新・単冠湾泊地活動記   作:扶桑畝傍

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嫁と留守番組みと遠征組み

旅館

 

「・・・ここ、かぁ。」

「貴方?どうしたの?」

「よ、よく来たな。」

 

悪友

 

「三笠のヤツ、どうやって調べやがったんだ。」

「知り合い?」

「お、キミが『エージの嫁ちゃん』か、

 んで、その後ろの子達は『娘達ってか?』」

 

「おま、そう言う事言うなよ。」

 

「んだよ?違うのか?

 もしかして『現地妻』の子達ってか?

 いや~お前もやる事やってんな~。」

「マックスー、ダメだからな?」

USPコンパクトにナイフとライトを下部に付けた

二丁持ちがマックスの愛銃であり、ちゃんと『許可持ち』である。

「ぉ、ぉぅ、止めてくれて助かった。」

「からかうには限度って物があるわ。」

「すまん、すまん、

 嬢ちゃん達は『艦娘』だろ?家はそう言うとこの御用達なんだよ、

 戦地よりはリラックス出来るのは保障するぜ?」

「はぁ、お前も『適正』が?」

「いんや、ない。」

全員「ないんだ。」

「おう、ま、この子はそう言うの抜きで

 俺の奥さんだ。」

「こ?」

 

「あ、ここにいらしたのね?しれ・・・貴方。」

「・・・まぁ、お前の押しっ子だったな、『春風』」

「あら?艦娘をご存知で?」

「ほれ、コイツが『単冠湾泊地』に着任したアイツだよ。」

「あら、わたくし、

 このしれ・・・

 『大谷田(おおやた)・新造(しんぞう)』の妻、

 『大谷田・春恵(はるえ)』です、

 ようこそ、『大谷田旅館へ』」

「っ?!・・・こちらこそ、3日間ですが、宜しくお願い致します。」

 

