本物を求めた魔王、此岸と彼岸を繋ぐもの   作:カミツレ苦難の中の力

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メダルと名前

 

これから何をするかって?そう、魔物づくり!

いやーやっぱ育成ゲームって楽しいよねほんと。

 

「さて、ここからは魔物づくりの授業だ。ダンジョンを作るのは大事だけど同じかそれ以上に魔物を作るのは大事なのだよ。私たちを守る盾であり、人間を屠る矛でもあるからね」

 

「そして時には人間を誘き寄せる為の餌にもなるってわけか」

 

「Exactly、君は本当に理解力が高い。で、例外を除けば魔物を手に入れる方法は2つだ。1つ目はDPを使って魔物を買う方法。残念ながらこの方法では初めはS~Gまである魔物のランクのうちFとGしか手に入れることができない」

 

「モブを金で買えるってわけか」

 

「そう捉えてもらって構わないよ。だけどDP以外の方法で魔物を手に入れた時はその魔物と同系統かつ2ランク下の魔物を買うことができる。私の例で言うとAランクの牛頭を産み出したことがあるからその2つ下のCランクの牛鬼をDPで買えるというわけ」

 

「つまり、強い魔物を手に入れればその分強い魔物をDPで買えるようになるんだな」

 

「そうさ、では実演しよう。DPを使わない魔物の作り方、それは魔王自身のメダルを使うのさ、【流出】」

 

先生がそう呟くと、ボクシンググローブの描かれた金色のメダルが空中に現れた。

よく見ると、そのメダルから強い魔力を感じ取れる。

先生は一度そのメダルを眺めると突然俺に投げ渡してきた。

 

「ちょっと、万が一俺に当たって死んじゃったらどうするんですか」

 

「何をいう、君はそんなに柔な魔王ではないよ」

 

メダルを手にした瞬間、そのメダルの情報が頭に流れこんでくる。

 

『【拳】のメダル。Aランク。生まれてくる魔物に拳の因子を与えることができる。身体能力および生命力に補正大。また、無手の攻撃に補正大』

 

「各魔王は1月に1回だけ自らのシンボルを刻んだメダルを生み出すことができる。私の場合は【拳】のメダルだ。メダルを2つ掛け合わせることで、魔物を産み出すことができる。君も【流出】と言ってみたまえ」

 

「これ、本当に大丈夫か?なんか体から色々なくなっていきそうな気がして怖いんだが…」

 

「慎重なのはいいことだが、安心したまえ。私はかれこれ300年近く生きているが何かが抜け落ちた感覚は今まで一度もない」

 

「そうか、先生を信じよう。【流出】」

 

俺の目の前にメダルが現れる。

メダルに描かれていたのは赤い糸。

色は金・銀・銅が入り混じっている。

手に取るとそのメダルの効果を確認する。

 

『【繋】のメダル。変動ランク。普通の合成に使う他に、メダルにセットすることができる(各メダルに1枚のみ、イミテーションメダルの場合は効果が一段階落ちる)合成に使用されるメダル同士の相性によってメダルのランクはA~Cまで変化する。同じメダルを使用しても選ばれる可能性によってもランクは変動する。---あなたが繋がりを求めるのであればありとあらゆる時空や空間を超えて繋がることもできるだろう、そこに□□があるのであれば---』

 

うん、まず文章が長い。

なんか複雑だし、そもそもイミテーションって何?メダルにセットってのも意味がわからないしとにかく先生に聞いてみるのがいいか。

 

「さあ、優秀な私の生徒よ。君がどんな魔物を産み出すのか私にとくと見せてくれたまえ!」

 

「あー、盛り上がってるとこ悪いんだがとりあえずこのメダルの説明見てくれ」

 

先程の先生と同じようにメダルを放り投げる。

受け取った先生は一度大きく目を見開いた後、高らかに笑い始めた。

 

「面白い、面白いよ君。こんなすごいメダルは見たことがない。驚きを通り越して笑いしか出てこないよ。何だいこのめちゃくちゃなメダルは?相性を考慮する必要があるとはいえ実質最大4枚のメダルの力を合わせることができる。ぶっ壊れもいいところだね」

 

「先生から見てもこのメダルはとんでもないものなのか?」

 

「とんでもないなんてレベルじゃない。嫉妬で君を殺してしまえそうだよ。君に限ってそんなヘマはしないだろうが他の魔王にこのメダルの情報は秘匿した方がいい。すぐに消されてしまうからね」

 

「それは当然だ、自分の機密情報をそうベラベラと漏らしてたまるかっての」

 

しかしながらこれは朗報だ。魔王とはいえ未熟で矮小な存在な俺からしたらこの力は重要なものとなる。

この力をいかに隠し、力を蓄えるかが今後の鍵となるか。

 

「しかし困ったな、君のメダルの力を最大限発揮する為には別のメダルも必要か。相性も考慮すると私の【拳】のメダルは使い勝手が悪そうだ。それならこの2枚を使うといい。君が次のメダルを生み出す1ヶ月間は暇だろうが、引き換えに手に入れる力を考えれば些細なことだ」

 

そう言って先生は俺に向かって2つのメダルを投げ渡した。

 

『【虚】のメダル。Aランク。生まれてくる魔物に虚の因子を与えることができる。物理攻撃を無効化、魔法攻撃力に補正大。冥界の力を行使する際に補正大。』

 

『【幻】のメダル。Aランク。生まれてくる魔物に幻の因子を与えることができる。無形生物に補正大。魔法攻撃力に補正大。異空間適性を与える』

 

「機を熟すまでは私とゆっくりお茶でも飲みながら話そうか、1ヶ月もあるわけだし魔王についてみっちり授業してあげるよ。ちなみに選択肢は「Yes」か「はい」だ」

 

それって俺に選択権ないじゃん…

 

「うす」

 

「全く、可愛げのない奴め。そうだ、最後に1つこれから魔王としての生活を送る君に伝えておこう。君の名前はハチマン、【繋】の魔王ハチマンだ」

 

名前ってめっちゃ重要な情報じゃん、もっと早く教えてくれよ…

こうして魔王ながらに魔物を1体も持たない俺、【繋】の魔王ハチマンの人生?魔王生が始まった。

 

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