選抜レース。芝・1200右回り。
我こそは、と瞬足自慢のスプリンター候補達が名乗りを上げる。
その中でも特に異彩を放つウマ娘。
新入生とは思えないほどにがっしりとした筋肉を持ち、大きなバ体。
健康的な小麦色の肌に、鹿毛、そして龍の耳飾りが揺れる。
ロードカナロア。
他のウマ娘がレース前に緊張を解そうと笑ったりしているのに対して、ロードカナロアの表情に笑みは無い。
速く、強く、走り抜ける為に集中していた。
「圧巻! 圧勝! 止まらない快進撃! まさに飛翔する龍の如く! 選抜レースとはいえども、素晴らしい走りで他のウマ娘を寄せ付けませんでした! ロードカナロア! この名はスプリンター界に名を刻むかもしれません!」
選抜レースの結果はロードカナロアの圧勝であった。
全身のバネのようにしなやかな筋肉を使用し、ターフに強く踏み込まれる脚。
そこから繰り出される爆発力のある驚異的なスピード。
瞬足自慢の他のウマ娘を置き去りにし、絶望させ、二着とは6バ身差の勝利。
ゴール板を駆け抜けたロードカナロアは、龍のような咆哮をし、他のウマ娘は腰まで抜かした。
「イイね! グットだね! カレンチャンさん! あの龍王は絶対に確保して確保」
その言葉に反応した、芦毛のウマ娘。
自撮りを止めると、人々の隙間を潜り、トラックの外ラチを飛び越え、ロードカナロアの目の前に立つ。
「ねえ貴女。カレンと一緒にターフで1番カワイイを目指さない?」
芦毛のウマ娘。
ロードカナロアが見たウマ娘の中で、1番可愛く、可憐であった。
みるみる内に無表情だったロードカナロアの表情は蕩け、赤くなる。
「カワイイ。可愛すぎる。……そのカワイイに惚れました〜! カレンっちとターフでカワイイを目指しますね!」
レース後の龍のような咆哮よりも大きい声が出たロードカナロア。
長年続く、ロードカナロアによるカレンチャンへの片想いは、この瞬間から始まり。
……後に世界のスプリンター龍王という名を、世界に轟かせるウマ娘の闘いが始まった。
その声を聞き、カレンチャンのトレーナーである安岡は、ほくそ笑んだ。
「新進気鋭のスプリンター確保! 流石、天上天下カワイイのカレンチャンさん。ウマたらしだわ」
少し先の未来において、スプリンターの祭典である高松宮記念にて。
安岡トレーナーが育てた、カレンチャン、ロードカナロア、ダッシャーゴーゴー、トウカイミステリーが出走し、安岡記念と皮肉られた。
また数多くのG1を含め、スプリンターレースを勝たせてきた事から、短距離王国のキングトレーナーの異名を授けられる事となる。
お気に入りや、しおり、評価に感想とたくさんありがとうございます!
頑張って書きます!
話は変わりますが、ロードカナロアとカレンチャンの産駒であるカレンモエちゃんが、函館スプリントで二着でしたね〜。やはり大外が響いた、それでも惜しかった。
長くスプリンター戦線で活躍してほしいです。
史実通り、九月にドリームジャーニーは引退
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