ARIA The PETRICHOR   作:neo venetiatti

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Episodio 09 入道雲の下で

雲ひとつない、真っ青な空の下、ネオ・ヴェネツィアは観光シーズン真っ盛りの時期を迎えていた。

 

老舗水先案内店である姫屋のトップ・ウンディーネとして、また姫屋のウンディーネ全体を統括するチーフ・ウンディーネとして、後輩の指導に重点を置いた日々を送っていた晃・E・フェラーリも、この時期は営業に出る機会が増えていた。

 

まだまだ人気のウンディーネだけに、ひとたびゴンドラで街に出ようもんなら、たちまち注目の的になってしまう。

 

「それにしてもラッキーだった。まさか、晃さんの予約が取れるなんて思わなかったよ」

 

「そうですか?それはそれはお褒めに預かり、光栄に存じます」

 

晃は、少し冗談めかした調子でその男性客に応えた。

 

「オレ、実は昔、晃さんのゴンドラに一度乗ったことあるんですよ」

「そうなんですか?」

「ええ。5年ぶりかなぁ。いや、7年ぶりか?8年ぶりかな?そしたら、また今回のネオ・ヴェネツィアも晃さんのゴンドラに乗れた!これはきっと、何かの縁に違いありませんよ!」

「確かに!」

「晃さんもそう思うんですか?!」

「そうですね。ちなみにどんな感じでした?」

「どんなって、それは今と変わらない、長い髪をなびかせて、ひとり悠然とですね・・・」

「お客様?私はまだその頃はシングルでした。そしてショートカットで可愛らしくきめておりました!」

「そ、そうだったんですね。これは失礼いたしました~!トホホホ・・・」

 

男性客の苦笑いの後ろで、晃はにこやかにオールを漕いでいた。

 

客いじりの真骨頂。

 

とまではいかないにしても、晃はこうしてゴンドラの上で風を感じながら、客とたわむれている時間が、ウンディーネとしての実感を感じられる大事な瞬間でもあった。

 

そうだった。

 

今となっては、あの時、プリマを目指していたあの時の、あの三人の中で、今でもウンディーネを続けているのは、もう晃ひとりだけになっていた。

 

 

 

目的の場所で客を降ろすと、晃はそのままカナル・グランデへと舵を切った。

 

ボートやゴンドラが行き交うネオ・ヴェネツィアの目抜通り。

 

晃は気をつけながら、大運河の真ん中あたりまで、ゴンドラを進めた。

 

 

その時だった、

 

 

晃はゴンドラの上で、思わず空を見上げていた。

 

ネオ・アドリア海を、まるですべて飲み込んでしまうような、巨大な入道雲が迫っていた。

巻き込まれたら、ネオ・ヴェネツィアといえどもひとたまりもない。

 

晃はその瞬間、引き返すか、どこか逃げられる場所を捜すか、少し迷った。

 

その時、ある場所のことが、ふと脳裏に浮かんだ。

 

「ここからなら、間に合うか・・・」

 

晃は、急いで舵を切ると、ある狭い運河へとゴンドラを進めた。

 

 

 

観光案内としてはあまり通ることのない狭い運河をクネクネと器用にゴンドラを進めた晃は、あたりが薄暗くなってゆくことに不安を感じていた。

 

「思ったよりも早くきそうだな」

 

晃が目的の場所を目指している間に、その巨大な入道雲は、ネオ・ヴェネツィアをいよいよ飲み込もうとしていた。

 

〈あと、もう少しのはず・・・〉

 

そこはアパートメントが軒を連ねる住宅街の一角だった。

確かにそこは、観光の世界からは少し距離を置いたような場所であり、他にゴンドラやウンディーネの姿をみかけることはなかった。

 

スピードを落とし、ゆっくりとゴンドラを進めた晃は、辺りを探るように見回した。

 

「あれか・・・」

 

