年齢計算間違っていたので訂正しました。
過去編です。
カナエSide
今から六年前、私としのぶは薬屋を営む優しい両親と四人で仲良く幸せに暮らしていた。
1903年・胡蝶家
「しのぶ〜! 遊びに行きましょう♪」
「姉さん! 履物忘れてるわ! 裸足で行ったら汚れるし怪我するわよ!」
「あらいけない!? ありがとうしのぶ♪」
「もう姉さんはそそっかしいんだから」
「よいしょっと…お待たせ! さあ行きましょう♪ お母さん行ってきます♪」
「あっ、ちょっと待って姉さん! お母さん行ってきます!」
「行ってらっしゃい! 夕方までには帰ってくるのよ」
「「はーい!」」
お母さんに返事をすると私達は遊びに出かけた。
この時代の遊びはお手玉やおはじきなど色々あるけど、当時私達はボウアイ(鬼ごっこ)に熱中していた。
この遊びは男女問わず遊べるし、尚且つ人数が多い程楽しめるからだ。
将来本物の鬼と本当の意味で鬼ごっこをすることになるなんて当時は想像すらしていなかったけど…
それはともかく、この日もたくさん遊んで帰る頃には夕方になっていた。
「遅くなっちゃったわね」
「姉さんがはしゃいでいつまでも遊んでいるから」
「しのぶも満更でもなく楽しんでたと思うんだけど?」
「もう姉さん!」
「大変、しのぶが怒ったわ〜♪」
帰路に着く中私達は姉妹仲良くはしゃぎながら家を目指す。
「「ただいまー」」
「お帰り二人共」
家に帰ると薬師の仕事を終えたお父さんが私達を出迎えた。
「楽しかったか?」
「うん、すごく楽しかった♪」
「私も!」
「そうか、それは良かった! もうすぐ夕食が出来るから手を洗ってきなさい」
「「はーい」」
私達は井戸の水で手を洗うとその後家族四人で幸せに夕食を食べた。
これが家族四人で摂る最後の食事になるとも知らずに……
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夜
「夜も遅くなってきたし、カナエとしのぶはそろそろ寝なさい」
「はーい! しのぶ行こ♪」
「うん。 お父さん、お母さんお休みなさい」
「「お休み」」
両親に挨拶すると私達は奥の寝室に向かいそのまま布団に入る。
そしてウトウトし始めたその時だった。
ドガっ!!!
「「!!?」」
凄まじい破壊音が入り口の方から響き渡る。
「ね、姉さん! い、今の音なに!?」
しのぶが恐怖に震えて私に抱きついてくる。
正直私も怖いけどお姉ちゃんとしてしのぶの為にも恐怖心を見せるわけにはいかない。
ギャーー!!!
「「ヒッ、ヒィ!?」」
だが、直後に聞こえた断末魔の叫びにその強がりも消え失せる。
だって今の声はお父さんの声だったのだから……
「カナエ! しのぶ!」
お母さんが包丁を携え寝室に駆け込んでくる。
「お、お母さんどうしたの!?」
「お父さんは!?」
「お、鬼が!…鬼がやってきたの! お父さんは鬼に殺されてしまったわ!」
「お、鬼!? う、嘘…あれは作り話じゃなかったの!?」
「い、嫌…お父さん…お父さーん!」
お母さんの言葉に私は唖然とし、しのぶは普段の大人びた雰囲気を完全に失い、年相応に泣き出す。
「私が時間を稼ぐから貴女達は逃げなさい!」
「お、お母さんも一緒に逃げよ!」
「無理よ! 今はお父さんを食べているからこっちには来ていないけど、じきに来る…」
「なら今のうちn「あの鬼には走っても直ぐに追いつかれるわ…さっきお父さんを一瞬で殺した動きを見たら本能的に分かる…時間を稼ぐ犠牲が必要なの! カナエ、しのぶのことお願いね。 二人共大好きよ!」っ!? お、お母さん!!」
お母さんは私達を抱きしめると近くのすだれをずらし、私達を押し除けるように外へと出す。
「そのまま走って逃げなさい! こっちを振り返らずに!」
そう叫ぶとお母さんは包丁を片手にすだれから再び家へと戻る。
「お父さん! お母さん!」
「しのぶ! 早く行きましょう! 二人の為にも私達は逃げないと!」
泣くしのぶをおんぶすると私は一心不乱に夜道を走る。
背後から再び断末魔が聞こえたが、私は涙を流しながらも気にせず走り続けた。
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「はぁ、はぁ、はぁ…此処までくれば大丈夫かな?」
「姉さん…おんぶしてもらってごめんなさい…もう自分で歩けるから大丈夫…」
私は息を整えるとしのぶを降ろす。
その時
「グヘヘ…だいぶ逃げタけど、もう限界カ?」
「「!?」」
全身に返り血を浴び、口元から涎と血が混じった液体を垂らす人型の鬼が私達の後ろに立っていた。
「う、嘘…あんなに走ったのに」
「それに…なんで…私達の場所がわかったの!?」
「匂いだヨ。 さっき食った人間とお前タチの匂いが似てるからそれを辿っテきタまでのことダ。 それに人間が鬼の速さに勝てるわけナイだロ?」
この時は本当に終わったと絶望した。
死んだら逃げられずしのぶを守れなくてごめんなさいってお母さんに謝ろうと走馬灯のように考えていた。
「さあ、お前タチを食っテ今日は終わリダ!」
ニヤニヤ笑いながら鬼がゆっくりと歩いていく。
もうダメだと私はしのぶを抱きしめ最期を悟り目を瞑る。
でも奇跡が起こった。
「そうだな、貴様は今日をもって終わりだよ」
ドスっ!
