鬼滅の刃〜最強の眼を持つ剣士〜   作:死徒

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タイトル通り教祖様が登場します。


万世極楽教

 

あれから月日が流れ、季節は秋へと移り出していた。

 

その間は特に柱就任や十二鬼月討伐等の変化は無く、ある意味変わり映えしない平穏ともいえる日々が続いていた。

 

そう、それはまるで嵐の前の静けさのように……

 

 

 

1910年・9月

 

悲鳴嶼大貴屋敷・外

 

 

これから任務へ向かうカナエが大貴の元を訪れていた。

 

「女性ばかりを狙う鬼…かね?」

 

今回の任務の鬼の習性を伝えられ、大貴が言葉を返す。

 

「ええ…うちの娘達にも何人か犠牲者が出ているわ…」

 

悲痛な表情で心を痛めるカナエ。

 

「お館様からの指示で私としのぶの柱2人が被害が集中している地域へ赴くことになったの…」

 

「成る程、女性を狙う鬼が相手ならば敢えて女性を向かわせ油断を誘おうということか…流石はお館様、理にかなっている見事な戦略だ」

 

「それで、行く前に悲鳴嶼君に挨拶しておこうって思ったの。 丁度行先が悲鳴嶼君の屋敷を通る場所だったから」

 

「それはわざわざありがとう。まあ、カナエ君としのぶ君の柱2人ならば問題ないとは思うが、十二鬼月の可能性もある…くれぐれも気をつけていくのだよ?」

 

「フフッ、こちらこそ心配してくれてありがとう♪ 気をつけるわね♪」

 

好きな大貴に心配され、カナエは笑みを浮かべると機嫌良くそう答える。

 

「ああそうだ、せっかく来たことだしカナエ君にコレを渡しておこう」

 

大貴はそう言うと隊服のポケットから小さな丸い玉を数個取り出しカナエに手渡す。

 

「? コレは何かしら?」

 

目を丸くしながらカナエは大貴に問いかける。

 

「小型の爆弾だよ。 宇髄君に前回の柱合会議でもらったものだ」

 

「ば、爆弾!? こんなに小さいものが……そういえばあの時宇髄君に何か渡されてるなっては思ってたけど、コレだったのね?」

 

「うむ、戦術の幅を拡げられると思ったものでな。 だが、宇髄君が必要以上に渡してきたもので正直困っていたんだよ」

 

カナエの脳裏に天元が「どうせ渡すなら派手な量を渡しといた方が良いと思ってな! どうだこの量! ド派手だろ!?」とドヤ顔で言っているのが思い浮かぶ。

 

「う、宇髄君らしいわね…でもありがとう。 コレはもしもの時に使えそう♪」

 

「まあ、使わなくて良いならそれに越したことはないのだがね?」

 

「姉さん!」

 

会話をする2人の元へしのぶが現れた。

 

「しのぶ、どうだった?」

 

しのぶは大貴に会釈すると首を振り、カナエへ話し始める。

 

「先行した隊士からの連絡は途絶えたままよ。 やっぱりあの地域に鬼は居る…」

 

「そう……」

 

「しのぶ君、連絡の途絶えている隊士はやはり女性かね?」

 

「はい、今回も女性です…」

 

「そうか……2人共、今回は何だか嫌な予感がする…危険と感じたら撤退するのも手だ、必ず生きて戻ってくれ。 良いな?」

 

「ええ!」

 

「勿論です!」

 

「ならば良い。 それではまた会おう」

 

大貴は任務へ赴く2人を見送った。

 

 

 

 

「此処が隊士達が行方不明になっている地域ね」

 

「ええ。 伝令は途切れているけど、何だか怪しい宗教団体があるという連絡が最後の方で来ていたわ。 姉さん、とりあえず二手に別れて情報収集をしましょう!」

 

「そうね、効率的にもそれが良いと思う。 しのぶ、気をつけて!」

 

「姉さんこそ油断しないでね!」

 

現地に着くとカナエとしのぶは二手に別れ、情報収集に動く。

 

 

 

 

夕刻

 

悲鳴嶼大貴屋敷

 

「………」

 

大貴は自身の屋敷で瞑想をしていた。

 

「……!!?」

 

そんな時、不意に脳裏を嫌な光景が襲う。

 

それは…カナエが鬼との死闘の末に敗れ、駆けつけたしのぶの腕の中で息絶えるという最悪のものであった…

 

「…カナエ君…」

 

あまりに生々しい光景に嫌な予感が拭い切れない大貴は瞑想を止め、立ち上がると日輪刀を両腰に2本、背中に3本、更には天元から貰った小型爆弾数個を隊服に忍ばせるという特殊な装備に身を包み屋敷を出てカナエ達の元へと走り出す。

 

「頼む…私の嫌な予感が当たってくれるなよ!」

 

大貴は普段の冷静さをかなぐり捨て、焦燥に駆られた表情で必死に走る。

 

全ては最悪の事態を防ぐために……

 

 

 

「宗教団体の名前は万世極楽教…日中から調べてきたけど、名前しか分からなかったわね…夜になったし、そろそろしのぶと合流しなきゃ」

 

大体の情報収集が終わり、カナエはしのぶと再び合流しようと移動を始めようとする。

 

だが…

 

「良い夜だね。 でもこんな夜に女の子1人じゃ危ないぜ?」

 

「!?」

 

突如背後から声が聞こえ、カナエは咄嗟に後ろを振り向く。

 

するとカナエの10メートル程先に色男がいた。

 

