新・単冠湾泊地活動記   作:扶桑畝傍

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嫁とエージと・・・

 

「冗談ジャヤナイ!!」

私達はあのはぐれ者達を始末するだけだった

なのに、何なのだ?

奇妙な重巡洋艦が一隻

それだけで『狩られる側』になってしまった

「全艦、散会セヨ!!急ギコノ海域カラ離脱スル!!」

「シカシflagship!!

 ソレデハ命令ヲ果タセマセン!!」

既に航空戦力の要、ヌ級flagshipがやられ

同級のもう一隻も大破、対空防御に問題が出ている

「構ワン、ココデflagship級を失イ過ギルノハ愚策ダ、

 flagship級ノ資材ガドレダケ費ヤサレルカ分カッテイルダロウ!」

甲板損傷なれど、ヌ級flagshipは航行出来る

なら離脱させ、修復後、改めて作戦を実行すればいい

「シカシ、今回ノ作戦ハ

 『はぐれ達』カラ『資材』を回収スル事、

 我ガ北方海域ニ余剰ノ資材ナンテ」ぐしゃ

 

あぁ、なんで私に当たらなかったのだろう

 

見渡せば沈みゆく僚艦達

 

どうして?私を最後に?

 

どうして?どうして?どうして?

 

あぁ、違った

 

砲撃の音から少なくても『戦艦クラスの砲撃』と認識していたが

 

「コンナ馬鹿ゲタ重巡洋艦ガアルノカ。」

 

それが私が残せた言葉だった

 

▽

「最後のflagship級、轟沈を確認、

 状況終了です、アドミラルエージ。」

「ふぅ、良かったよ、

 『ちゃんと砲撃が通って』ほんとに良かった。」

「ちょっと待つぴょん?

 もしかして確証がないまま砲撃を始めぴょん?」

「半分な、

 舞鶴の『陽炎、時津風』の一件だけだからな、

 他には配備していないし、データも無い、

 まぁ、資材にはマジでキツイってのが良くわかったよ、

 このまま巡行前進、接舷作業準備、

 帰りは巡行以上は禁止。」

「イエス、アドミラル、接舷作業準備します。」

「ねぇ、エージ。」

「なんだ?龍田?」

「貴方、ホントは怖い?」

 

「そ、安心したわ。」

そう言って艦長席の後ろから抱き着かれた

「・・・ありがとう、龍田。」

「ふふ、御障りは厳禁ですよ~?」

「う~ちゃんも、いいですか?」

有無を言わさず、膝に座って来る

「・・・ありがとう、卯月。」

▽

単冠湾泊地

会議室

 

「飛龍です。」

姿は深海棲艦のヲ級のままだが、はっきり喋る

「よろしく、飛龍。」

「白雪です、この様な姿ですいません。」

容姿は確かに『白雪』なのだが、

真っ白な肌色で、明らかに艦娘では無かった

「まぁ、いいよ、

 白雪、皆の紹介を頼めるかい?

 俺から直接だと、嫌な子もいるだろうから。」

白雪から発言してくれた、

つまり他の『艦娘・深海棲艦』からは警戒されていない、たぶん

「はい、わかりました、

 左から、朧、漣、初春、子日、若葉、初霜、

 現在治療中の『伊203』これが生存者です。」

▽

執務室

「よりにもよって『伊203』か。」

「どう言う事?」

「・・・実戦経験ゼロ。」

「え?」

「しかも『水中は』速いけど、『水上は』遅い。」

「ハ?」

山積みな書類を片付けながら話す

勿論、先の重巡洋艦の消費資材がマジでヤバイので、

各鎮守府・泊地・基地へ資材の融通して貰う為の物だ

あぁ、ノーザンプトンはオーバーヒートで、

そこのソファーで寝ている

さっきまで頑張って計算してた

「まぁ、水中速力に設計の重点を置いた潜水艦でな、

 雷撃能力はあったが、

 他の伊号潜水艦よりは少なくてな、

 攻撃型と言うよりは、『試作型』の意味合いが強い。」

「そぅ、それじゃぁ、『オリョクル』は出来ないのね?」

俗に言う『オリョール海クルージング』

それは練度の低めな潜水艦達を延々と

遠征(と言う名の出撃)に行かせ資材を確保する方法だが、

『全鎮守府・泊地・基地』の『伊号潜水艦達』が、

労働組合を設立、就労改善が認められ、実施されなければ

二度と遠征に出ないと、事を起こしたのだ

当時の提督達は『新たな潜水艦に任せる』と言い、

ソレを無視した

 