ポツリとつぶやいた晃の目の先には、運河を渡る橋がかかっていた。

それは、周辺にある橋とは違い、少し幅が大きく作られていた。

 

晃がその橋に近づこうとした瞬間、頭上で割れんばかりの雷鳴が轟いた。

そしてその直後には、周辺のすべてを信じられないほどの明るさで照らし出すような閃光が放たれた。

 

晃は思わず反射的に首をすくめ、その場で身体をこわばらせた。

 

だが今度は大粒の雨が勢いよく降り始めた。

雷が続けざまに鳴り響き、閃光が光り続ける。

 

晃は目の前に近づいた橋の下へと急いだ。

 

その時、ある光景が晃の頭の中に甦ってきた。

 

「そうだ。確かあの時も・・・」

 

 

 

「晃ちゃん、こっちこっち」

 

アリシアはゴンドラの上で振り返りながら、その後ろのゴンドラに乗っている晃に手招きしていた。

 

「アリシア、お前なんでこんなところ知ってるんだ?」

 

晃は辺りをキョロキョロ見ながら、アリシアの後をついていった。

 

「偶然よ、偶然♡」

「偶然でこんな住宅街の運河に来ることがあるのか?」

「いいから、いいから」

 

だが、そんな悠長な会話をしているところではなかった。

二人の頭上には今にも降りだしそうな入道雲が迫っていた。

 

すると、雷鳴が鳴り響き、閃光が走った。

そして大粒の雨が勢いよく降りだした。

 

二人は少し先に見えてきた橋の下に急いで入り込んだ。

 

「うわー!すごい雨だ!」

「ほんとうだわ!」

 

二人は片方の手につけているグローブの甲のところで濡れた額をぬぐった。

 

「ということは、目的の場所って、ここか?」

「ううん、違う。ここじゃないの」

「じゃあここって・・・」

 

二人の入り込んだ橋は、丁度ゴンドラが隠れるぐらいの幅の広さだった。

打ち付ける雨の音が、橋の下にいても、その勢いが伝わってくるほどだった。

周りは降り注ぐ雨で少しの先も見ないくらい。

 

「しばらくここで雨宿りだな」

「そうね」

「でもそれならいったい、どこに連れていくつもりだったんだ?」

「それはね、もう少し先に雨宿りができそうなところがあったんだけど」

「間に合いそうになかった?」

「そういうことね」

 

「こんなことがなかったら、こんな橋のことは気づかなかったかもしれないな」

「そうね。観光案内とはあまり縁のなさそうなところといえるわね」

 

そんな会話をしていると、降りしきる雨の中に、ぼんやりと運河の上に何か近づいてくるものが見えてきた。

 

「ちょっと、晃ちゃん!」

「なんだあれは?」

 

その姿が、ゴンドラとウンディーネであることがぼんやりと見えてきた。

 

「こんなタイミングでやってくるなんて、なんて運のないやつなんだ?」

「そんなこと言っちゃだめよ。こっちー!こっちよー!」

 

アリシアは、なんとか運河を進んでくるウンディーネに向かって声をかけた。

 

「ん?ちょっと待て。あれってもしかして・・・」

 

そのゴンドラの上のシルエットは、弱々しかったが、誰だかわかる姿だった。

 

「アリシアちゃ~~ん!晃ちゃ~~ん!」

「アテナちゃん?!」

「助けて~~」

「何やってんだ、アテナ?」

 

近づいてきたゴンドラの上にいたのは、全身ずぶ濡れのアテナだった。

 

「どうしたの?なんでこんなことになったの?」

「アリシアちゃんと晃ちゃんの姿が見えたから、ふたりを驚かそうと思って追いかけてきたの。そうしたら突然雨になって、どうしようって思ったんだけど、取りあえず追いかけようと思って」

「お前なぁ、だからと言ってそんなになるまで追いかけてきてどうするんだ?」

「そうよ。風邪でもひいたらどうするつもりなの?」

「だって、ふたりで楽しそうに話してたから・・・ハッ、ハッ、ハクション!」

「ほら言わんこっちゃない!」

 

