世界一最低なGⅠ制覇までのお話   作:クロカワ02

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リッチ外伝ですが勢いで書いたため地の文がほとんどなく内容もほとんど勢いなので勢いで捉えてください。


外伝『嵐の超越者』〜メルトールリッチのSS〜

リッチ「そういうわけでよっちゃん!!勝負でぇす!!」

 

ヨルノ「は?いやだが?」

 

シロ「えっ何どういう流れ?」

 

リッチ「止めないでくださいシロさん…あたしは、挑まなければならない理由があるんですぅ…!」

 

シロ「止めてないけど…?」

 

ヨルノ「やれやれ、わからないようなら教えてやる。メルトールリッチ。嵐の前に立っているつもりの子犬。お前では相手になら『負けるのが怖いんですかぁ?』やってやろうじゃないか!!!」

 

シロ「煽り耐性ゼロか…どうしようモミジちゃん、ヨルノはガキだからリッチが泣くまで大差をつけて負かし続けるつもりだよ」

 

モミジ「私としては、少し楽しみですね。いえ、楽しみなのは泣きじゃくるメルちゃ、メルトールリッチではなく…このタイミングで勝負を仕掛けたこと」

 

シロ「?いつもメルちゃんって呼んでるんだからメルちゃんでいいのに」

 

モミジ「…ヨルノアラシはよっちゃんと呼ぶことでとてもいやそうな顔をします。その点でメルトールリッチのネーミングセンスを評価したいところですが…なんで私は『がっちゃん』なんでしょうか…承服しかねます」

 

シロ「その辺は本人と協議を重ね…あ、聞いてくれなかったんだね。リッチそういうところあるからね…」

 

モミジ「…とにかく。気になるのは何故今になって勝負を仕掛けたか、です。最近秘密の特訓だと言って授業が終わり次第姿を消してはいたのですが…」

 

「 説 明 し よ う ! ! ! ! ! 」

 

シロ「うわびっくりした!なんだ、リッチのトレーナーさんかぁ」

 

トレーナー「久しぶりだなシロツメクサくん。そちらのモミジガリくん、きみの言い分は確かだ。リッチはあんまり人の話を聞かないところがある」

 

シロ「同意するのそこ?」

 

モミジ「…始めるようです。スタートの合図をしてきます」

 

シロ「あ、うん。いってらっしゃい」

 

トレーナー「だがそんなリッチも空気は読める。

 

『よーい…スタート!!』

 

…鼻が利くのだろう、実力をつけてからも無闇に強者へ挑もうとはしなかった。つまり…お利口さんだ」

 

シロ「みんなリッチのこと犬扱いするね」

 

モミジ「戻りました。それで?」

 

トレーナー「だが、決して闘志がなかったわけではない。特にヨルノアラシに対しては並々ならぬ執念を見せていた。いつか必ず倒す、と。理由はわからん」

 

モミジ「…そうでしょうね。メルトールリッチ…メルちゃんにとって一番欲しいものをヨルノアラシは持っているわけですから」

 

シロ「…?」

 

リッチ「こうして彼女が掲げた目標は打倒ヨルノアラシ。しかしはっきり言って今のトゥインクルにおいてヨルノアラシは無敵。だが…その点ではリッチもまた未完の大器!たくさんトレーニングを積んで強くなろうと根気良く頑張ってきたが…このままの成長速度では彼女には勝てない」

 

シロ「そうだね、ヨルノは無駄に無敵だからね」

 

モミジ「ええ、オーバースペックにも程があります。彼女の相手になるとすればドリームトロフィーの強豪や語り継がれる優駿の…まさか」

 

トレーナー「さすがモミジガリ。早くも気付いたようだな。そう、リッチの才能を引き出しヨルノアラシを打倒するために俺が生み出したトレーニング…それは!」

 

 

「先人の…トレースだ!!」

 

 

ヨルノ(勝負は芝2400…想定は日本ダービーか?まあ、眠気覚ましにはいい)

 

ヨルノ(ペースはかなり速いが戦法は逃げ…普段通りだな。最終コーナーで思いきり差してやるとしよう。泣くまで突き放してやる)

 

ヨルノ(だが…この違和感はなんだ?)

 

 

シロ「トレース?」

 

トレーナー「そう。リッチはあまり話を聞かないが集中力は抜群だ。俺が渡したDVDを食いつくように、食い尽くすように見続けた」

 

 

 

ヨルノ(あのトレーナーは声がデカいから唇を読みやすいな…なるほど?メルトールリッチは過去にシロの走りを目前で焼きつけることで自分の走りを定義し実力を発揮することに成功した。さらに優れた教材を与えることで潜在能力を引き出すことができる…であるなら、今のこいつは…)

 

 

 

モミジ「では、今のメルちゃんから感じる違和感は…学習による微妙なフォームの変化…?」

 

トレーナー「そういうことだ。リッチの気性とスタイルに合った『彼女』をトレースすることでその走りはグレードアップした」

 

シロ「その『彼女』って…」

 

トレーナー「今回二人が走っているのは芝2400m。その大舞台を逃げ切ったことで歴史に名を刻んだかのダービーウマ娘こそ…」

 

モミジ「まさか…『栄光の風』、アイネスフウジン!?」

 

 

 

ヨルノ(…それがどうした?)

