鬼滅の刃〜最強の眼を持つ剣士〜   作:死徒

32 / 42

支離滅裂で申し訳ありません。

全然上手く書けませんでした…


目覚め

 

上弦の弐・童磨、上弦の壱・黒死牟との連戦後、大貴が倒れてから早ひと月が経った。

 

しかし彼はあてがわれた蝶屋敷の病室で未だに目を覚まさずにいた…

 

「…悲鳴嶼さん、いつまで眠っているんですか…早く目を覚まして下さい…姉さんを悲しませたら許さないと前に言いましたよね?…そろそろ目覚めないと本当に怒りますからね…」

 

その傍で大貴の様子を見にきていたしのぶが複雑な表情をしながら絞り出すようにそう口にする。

 

すると、突然扉をコンコンと叩く音が聞こえ

 

「大貴君、入るわね」

 

そこへ、カナエが自身の継子のカナヲと大貴の継子の玄弥を伴ってやって来た。

 

「姉さん」

 

「あら、しのぶ此処にいたのね♪」

 

「しのぶ姉さん、こんにちは」

 

「蟲柱様、こんにちは」

 

「ええ、丁度悲鳴嶼さんの様子を見に来ていたから。 カナヲ、それに玄弥君もこんにちは。 後、玄弥君、普段はそんなに畏まらなくても大丈夫ですよ?」

 

「!!…分かってはいますけど…その…畏れ多いというか、何というか…」

 

「…君は本当に良い子ですよね…君が本当にあの不死川さんと兄弟というのが未だに信じられません…あの人には玄弥君の爪の垢を煎じて飲ませたいわ…」

 

実弥に対して何やら思うところがあるのか、しのぶは玄弥を褒めると、無意識に敬語を忘れ素を出す。

 

「む、蟲柱様、兄貴…いや、兄ちゃんが迷惑を掛けているかもしれないと思いますが…その…あまり兄ちゃんを悪く言わないで下さい」

 

「!? ごめんなさい! そんなつもりで言ったわけじゃなかったんですけど…お兄さんを悪く言われて気を悪くしましたよね? 申し訳ありません!」

 

「い、いや、大丈夫です! 俺の方こそ申し訳ありません!」

 

「しのぶ姉さん、玄弥、此処は大貴さんの病室…謝り合うのは良いけど静かにして」

 

「カナヲの言う通りよ、 病室では静かにね♪」

 

「「ご、ごめんなさい…」」

 

「分かればよろしい♪」

 

ニコニコ笑いながらカナエは持参した花を水の入った花瓶に挿す。

 

「あれから一ヵ月…早いものね」

 

「姉さん…その…だ、大丈夫?」

 

「? 何が?」

 

「な、何がって! 悲鳴嶼さんが目覚めなくて不安じゃないの!?」

 

「しのぶ、病室では静かにってさっき言ったばかりよ?」

 

「うっ!……」

 

押し黙るしのぶ。

 

「ふふっ…そうね…不安じゃないって言ったら嘘になるわ…でも、私は信じてるもの。 大貴君は必ず目を覚ますって♪」

 

ニッコリと笑いそう言うカナエからは絶望さはまるで無く、希望の色しか見えない。

 

そう、カナエは大貴がこのまま目覚めないと微塵も思っていない。

 

いつまでも待っている…カナエからはその強い意志が見え隠れしていた。

 

 

 

 

 

 

「ふむ…悲鳴嶼大貴君…あまり私を失望させてくれるな」

 

何もない真っ白な空間の中で右眼の紅く輝くウロボロスの紋章が特徴的な壮年の男…ブラッドレイが蹲る青年…悲鳴嶼大貴を見下ろしていた。

 

「くっ!?……」

 

大貴は両手の日輪刀を杖に立ち上がる。

 

「ほう…立ちあがろうとするその意気は認めよう…だがね」

 

ブラッドレイはそこまで言うと瞬時に大貴に肉薄し、両手に持つ二刀を振りかぶる。

 

それに対し、大貴は反射的に二刀を構え、ブラッドレイの凶撃を防ぐ。

 

「ぐぅ…!!」

 

「その程度では一生私を倒せんよ…いや、傷さえつけられんというのが正しいか?」

 

「がはっ!」

 

鍔迫り合いながら何とか食らいつこうとする大貴を嘲笑うようにブラッドレイは蹴りを繰り出し、大貴はそれを腹部に受け地を転がっていく。

 

「ゴホッゴホッ……はぁ、はぁ…」

 

大貴は咳き込み、息を切らしながらも再び立ち上がる。

 

「まだ立ち上がるかね?…こうでなければ面白くない」

 

「(キング・ブラッドレイ…恐ろしい強さだ…疲弊していた私の肉体を使用していながらあの上弦の壱と単騎で渡り合う実力…今の彼が相手なら上弦の壱すら相手にならんな……上弦の壱?…そういえば奴は透き通る世界とやらを使っていた…)」

 

ブラッドレイの強さに戦慄する大貴だったが、不意に黒死牟の使用していた技能が彼の脳裏に浮かぶ。

 

「(確か奴は言っていたな…”自分自身の身体の形を血管1つ1つまで認識し、無駄な動きや感覚全てを削ぎ落としていく…そうする内次第に自身の筋肉や血管までも自在に操れるようになる…最小限の動作で最大限の力を引き出すことが可能となる…頭の中も不要な思考が削がれ、だんだん透明となり、更には相手の身体すらも透けて見えるようになる”…と…)」

 

大貴はあの戦いの折、黒死牟が語った透き通る世界の入り方を1つ1つ思い出すように実践していく。

 

すると、朧げながらもブラッドレイの姿が透けて見え始める。

 

「!!(これが透き通る世界か!?)」

 

