執務室
「さて、先ずは生鮮食品の確保をしたいと思う。」
さて、0630からなにを言っていると思うのだろう?
仕方がないのだ、昨日の夜は、
俺のリュックサックに詰め込んでいた
『お気に入りカップ麵』を食べて夜ご飯としたため、
もう朝飯分すら無いのだ
「キミ達艦娘は資材の補給と言う形で餓えは凌げるが、
俺はそうは行かない、
それに、カップ麵の味を覚えた以上、
資材だけでは満足できないだろう?」
カップ麵と言う言葉だけでキラキラする目は完堕ちしたと見る
「幸い、海は直ぐそこだ、
艤装の慣らし運転も含め、艤装を装着、
それと、これだ。」
漁網、それは漁師が使う道具である
「これを?ドウすればいいのだ?」
「これか?
こうやって袋状になっているから
艦娘二人で牽引して魚を取る、
日本、ロシアの漁協組合と、双方の国も納得している、
よって、単冠湾泊地3海里範囲は、俺達の専用漁場となっている。」
「ちょっと待って?
私達は言っても『海外の艦娘』なのよ?
領海とか色々国際問題にならないの?」
「サミュエル、良い質問だ、
ま、そこは『単冠湾泊地所属の艦娘』で、
押し通せるし、艦娘に国境なんて付加価値をつけると、
世界中に居るかもしれない艦娘は、
『不法入国・不法滞在』で、今頃は強制送還の嵐だろうな。」
「ぁ~、それもそうね。」
「兎に角、材料が無ければメシにありつけない、
それさえわかっていればいい、
仮に深海棲艦の妨害にあった場合、
『全力で漁礁』になって貰え、
そうすれば新しい魚も寄り付いて来るだろう。」
「でも、私達は基本『料理』出来ないわよ?」
「・・・マエストラーレ
そこは俺がやる、一応調理師免許も持ってる。」
「は?あんた提督でしょ?」
「提督が料理出来ないなんて何時の時代だ?
提督になるのにあたって色々免許を取らされたんだ、
重機関係、事務関係、調理関係、家事スキル等々、
あ、その服の洗濯は流石に自分達でやってくれ?
『艦娘』は、戸籍上れっきとした『女性』なんだから。」
「とっ?!当然でしょっ!!
洗濯ぐらいできるからっ!!」
あ、完全に駄目だこりゃ
「山雲、
ジャーヴィス、サミュエル、マエストラーレ、
グレカーレ、この4人に洗濯を教えてやってくれ、
洗濯機か、洗濯板では、お前に任せる。」
「センタクイタ?」
「あん?
俺はお前のままが良いんだ、
それに、下手にデカくなって見ろ?引く自身がある。」
「バカ///」
全員(他所でやってくれ)
「兎に角、艤装のチェックが済み次第、
タシュケント、フレッチャー、ジョンストン、
リベッチオ、レーベレヒト、マックス、
この6人で近海の警戒及び、朝飯確保を頼む、
ま、偶に資材が紛れ込むらしい、期待はするなよ?」
「ふぅん、わかったわ、朝ごはん、期待してる。」
「ちょ、マックス!?」
「ふふ、いいわね。」
「もぅ、私がいるでしょ?フレッチャー。」
「ワカッタ、一応旗艦は私デイイのか?」
「別に良いんじゃない?私この辺り全然知らないから。」
「では、作戦開始!」
▽
「じゃぁ、洗濯板での洗い方教えるわね~。」
「え?洗濯板?洗濯機じゃないの?」
「だって、『電気』が来てないのに、
どうやって洗濯機を動かすつもり?」
「それは・・・。」
「私達の艤装で発電しちゃダメなの?」
「あのねぇ?燃料もタダじゃないの、
それに補給物資が来るのは明日の午後、
節約しなきゃ飢え死にするわ?」
「アンラッキーだわ。」
「でも、お水は?冷たくて手がかじかんじゃうわ。」
「そーだそーだ。」
「は?」
4人「は?」
「温室育ちの艦娘に、洗濯すら早かったのかしら?」
「ちょっと、山雲さん?」
「マエストラーレ、
確かに貴女達は温暖な気候で過ごしてたんでしょうが、
ここは、単冠湾泊地、北の海よ?