その後アテナが一週間寝込んだのは言うまでもない。

 

 

 

晃は、ふとあの時のことを思い出していた。

 

「またここへ来ることになるとは・・・」

 

その時だった。

 

「あのー、雨宿りさせてもらっていいですか?」

 

橋のそばにある階段から誰かが降りてきた。

 

「アリシア!」

「晃ちゃん!」

「どうしてここにいるんだ?」

「晃ちゃんこそ、どうしたの?」

 

傘をさしたアリシアが、階段から覗き込んでいた。

 

アリシアは晃のゴンドラに乗り込むと、ふぅーと息を吐き、ニコッと微笑んだ。

 

「よかった。晃ちゃんがいてくれて」

「よくわかったなぁ」

「橋の下から少しゴンドラの舳先が見えたの。急に降りだしたでしょ?いいタイミングだって思って」

「それでなのか?」

「誰かわからなくても、ゴンドラを見たら思わず・・・ね♡」

 

アリシアは、濡れた前髪を拭いながら、笑顔で応えた。

 

晃は、ゴンドラのすみに置いてあったケースから、一枚のタオルを取り出した。

そして、それをアリシアに手渡した。

 

「ありがとう、晃ちゃん。晃ちゃんて、こんなものをゴンドラに積んでたのね」

「ほら、ゴンドラだと、雨が降ってくると、逃げ場がないときがあるだろう?それで一応用意してたんだが・・・」

「そうなのね。おかげで助かったわ」

 

「それにしても、いったいどうしてなんだ?こんな雨のなか」

 

「実はこの少し先に、雨宿りできそうな、屋根の大きなお花屋さんがあったはずなんだけど、行ってみたらなかったの。もうお店を閉めてしまったみたいだった」

「そうだったのか・・・って、そういうことを言ってるんじゃなくてだなぁ」

「えっ、何?」

「もういいよ」

 

晃はアリシアの無邪気に話す顔を見ていると、なんかどうでもよくなってしまった。

 

「でも晃ちゃん?」

「なんだ?」

「ここ、覚えてたのね」

「アリシア、お前も覚えてたのか?」

「うん」

 

二人はゴンドラに腰を掛けて、降りしきる雨の運河を眺めていた。

 

アリシアは髪をタオルで拭きながら、ぼんやりとその少し先を。

晃は、組んだ脚の上に肘をおいて頬杖をついていた。

 

「そういえば、あの時は雨の中、アテナがずぶ濡れでやったきて、エライ半べそかいてたなぁ」

「そうだったわねぇ」

「〈助けて~~〉とかいってな!」

晃はそういって笑い声を上げた。

 

「ちょっとそこのお二人さん!」

 

先ほどアリシアが降りてきた階段の方から聞きなれた声がふたりに呼び掛けてきた。

 

そこには、ひときわ大きな傘を持ったアテナが、階段から覗き込んでいた。

 

「アテナ!お前何やってんだ?」

「まあ、そんな冷たいセリフ、よく言えたわねぇー」

 

アテナはふたりでゴンドラに並んで座っている姿を見て、少し不満げにほっぺを膨らませた。

 

「私の方こそ聞きたいわ!ふたりだけでこんなところで、まったりと雨宿りしてるなんて!」

「アテナちゃん、それは誤解よ。晃ちゃんがここで雨宿りしてるところに、偶然私が通りかかったの」

「ほんとぉ~?」

「そんなこと、お前にウソついてどうなるんだ?」

 

アテナは納得がいかないといった表情をしていた。

 

「まあいいわ。それじゃあ私も入らせていただこうかしら?」

 

アテナは傘を折り畳みゴンドラに乗り込んでくると、アリシアの隣に腰かけた。

 

