リアルが忙しく、中々更新出来ず申し訳ありません。
駄文となっていますが、多めに見てください…
1913年4月・某所・夜
満月が夜空を照らすとある日、因縁の2人は相対していた。
「やあ、久しぶりだね」
にこやかに不気味ともいえる程の貼り付けたような笑みを浮かべる金色の扇子を持った男鬼…童磨。
「…私は貴様となど二度と会いたくは無かったがね?」
表面上は冷静だが、その内心は烈火の如く怒り狂い、殺気を隠しきれていない両手に2本の日輪刀を持った男…悲鳴嶼大貴。
「それは俺も同じだよ。 女の子なら大歓迎だけど、男に会うのなんて真っ平御免さ。 あーあ、どうせ会うのなら君じゃなくてあの時の柱の女の子…名前なんて言ったっけな?……あっ、そうそう! カナエちゃn !?」
相変わらずニヤニヤと笑いながら饒舌に話す童磨だったが、カナエの名を口にした瞬間、大貴に日輪刀を振り落とされる。
童磨は間一髪その奇襲を手に持った扇子で防ぎ、両者は鍔迫り合う。
「貴様風情が彼女の名を気安く呼ぶな…」
「酷いなー、ただ名前を言っただけなのに斬り掛かってくるなんて…」
「貴様がカナエ君の名を呼ぶこと自体が万死に値する行為なのだよ…良いから貴様はベラベラと喋らず、さっさとその頸を私に斬らせろ…貴様と下らん問答をしているだけで腹が立つのだよ」
「おやおや、君にはだいぶ嫌われているようだね。 まあ、男に嫌われたところで構わないけどね…血鬼術・冬ざれ氷柱」
童磨が血鬼術を発動させると、両者の真上に巨大な氷柱が発現する。
「この状態から冬ざれ氷柱をかわすことが出来るかな?」
童磨がそう言った直後、氷柱は複数に分離し2人に向かって降り注ぐ。
「…こんなもので私を殺せるなどと思っているとはな……嘗めるな!」
しかし大貴は声を荒げると、自身から発生させた強烈な闘気で自分に降り注いでくる氷柱を吹き飛ばした。
「!? 血鬼術・散り蓮華」
ここで氷柱を受けてしまえば自身が不利になると悟り、童磨は刀を弾くと扇子を振るい別の血鬼術を発動して広範囲に氷の花びらをばら撒いて直ぐさま大貴から距離を取る。
「貴様の先程の血鬼術は以前の戦闘で既に見ている…対処する手段を考えていないわけがなかろう?」
「成る程。 なら、君のまだ見ていない技を使うとするよ」
両者の間に大量に舞う広範囲の氷の花びら。
その隔てた先に居る童磨に冷たい目を向ける大貴。
それに対し童磨は変わらず不気味な笑みでそう答え、更なる血鬼術を使おうとする…
何故2人が今宵遭遇し、戦闘を開始しているのか?
それは数時間前に遡る……
ー
ー
ー
剣屋敷・昼
任務によってカナエが不在の中、大貴の住まいである悲鳴嶼大貴屋敷…通称剣屋敷に隠2名がとある報告をしにやって来ていた。
「!…それは本当かね?」
「はい。 確かな情報です」
「奴が鬼殺隊に入っていたとはな…あの時、自身の命欲しさに皆を死なせた罪滅ぼしのつもりか?…いや、奴に限ってそれは無いな…大方自分は強いのだとかいう自尊心を周りに見せつける為か…実に下らんな」
発言から大貴はある人物の捜索を隠に頼んでいたらしく、その人物の所在が分かると彼は心底不愉快そうな表情でそう吐き捨てる。
「彼についての詳細や所在の地図はこちらに記されてあります」
「ああ。 わざわざ済まないな、ご苦労だった」
大貴は隠から手渡された紙を受け取ると2人を労う。
「いえ、お気になさらず! では、私達はこれで」
そう言うと隠達は去って行った。
「…″獪岳″め…」
隠が去ると、大貴はとある人物の名を呟く。
そう、大貴が隠に捜索を依頼していた人物は行冥と初めて出会った時に共に暮らしていた男…獪岳であったのだ。
「奴と会うのは気が進まんが…行ってみるとするか」
大貴はそう言うと、両腰に日輪刀を携えた通常の装備で身支度を整え自室を出た。
そして、その足で道場へと向かう。
すると、そこでは玄弥とカナヲが木刀で激しい打ち合いをしていた。
「ふむ。 2人共、以前よりも動きが良くなっているな」
「「師匠(大貴さん)!」
2人は大貴に気づくと打ち合いを止め、彼に駆け寄る。
「何処かに向かうんですか?」
「…ああ、昔の知り合いに会いに、な…」
玄弥の問いに大貴は苦笑しながら答える。
「…大貴さん、その人と昔何かあったの?」
