20話にしてやっと原作主人公が出ます。
「鬼であろうと無かろうとやっぱり可愛いは正義だわ〜♪ ねえ大貴君、どうしても禰豆子ちゃんを蝶屋敷へ連れて行っては駄目なのかしら?」
「カナエ君、先程も言ったが流石に駄目だろう」
「どうしてよ〜! 可愛いは正義なのよ〜!」
「…とりあえず君は少し落ち着きたまえ…」
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あれから禰豆子の可愛さに暴走するカナエを何とか鎮め、禰豆子を再び眠らせると大貴とカナエは鱗滝と再び会話をしていた。
そこへ
「鱗滝さん今戻りました!」
元気の良い声と共に入り口の引戸が開かれ、大貴とカナエとあまり歳が違わないような見た目の少女が中に入ってきた。
「真菰か。 買い出しご苦労だったな」
「気にしないで下さい! 私も久しぶりに町に行けたから良かったですし…あれ? もしかしてお二人が連絡がきていた柱の方でしょうか?」
「うむ、そうだが…君は?」
「! 自己紹介が遅れてしまい申し訳ありません! 私は真菰と言います。歳は18で、以前は鬼殺隊へ入る為に鱗滝さんの元で修行をしていたのですが、最終選別での負傷が原因で隊士として戦うことが出来なくなってしまい、それ以来鱗滝さんのお付きのようなものをさせてもらっています。 以後よろしくお願いします!」
大貴の問いに少女…真菰は自らの自己紹介をすると2人に頭を下げる。
「ああ。 私は剣柱の悲鳴嶼大貴という、歳は19だ。 よろしく頼むよ」
「ええ、よろしくね。 私は花柱の胡蝶カナエ。 歳は大貴君と同じ19歳よ」
大貴とカナエと真菰は簡単な挨拶を済ませる。
「あっ! 鱗滝さん、禰豆子は起きてますか?」
「先程までは起きていたが、今は眠っている…どうかしたのか?」
「特に何があるというわけではないのですけど…禰豆子を見て癒されたいなーなんて思って」
「真菰…」
鱗滝はまた始まったと言わんばかりに額を抑える。
「だって禰豆子凄く可愛いんですもん! 外から帰ってきたら一度は見ておきたいんです!」
「………」
ドヤ顔でそう言う真菰に鱗滝は天狗の面越しでも分かる程に疲れた表情を見せる。
「あら、真菰さんも禰豆子ちゃんが可愛いと思うのね♪ 私もよ〜♪」
更にそこへ暴走がやっと止まったばかりのカナエまでも乱入する。
「花柱様もですか!? そうですよねー禰豆子は可愛いですよねー?」
「ええ、とても鬼とは思えない程に可愛いわ〜♪ 真菰さん、花柱なんて堅苦しく呼ばなくて構わないわよ? 歳も近いようだし、何より禰豆子ちゃんを可愛いと思う者同士気が合いそうだもの♪」
「ありがとうございます! それではカナエさんと呼ばせてもらいますね!」
「ええ、改めてよろしくね♪」
禰豆子を可愛いと思う者同士で急に気さくにガールズトークを始めるカナエと真菰。
「…大貴よ」
不意に鱗滝が隣に居る大貴に声を掛ける。
「何でしょう鱗滝さん」
「女同士が共通の話題で話し始めると長いぞ…」
「…でしょうな…」
大貴も経験があるのか何処か遠い目をして返答する。
「…せっかくだ、茶でも付き合え。 女同士の話が終わるのをずっと待っているよりは良いだろう?」
「喜んで付き合わせていただきますよ」
大貴と鱗滝はカナエと真菰の話が長くなると見越し、茶を飲んで会話に興じることにした。
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「というわけなのよ〜♪」
「フフッ! それは面白いですねー!」
「「……」」
未だガールズトークをするカナエと真菰に鱗滝はげんなりとし、大貴は苦笑する。
そう、あれから暫く経ったものの、カナエと真菰は相性が良かったのか未だに話し続けていた…
そんな時!