「実はね、昔お世話になった人のところに訪ねて行ったの。でももうそこには住んでなくて。帰ろうとしたら、すごい雲が出てきたでしょう?どうしようと思ってたら、アリシアちゃんにそっくりな人の後ろ姿が見えたから、追いかけてきたの。そしたらやっぱりアリシアちゃんだった!」

「それなら声をかけてくれればよかったのに」

「だってもし違ったらスッゴく恥ずかしいことになるじゃない?それにね、ちょっと驚かそうと思ったの♡」

「アテナ、お前いくつなんだ?そんな歳になって驚かそうとか、何を言ってるんだ?」

「歳っていったって、晃ちゃんと変わらないんですからねぇ~」

「そういうことじゃなくて!」

「いいじゃない?別に減るもんじゃないし」

 

アテナは「ふーん」と口を尖らせて、そっぽを向いた。

 

「なんか、ちょっとなつかしいわね」

 

アリシアはふたりの様子を見て、ポツリとつぶやいた。

 

晃とアテナは不意につぶやいたアリシアの顔を見つめた。

 

「あの時と一緒ね。あの雨宿りしてたシングルの私たちと」

 

「どうしたんだ、アリシア?」

「何かあったの?」

 

アリシアは、ふたりの言葉に微笑んで、少しうつむいた。

 

「別に何もないわ。ただ、ここにこうして三人でいると、まるでタイムスリップしたみたいで、なんにも変わってないような、そんな気持ちになったの」

 

アリシアの言葉に、晃とアテナは、なんとなく辺りを見回していた。

 

「けっして変わってないなんてこと、あるはずもなくて。だけど、この気持ちはなんなんだろうって思って・・・」

 

「アリシア、お前、もしかして、まだ未練があるんじゃ・・・」

「アリシアちゃん?そうなの?」

 

晃の放った言葉にアテナは驚いた表情をしていた。

 

「違うわ。そういうことじゃないの。なんて言ったらいいか、自分でもうまく表現できないのだけど・・・」

 

アリシアの様子を見て、アテナが話を続けた。

 

「アリシアちゃんの言うこと、ちょっぴりわかる気がする。ウンディーネを卒業して、私たちの環境も目まぐるしく変わってきて、ここ最近は特にそれを感じるの。でもこうして、三人が揃うとなんにも変わってない。以前のまんま!」

 

「そうね。それに、このネオ・ヴェネツィアは本当に何も変わっていない。もちろん、いい意味でね。それがとても懐かしくて、うれしくて。でもそれがちょっぴり切なくもさせる」

 

「確かにお前たちの言うこともわかる気がする。雲が迫ってきたとき、なぜだかわからないがこの橋のことが脳裏をよぎった。近かったせいかもしれない。でもここへ到着したとき、あのシングルの時の雨宿りのことが頭に浮かんだんだ」

 

「それってあれじゃないの?」

「なんだ?」

「以心伝心♡」

「この三人でか?」

「そうよ。ねぇ、アリシアちゃん?」

「ふふふ。そうなのかもね」

「ふたりして、何をオカルトなことを言ってるんだ?」

 

晃は呆れたように後ろ手に手をつくと、橋のふちから雨の降り注ぐ空を見上げた。

 

小さな雨の粒が晃の顔にかかる。

 

それに晃は目を細めた。

 

「そうだ!」

「いきなりなあに?アテナちゃん?」

「わたし前から思ってたんだけど、あんなでっかい入道雲の下って、どうなってるんだろう?」

 

アテナは不思議そうな表情で言った。

 

「今がそれだ」

「えっ、どういうこと?」

「そうよ。今が、そ・れ♡」

「そうなの?」

 

アテナは周りをキョロキョロ見回した。

 

降り注いでいた雨が、少しずつだが、弱まり始めていた。

 

「じゃあ、その先は?」

「先?なんだ先って?」

「どうなってるのかしらね」

「じゃあ、これから見に行かない?」

「アテナ、お前はまた適当なことを言い出す」

「だって、そうでしょ?誰も見たことないでしょ?」

「そうよね。ちゃんとは見てないかもね」

「アリシア、お前まで・・・」

「ほら小降りになってきた!」

 