「どうしてそう思うのかね?」
「…大貴さん、いつもと違った雰囲気だったから…」
「カナヲ君はそういったことに敏感だな…君の言う通り奴は多少因縁のある男だよ」
「師匠、1人で行き辛いのなら俺達も行きますよ!」
「玄弥、気持ちは有難いが大丈夫だ。 今日は1日カナヲ君と打ち合い稽古で鍛錬をしていてくれ」
「分かりました」
「…大貴さん、気を付けて」
「うむ、では行ってくるよ。 もしかすると帰りはカナエ君よりも遅くなるかもしれん、その間留守を任せるぞ」
「「はい」」
玄弥とカナヲに挨拶を済ませると、大貴は屋敷を後にした。
ー
ー
ー
大貴Side
獪岳が桑島さんの所で修行をしていたとはな…どうりで隠に捜索させても見つからんわけだ。
そういえば桑島さんが柱を引退する際に「これで、これからは育手に専念出来るわい。 最近将来性のある弟子を見つけたものでな」と言っていたことを思い出した。
今思えば恐らくそれが獪岳だったのだろう。
隠に渡された紙の内容を見るに、獪岳は現在桑島さんの元を去り、一般隊士として行動しているようだ。
その後、暫く歩いたが獪岳が住んでいると思わしき場所に中々辿り着けない。
私は地図を再度確認するが、現在地からもまだ暫く進んでいかねばならないと悟る。
私の屋敷からここまで獪岳の住居が離れているのは偶然ではないだろう。
恐らく奴は私と義兄上が柱であることを知っていて、敢えて私達の屋敷とは遠く離れた場所に住んでいるのだろうな。
奴にとって己の過去…家族同然の者達を間接的に殺したということは私達とお館様しか知り得ないことだ…私達の近くに居ればそれが周りにバレる可能性があり、バレれば間違いなく周囲からの風当たりが強くなる…自尊心の強い奴にとってそれは到底耐えられるものではないだろう。
そんな考えを巡らせていた私だったが、このまま歩いていては日が暮れ、夜になってしまうと理解し走り出した。
ー
ー
ー
夕方
走ったものの、やはり距離はだいぶ離れていたらしく着いた頃には既に夕日が姿を見せる時刻となっていた。
更に運の悪いことに獪岳の住居と思わしき家は不在であった。
私が来ることを察して逃げたのかと思ったが、近くに住んでいた人にこの家の者と知り合いなのだが居ないのかと声を掛けると、どうやら朝に家を出て行ってからまだ戻ってきていないようだった。
聞けば焦った様子も無く普通に家を出て行ったようで、恐らく任務が入り、そこに奴は赴いたのだろうと察した。
ならばこのまま待っていても奴は暫くは戻ることはないと思った私は、わざわざ親切に話してくれた住人に礼を言うとその場を後にしようとする。
すると…
「ああ、1つ言い忘れていた! 兄ちゃん、最近この辺りはおかしな宗教団体が現れる時があるから気を付けなよ!」
「…おかしな宗教団体…ですか?」
宗教団体という言葉に私はある鬼を脳裏に浮かべる。
「ああ! あからさまに胡散臭そうな宗教団体でな、俺が何度断っても入れってしつこく勧誘してくんだよ! 信者は多いらしいが、どうにも信用ならねえ! あんたも道中あいつらに会ったら気を付けな!」
「分かりました…して、その宗教団体の名は? 名が分からなければ間違って入ってしまうやもしれないので…」
「! そうだな! 名前は確か……万世極楽教…だったっけか?」
…どうやら獪岳に会いに来たつもりが思わぬ収穫があったようだ…
近くに居るのなら探し出してやる…
あの顔は見ているだけで腹が立つので正直自ら進んで会いに行きたくなど無いが、奴は…上弦の弐・童磨はあの時、私の大切な女性(ひと)を殺そうとした…奴をこのまま野放しにしていてはいつまたカナエ君が襲われるとも分からない…今宵必ず殺してやる。
私は上弦の弐・童磨を今宵殺すと心に決めると奴を見つけ出す為に情報を収集する。
そして情報を集めた結果、奴の居場所を探し当て、満月の輝く夜…遂に奴と遭遇。
この話は冒頭へと戻るのだ。
というわけで因縁の獪岳に会いに行ったつもりが、別の因縁の相手…童磨と対峙した大貴でした。
中々本当の原作開始に行かなくて申し訳ないです。
自分も早く最終選別後に進めたいのですが、オリジナル状態の合間の話が意外と長くなってしまっております…
次回は大貴対童磨の2戦目となります。
一応誰かしら増援は来る予定なのでお楽しみに!