 

117:魔法少女を愛する名無し

やばすぎでしょ……なんなんだよこいつら……

 

118:魔法少女を愛する名無し

お荷物である新人ちゃんを連れた状態でこんなのと遭遇して生き延びてる時点でイッチすごくね?

 

119:魔法少女を愛する名無し

ていうかさ、まさかとは思うけどワンチャンAランク魔獣をイッチが一人でなんとかした説ある?

 

120:魔法少女を愛する名無し

>>119

流石にそれは……

 

121:魔法少女を愛する名無し

ありえないだろう……って言おうと思ったが、もし仮にそうだとすると新人ちゃんがイッチに即墜ちした理由があっさり説明できるな

 

……まああくまで仮にだけどね

 

122:魔法少女を愛する名無し

少なくとも特攻をかました新人ちゃんをなんとか助けてはいそうだし、それでイッチのことを意識するようになったっていうのが現実的じゃない?

Aランク魔獣については、おそらく他の上位ランク魔法少女たちの救援が間に合ってなんとかなったんじゃないかと

 

123:魔法少女を愛する名無し

>>122

多分そうだと思う

Aランク魔獣は個人の力でどうこうなる存在ではないし

 

124:魔法少女を愛する名無し

一体誰が担当したんだろうな

やっぱり東京のエースであるアリスが率いるチーム『ステラ』か?

 

125:魔法少女を愛する名無し

>>124

ワイも彼女たちが担当したんじゃないかと考えとる

とはいえBランク以上の魔法少女は別に彼女たちだけではないし他の子の可能性もあるけどね

 

126:魔法少女を愛する名無し

どちらにせよそんな状況からイッチたちが無事に生還してくれたことに心底ホッとしとる

 

127:魔法少女を愛する名無し

>>126

だな

イッチたちにはこれからもずっと元気でいて欲しい

推しの魔法少女の戦死報告なんて聞きたくないからな

 

128:魔法少女を愛する名無し

イッチたちの未来に光あれ!

 

 

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 

 一条花蓮(いちじょう かれん)という少女は幼い頃からずっと妹と比較され続けて生きてきた。

 

 大企業をまとめる優秀な社長夫婦の長女として生まれ、その肩書きに見合う能力を備えるべく様々な教育を幼い頃より受けてきた少女であったが、その能力はどれもが平々凡々であり、一方で彼女より一年遅く生まれた妹の方はあらゆる分野において文句無しの天才であった。

 

 勉強も、運動も、その他習い事も、どれだけ努力を重ねても少女は常に二番手であり、輝かしい成績を収め続ける妹の方に周囲の人間たちはいつも夢中だった。

 

『世の中、やっぱり天才ってのはいるものだねえ……』

 

『流石はあの社長の娘さんだ、他とはまるで違う』

 

『長女の方もそこまで悪くはないが……なんというかいまいちパッとしないな』

 

『妹ちゃんほどじゃないけど、まあ一応頑張っているんじゃない?』

 

『妹を見た後だと全然物足りないな。あれじゃただの妹の劣化版というか……本当に姉なのか?』

 

『生まれる順番を間違えたのではないか?』

 

 少女は悔しかった。

 

 何においても妹を越えることができず、周囲はそんな自分を妹と比べて好き勝手に言う。

 両親ですらそれは同じで、彼らとの会話の中に妹の存在(彼らの一番)が含まれない時など絶対になかった。

 彼らと話すたびに嫌でも理解させられた。彼らはずっと優秀な妹のことしか見ていないのだと。

 可愛い妹のことは決して嫌いではなかったが、それ以上に彼女の持つ輝きが苦手だった。

 

 誰も彼もが妹、妹、妹と口する。

 何をするにも妹の存在がついて回り、いくら高い成績を収めようとすぐに妹に塗り替えられるそれに意味を見出すことが段々と出来なくなっていった。

 

 自分はいつまでもこのままなのだろうか。

 妹のようになれず、周囲からも期待されず、永遠にこの家唯一の凡人として満たされない日々を過ごし続ける。

 

 自分は……一体何のために生きているのだろうか。

 

 

 しかしある時、そんな少女に転機が訪れる。

 

 

 魔獣による災害に巻き込まれたことをきっかけに、自分の中で眠っていた魔法少女としての力が覚醒したのだ。

 

 少女は歓喜した。

 ついに見つけた【自分だけの特別】に。

 

 何においてもずっと天才である家族や妹を越えることはできないと思っていたけれど、これならば……と。

 

