鬼滅の刃〜最強の眼を持つ剣士〜   作:死徒

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中々更新出来ず申し訳ありません。

しかも駄文です…


退院と同居

1912年・12月・蝶屋敷

 

「…不味いな、機能回復訓練は受けたがこのひと月実戦を全くしていない…このままでは鈍ってしまう…」

 

ふと大貴が冷や汗を流しながら呟く。

 

あの激戦からひと月が過ぎていたが、大貴は未だに蝶屋敷を出れずにいた。

 

猗窩座から受けた腹部の傷がまだ癒えていないから……

 

勿論そんな筈は無く、その傷は1週間程で癒えていた。

 

それなのに何故未だに静養しているのか…と皆が思うだろう。

 

理由は至って簡単だ。

 

何故ならば…この屋敷の主人が大貴が退院する許可をひと月経った今でも出していないからである。

 

コンコン

 

「大貴君、入るわね」

 

「ああ構わんよ、入ってくれ」

 

噂をすれば影がさすとは良く言ったもので、その張本人であるカナエが大貴にあてがわれた部屋へとやって来た。

 

「上弦の参から受けた傷はもう大丈夫?」

 

「カナエ君、もうとっくに治っているのは君が1番良く分かっているだろう?…というよりこのやりとりはこれで何回目だ?」

 

「あら? 私そんなに何回も聞いていたかしら?」

 

「正直、最早数えきれん程君から聞かれているよ…カナエ君、私はそろそろ退院しては駄目なのかね?」

 

「まだ駄目…って言いたいところなんだけど、あれからもうひと月も経ってるし、お館様からも大貴君をそろそろ復帰させて欲しいってお願いされちゃったから今日で退院してもらって大丈夫よ♪」

 

「…長かった…だが、大変世話になったよ。 ありがとうカナエk「ただし、経過観察しなきゃいけないから、しばらくの間大貴君の屋敷に住ませてもらうわね♪」なっ!?」

 

「ちなみにお館様からのお許しも出ているわ♪」

 

「だが、普段から柱が2人も同じ場所に居ては有事の際に対処が遅くなるのでは…」

 

「それを言ったら私としのぶが今同じ場所で暮らしているのも問題じゃない?」

 

「それは君達が柱とはいえ、お互いが医療に通じているからという特例だろう?」

 

「それはそうかもしれないけど……もー! とにかく、お館様のお許しも出ているのだから大貴君に拒否権はありません! 良いわね?」

 

言葉巧みにカナエが住むのを回避しようとする大貴に、ムキになったカナエは耀哉の名を出し拒否出来ないようにする。

 

「…仕方ないな…暫くの間よろしく頼む」

 

そう言われては大貴も最早打つ手が無く、カナエと暫く一緒に住むことを了承するしかなかった。

 

それを聞いたカナエはガッツポーズをする。

 

「フフッ♪ 大貴君と一緒に暮らせる♪ 幸せだわ〜♪」

 

「私も正直、恋人である君と過ごせるのは嬉しいよ。 だが、君が不在で此処は大丈夫なのか?」

 

「ええ♪ 私は名目上はこの蝶屋敷の主人だけど、実質的に管理しているのはしのぶだからあの子が居れば大丈夫。 しのぶが任務に行く時もアオイが代行出来るから問題ないわ。 アオイ達だけではどうにもならない時があれば私に連絡が来る手筈になってるから。 それに…」

 

「それに?」

 

「暫く此処で研修を受ける新人さんもいるから。 大貴君も知ってる人よ?」

 

「誰かね?」

 

「真菰さんよ」

 

「真菰君!? 何故彼女が?」

 

新人の正体が真菰だったことに大貴は驚く。

 

「前に私達が鱗滝さんのところに行った後にしのぶ達も行った時があったじゃない? その時真菰さんがしのぶに、鱗滝さんや炭治郎君や禰豆子ちゃんの為に医学を学びたいって言ってたみたいでね、それならうちで学んだら良いって話になってついこの間から働いてもらってるの」

