鬼滅の刃〜最強の眼を持つ剣士〜   作:死徒

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アンケートの結果、出さないが一位、グリードが二位ということで、どちらも投票数が100以上ということもあり、間をとってグリードの能力を持つ鬼は出しますが、物語に深く絡ませずにちょい役で終わらせるということにします。

その鬼が話の中で人気が出てきた場合にはちょい役では終わらず生存するかも…期待は薄いですが…


硬欲

炭治郎と禰豆子に会う為、大貴達が鱗滝の元を訪れて早数ヶ月が経った。

 

 

1912年・11月

 

「女性を襲わない鬼?」

 

任務帰り、大貴の屋敷に立ち寄ったカナエによってもたらされた情報に大貴は不審がる。

 

「ええ。 不思議なことにその鬼は男性は襲うけど、その場に居合わせた女性には何もせずに見逃すそうなの」

 

「ふむ。 あの上弦の弐…童磨とは真逆な感じだな」

 

「…上弦の弐…」

 

「! 済まないカナエ君…嫌なことを思い出させた」

 

失言を言ってしまい、大貴はカナエに謝罪する。

 

「ううん! 気にしないで! 上弦の弐は強いけど、私もあの時とは違うわ♪ 花の呼吸の技も増えたし、あの肺を凍らせる血鬼術に対抗する術も身につけたから次は絶対に負けないわ!」

 

2年前、童磨に一方的にやられたのが余程悔しかったのか、カナエは珍しく好戦的な一面を見せる。

 

「そうか。 だが、無理はしないでくれ。 私は君を失いたくないのでな」

 

「フフッ♪ 心配してくれてありがとう、気をつけるわね♪」

 

「頼むよ。 さて、私も任務に向かうとするか」

 

「あら? 大貴君も任務なの?」

 

「ああ。 何でも近くの村で鬼による被害が出ているらしくてな、私にその鬼を討伐するようにと任務が来たんだ」

 

「そう……大貴君が私を心配してくれるみたいに、私も貴方のことが心配なの…無事に帰ってきてね♪」

 

「うむ、君を残して死ぬつもりは無い。 必ず帰ってくるから安心してくれ」

 

「ええ、わかったわ♪」

 

チュ

 

カナエはニッコリと頷くと、不意に大貴の口にキスをした。

 

「!? カナエ君…驚くから止めてくれ」

 

「約束の意味合いを込めての接吻だったのだけれど嫌だったかしら?」

 

「誰も嫌とは言っていないだろう? むしろ嬉しいよ…だが」

 

チュ

 

「////」

 

「こういうことは男から先にやるものだろう?」

 

「も、もう…大好き////…何度も言うけど必ず帰ってきてね!」

 

「無論だ。 では行ってくるよ」

 

「行ってらっしゃい♪」

 

 

とある村・夜

 

 

カナエと別れた大貴は任務先の村へと到着していた。

 

しかし…

 

「これは…酷いものだな…」

 

家々は破壊されて廃墟同然となり、辺りには血肉が散乱していた…

 

「むっ!?」

 

ズバッ!

 

「ウギャー!!…」

 

ドサッ

 

突如、廃墟となった家から飛び出し不意打ちを仕掛けてきたトカゲのような尻尾が特徴的の鬼に大貴は日輪刀を瞬時に抜刀し、一瞬の内にその頸を落とした。

 

鬼は断末魔の叫びを上げて灰となり消えていく。

 

「…倒しても鬼の気配は残ったままか…どうやら件の鬼は徒党を組んでいると見た方が良さそうだ」

 

刀を鞘に戻しながら「鬼が徒党を組むなどあまり見ないがな」と付け加える大貴。

 

暫く進むと月明かりに照らされ、複数の人影が見えてくる。

 

 

 

「嫌! 止めて!」

 

「おいおい、俺は女子供を食う趣味はねえんだ…だから大人しく俺の女になっとけって」

 

洋風の黒いズボンに上には外套を着た男の鬼が嫌がる人間の女性を拘束する。

 

「そうだぜ人間の女! この方はこう見えて女子供には優しいんだぜ?…俺にはお前がただのエサにしか見えねe

 

ガン!