 少女の諦めかけていた心に再び火が灯った。

 

 妹や両親の強い反対を無視し、少女は魔法少女としての世界に足を踏み入れたのである。

 

 

 

 

 だが、そこで待っていたのは少女の希望を打ち砕く厳しい現実だった。

 

『残念だが、お世辞にも君の魔法少女としての資質は高いとはいえないね』

 

 魔法少女として覚醒したものの、少女の体内魔力量は残念なことに平均以下であり、大成することは難しいだろうと機関の人間に告げられたのだ。

 その事実に強いショックを受けた少女であったが、彼女に今更諦めるという選択肢はなかった。

 もう自分にはこれしかない……そう思っていたから。

 

 新人として身の丈に合った任務をこなし地道に経験を積んでいく中、風の噂で妹の活躍を幾度となく耳にした。

 各種演奏コンクールでの優勝、絵画コンテストでの最優秀賞の受賞、バレエの大会での優勝など、様々な表舞台で活躍しているようだった。

 妹が順調に様々な結果を出している一方で、自分はといえば未だ何も成せず無名の新人のまま。

 

 ここでも駄目ならもう……いやだ、諦めたくない。今度こそ、今度こそは自分も……

 

 妹の活躍を耳にするたびに大きくなっていく焦りと不安。

 ただ時間だけが流れ、全く変われない自分に焦燥感だけが募っていった。

 

 

 

 

 魔法少女となって数ヶ月が過ぎ、周りに遅れながらもようやく一端の魔法少女と呼べるCランクへの昇格も間近となったある日、少女は上から新人研修を受けるように通達される。

 新人研修とは、実戦経験を十分に積んだ高ランクの魔法少女が一度だけ新人魔法少女の担当に付き、そのノウハウを伝えながら後進の育成を行うものである。

 

 ――もしも優秀な高ランク魔法少女に担当してもらうことができれば、現状を変えられるかもしれない。

 

 自分の伸びしろがまるで見えず現状に行き詰っていた少女にとって、優秀な先輩からの直接的な教えによるレベルアップを期待できる新人研修はなんとしてでも生かしたい最大のチャンスであった。

 聞けば相手はどうやら研修のために自分が通う学校へと数日以内に転校してくるらしい。少女はどうか素敵な方が来てくれますようにとひたすら祈りながらその日を待った。

 

 

 

 

 そうして始まった研修の初日、自分が通う学校へとやってきた先輩は意外にも同い年の少女であった。

 てっきり年上の魔法少女が来るのだろうと思っていた彼女はそのことに少し不安を覚えたが、気にすることではないと頭を振る。

 大事なのは自分の指導教官となる相手の実力だけであり、それさえしっかりしていれば後はどうでも良いのだから。

 

 ――上から指導教官として選ばれているんだ。きっととても優秀な魔法少女に違いない。お願いだからそうであってくれ。

 

 だからこそ、相手が差し出してきた魔法少女としての身分証明書カードに記された表記を見て目を疑った。

 相手の魔法少女はまさかのCランク。書かれている魔法少女名もまるで聞いたことがない全くの無名であり、自分とそれほど変わらない凡庸な人間であることが分かってしまった。

 それは、彼女の元で学んでも自分が求めるレベルのものは得られないであろうことを意味しており――

 自分は最大のチャンスすらつかめなかったのだと少女は悟った。

 

 これで希望を失うなというのは無理な話だ。上は既に自分の伸びしろに見切りをつけているとでも言いたいのだろうか。

 

 期待を裏切られ、少女の心はぐちゃぐちゃにかき乱される。

 ようやくチャンスを得られると思っていたのに。この場所に来ても結局あの家にいた頃と何も変われないまま終わるのか。今度こそ諦めたくはないのにどうして何もかもが上手くいかない。どうしたらいい、どうしたら……

 

 ――もう、諦めた方がいいのかな。

 

 決して吐くまいと耐えてきた弱音が漏れそうになる。

 この数か月間、いつまで経っても変われない自分自身への不安や焦燥感に駆られ続け、ようやくつかめると思ったチャンスすらも一瞬で失った絶望感に少女の心はもう限界だった。

 

 少女はその日、指導教官を冷たくあしらい逃げるようにその場を去った。

 ……最低だ。彼女は何も悪くない。悪いのは勝手に期待しておいて勝手に絶望している我儘な自分だというのに。自分に対するそんな自己嫌悪も加わって少女の心はますますひび割れていく。

