新・単冠湾泊地活動記   作:扶桑畝傍

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嫁と機体と村雨

単冠湾泊地

執務室

 

「どうだった?」

「・・・えぇ、『村雨』だったわ。」

「・・・ツケ、かね。」

「偶然よ、たぶん。」

「しかし、『改二艤装』のまま流れて来た事から、

 『どこかで海戦』があった筈、

 タシュケント、近隣での戦闘報告は?」

「ソレが、ないんだ、

 昨日は太平洋が低気圧で荒れてたし、

 大湊警備府管区でも戦闘は無し、

 横須賀鎮守府にも問い合わせたけど、

 あっちも戦闘はしてないって。」

「謎だな、意識は?」

「時期戻るだろうと、明石が言ってたわ。」

ちょっ、まだ安静にしてなさいってば!!

「ん?」

扉が開く

「・・・『久しぶり』」

そう言って主砲を構える

山雲も艤装を展開するが、

丁度対角に位置してたため間に合わない

カチン

「・・・撃てるわけ、無いじゃ無いの。」

「殺されても仕方が無い事を俺はしたと思うぞ?『村雨』」

「貴方の命は軽く無いのよ?

 それに、『髪留め』返して貰って無いからね。」

「貴女!!やっていい事と悪い事ぐらいっ!!」

「・・・『まがい物』いえ、山雲ちゃん、

 貴女の考え方も嫌いじゃないわ、でも、私は嫌よ?」

「・・・訂正しなさい。」

「『まがい物』をかしら?」

「わかっているならっ!!」

「ヨセ、山雲、エイジは争いを望んじゃいない。」

「あら、初めましてね?」

「タシュケントだ、村雨とか言ったな。」

「えぇ、白露型駆逐艦の『村雨』よ?」

「・・・『深海棲艦』なのか?」

 

 

「あら?バレた?」

「・・・その冷たい気配、

 氷の様に固い覇気、まるで『駆逐棲姫』みたい。」

「そう言う風に感じ取られるのね、『悲しいわ』」

「嘘を言うナ、

 お前からは『艦娘』らしさヲ一切感じない、

 一体なんなんだっ!!」

「『深海雨雲姫』そう名乗ってるわ。」

「・・・俺を殺したいのか?」

「アナタっ!?」

「違うわ、

 『髪留め』を返して欲しいだけよ。」

「すまんな、北上に渡して来た。」

「・・・よかった、生きてるのね?」

「あぁ、ピンピンしてるよ。」

「今でも『北上さま』って言って「ないよ」え?」

「彼女、引退して今は会社の社長だ、

 婦人服でな、良いデザインばかりで

 買わされまくったよ。」

「ナンデ?」

「まぁ、責任感じてたんだろ?

 俺も、つい最近までは離れてたからな。」

「ウソヨ。」

「噓?いや、事実だ。」

「ダッテ・・・。」

「『何時かむらむらに、可愛い服着て貰う為に勉強してんだぁ』か?」

「っ!?ドウシテ貴方ガソレヲ知ッテルノヨッ!!」

「『俺も聞いていたからな』

 あの頃、北上に『艦娘』以外でなにかやりたい事無いかってな。」

「ウソヨッ!!ダッテ!!私達ダケノ秘密ダッテッ!!」

 

 

「ごめん、コイツだけには喋っちゃってたんだ。」

あぁ、深海棲艦の姿でも、そんな顔出来るんだな

「キタカミ、サン。」

「それと、ほれ、大井っちも。」

「村雨、久しぶりね。」

「オオイサン。」

 

「『髪留め』は北上が持っている、返して貰え。」

 

「ほら、これ、むらむらが付けてたヤツだよ。」

 

「受け取ってやれよ。」

 

「村雨、受け取って?」

 

「ねぇ?むらむら?黙ってちゃ怖いよ?」

 

割れた窓ガラスが『拒絶』を示唆しているのは明白だった

 

「山雲、戦闘準備。」

「でも。」

「準備だ。」

「・・・はぃ。」

「総員に次ぐ、現在、はぁ、

 『深海棲艦の深海雨雲姫』に襲撃を受けている、

 全艦娘における『撃滅』を開始する、

 総員、第一種戦闘配置、

 総員、第一種戦闘配置、

 資材は、また貯めよう、みんな、すまない。」

 

▽

 

「こちら第三艦隊旗艦、大淀、

 シロッコを除く、全艦娘、

 戦闘配置、完了致しました。」

 

第一艦隊

旗艦・『コロラド』

   『フレッチャー』

   『ジョンストン』

   『サミュエル』

 

第二艦隊

旗艦・『霧島』

   『マエストラーレ』

   『グレカーレ』

   『リベッチオ』

 

第三艦隊

旗艦・『大淀』

   『パース』

   『ジャーヴィス』

   『レーベレヒト』

   『マックス』

 

遊撃隊

   『蒼龍』

 

泊地防衛

   『山雲』

   『タシュケント』

 

「いいの?」

「・・・総員、先の連絡通り、

 『村雨の姿をした、深海雨雲姫』が逃亡した、

 近隣鎮守府には、『村雨』の出撃停止をかけて貰っている、

 よって、これから撃滅しに行く時、

 本物の『村雨』は居ない、

 必ず捕捉し、『撃沈せよ』以上だ、抜錨、行動開始。」

▽

第一艦隊

「お姉、なんだかエージ、怖かったね。」

カタカタカタ

(あ、まだお姉震えてる)

「コロラド?レーダーはどう?」

カタカタカタ

(お前もかい)

▽

第二艦隊

「あわわわ・・・。」

「なんなの、エージって、あんな怖い気配出せるの?」

「ぅん。」

(あれは覚悟の気配、

 たぶん、深海雨雲姫って、ほんとに村雨さんで、

 沈めなきゃいけない理由がある)

(ぐーちゃん、エージ泣いてたね)

(リベ、エージ、大丈夫なのかな?)

(わからない、深海雨雲姫が何か知ってるかも)

▽

第三艦隊

「ヤバイヤバイヤバイ。」

(あんな瑛士見た事ない・・・

 深海雨雲姫、一体なにをしたの?)

「ヤダ///チョット、惚れ直したかも。」

3人「はぃ?」

「気のせいよ。」

3人「い、いや。」

「気のせい、良いわね?」

▽

「偵殺機、発艦始め!!」

〈流石にエセ英語は止めたんだ・・・〉

 




「『猫吊るし』」
〈今更コレを使う意味はないのでは?〉
「・・・必要だからだ。」
〈はぁ、わかった準備しておくよ〉
(一式陸攻・・・、
 貴方が乗っていた重爆)
〈再現でもするのかしら?〉
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