「戻りました!」
引戸が開かれ、先程、真菰が帰ってきた時と似たような形でとある少年が元気良く中に入ってくる。
「…戻ったか炭治郎…」
何処か疲れた様子で鱗滝が少年…竈門炭治郎に返事を返す。
「ど、どうかしたんですか鱗滝さん!? 何だか滅茶苦茶疲れてますよ!?」
「…気にするな…」
「き、気にするなと言われても…」
「少年、あまり詮索するものではない」
「えっ? 貴方は…?」
声を掛けられたことでようやく大貴のことを認識したらしく、炭治郎は彼に問う。
「私は鬼殺隊剣柱の悲鳴嶼大貴という者だ」
「き、鬼殺隊の方!? い、妹を、こ、殺しにきたのですか!?」
「まあ、落ち着き給え少年。 私達は君の妹に手を出す気はない」
後退りする炭治郎に大貴は軽く笑うと手で制し、禰豆子を殺す気が無いことを伝える。
「…(嘘をついている匂いはしない…悪い人にも見えない…だが…この人…どうしても警戒してしまう…)」
しかし、大貴から無意識に発せられる強者の闘気により悪い人ではないと感じながらも警戒する炭治郎。
「ふむ…鱗滝さん、彼に話は?」
「炭治郎にはお前達が来ることは知らせていなかった。 下手に意識することで鍛錬に支障をきたす恐れがあったからな」
「成る程、確かにそれは正しい判断ですね。 さて…何から話せば良いものか…」
顎に手をやり、どう伝えれば良いか思案する大貴。
そこへ
「大貴君、とりあえず無意識に出してるその闘気消した方が良いと思うわ。 その子、まだ鍛錬を始めたばかりなんでしょ? その状態で大貴君の闘気を感じたらどうしても警戒してしまうわ」
「むっ? 済まない少年、つい癖でな…」
真菰とのガールトークを切り上げこちらへやって来たカナエに諌められ、大貴は闘気を霧散させる。
すると、炭治郎も幾分か警戒を緩めた。
「炭治郎。 お前には伝えていなかったが、鬼殺隊から階級の最高位…柱が2人やって来ると鬼殺隊の頭目であるお館様とお前も知る義勇から鴉を通じて伝令が来ていたのだ」
炭治郎の警戒が緩んだのを感じ取ると鱗滝は彼に軽く経緯を説明する。
鬼殺隊のお館…産屋敷耀哉の存在や階級の最高位である柱など始めて知ることが多く、いまいち現状が飲み込めない炭治郎に大貴とカナエも補足を入れ、彼に分かり易く説明した。
その為、話が長時間となってしまうがその甲斐もあり炭治郎は大貴とカナエが此処にやって来た理由をあらかた理解することが出来た。
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夜・鱗滝屋敷
「…お2人が鬼殺隊のお館様の命で俺と禰豆子に会いに来たということは分かりました」
「理解してもらえたようで何よりだ」
「少し話して見て炭治郎君も良い子みたいで安心したわ〜」
「ムー!」
カナエの言葉に禰豆子は″お兄ちゃんは良い子です!″と言わんばかりに声を上げ、首を縦に振る。
「悲鳴嶼さんに胡蝶さん」
「何かね? そうそう、私の義兄も柱でね、入隊した際には君も義兄に会う機会があるだろう。 苗字で呼ばれると紛らわしい、出来れば名前で呼んでもらえると助かる」
「私も妹が柱なの。 だから気軽に名前で呼んでね」
「わかりました! ならこれからは悲鳴嶼さんを大貴さん、胡蝶さんをカナエさんとお呼びします!」
「それで良いよ。 ところで何かね?」
「お2人にお館様に冨岡さん、皆さんが禰豆子のことを容認してくれていることは話から分かりました。 ですが、他の方達は…」
「待ちたまえ、君の言わんとしていることはみなまで言なくとも分かる。 ふむ… 禰豆子君が他の鬼とは違うということは私も実際に見て良く分かったよ。 だが、どうしても鬼とは相容れないという者が鬼殺隊には大勢居る。 何故ならその者達は家族や友人、恋人などを鬼に殺され、鬼への恨み、憎しみを持ち…鬼殺隊への入隊を希望する…そういった経緯がある者が大半なのだよ。 かくいう私も幼い頃に家族も同然だった少年少女達を鬼に殺され、2年前にはカナエ君を鬼によって失いかけた…鬼に恨みや憎しみが無いと言えば嘘になる…君も禰豆子君以外の家族を鬼に殺されたというではないか?」
「俺も正直家族を殺した鬼…鬼舞辻無惨は憎いです! ですが、俺はこうも考えてしまうんです! ″他の鬼達は皆が皆全てが悪いわけではなく、鬼舞辻に鬼にされたことで狂ってしまい、変貌してしまったのではないかと!″」
「!? 竈門炭治郎君…あまりそのようなことを私達以外の鬼殺隊の者達…特に柱を前に言わん方が良い…最悪鬼に取り憑かれていると見做され殺されるぞ?」
大貴は自分の義兄である行冥ならばそうしかねないと想像し、炭治郎に忠告する。
「分かっています! ですが、どうしてもそう思えて仕方ないんです! 禰豆子がこうやって人を襲わずに未だ過ごせている…もしかすると禰豆子と同じく人を襲わない鬼が何処かに居るかもしれない! そんな鬼と分かり合い、共存出来るのではないかと! だって鬼達も元は人間だった筈なんですから!」
「竈門炭治郎君…」
「待って大貴君」
心の底からの炭治郎の叫びに大貴は彼を諌めようとするが、カナエに制される。