 

ヨルノ(随分生意気じゃないか、過去の栄光に縋り私を打ち砕こうとは)

 

ヨルノ(…などと、悪役じみたことを考えはするが発想は面白い。なるほど過去の優駿という「型」に合わせて「器」を拡張すれば才能を引き出すことは容易に…いや)

 

ヨルノ(やっぱりつまらん。その結果出来上がるものは焼き直しに過ぎない。それだけでは私には届かない)

 

ヨルノ(証明しよう。私は、過去が相手でも存分に踏み荒らしてやる)

 

ヨルノ「風神何するものぞ。夜の嵐は、絶望の象徴だ」

 

ヨルノ(大体、私は三冠取ってるしな)

 

ヨルノ(さて、最終コーナーだ。ここから抜き去っ…何!?)

 

 

 

 

トレーナー「それだけであるものか!!」

 

トレーナー「特別不器用なだけでリッチの才能はこの一点においてヨルノアラシ、きみすらも超越する」

 

トレーナー「リッチが学んだのは、二人分だ!」

 

シロ「それがヨルノアラシを超えるための、もう一人の逃げウマ娘…!」

 

トレーナー「ああ。一つ聞きたい、きみたちはリッチが宝塚記念を勝った時の走りを覚えているか?」

 

シロ「そりゃもちろん、すごい逃げっぷりで…ということは」

 

トレーナー「その通り…逃げウマ娘の歴史の中で燦然と輝くその『大逃げ』は!!『彼女』の走りに適合した!!」

 

トレーナー「誰より先を往く特権、『最速の機能美』!!」

 

トレーナー「『異次元の逃亡者』…サイレンススズカに!!」

 

 

 

リッチ「逃げて…差す!!!!」

 

ヨルノ(フォームが変わって…!)

 

リッチ「うっりゃぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

ヨルノ「コーナーを超えて、加速しただと!?」

 

 

 

 

トレーナー「彼女が備えていたのは高い学習能力だけではない。誰かの猿真似ではなく、それを昇華するだけの実現能力!!逃げウマ娘二人の決して先頭を譲らない根性とプライドが合致した今…」

 

シロ「リッチは、嵐を超える…!」

 

 

ヨルノ(バカな、メルトールリッチは既に最高速度だったはず…そんな勢いで、成長するのか、お前は!!)

 

リッチ「あたしのぉぉぉっ!!勝ちぃぃぃぃ!!!!!」

 

モミジ『ゴールッ!!!』

 

 

 

 

リッチ「にゃーっ!!!!!!しゃっしゃー!!!!!」

 

シロ「か、勝っちゃった…ヨルノに…」

 

トレーナー「見たか!これが新たなメルトールリッチ、名付けて『嵐の超越者』、だ…!」

 

シロ「…二つ名もそこまで行くとクドいですね」

 

トレーナー「がーん!!!!」

 

リッチ「にゃーっ!!!!!」

 

モミジ「メルちゃん、にゃしか言えなくなってる…」

 

シロ「あ、ヨルノ。おかえり、どうだった?」

 

ヨルノ「…訂正しよう」

 

シロ「何を?」

 

ヨルノ「過去のウマ娘を重ね、足すのではなく掛け合わせて新たな『器』を生み出すのは実に面白い発想だ。無論、そんなことができるのはあいつの素質があってこそだろうが…本人やトレーナーが才能を持て余すこともある中でよく『これであたしがシロさんの後輩一号だぁーっ!!』……」

 

シロ「…よ、ヨルノ?」

 

ヨルノ「…私を驚かせた。私に面白いと言わせた。この二点で私は勝ちを譲ってやってもいいと思ったが…どうやら子犬には教育が必要らしいな…!」

 

シロ「煽り耐性ゼロかよ!友達でしょ今日くらい認めてあげてもいいじゃん!」

 

ヨルノ「友達じゃないが!?あくまで譲ってやっただけだ!!」

 

リッチ「えっ!!!よっちゃん友達じゃないんですかぁ!!?」

 

ヨルノ「そうだ!!!それにな、お前がシロの後輩一号だろうと私とシロは互いに唯一無二の存在だからな!!!共犯者だぞ羨ましいか!!!」

 

シロ「いやヨルノ土壇場で裏切ったじゃん…」

 

リッチ「ずるい!!!もう一度!もう一度勝負ですぅ!!」

 

ヨルノ「やってやろうじゃないか。モミジガリ!レースの開始を宣言しろ!」

 

モミジ「勝手にどうぞ。…ヨルノアラシが一時的にでも認めたというのは一応偉業だと思うんですが、どうしてこう…上手く纏まらないんでしょうね…」

 

この後ヨルノは大人げなくリッチの横をぴったりついて走り最終コーナーで大差をつけて勝った。

 

リッチ「ぬわーっ!!!」

 

ヨルノ「これが私の力だーっ!!」

 

トレーナー「リッチーっ!!!」

 

…まあ、そういうこともあるよね!

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