アテナはそう言うと、ゴンドラに手をついて橋の下から空を見上げた。

 

「晃ちゃん?どうする?」

「しょうがないなぁ。濡れても知らないからな!」

 

晃はゴンドラの上に立ち上がると、頭上に気をつけながら、オールを持った。

 

「出発進行~!」

 

アテナの掛け声と同時にゴンドラがゆっくりと動き出した。

まだ、空からは小雨が降り続いていた。

 

「お前たちは傘があるだろう?」

 

アリシアとアテナは、持っている傘をささずにいた。

 

「たまにはこういうのもいいんじゃない?」

 

そういうアテナのそばで、アリシアは嬉しそうに微笑んでいた。

 

「やれやれ」

 

晃は、やって来た運河をそのまま逆の順序で戻っていった。

 

しばらく進むと、先の方が明るくなっているのが見えてきた。

 

「もしかして、あれじゃないの?雲の終わりって」

 

三人はその雲の切れ端を目指して、進んでいった。

 

そして次の瞬間、一気にパッと視界が大きく開けた。

 

ちょうどカナル・グランデを境にして、先ほどまで雨を降らせていた雲が過ぎ去ろうとしていた。

 

そしてそこには、信じられないくらいの、巨大な虹がかかっていた。

 

ゴンドラの上の三人は、その壮大な景色に、ただ見とれているしかなかった。

 

突然の豪雨を避けようとしたためか、その大きな運河の真ん中には、三人の乗ったゴンドラだけが、ポツリと浮かんでいた。

 

風が吹き抜けてゆき、雨に変わって、明るい日差しが降り注いだ。

 

「入道雲の端っこって、こんなだったのね!」

「はじめての経験だわ」

「ほんとだ。こんな光景が待ってようとは!」

 

三人が感動にひったていたその時、聞きなれた声が聞こえてきた。

 

「ちょ、ちょっと!どういうことなんですか!」

 

三人が振り返ったその先には、びしょ濡れの藍華、アリス、そしてオールをにぎる灯里がゴンドラで一緒に浮かんでいた。

 

「どうしたの、灯里ちゃん?」

「アリスちゃん、大丈夫ぅ~?」

「藍華、お前そこで何やってんだ?」

 

「ちょっと、晃さんだけなんなんですか?その言い方!」

「言い方って何がだ?」

「もうちょっと心配してくれてもいいじゃないですか?」

「というか、なんで三人ともそんなにびしょ濡れなんだ?」

「そんなの決まってるじゃないですか!さっきの雨のせいですよ!」

「確かに」

 

「灯里ちゃん、どうしたの?」

「実は今日久しぶりに三人揃って時間ができたんで、ちょっと出かけようってことになったんですぅ~」

「それなのに、タイミング悪く雨に降られたということなんです。先輩方、日頃の行いが問題なのではないですか?」

「ちょっと後輩ちゃん、それどういうこと?」

「だって、こんなふられかたするなんて、どう考えてもおかしいと・・・」

 

アリスはそういったきり、うごかなくなってしまった。

 

「どうしたの、後輩ちゃん?」

「アリスちゃん、大丈夫?」

 

「先輩方、あれを、見て、くだ、さい」

 

そう言われた灯里と藍華はゆっくりと振り返った。

 

「なっ・・・」

「はひっ!」

 

三人は大きく口を開けて、眼前に広がる大きな虹の輪を見あげていた。

 

「もしかして、今気づいたのか?」

「だって、晃さんたちが一緒にゴンドラに乗ってることが気になって・・・」

 

二つのゴンドラは、ゆっくりと消えて行く虹の前で、その時間を惜しむかのように、しばらくの間浮かんでいた。

 

 

Episodio 09 入道雲の下で   おわり

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