 

 その次の日の午後のことだ、少女の担当地区に突発的な魔獣の出現が観測されたのは。

 

 

 

 

 現場への移動中に少女は本部からの情報を聞き、敵がCランク魔獣であることを知る。

 自分の現在のランクはDであり、敵の方が格上。

 しかしここで少女の中にある考えが浮かぶ。この魔獣を単独で倒すことができれば自身の評価は間違いなく上げられる、と。

 実力に関してもリスクはあるがCランク間近の自分にとって不可能なレベルではないはず。

 だからこそ少女は断ったにも関わらず勝手に自分に着いてきた例の指導教官へとこう告げた。

 

 手出し無用。これは自分の獲物だと。

 

 そうして現場へと着いた少女はすぐに対象を発見し――その姿を見た瞬間に頭が真っ白になった。

 現場にいたのは一体の巨大な闇色のドラゴン。その姿を視界に入れただけで少女の頭の中では警鐘がけたたましく鳴っていた。

 

 ――逃げろ。アレには絶対に勝てない。殺される。気づかれない内に今すぐにここから離れるべきだ。

 

 あの魔獣がCランクであるはずがない。あれはもっと遥かに格上の化け物だ。

 本能的にそれを悟った少女は震える手で本部に連絡をとろうとして――それを見てしまった。

 

 今まさに魔獣が吐こうとしているブレスの直線上に幼い子どもの姉妹が震えて蹲っているのを。

 

 気づけば少女は通信機を投げ捨てて駆け出していた。

 

 気を抜けば一瞬で意識を飛ばされそうな重圧の中、震える手足を必死で動かしてその場に飛び込み、姉妹を抱きかかえたまま地面を激しく転がる。

 直後放たれたブレスの余波で大きく吹き飛ばされながらもすぐに起き上がって前を見れば、魔獣の視線が少女を完全に捉えていた。

 

 ――ああ、死んだな私。でも……せめてこの子たちは。

 

 心臓がバクバクとおかしな速さで鼓動しているし、全身の震えが止まらない。

 だがそれでもわずかに残った力で姉妹を指導教官のいる方へと放り投げ、魔獣と向き合った。

 どうせ大した時間稼ぎにもならないだろう。目の前の魔獣にとって自分は虫ケラ以下の存在だ。今更何をしたって状況は好転しないし自分は間違いなく死ぬ。

 

 ――けど、虫ケラなりに最後の最後まで抗ってやる。

 

 ずっと自分だけの特別が欲しかった。

 親や妹のように眩しい輝きをもつ人になりたかった。

 誰かに――自分という人間を心から認めて欲しかった。

 

 ――結局、最後の最後までつまらない人間だったなぁ……私。

 

『ーーーー!!』

 

 怯える身体を動かすためになりふり構わず声を張り上げ、魔獣へと突っ込んだ。

 迎撃の闇色のブレスが少女の視界を埋め尽くし――

 

 

 

『まったく、無茶ばかりする子だなあ』

 

 

 

 少女がいつまで経っても襲ってこない痛みに疑問を感じて目を開けば何故か目の前に指導教官の顔があった。

 

 ――どうして彼女が? 自分はたった今魔獣に無様に殺されたのではなかったのか?

 

 遅れて彼女にお姫様抱っこされていることに気づき、慌てて降りようとしたところでハッとなって彼女に姉妹のことを尋ねると『既に安全なところへと送ったから大丈夫』と返ってきた。この短時間でどうやってと思ったが不思議と嘘をついているようには見えなかった。

 

『さて、君には色々と言いたいことがある』

 

 そう言ってどこか責めるような目でこちらの顔を覗き込んできた彼女を見て思わず身体が強張った。

 

 ――ひどい態度や行動だらけだったもの、やっぱり怒っているんだろう。

 

 しかし予想に反して彼女がとった行動は大人びた優しい笑みを浮かべて少女の頭を撫でることだった。

 

『先輩として無茶したことについて許す気はないけど、君の勇気はしっかりと見せてもらったよ。……よく頑張ったね』

 

 呆然とする少女に彼女は告げる。

 

『少なくとも私は認めてあげる。一条花蓮さん――あなたは立派な魔法少女だってね。だから胸を張って誇りなさい、恐怖に打ち勝ってあの子たちを救った自分自身を』

 