 

「成る程な、そういうことだったのか」

 

「まだ色々教えてる最中だったから大貴君に会わせてなかったんだけど、会う?」

 

「いいや、医学を学ぶ彼女の時間を割くのは申し訳ないのでな、今は遠慮しておくよ」

 

「そう、分かったわ。 退院は今日でも出来るようにはなってるけどどうする?」

 

「そうだな…だが、カナエ君も暫く一緒に暮らすというのなら準備が必要だろう? 今日だと厳しいのではないか?」

 

「あっ! それなら問題ないわ、必要な荷物はもう纏めてあるからいつでも行けるわよ♪」

 

「…準備が早いな」

 

「それはもう、お館様にお許しをいただいた時点で何が起きても直ぐに行けるように荷物を纏めていたもの♪ さあ、そうと決まれば早速大貴君の屋敷へ向かいましょ!」

 

ご機嫌な様子で大貴の手を取ると、先導して部屋の出口へと歩き出すカナエ。

 

「ちょっと待ってくれカナエ君」

 

「? どうかしたの?」

 

しかし大貴に呼び止められ、カナエは首を傾けながら問う。

 

「まだ私は病服だ、着替えねばならない」

 

「……!!//// ご、ごめんなさい! 席を外すから着替え終わったら声を掛けてね!」

 

大貴の言葉に暫し固まるカナエだったがその意味を理解すると顔を赤く染め上げ、大貴の手を離すとイソイソと部屋を出て行った。

 

その様子に大貴は溜め息を吐くと、病服から用意されていた隊服へと着替える。

 

溜め息を吐いていた大貴だったが、その表情は意外にもにこやかであった。

 

この男、何だかんだ言いながらもカナエと一緒に暮らせるのが嬉しいのだろう。

 

 

 

「待たせて済まなかった」

 

隊服に着替え終わると大貴は荷物を持ち、部屋の外で待っていたカナエの元へと現れる。

 

「良いの気にしないで! 私こそ大貴君が病服のままだったことを失念していて本当にごめんなさい!」

 

先程のことを気に病んでいたのかカナエは大貴に頭を下げて謝罪する。

 

「大丈夫だから頭を上げてくれ! さて、準備も終えたことだし行くとするか」

 

「ありがとう♪ ええ、行きましょ♪」

 

こうして大貴はカナエ同行の下漸く蝶屋敷を退院することが出来た。

 

そしていざ蝶屋敷を出ようとした時だった…

 

「…カ、カナエ姉さん!」

 

胡蝶姉妹の末っ子の胡蝶カナヲが2人の元に駆け寄ってきた。

 

「どうしたのカナヲ?」

 

そんなカナヲにカナエは問いかける。

 

「…暫くカナエ姉さんが剣柱様の屋敷に泊まり込みで向かうと聞いたから…」

 

「あら、それで見送りに来てくれたの?」

 

「…えっと…あの…その…」

 

カナヲは何かを言おうとするが、中々言葉にすることが出来ず悪戦苦闘する。

 

「?」

 

「カナヲ君焦らずとも大丈夫だ。 落ち着いて話し給え」

 

「!…は、はい…わ、私も…カナエ姉さんに着いて行っても駄目…かな?」

 

中々話し出せないカナヲだったが、大貴から諭され落ち着きながら言葉を纏め、カナエに自身の意思を伝えた。

 

「着いて来るって何かあったの?」

 

「…な、何か…あったわけじゃないんだけど…」

 

カナエの問いに再びしどろもどろになるカナヲ。

 

すると

 

「あっ! いたいた!」

 

3人の元に今度はしのぶがやって来た。

 

口ぶりから察するにカナエと大貴を探していたらしい。

 

「しのぶ?」

 

「君までどうしたのかね?」

 