 

黒服の鬼の言葉に補足する道着のような白い服を着た男の鬼。

 

だが、隣にいた金の短髪が特徴的な軍服のような服を着た女の鬼に拳骨を食らい悶える。

 

「痛てーな! 何すんだ!」

 

「アンタがそう言うからますます怖がるんだよ…こういう時は怖がらせないようにだね…」

 

「ヒッ!?」

 

ドヤ顔で女性へ向けて微笑む女鬼だが、笑い方が明らかな作り笑いで口からは涎まで垂らしていた為、ますます女性を怖がらせる結果に終わる。

 

「そう言いながらお前も口から涎出てんぞ? しかも偉そうなこと言って自分が怖がらせてるしよ」

 

「!? うるさいよ!!」

 

案の定、男鬼に指摘され女鬼はキレる。

 

「…美味そうだ…」

 

漫才のようなやりとりを見せる男女の鬼と静かに佇み涎を垂らしながら一言そう呟く青色の軍服のような服を着た筋骨隆々とした男鬼。

 

「待て待てお前ら! 食うのは男だけだ! 女子供を食うのは俺の信条が許さねえ!…守らなかったらいくらお前らでも…分かってるよな?」

 

「「「!?…はい、すいません…」」」

 

黒服の鬼は右手の手首辺りまでを血鬼術と思わしきものを使い、一瞬にして黒く変色させると不機嫌さを露わにし、3鬼に牽制する。

 

それを見た3鬼はまずいと思ったのか咄嗟に謝る。

 

「悪かったな女、怖がらせちまってよ! 安心しろ、さっきも言ったが俺は女子供には手を出さねえ! さあ、俺の女になれよ」

 

「い、嫌よ! 貴方達は私の家族みんなを殺した! そんな奴らのとこに行くなんて御免よ!」

 

「みんな?…あーあ、男系の家の娘かお前。 話から察するに母親は既に死んじまって家族は父親と兄貴ってとこか? そりゃ仕方ねえな…俺は女子供には手を出さねえが、それ以外…男は別だ。 普通に殺すし食うぜ? お前ら人間も肉や魚を食う…何も変わらねえだろ? 食わなきゃ死ぬのはお前ら人間も俺ら鬼も同じだ」

 

「…私達は貴方達とは違う!」

 

「何が違うんだ? 食わなきゃ死ぬって点では同じだろ? ただ…食料が違うってだけだ。 分かったらさっさと来い! あんまり手間取らせるってんなら無理にでも連れて行くぜ!」

 

黒服の鬼に無理矢理連れて行かれそうになる女性。

 

「それは困る」

 

そこへ

 

大貴が静かにゆっくりと歩いてその場に現れた。

 

「ん? 誰だお前?」

 

「硬欲さん! コイツ鬼狩りだ!」

 

「しかも羽織を着ていることから察するに柱です!」

 

「…村の入り口は石竜牙(とかげ)が見張って居た筈…奴にやられたか…」

 

「村の入り口に居た長い尾を持った鬼かね? 不意打ちをしてきたが随分と愚鈍な動きだったものでね? 苦しまんように一撃で頸を刎ねてやったよ」

 

「…へえー、俺の部下が世話になった見てえだな?」

 

「部下か…鬼は基本的に群れて行動することは無い筈なのだがね?」

 

「ありえねえってか? だが、現に俺はこいつらを部下として引き連れている…ありえないなんてことはありえないんだよ!」

 

「中々意味深な言葉だな…だがね、私は君と無駄な問答をしに来たわけではないのだよ」

 

「!!?」

 

ズバッ!

 

大貴は言葉を切ると瞬時に抜刀し足に力を入れて踏み込み、黒服の鬼…硬欲に向かって殺到、硬欲は迎撃しようとするがあまりの速度に反応が遅れ右腕の手首から先を斬り飛ばされてしまった。

 

その隙に女性は硬欲の元から離脱する。

 

「ほう…今の一撃で頸を落とすつもりだったのだがね…さあ、今のうちに行き給え」

 

「は、はい! ありがとうございます!」

 

大貴に促され、女性は彼にお礼を言うと一目散に逃げ出す。

 

「て、てめえ…」

 

怒りに表情を歪める硬欲。

 

「硬欲さん!」

 

「この野郎!」

 

「…むぅん!」

 

一瞬で傷を負わせられた硬欲に3鬼達は血相を変えて大貴に襲い掛かる。

 

だが…

 

「やれやれだ…」

 

ズバッ! ズバッ! ズバッ! ブシャー… ドサッ ドサッ ドサッ

 

更に刀を抜き、二刀となった大貴はそれに対し冷静に対応、流れるような動作で3鬼の頸を刈り取った。

 

「…おいおい鬼殺隊の柱さんよー、どうしてくれんだ俺の部下をこんなにしちまって」

 

右腕の再生を終えた硬欲が灰と化していく3鬼を一瞥し、無表情で呟く。

 

「別に問題ないだろう? 直ぐに灰となって消えるのだからな…それとも何か? 部下に対して情でも湧いたのかね?」

 

