僕はエヴェンクルガ族。武士であり、ハクオロ様がトゥスクルを統治していた頃には家臣として仕えていた。その時に十年ぶりに出会ったが…妹もハクオロ様に仕えていた。どんな因果なのだろうかとも思ったがこんな事もあるのか。そんな感じで僕と妹はハクオロ様に仕えていた。
ハクオロ様が眠りについてから僕は色んな国を回っていた。そこである人物と出会い、僕はヤマトで武士として雇われて働く事になった。そして今ではアンジュ様にお仕えする一人になった。
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「アンジュ様」
「なんじゃ?」
「もう少し…僕から離れてくれたりしませんか?」
僕の膝元に頭をのせて満面の笑みを浮かべている少女に何度目か分からない、お願いをする。これを端から見ると僕がアンジュ様を膝枕をしているように見えてしまうのだろう・僕がお仕えしている『主』であるために強くは言えない。
「い・や・だ!」
いつもこうなのだ。アンジュ様は僕がいくら言ったとしても膝元から離れてくれない。こんなところ帝にでも見られてしまったら最悪、僕の首が飛ぶ可能性だってないわけじゃない。
「…それではまたムネチカ様にお叱りいただきましょうか」
そう言うとアンジュ様はピクリとした。アンジュ様はムネチカ様から何度も怒られているためにムネチカ様の名前を聞くだけで…アンジュ様は…
「それは嫌なのじゃ!」
「それでは離れてくださいませんか?私も帝から与えられている仕事がありますので…取り掛からなくてはならないのです」
仕事が遅れたら僕の方がムネチカ様に怒られてしまう。アンジュ様ほど怒られないけど…怒られる。
「だってお主の膝元がとても気持ちいいんだもん」
そんな事を言われましても……どうしても離れてくれないようなら最終手段を使わなくてはならない。これを言うと絶対にアンジュ様が離れてくれるというワードがある。
「『オシュトル様』にアンジュ様が僕の邪魔をして仕事が出来なかったと言いますよ」
するとアンジュ様はまたピクリとして…それから三十秒ぐらいしてから立ち上がった。
「お主はずるいぞ。オシュトルの名前を出すとは…」
「だってアンジュ様が離れてくれませんでしたから。仕事が終わった後なら良いですけど…仕事が終わるまでは待ってください」
「…う~む……仕方ないのう」
そんな感じでアンジュ様が離れてくれたので僕は仕事に移った。今日の仕事が終わる頃にはアンジュ様とのやり取りから三時間以上が経過していた。
アンジュ様は僕に寄りかかりながら寝ていた。かすかに聞こえてくる寝息は……幼さを感じさせる。この子が…後にヤマトを取り仕切るようになるのは決定しているようなもの。それに今の帝はそれなりにお年を召している…こんな事を言ってしまったら僕は帝様に忠誠を誓っている者に殺されてしまうかもしれないけど、いつお亡くなりになったとしても不思議はない。
アンジュ様はまだ幼くて、ヤマトを統治するにはさすがに早いとしか言いようがない。全てを背負うにはあまりにも小さな背中だ。
だからこそ、僕たち家臣は彼女を支えなくてはならない。それが僕たちの役目なのだから。だけどもし、いずれアンジュ様がお一人でこのヤマトを統治出来るようになったら僕はこの国を去ろうと考えている。
「僕がこの国を去る日は……後何年後だろうか」
「いやなのじゃ!!!!」
急に隣から大声で叫ばれてたので驚いてしまった。さっきまで寄りかかって寝息をたてていたアンジュ様が起きられていた。そしてアンジュ様の目には涙が溜まっていた。
「お主は一生、余の家臣としているのじゃ!!!」
「そんなに泣かないでください。涙でお洋服が汚れてしまいますよ。それにアンジュ様がご心配しているようなことは起こりません」
「本当か?」
「はい、去りたくても今の頼りないアンジュ様を残しては去れませんよ」
「余は頼りなくないぞ!!」
そんな風なやり取りをしていると今日も時間があっという間に過ぎていく。
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昔の仲間からすれば敵国を支援しているように映っているかもしれないけど……僕はアンジュ様に魅入られてしまったのだ。ハクオロ様とはまた違う形でアンジュ様は良い国を作り上げてく気がする。
クオン様には会いに行ける機会が少なくなってしまっているが…まあ、あちらはあちらで頼りになる人たちが付いていますから大丈夫でしょう。
「まだ暫くはこの国で暮らす事になりそうですね」
感想などもあれば宜しくお願いします!!!!(切実)