 それは、少女がずっと欲しかった言葉だった。

 ゆっくりとその意味を理解するにつれ、じわりと温かいものが胸の内に広がっていくのが分かった。同時に空っぽだった心が満たされていくのも。

 自分を見つめる彼女の瑠璃色の澄んだ瞳はどこまでも真っすぐで、だから続く言葉も紛れもない彼女の本心だと受け入れることができた。

 

『私はあなたという人間を心から尊敬するよ』

 

 ――ああ、この人は私を認めてくれているんだ。こんな私を、本当に心から。

 

 胸の奥から湧き上がる喜びにこれまで感じていた多くの負の感情が嘘のように消えていく。

 急速に視界が滲み、ボロボロと涙が溢れて止まらなかった。

 彼女のたったほんの少しの言葉で、少女は本当に救われてしまっていた。

 

『……だから私に手伝わせてくれないかな。あなたがもっと輝ける素敵な未来のために』

 

 そう言ってこちらを優しく見つめる彼女の姿には不思議な安心感と温かさがあって――少女は声を上げて泣いた。

 ありがとう。ごめんなさい。様々な感情が溢れて口からこぼれ出る。そのたびに彼女はそっと少女の頭を撫で、優しく抱擁してくれるのだった。

 

 

『落ち着いた?』

 

 時間にして一~二分後、ようやく我に返った少女が目にしたのは自分の涙でぐっしょり濡れた制服を着て静かに微笑む指導教官の姿だった。

 それを見て今更のように恥ずかしさがこみ上げてきたが、同時に落ち着いてきたことで改めて先程までの状況を思い出してしまい、再びあの恐怖と緊張感が甦る。

 そうして次に浮かぶのは当然の疑問。

 

 ――あの化け物はどうなった?

 

『ああ、アイツのことかな? アイツなら……ほらそこに』

 

 少女は彼女が指で示す方向を見た。

 そこにあったのは光のリボンで全身をガチガチに拘束されたあの魔獣の姿。

 そしてその拘束は今にも破られようとしていた。

 

『流石は推定Aランクだね。これでも全然もたないかぁ……』

 

 そう言って苦笑する彼女に対し少女は絶句した。

 Aランク……それは文字通りの化け物を指す階級だ。高ランクの魔法少女たちが複数で対応することが必須とされ、自分のような新人が逆立ちしても勝てない存在である。

 

 ――そんな……Aランク魔獣なんてどうしようもないじゃない。

 

 最悪だ。せっかく彼女のような人と出会うことができたのに。

 あの拘束が解けてしまったら今度こそ終わってしまう。

 

『大丈夫、あなたは私が絶対に死なせないから』

 

 希望の見えない絶望的な状況――だというのに彼女は笑っていた。

 どうしてそんな顔ができるのだと困惑する少女はここでようやくとある事実に気づく。

 

 ――そういえば彼女……まだ変身していない!?

 

 ではあの拘束魔法は別の誰かが? いや、別に魔法少女は変身せずともある程度の魔法を扱うことができる。ただ、変身していないと上手くコントロールができないというだけで。

 だが、あの魔法はどう考えてもそんな状態で使用できるような低位の魔法には見えない。少なくともあの魔獣を一分以上拘束し続けている時点で並のレベルではないことは確かだ。

 そして術者が自分でない以上、やったのはこの場にいるもう一人の魔法少女である彼女しかいない。

 

 そこで少女はふと思う。

 そもそもだ、()()()()()()()()()()()()()C()()()()()()()()()()

 

 自分は最初から、何か大きな勘違いをしていたのではないか?

 

 こちらに背を向け、魔獣と向き合った彼女が変身呪文を唱えだす。そこで少女はようやく目の前の彼女が一体誰であるのかを悟った。

 

『――星よ集え、我が名のもとに。愛に勇気を、この手に光を。 我は無窮の闇を払いし光の戦士なり。〈変 身(マジカルチェンジ)――アリス!〉』

 

 ――ああ、知っている。自分は、自分たちはその変身呪文の文言をよく知っている。だってそれはみんなが憧れるあの人の――

 

『――待ってて。すぐに終わらせてくるから』

 

 そこから先の光景は少女にとって異次元の攻防であった。

 

 開幕から挨拶代わりに特大の魔力砲を放ち、その後には彼女の魔装である純白の長剣を手に魔獣と何度もぶつかり合う。

 

 巨体に見合わぬ速さで振るわれる尻尾による薙ぎ払い、爪による引き裂き攻撃、範囲攻撃のブレス、どの攻撃も一度受けたら終わりだと分かる即死級の攻撃の数々。自分だったら最初の一撃で塵となって終わりだろうと感じる凄まじい攻撃の嵐だ。