温泉かけ流しのお風呂があるだけありがたい事なのよ?
『戦後の日本』でも、
温水がふんだんに使えるようになるには、何十年もかかったわ、
私はアノ人、瑛士に『頼まれたから』教えるの、
そうでなければ、貴女達の下着は
瑛士が洗う事になったでしょうね。」
「そ、それは嫌ですわ。」
「ぅ~・・・。」
「確かに嫌ね。」
「わかったよ、やるよ。」
▽
「ふむ、艤装の状態はイイな。」
〈当然です、
最高の状態に仕上げてますよ!〉
「へ~、寒冷地装備って案外あったかいのね。」
〈お嬢の寒さ嫌いは解ってるつもりですよ?〉
「お姉、大丈夫?」
「なぁに?ジョンストン!」
「あんなに喜んじゃって、
マックス、そっちは平気?」
「レーベレヒト、別に大丈夫、
タシュケント、そろそろ漁網を降ろすポイント。」
「そんな・・・お姉ちゃん呼びしてくれないっ!?」
「アハハ、
そうね、マックスで良いかしら?
そっちの端をお願い出来る?」
「いいわ。」
「ちょっ!?マックスっ!?」
〈漁網牽引開始します〉
▽
執務室
「さて、三笠元帥、昨日の今日だけど。」
【お゛ね゛か゛い゛た゛か゛ら゛あの曲やめてよ~ぉ゛】
「やだ、
だったら素直に黒電話に出ろよ、
やっぱり『電』の痕跡はない、
ただ、資材の減り方から、
山雲は『自力』で建造し、『艦これ』から出て来たんだろう。」
【・・・そうすると、大淀は?】
「まだ寝てるんだ、
下手に入室なんで、俺を社会的に殺す気か?」
【寝る?
艦娘に睡眠は左程必要としない筈・・・】
「聞いた限りじゃな、なぁ?『猫吊るし』」
〈そうですね、ですが『山雲・大淀』に関しては
イレギュラーとしか、我々の答えに出来ません〉
【猫吊るしちゃんでもわからないか、
それと、こっちも直ぐに打電が来たのよ】
「タシュケントか。」
【えぇ、
彼女は『娼艦娘』好きにしてくれて構わないと】
「・・・あえてロシア沿岸に深海棲艦を追いやるのもアリか。」
〈ソレに関しては同意します〉
【やらないでよ?
後が大変なんだから、それともう一つ】
「ん?」
【・・・複数の艦娘データの欠落が確認されたの
ほとんどが、
『貴方の指揮下にあった艦娘達』よ】
「・・・つまり、建造をかければ。」
【十中八九、彼女達が建造されるわね。】
〈勘弁して頂戴、
三笠?貴女だってイレギュラーだけど、
これ以上抱え込ませないで頂戴?
建造妖精達が増長して、
『我々の建造技術は世界一』なんて、言い出しかねないわ〉
【ごめんなさい、
確かに私も艦娘だけど、艤装は無い、
なんせ、『本体』は横須賀の公園にあるのだから。】
「まぁ、いいや、兎に角追加の資材の手配を確実に頼むよ、
『明石』の着任はまだ無理そうか?」
【そうね、『呉の明石』は来たがってたけど、
簡単に配置転換は出来ないし、
『呉の明石』だから出来る事の方が多いのよ】
「ついでに言えば、
『宗谷』は自由奔放だな、
さっきは執務室居たと思ったら
今度は護岸で釣りしてるし、呼んでも来ないし、
気づいたら執務室に戻ってたりと。」
【・・・今度、そっちに視察に行くわ、
予定を組みなおすから・・・一週間をめどに】
「わかった掃除ぐらいはしておくよ。」
【ひ〇こ饅頭で良いかしら?】
〈いえ、老舗の金平糖で〉
「後、林檎だな。」
【林檎?貴方も変わってるのね】
「お前もな。」
「で、聞き耳立てて何してんだ宗谷?」
「いえ、お菓子の声が聞こえたので。」
「・・・喰えないヤツだな、お前。」
「いえいえ、提督さんほどでは。」
(こわ、この二人なんなの?)