その容姿は閻魔を思わせる帽子を被り、上が血が垂れたような赤い服に下がベルトの付いた白い袴、両手には黄金の扇子を持ち、髪はまるで血を被ったような模様のついた白橡色の長髪をしていた。

 

そして目は煌びやかな虹色をしており、左目の眼球に上弦、右目の眼球に弐と刻まれた…人間ではなく鬼…それも十二鬼月の中でも強力な上弦の鬼であった……

 

「…(じ、上弦の鬼!?)」

 

予想外の鬼の出現にカナエは内心焦りを覚える。

 

「あれ? その刀に羽織…へぇー、君そんなに可愛いのに鬼殺隊の隊士、それも柱なのかい? 見かけによらないな」

 

「……」

 

「うーん、何か喋ってくれないと俺が独り言言ってるみたいじゃないか? そういえば自己紹介がまだだったね。 俺は十二鬼月上弦の弐、名を童磨って言うんだよろしく」

 

「…ご丁寧にありがとう。 私は鬼殺隊花柱…胡蝶カナエよ」

 

「カナエちゃんか! うん、君に似合った可愛いらしい名前だ!」

 

ニコニコと笑う童磨。

 

しかし、カナエは童磨の笑みに違和感を感じる。

 

「(この鬼の表情…心から笑っているわけじゃないみたい…まるで”感情が無い”みたいで酷く不気味…)…お上手ね。 一つ聞きたいのだけど良いかしら?」

 

「なんだい? 俺は誰に対しても優しいから答えてあげるぜ?」

 

「女性ばかりを狙っている鬼とはあなたかしら?」

 

「正解! 良く分かったね!」

 

確信を突いたカナエの発言に即答し、扇子を畳んで拍手までする童磨。

 

「何故女性ばかりを狙うの?」

 

「ん? 単に食べた時美味しいからだよ。 男って不味いし。 女は腹の中で赤ん坊をそだてられるぐらい栄養分を持っているんだから美味しいのは当たり前なんだけどね。 それに、俺は彼女達を食べてあげることで救っているんだぜ?」

 

「救う?」

 

食べるのに救うという童磨の発言にカナエは疑問を覚え、問いかける。

 

 

「そう。 彼女達は俺に食われることで俺の中で永遠に生き続けるんだ。 もう苦しくないし辛くもない、俺の身体の一部になれば幸せだよ。 幸せになるってことは俺が彼女達を救っているのと同義だ。 どうだい、間違ってないだろ?」

 

「…あなた…可哀想な鬼ね…狂っているわ…」

 

童磨に対し憐れむ視線を向けるカナエ。

 

「可愛い顔して酷いこと言うな君は。 俺も悲しくはなるんだぜ?」

 

言葉とは裏腹に童磨は笑みを隠さない。

 

「上弦の弐、狂っているあなたに言っても無駄かもしれないけど一応聞いておくわ。 今からでも人間と共存するつもりはない?」

 

「!?」

 

カナエの言葉に流石の童磨も返事を忘れて目を丸くする。

 

しかし、次の瞬間

 

「ククク…アハハハハ!!」

 

肩を震わせたかと思うと大きく笑い出した。

 

「アハハハハ!! 面白いこと言うねカナエちゃんは! そんなの無理だろ?」

 

「…でしょうね…」

 

馬鹿にしたように共存を拒否され、カナエは顔を俯かせる。

 

「アハハハハ! こんなに笑ったのは久しぶりだよ! 成る程ね、心底カナエちゃんが優しい娘なんだってのは良く分かったよ。 気に入った! 君は俺に救われるべきだよカナエちゃん! 君は尊い! 俺の身体の一部となって永遠に生き続けてくれ!」

 

童磨は高らかにそう宣言すると畳んでいた扇子を広げ、カナエに襲い掛かった。

 

「!?」

 

ガギン!

 

それを見たカナエは日輪刀を抜刀し、応戦する。

 

キン!

 

童磨の扇子を弾くとカナエは多少距離をとる。

 

 

「女の子とはいえ流石は柱だね。 俺の初手を難なく防ぐとは…仕方ないな、少し力を出すか?…血鬼術、蓮葉氷(はすはごおり)」

 

 

童磨は右の扇子を振るう。

 

すると、蓮の花のような氷が発生し、その強烈な冷気がカナエに殺到する。

氷からは掠めるだけでも凍結させられる程の強烈な冷気が発せられる。

 

 

ゾクッ

 

「!? 花の呼吸・伍ノ型、徒の芍薬(あだのしゃくやく)!」

 

この冷気は掠っただけでも不味いと瞬時に悟り、カナエは9連撃の斬撃を放ち、冷気を逃し霧散させる。

 

「冷気が掻き消されたか、やっぱりやるなー。 なら、今度はこれだ…血鬼術、粉凍り(こなごおり)」

 

童磨は再び扇子を振ると別の血鬼術を放つ。

 

「くっ!? 花の呼吸・弐ノ型、御影梅!」

 

それに対しカナエも花の呼吸で応戦する。

 

鬼殺隊花柱と上弦の弐の激闘が幕を開けた。

 

果たしてカナエは上弦の鬼相手に勝つことは出来るのだろうか?……





ついにサイコパスでお馴染み童磨さんが登場しました。

胸騒ぎを覚え屋敷を飛び出した大貴は果たして間に合うのでしょうか?

次回をよろしくお願いします。

後のちハガレンのホムンクルスの能力を血鬼術として使う鬼を出そうと思うのですが、誰が良いでしょうか? 勿論、出さないという意見もオッケーなのでよろしくお願いします。

  • ラスト
  • グラトニー
  • エンヴィー
  • グリード
  • スロウス
  • プライド
  • 出さない
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