 彼女はそれらを的確に捌きながら反撃し、堅実に敵の体力を削っていく。

 時折、彼女に隙をつくるために魔獣が少女を狙おうとしたが、『つまらない真似をするな』と言わんばかりに彼女はそれらを全て叩き落とし、強力な一撃を叩き込んでいた。

 それはあまりにも展開が早い高速戦闘であり、少女では彼女の動きをかろうじて目で追うのが精一杯であった。

 

 ――すごい。

 

 あれがアリス。あれが東京都の魔法少女たちの頂点に立つ英雄の戦い。

 

 綺麗だと思った。

 見れば見るほど惹きつけられ、彼女の戦いから目が離せなくなる。

 きっと現実では一分も経っていない。だが一秒一秒がとても長く感じる目の前の戦闘を見ていると既に何時間も経っているかのように錯覚してしまいそうだった。

 

 やがて彼女は魔獣から大きく距離をとると、手に持つ長剣へと一気に膨大な魔力を込め始めた。

 魔獣の方も口内に膨大なエネルギーを溜めて構える。

 

 一瞬の静寂の後、両者はお互いに全力の一撃を放った。

 

 拮抗は一瞬。

 魔獣の放った闇色のブレスを眩い光の一閃が断ち切り、そして――

 

 

 

 

『……昨日はちゃんと伝えられなかったから改めて名乗るよ。私の名前は姫宮凛、またの名を魔法少女アリス。指導教官としてこれから一ヶ月よろしくね、一条花蓮さん』

 

 消滅していく魔獣から視線を切ってこちらへと振り返った彼女は、最高にカッコいい笑みを浮かべて笑っていた。

 

 

 

 

 

 




★一条花蓮(魔法少女スカーレット)
新人ちゃん。とある大企業をまとめる社長夫婦の娘である本物のお嬢様。プライドは高いが根は良い子でかなりの努力家なので他の生徒たちからの好感度は高い方。
ツリ目に赤いロングストレートヘアの持ち主で体は平均より若干小さめ。
優秀な両親の間から生まれながら凡人と同じ程度の能力しか持たず、幼い頃から天才である妹にことごとく負け続けてきたことで自分の存在意義を見失い心を病んでしまっていた。
初めて自分自身を真っ直ぐに認めてくれた存在である凛と出会って救われて以降、彼女をお姉様と呼び慕っている。ちなみにこのお姉様の意味合いは姉妹的なものではなく、敬愛する人物としてのお姉様であるらしい。
魔法少女としては中〜遠距離での魔法戦を得意とする後衛アタッカータイプ。炎属性。
実をいうと今回の新人研修を凛に回すように依頼したのは娘(姉)のことを心配した彼女の家族たちであり、後に和解した。
現在は凛と一緒にいられる時間を増やすため、新人研修の期間をなんとかして延長できないかと悩んでいる。

★姫宮凛(魔法少女アリス)
仕事でお嬢様学校へやってきたTS娘。
タイマン禁止のAランク魔獣にタイマンで勝つやべーやつ。
本編には描写されていないが、Aランク魔獣との戦闘時には強固な結界を広範囲に張って周辺に被害が出ないようにしていた。
現在は新人ちゃんを早々に攻略して楽しい学園生活を満喫中。
アイドル顔負けの容姿と無自覚イケメンムーヴで既に学校中の女子生徒のハートを射止めつつある。既にファンクラブが存在しているらしい。

★魔装
魔法少女の固有武器。
使用時は基本的に魔力を大量に消費するので慎重に扱わざるをえない魔法少女にとっての切り札的なモノ。その能力も魔法少女ごとに色々ある。

★Aランク魔獣
化け物。タイマン、ダメ絶対。
半端な攻撃は一切効かない上、一撃一撃が必殺級の攻撃力というチートモンスター。

★上司
眼鏡をかけたイケオジで凛たちの上司。影で色々と頑張っているらしい。

★チームメイトたち
お互いの仕事のせいで都合が全く合わず、凛と会える機会が大幅に減って、深刻な凛不足に陥りつつある。
最近は凛の自室のベッドに侵入することでなんとか耐えているらしい。

今後読んでみたい話は?

  • 街歩いてたらアイドルにスカウトされた話
  • 凛が性的に襲われてしまう話(お酒回)
  • 仲間の誰かとデートする話
  • 悪のメスガキ魔法少女を拾った話
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