「炭治郎君、貴方の考えとても共感出来るわ。 私も昔から鬼と仲良くなって共存出来ないかって何度も思って様々な鬼に声を掛けてきた。 でも全然駄目だったわ…仲良くなろうと声を掛けては断られ戦い、仲良くなるどころかその数だけ鬼を殺してきた…2年前には危うく自分が殺されるところだったわ…正直共存なんてやっぱり出来ないんじゃないのかなって思い始めていたの…禰豆子ちゃんの話を聞くまではね?」
カナエはそこまで言うと、傍に居る禰豆子の頭を撫でる。
「カナエさん…」
「禰豆子ちゃんの話を聞いて、実際にこの子に会って絶望が希望に変わったわ。 そして炭治郎君、貴方の考えを聞いて私は間違ってないと確信出来たの。 私も諦めずにこれからも鬼に声を掛け続けるわ! だから炭治郎君も自分の信念を曲げずに頑張りなさい! 良いわね?」
「!! は、はい!」
「フフッ、よろしい♪」
炭治郎の返事にカナエは満面の笑みを浮かべる。
「カナエ君…やれやれ、お館様は寛容だし、しのぶ君や冨岡君ならば問題ないが、事情を知らない他の柱や隊士達に今の発言を聞かれたら色々と不味いぞ?」
「大丈夫よ♪ 何とかなるわきっと♪」
「何処からその自信が来るのかね?…」
「えっ?…直感…かな?」
「疑問で返さないでくれ…」
自分の忠告にもニコニコしながらそう言い切るカナエに大貴は肩をすくめ呆れるが、彼女の雰囲気による影響か不思議と何とかなるような気がするのだった。
「…お前達の考えに口を出す気は無いが、くれぐれも気をつけることだ」
そんな3人に鱗滝は一言掛けるが声色から皆を案じているのが感じられた。
それを察してか3人は力強く頷く。
そこへ
「良しっと! 皆さーん! ご飯が出来ましたよー!」
会話に加わらずに夕食を作っていた真菰が丁度作り終わったのか皆に声を掛ける。
「丁度真菰が飯を作り終えたことだ、とりあえずこの話は終わりにして食事にしよう」
鱗滝の締めの言葉を受け、皆は器を用意したり料理をよそったりして真菰を手伝う。
そして、和やかに食事を摂るのであった。
小話
「ねえ炭治郎君、相談があるのだけれど?」
「何ですかカナエさん?」
「禰豆子ちゃんを少しの間で良いから預かりたいのだけれど「お断りします!」 えぇ〜!?」
「何だかカナエさんに預けてしまったら最後、禰豆子は戻って来ないような気がするので!」
「ち、ちょっと〜! そんなことはないわよ〜! うちの末の妹にしてずっと住んでもらおうなんて考えてないんだから〜!」
「…カナエ君、下心が口から出ているぞ?」
「えっ!?」
「やっぱり禰豆子を返す気ないじゃないですか! 絶対に渡しません!」
「そ、そんな〜…大貴くーん!」
禰豆子を庇う様に彼女の前に出て自分の背後に隠す炭治郎を前にこの世の終わりのような顔をし、大貴に泣きつくカナエ。
「全く、身から出た錆ではないか…」
呆れながらもカナエをよしよしと言わんばかりに宥める大貴。
何だかんだでカナエに対し大貴は甘いのである。
「そういえば鱗滝さん」
「どうした真菰?」
「炭治郎の鍛錬が終わったら禰豆子も此処から居なくなるんですよね?」
「うむ、そうだg「駄目ですそんなの! 禰豆子が居ない日常なんてあり得ないです! 禰豆子が出て行くなら私もついて行きます!」…また始まったか…」
暴走を始めた真菰に鱗滝は頭を抑える。
「「禰豆子(ちゃん)が居ない日常なんて嫌だ! 嫌だ! 嫌だ!」」
「「「……」」」
暴走するカナエと真菰に男性陣は止めるのに四苦八苦したそうな…
「ムー?」
自分のことでこうなっているにも関わらず、禰豆子は呑気に首を傾けていた……
終わり
というわけで真菰は生存しています。
理由としてはネタバレとなりますが、手鬼がもう居ないからです。
手鬼はこの物語では錆兎が自分の命と引き換えに相討ちで殺したということにしています。
ですが真菰は最終選別で生き残ったものの、その時の怪我…自身の持ち味である機動力の要である左足の腱へのダメージによって隊士になれずにリタイアしました。
日常生活には特に問題ないのですが、隊士としてはやっていくことが出来ずに断念したというわけですね。
それ以来、師である鱗滝さんの元で彼の付き人のようなものをして過ごしています。
鱗滝さんも彼女のことを娘のように思っているので近いうちに養子となり、鱗滝性になるかも?
というわけで次回をよろしくお願いします。
後のちハガレンのホムンクルスの能力を血鬼術として使う鬼を出そうと思うのですが、誰が良いでしょうか? 勿論、出さないという意見もオッケーなのでよろしくお願いします。
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ラスト
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グラトニー
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エンヴィー
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グリード
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スロウス
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プライド
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出さない