▽

「貴方、あの『春風』は。」

「引退か、『そう言う所に居た』んだろうな。」

顔に大きな傷跡で左目が塞がっていた。

「でも。」

「あぁ。」

何よりも大きなお腹が物語っていた。

「羨ましい。」

「すまん。」

「ねぇ、温泉って、どれがおススメなの?」

「ん?まぁ、肌荒れ系は、

 これで、冷え性とかはコッチだな。」

パンフレットに書かれている通りに指さす。

「へぇ~、マエストラーレ、リベ!先に温泉入りましょ?」

「いいわね!行きましょ?」

「・・・後でいいわ、少し休みたいし。」

「そぅ、みんな?温泉先に入りたい?」

複数が答え、一部はリベと同じように後でとなった。

▽

「山雲、毛布そっちも頼む。」

「えぇ、わかったわ。」

まるで電池が切れたように、

リベッチオは俺の膝を枕に眠ってしまった。

それにつられるように、

ジャーヴィス、タシュケント、マックスも眠っている。

「痺れない?」

「暫くは、な、それにしてもリベッチオ、

 『不眠症』は治って無いのか。」

「そうね、明石も調べてるけど、

 『心因性ストレス』としかわからない、

 でも、貴方の膝枕でなら眠れる、

 他所の『リベッチオ』とあまりに違う個性、

 真面目で判断力も早い、なにより、

 『相手の観察能力』に長けている。」

「そこなんだよなぁ、

 恐らく『能力』なんだろうが、

 ここまで支障が出るのは不味い、

 そうさせないようにしようにも、

 『遠征』に出て貰わないと厳しいからなぁ。」

コンコンコン

「はいよ?」

「よ、エージ。」

「なんだよ、家族水入らず「その子、何抱えてんだ?」」

「・・・不眠症だ。」

「どうして?」

「あぁ、俺は元医者だ、モグリだったけどな。」

「それ、犯罪よ?」

「その子、『父親』を求めてるんじゃねぇのか?」

「『父親』・・・なぜそうなる?」

「まぁ、感だ、

 その顔良く見ろ、顔面のほころび具合、

 しっかり握る服の裾、なにより、

 『身体を丸めて眠る』これだけ条件がそろってりゃなぁな。」

「どうして。」

「『そう言う』泊地だったんだろ?三笠から聞いた。」

「アイツ・・・。」

「そこの白髪の子が一番辛かった筈だ、

 歩き方に微妙な癖がついている、

 そっちの金髪子も左手に違和感を抱いてる筈だ、

 そして、『起きてるんだろ?嬢ちゃん』」

「・・・どうして?」

「マックス。」

「寝息の呼吸と起きてる時の呼吸は違うからな、

 それをマスターしないと、『狸寝入りは成立しないぞ?』

 それに、『視力』が『落ちているんだろ?』」

「え・・・マックス?」

「どうなんだ?マックス?」

「治療しろ、たぶん、入渠風呂とか、『バケツ』じゃ治らない。」

「貴方に何がわかるのっ!!」

「ほれ、こうして飛び掛かられても、

 『簡単に捕まえられる』」

「っ!?」

「それと、内蔵のどっかかちゃんと見なきゃわからんが、

 『機能不全』を起こしかけてるだろう?

 それに『味覚』もだ。」

「なぁっ!?」

「・・・新造、頼めるか?家の子達。」

「三笠がここに送った時点で感づけよ?

 『みんな障害』を抱えている。」

「みんな、か。」

「え?」

「山雲の嬢ちゃんもだよ、

 無意識に『お腹を押さえている』それも合図だ。」

「・・・うそ。」

「やっぱ、そうだったか。」

「やれるだけやってやる、

 その後はこの子達の『決断』だ、

 風呂場の子達は『春恵』が診ている、

 そこまでは酷くないからな。」

「俺の落ち度だ、すまない。」

エージよぅ、みんな、ボロボロなんだぞ?

自分から言うの待ってたら手遅れになるかんな?

 

▽

単冠湾泊地

執務室

「あ、そうだ、

 霧島?戦艦組は?」

「え?あぁ、『畑仕事』を任せたけど、遅いわね。」

「ほれ、書類は俺がやっちまうから、

 『霧島の姉御』は、見てきちゃえよ。」

「やめて頂戴、姉御なんて資格は無いわよ。」

「で、だ、

 大淀?なんでお前さんから上がる書類の方が

 『訂正箇所』が多いのかな?

 この江風さんに解るように説明して貰えるかな?」

「ぁ、ぁの、ですね。」

「ん~?この『事務スキル』を騙せると?

 ここの修正部分にあとココだ、

 『何回書き間違えたんだ?』ん?」

「はぁ、やっと終わった、

 キリシマ、畑の手入れの確認作業お願い、

 ・・・大淀、あんたココも間違えてない?」

「へっ!?ローマさんっ!?」

「お、ローマも確か『事務スキル』持ってたよな?」

「えぇ、

 ・・・ここも、ここも、

 貴女、『ちゃんと現代語』を習得して来たの?

 ここは旧書体だし、漢字にして貰わなきゃいけない所は

 『平仮名』だし、江風、これは『お説教』よね?」

「おう、コレは不味いわ、

 『間宮さんコース』かねぇ。」

そこには、綺麗な土下座を決める大淀が居た

▽

工廠

「ふぅ、なんとか形になって来ましたね、

 ベイさん、ほんとに凄いですね!」

「そっ!?ソンナコトナイデスよ!!」

「羨ましい。」

「・・・ドコ見てるンデスカ。」

「だって!!貴女軽空母でしょうっ!?

 なのにこの『胸』!!

 あれなのっ!?

 アメリカンだから?!アメリ艦だからなのっ!?」

「・・・3点デース。」

「しかも点数低っ!?」

「っ!?明石サン!!緊急修理の準備ヲ!!」

「ちょっ!?どうしたのよ?」

「タブん、遠征艦隊に何かアッタデス!!」

「!?」

〈緊急!!救援要請!!