「カナヲが居るってことは2人共本人から言われたと思うのだけれど姉さんが悲鳴嶼さんの屋敷へ行っている間、この子も一緒に連れて行って欲しいのよ。 花の呼吸を使うカナヲは姉さんが居ないと鍛錬が上手く出来ないから。 私が教えるにしても花の呼吸を派生させた蟲の呼吸では花の呼吸に慣れ始めたカナヲの成長に悪影響を与える可能性もあるし…」

 

「…確かに私が不在の間カナヲの鍛練が進まないのは不味いわね…しのぶの言う通り、違う呼吸を教えて上手くいくとも限らないし、それに最終選別まで後1年程…う〜ん…大貴君、カナヲも屋敷に連れて行って構わないかしら?」

 

「勿論構わんよ。 カナヲ君、私に気を遣う必要はないから私の屋敷でもいつも通りカナエ君に指導してもらいなさい」

 

「…は、はい!…あ、ありがとうございます!…そ、それと…暫くよろしくお願いします!」

 

カナヲは言葉に詰まりながらも大貴に礼を言う。

 

「ああ、よろしく。 では行くとしよう。 しのぶ君、このひと月世話になった、ありがとう」

 

「気にしないで下さい。 こちらこそ姉と妹が迷惑を掛けてしまうと思いますが、暫くの間よろしくお願いします!」

 

大貴としのぶは互いに頭を下げ合う。

 

「ちょっとしのぶ〜! 私は大貴君に迷惑を掛けるつもりはないわよ?」

 

「…わ、私も…」

 

先程のしのぶの発言を不服に思ったのかカナエとカナヲは反論する。

 

それを聞いたしのぶは2人を一瞥すると…

 

「…カナヲは大丈夫かもしれないけど、姉さんは確実に色々やらかすと思うわ…」

 

と口にした。

 

妹のカナヲよりも信用されていない姉カナエ…やはり平常時はポンコツであることが多いらしい…

 

「ええ〜!? 絶対に大丈夫よ〜!」

 

「…うちでも天然ぶりを発揮してやらかす時があるのに、恋人の悲鳴嶼さんの屋敷に行ったら…舞い上がって何かしらやらかすのが火を見るよりも明らかよ…」

 

「…そ、そんなことは…無い…筈?…」

 

「何で疑問系なのよ全く!…兎に角2人共、悲鳴嶼さんに迷惑を掛けないように!」

 

「はいはい、分かってるわよ♪」

 

「…うん…」

 

しのぶから言われ、了承するカナエとカナヲ。

 

普段がポンコツな姉のせいで最早保護者と化しているしのぶ。

 

これではどちらが姉か分からない…

 

「というわけで悲鳴嶼さん、改めてよろしくお願いします」

 

「うむ。 それではまたな」

 

こうして大貴、カナエ、カナヲの3人は暫くの間、大貴の屋敷に共に住むことになるのだった。

 






というわけで無理矢理ですが、大貴とカナエ(ついでにカナヲ)は経過観察という名目で同居することになりました。

大貴に怪我して欲しくなく、退院を中々認めなかったカナエでしたが、流石に耀哉から言われては退院させるしか無く苦渋の決断で認めた形ですね。

しかし、耀哉もちょっとやそっとのことでは自分の言葉でもカナエが退院を認めないのを分かっていた為、入れ知恵をしていました。

それが経過観察という名目でカナエが大貴の屋敷に住み込むということでした。

経緯としては…

「…いくらお館様のお言葉でもまだ大貴君の退院を認めるわけにはいきません!」

「そうか…ではカナエ、こうしてはどうかな? 大貴を退院させるが、経過観察という名目で君が彼の屋敷に住み込む…これならば彼を任務に向かわせるかどうかは君の判断に任せることが出来るし、任務に赴いた際にも2人で対処出来る。 1人での任務よりも格段に危険は少ない筈だよ?」

「!! それなら良いです♪」

という感じで大貴の退院が決まり、耀哉からしてみればやっぱり普段のカナエはチョロい!って思ってしまうくらいカナエはあっさりと退院を認めてくれたそうです…

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