そこから悲劇が始まった

『潜水艦が建造されない・保護(ドロップ)も無い』

伊号潜水艦の労働組合は、既に知れ渡っていたので

他の『駆逐艦娘』が同調、

それに続き、『軽巡洋艦娘』も労働組合に参加し、

作戦遂行どころじゃ無くなってしまったのだ

まぁ、艦娘が現れた初期の頃の

『オリョクルに行きたくないでち』事件は

ある提督さんが単身全ての鎮守府・泊地・基地に頭を下げ、

改善に努めた結果

労働組合は残るが、遠征の再会が少しずつ聞かれ始め、

3年に及ぶ抗争は鎮静化したが、

一部では未だに続いている所もある

 

「家でオリョクルの悲劇はやらんよ、

 一部、ワーカーホリックになった伊号潜水艦が居るらしいが、

 そこの提督は、伊号潜水艦に頭が上がらんそうだ。」

「うわぁ。」

「ン?ワーカホリック?」

「仕事中毒だよ、

 仕事してないと落ち着けなくなっちゃった人の事。」

「ァ~、把握。」

「さて、タシュケント、

 今日はどうする?」

そろそろ夜が深くなる、つまり今日の業務は終了となる

「ん~、マダ、いい。」

「そか。」

実は、先の戦闘で撃沈した深海棲艦と、

追跡していた深海棲艦艦隊は別物で、

その調査で、タシュケントを旗艦に調査して貰っていたのだが、

その際、

『艤装をはぎ取られた深海棲艦艦隊』を発見

『魚雷による撃沈』を行っていた

その時に何か言われたらしいのだが、

タシュケントが頑なに言わない為、

言い出してくれるのを待っている。

「あの子達ノ無念を晴ラスまではネ。」

二人(聞こえてるからね?)

まぁ、聞こえて無い様に振舞う

「さ、今日は終いだ、

 夕食も作らなきゃな。」

「そうね、今日は『お昼のカレー』のアレンジよ?」

「お、楽しみだ、山雲先に戻るか?」

「そうね、

 今『娘達』に連絡したから、準備して待ってるわね?」

「りょ~かい。」

▽

「じゃぁ?」

「おう。」

全員「頂きます!」

「お、中々イケる!美味い!」

「ふん、当然よ。」

「マックスマミーったら、ほっぺたにご飯粒ついてるよ?」

「お、ホントだ。」ひょいパク

「なっ///」

「あはは!マックス顔真っ赤ww」

「貴方?」

「なんだ?山雲・・・。」ひょいパク

「やん///」

卯月達が呆れているがまぁ、置いといて

「卯月、どうする?指輪?」

あ、むせた

「ゴハン時に聞く物じゃないぴょん!!」

「いや、サイズ測らないと造れないだろ?」

「だからって、今聞かないで欲しいぴょん、

 それに、まだ練度も足りないぴょん。」

「それもそうだな。」

▽

練度

艦これでは『Lv』で表記されていたが、

艦これが現実になった今では、

『艦娘個人の概念』でしかわからない

 

山雲は174Lvで、意外とカンストしていない

ってか175Lvの道のりがまだまだ遠い

 

マックスは110Lvで、

ケッコンしてからもちょくちょく出撃している

 

リベッチオは89Lvで、単冠湾泊地内の演習の成果である

 

酒匂は37Lv、演習だけで、未出撃

 

卯月は56Lvで、先の重巡洋艦に便乗してたため

 

長月は28Lv、演習のみ

 

菊月は29Lvなのだが、

湾内演習だけで、湾外演習に出ていない

まだ、湾外が怖いそうだ

 

悪魔で『艦娘の個人概念』なので、

ホントのLvは解らない・・・

 




「って、嘘なんだがな。」

私室の『もう一つのPC』を立ち上げる

そして開くのは『艦これ』

何時もの執務室がそこに映る

山雲は映っていない別邸で寝ているからだ

秘書艦であれば本来ここの執務室に『居る』のだ

「・・・やっぱり。」

Lvの差異は4~5程ずれているのはどうでもいいが
秘書艦を変更しても、『誰も映し出されない』

つまり、俺は『艦これ』をプレイ出来ないのだ
でも、画面には執務室が映し出され
改装、開発、建造、遠征、『出撃』が、表示される

「どうなってるのやら。」

猫吊るしが隅っこに居るのも、
俺のPCだけ、艦これ運営では、
メンテナンス時のみしか使っていないにも関わらず

カーソルでカチカチとつついてみる

ピコン

メールだ

〈突かないで下さい〉
返信
〈そっちはどうなってる?〉
返信
〈・・・知らない方がいいです〉
返信
〈『次は誰だ?』〉

返信は来なかった
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