 白露、時雨、山風、3名を除き大破ス、

 入渠ドック準備サレタシ、

 尚、『夕立』ト合流ス同大破ナリ

 繰り返してます!!発信は、白露からです!!〉

「出マス!!

 全機緊急展開!!遠征艦隊ノ直掩に回りマス!!」

《あいよ!!野郎ども!!聞いての通りだ!!》

《日頃の訓練の成果を見せつけてやろうぜ!!》

▽

執務室

「ベイちゃん、凄い。」

「ん?コロラドとイタリアは?」

「あぁ、そこの『炬燵』に埋もれてるわよ?」

「フォゥ~。」

「ローマ!貴女も暖まりましょうよ!!」

 

「炬燵、やっぱしまうか。」

「えぇ、それは賛成ね。」

「エージが気を効かしてくれて『私物』を使わせて貰ってるけど。」

二人「だめよっ!!」

4人「いや、救援要請出てんだから行けよ。」

▽

「夕立、大丈夫?」

「えっ、と、白露なんだよね?」

「そうよ?」

(その力、夕立が欲しかったヤツっぽい)

(ダメよ、これはお姉ちゃんが使うから)

(ぶ~)

(それに貴女には貴女だけの力があるでしょう?)

(そうだけど、ソレも使いたいっぽい!!)

(結構疲れるのよ?資材も)

(どれくらい?)

ゴニョゴニョ…

「え、遠慮しとく。」

「よろしい。」

「思ったり元気そうだね、夕立。」

「しぐしぐに言われるとなんだか納得いかない。」

「それはドウイウ事ダイ夕立?」

「なにやってんだよ、時雨、夕立姉ちゃん、

 怪我酷いんだから大人しくしてくれよな?」

「それは涼風も同じっぽい。」

「たはは、面目ねぇな、でも、まだ航行出来る。」

「ネェ?ナンデ『夕立をお姉ちゃん』呼ビナノニ、

 僕ハ呼ビ捨テナノカナ?カナ?」

「みんなっ!?電探に感!!」

「ちっ、

 夕立は春雨と五月雨に、

 涼風は山風と時雨で牽引して貰って!!

 私が殿で対空戦闘用意!!」

「白露!!」

「時雨!!言う事聞きなさい!!

 貴女は涼風を抱えながら対空戦闘するのよ!!

 春雨!!しっかりなさい!!

 主砲構えて!!」

兎に角初撃をっ!?

 

「うわ、マズ。」

春雨は不味い、虚ろなまま

しぐしぐは、だめ、離れてる

「アハハ…、

 吉川艦長・・・また会える、かな。」

 

 

「あれ?来ない?」

《ガンビア・ベイ一番機現着!!

 ファイヤ!!ファイヤ!!》

F4F(FMー2)からばら撒かれる機銃掃射は

深海棲艦の爆撃機をハチの巣に変えて行く

「べ、米軍機っ!?」

更に目の前をF4Uー1Dが駆け抜けていく

《オラオラ!!お前らの相手は俺達だぜ!!》

F6Fー5が更に被って行く

〖コチラ、ガンビア・ベイデス!!

 救援要請受諾サレマシタ!!〗

「が、ガンビア・ベイっ!?

 米軍が?なんで?どうなってるっポイっ!?」

〖こちらコロラド、

 夕立ちゃん、私達ヨ!!〗

「コロラドっ!?って事は、

 『泣き虫ベイちゃんなのっ!?』」

 

ベ~イ!?ウワ~ン!?ユウチャンノバカ~!!

「うるさっ!?あんなに離れてるのに、

 こんなに聞こえるものなのっ!?」

「はっ!?今の声は『泣き虫ベイちゃんの声』?」

「これで起きる春雨も図太いっぽい。」

 

そして、周りに浮かび出す深海棲艦の潜水艦型が数隻

「うわ~ぉ、音響兵器、ベイちゃん。」

 

〖龍ちゃん!!早くきてぇ~っ!!〗

 

うし、ほないこか

 

 

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