「ナッ!!?」
私は瞑っていた目を恐る恐る開ける。
すると鬼は背後から二本の刀で胸と腹を貫かれていた。
「フン!」
鬼を貫いた人物はそのまま鬼を勢いよく吹きとばし、私達から距離を取らせる。
その人物を見て私は驚く。
何せその人物は私と歳があまり違わないような感じの左目に黒い眼帯を付けた少年だったのだから…
「そこの二人無事かね?」
彼はこちらを振り返らず問いかけてくる。
「え、ええ、大丈夫です!」
「それは良かった」
「小僧、オマエ鬼ガリか?」
「そうだが、生憎とまだまだ見習いだよ」
「グヘヘ! 見習イカ! なら余裕ダナ! 見ロ! 今の傷ももう塞がっタ!」
鬼の言う通り、先程の刺し傷は既に塞がりかけていた。
「ふむ、もう治ったのかね?…やはり日輪刀でなければ直ぐさま再生するか…」
「グヘヘ! 今度はコチラの番d「だがね、先程も言った筈だ…貴様は今日をもって終わりだと」ガッ……」
少年に攻撃しようとしていた鬼だったけど、その直後新たに現れた人物により斧であっという間に頸を刎ねられる。
「生憎だが、私は一人で来たといった覚えはないよ?」
「ソ…ソンナ…この俺ガこんな…ところ…d
グシャ!
鬼は喋っている途中で棘のついた鉄球による追撃の一撃を頭に受け灰となって消えていく。
「南無…また鬼によって犠牲者が出てしまった…」
新たな人物は首に数珠を付けた僧侶のような盲目の男性だった。
「義兄上、助かりました」
「こちらの台詞だ大貴、お前が食い止めたおかげでこの少女達を救うことが出来た…両親を救えなかったのが痛恨の極みだが…お前達済まなかった…」
「私達がもう少し早く着いていれば…」
男性と少年は申し訳なさそうに私達に頭を下げる。
「いいえ、お2人が来ていなかったら今頃私達は鬼に食べられていました。 助けていただきありがとうございます!」
「あ、ありがとうございます!」
しのぶも私に倣いお礼を言う。
「…まさか感謝されるとは…罵倒されるのも覚悟していたのだが…」
男性は困惑した様子で呟く。
「罵倒なんてしません! 貴方達には感謝しても仕切れないくらいなんですから! 妹も守り切ることが出来たのは貴方達のおかげです本当にありがとうございました!」
しのぶもペコリと頭を下げる。
「…大貴。やはり、子供は私利私欲の者達だけではないようだ…お前のように」
「だから言ったではないですか、子供も捨てたものではないと…君達名は?」
「胡蝶カナエです!」
「…こ、胡蝶…しのぶ…です」
「胡蝶君…ふむ、姉妹だから苗字が一緒で呼びづらいな…名前で呼んでも構わないかね?」
「勿論です!」
「別に…構いませんよ」
「わかった、私の名は悲鳴嶼大貴という。 そしてこちらが私の義理の兄」
「… 悲鳴嶼行冥だ…二人共身寄りはあるか?」
「ありません…両親と四人で暮らしていたので…私達はもう二人しか親族がいないんです」
二人の名前は少年は悲鳴嶼大貴君、男性は悲鳴嶼行冥さんというらしい。
行冥さんからの問いに私はそう答えるしかなかった。
そう、私達はもう二人だけ…これからは私がしのぶを守っていかないと!
「…南無…御仏はこのような可憐な少女達を過酷な道へと進ませようとするか…カナエとしのぶと言ったな?…暫くの間私達と共に暮らすか?」
「「えっ!?」」
そんな時、行冥さんから一緒に暮らそうと提案される。
「名案ですな義兄上。 カナエ君にしのぶ君、義兄上もそう提案してくれていることだしここはお世話になりなさい。 この時代少女二人で暮らすには色々不便なことも多い」
「で、ですが!」
「め、迷惑ではありませんか?」
「…私は過去に寺で複数の子供を養っていた…子供が二人増えるくらいならば何も問題はない…」
「それにだ……私と義兄上の男二人では少々むさ苦しいのでね、花が二つもあるというのは大変喜ばしい ボソッ 」
「…大貴、聞こえているぞ…」
「おっと、これは失礼しました」
「フフッ」
「ハハッ」
二人のやり取りに私としのぶは自然と笑みが溢れる。
「「フッ」」
それを見ると二人も笑う。
「それならお言葉に甘えて少しの間ですが…」
「お世話になります!」
「…ああ…」
「うむ、これからよろしく頼むよ」
これが私達と悲鳴嶼兄弟の初めての出会いだった。
過去編での年齢
悲鳴嶼大貴・10歳
胡蝶カナエ・10歳
胡蝶しのぶ・7歳
悲鳴嶼行冥・16歳
後のちハガレンのホムンクルスの能力を血鬼術として使う鬼を出そうと思うのですが、誰が良いでしょうか? 勿論、出さないという意見もオッケーなのでよろしくお願いします。
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ラスト
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グラトニー
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エンヴィー
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グリード
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スロウス
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プライド
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出さない