「情だと? 阿呆か! この俺を誰だと思ってやがる! 硬欲様だぞ? 俺は何もかもこの世の全てが欲しいんだよ! 部下は俺の所有物だ! 俺は俺の所有物に手を出されるのが我慢ならねえんだよ! 俺は欲が深いからな! 部下を殺した償いはきっちりと取ってもらうぜ…てめえの命でな!!」

 

硬欲が叫びを上げると、彼の身体が徐々に黒く染まっていく…

 

「むっ!?」

 

その変貌ぶりに只ならぬものを感じ、硬欲に向かう大貴だったが一足遅かった。

 

「これはちょいと気持ち悪い姿になるからあんまり好きじゃねえんだけどな…だが、これでてめえは俺に傷一つ負わせることは出来ねえぜ?」

 

そう宣言する硬欲は身体全体が完全に黒く染まり、爪はより鋭利になり、頭部がまるで悪魔を思わせるようなものへと変わっていた。

 

「ほう…ならば試してみよう!」

 

悪魔のような姿に変貌した硬欲を前に立ち止まり、様子を伺っていた大貴だったが再び足に力を入れて踏み込み、二刀を振りかぶり硬欲に斬り掛かる。

 

しかし!

 

キキン!!

 

「!?」

 

硬欲の頸へと振り落とされた二本の日輪刀だったが、ありえないことに頸に当たった瞬間金属同士がぶつかり合った音が鳴り響き、あっさりと防がれてしまう。

 

その光景に大貴は目を見開く。

 

「言ったろ? 俺に傷一つ負わせることは出来ねえってな!」

 

「ちっ!?」

 

その隙を付き、硬欲はより鋭利となった爪を振り上げ大貴を切り裂こうとするが、紙一重でかわされる。

 

大貴はその動きを利用して硬欲から一定の距離をとる。

 

「まさか本当に斬れんとはな、肉体を硬質化させるとは…厄介な血鬼術だ」

 

「いくら斬ろうが無駄だ! 諦めて死ね!」

 

硬欲の凶手が大貴に襲い掛かる。

 

だが、大貴は全てかわす。

 

「ちょこまかと逃げるだけか? あぁ!?」

 

「そんな挑発に乗ってわざわざ受け止めようとする程私は酔狂ではないのでね…だが、まあ、ちょっとした反撃くらいはさせてもらおうか?」

 

大貴は回避しながら懐に手を入れ、中から天元謹製の爆弾を取り出す。

 

そして、器用にも避けながら起爆の下準備を行っていく。

 

「!?」

 

硬欲は大貴の持っているものが爆弾だと気付くと、流石に不味いと感じたのか起爆を防ごうと更に攻撃の速度を上げるが、それでも大貴を捉えることが出来ない。

 

「これで準備は終わりだ…さて、刀で斬れないのなら爆弾ではどうかな?」

 

大貴は硬欲の手刀の連撃の僅かな隙を見逃さず、爆弾を投げつけ、自身は瞬時に足に力を込めて後方に大きく退がる。

 

「!! く、くそが!?」

 

自身の目の前に浮かぶ起爆寸前の爆弾に硬欲は悪態をつく。

 

その直後!

 

カッ……チュドォーン!!

 

一瞬の光の後、爆弾は轟音と共に爆発を起こし、硬欲の姿は爆炎の中に消えていくのだった。




というわけでグリードさん?登場でした。
名前は良いのが思い浮かばなかったので、炭素硬化と強欲を合わせて安易に硬欲としました…

後、途中で出てきた部下の4鬼達は最初に倒された石竜牙のみ名前が出ておりましたが、ハガレンの初代グリードの部下ドルチェット、ロア、マーテル、ビドーと思っていただければ…

3鬼に名前がついてませんが…まあ、やられキャラでもう出てこないのでご了承下さい。

余談ですがちなみに硬欲は十二鬼月で無いにも関わらず上弦と同等の実力があり、無惨様にも一目置かれていましたが、満たされない欲に苛立ちが募り、最終的に力任せに無惨様の呪いを自力で外しています。

そして、呪いが無くなった硬欲はそれに気付くと直ぐさま脱走しました。

4鬼は呪いが残っている為、無惨様は探ろうとすれば硬欲を直ぐに発見出来ましたが、十二鬼月でもない末端の鬼の思考までわざわざあの無惨様が一々読む筈がなく、無惨様の中では未だに硬欲の行方は不明という感じになっています。

ようは相変わらずの無惨様クオリティということですね。

さて、天元謹製の殺傷力が高い爆弾を硬化の上からとはいえまともに受けた硬欲はどうなったのか?

次回もよろしくお願いします!
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