「? 立ち上がっただけか…仕方あるまい、引導を渡してやろう」

 

ブラッドレイは超速で走り出すと大貴目掛けて殺到し、刺突を繰り出す。

 

「!!」

 

だが、その凶刃は紙一重で”避けられる”

 

そう…”避けた”のである。

 

「…成る程、上弦の壱の使用していた透き通る世界とやらか…だが所詮は付け焼き刃だ」

 

ブラッドレイは不意に大貴へと肉薄し…

 

「!?」

 

至近距離から強烈な蹴りを放ち、大貴を吹き飛ばした。

 

「それを極めている上弦の壱でさえ私の動きを先読み出来なかったのだ…君がそれを見様見真似で使ったところで無駄なことだよ」

 

「はぁ、はぁ、はぁ……」

 

「もう少し粘ると思っていたのだがな…期待外れだったよ…彼女にはああ言ったが、君はいつまで経っても目覚めることはないかもしれんな」

 

「彼女?…」

 

ブラッドレイの言葉に大貴は脳裏にカナエの姿を彷彿させる。

 

「(そうだ…私はカナエ君の為にも戻らなければならない…彼女は私が目覚めると信じて待っている筈…絶対に戻ってみせる!)」

 

大貴は眼を鋭くし、ブラッドレイを睨みつける。

 

それと同時に彼の右眼が変化を起こし始める。

 

「!!…ほう…」

 

それを見たブラッドレイは感嘆の声を漏らす。

 

ブラッドレイが驚いたのも無理は無い。

 

大貴の眼は彼と同様の紅いウロボロスの紋章の刻まれた眼…真の最強の眼に変わっていたのだから…

 

「はぁ、はぁ、はぁ……私は必ず現実世界へと戻ってみせる! カナエ君の為にも!」

 

「…愛する女の為に自身の限界を超え、死力を尽くすか…やはり人間は愚かだ…だが、私は君のような人間は嫌いではない…良かろう、君の覚悟が私を倒し得るかどうか見せてみろ!!」

 

ブラッドレイは不敵な笑みを漏らすと次の瞬間にはそれを一変させ、鬼のような形相で吼え、大貴へと襲い掛かる。

 

「…剣の呼吸、参ノ型・剣戟乱舞!」

 

迫るブラッドレイに大貴は息を整えると意識を集中し、不完全な透き通る世界を再度発動させ、更に剣の呼吸を使い、熾烈な連続斬りの応酬で迎撃に入る。

 

先程までは一方的にブラッドレイに押されていた大貴であったが、真の最強の眼を開眼させ、動体視力や反射神経などが飛躍的に向上した彼はブラッドレイに食らいついていく。

 

「私は!…私は必ずカナエ君の元に戻ってみせる!」

 

「面白い…面白いぞ人間! そうだ! 愛する女の為にも私を打ち破って見せろ!!」

 

カナエの為にも必ず現実世界に戻ると確固たる意志を見せ奮戦する大貴にブラッドレイは声高らかにそう叫ぶ。

 

何合、何十合と刀と剣を打ち合い、激突する両者…

 

しかし、その戦いの幕切れは唐突に訪れた…

 

「うおぉー!!」

 

「むっ!?」

 

雄叫びを上げ繰り出された大貴の渾身の一撃によってブラッドレイの双剣が折れ、宙を舞う。

 

一瞬動きを止めたブラッドレイだったが、直ぐに思考を切り替えると折れた双剣の柄を大貴に投擲する。

 

しかし、大貴は直ぐさま斬り払うとブラッドレイへと肉薄する。

 

ブラッドレイは体術で迎撃しようとするが、火事場の馬鹿力とも言うべきか大貴は勢いそのままブラッドレイの体術を回避し、流れるような動作でその首に両手の刀を交差させた。

 

「……見事と言うべきだな…私の負けだ…だが、何故このまま私の首を落とさなかったのかね?」

 

「…逆に聞くが、キング・ブラッドレイ…貴方本気では無かっただろう?」

 

「!……フフフ…フハハハハ!…あの攻防の中良く気付いたものだ…殺すつもりで斬り掛かってはいたのだがね?」

 

質問を質問で返され、ブラッドレイは高らかに笑い声を上げる。

 

「貴方が最初から私を殺す気だったのなら、接近した際に態々体術で私を吹き飛ばさずに斬り刻んでしまえばそれで終いだった…だが、貴方はそうしなかった…そのことから貴方は本気で戦っていない…そう感じた…ただそれだけだよ…しかし、何故だ?」

 

「何がだね?」

 

「何故貴方は私を殺さなかった? その気になればいつでも私を殺せた筈…ましてやこうして貴方に刀を突き付けることなど私では不可能だった…貴方に誘導されなければ、な?…」

 

「ほう…私がこの状況を誘導したと気付いたか……そうだな…君の愛する女の為に死力を尽くし戦う姿に興味を持ったから…だろうな」

 

「それはd !?」

 

大貴がブラッドレイに問い掛けようとした瞬間、彼の姿が透け始める。

 

「ふむ、どうやら君が現実世界に戻る時が来たようだな…その眼は以前の物よりも強力な分、人間には負荷が大きい…あまり多用はせんことだ」

 

「眼だと? 私の眼がどうしたというんだ?」

 

「?……成る程、私と同じ眼に昇華したことに気付いていなかったのかね?…ようはその眼は君達人間には過ぎた代物だということだよ……さて、下らん問答は終わりだ…君は彼女の元に戻るが良い」

 

ブラッドレイのその言葉を最後に大貴の姿は精神世界から消え去った。

 

 

「姉さん、私達は少し席を外すわね」

 

「ええ、大貴君は私が見ているから大丈夫よ」

 

カナエの返事を聞くとしのぶ、カナヲ、玄弥は部屋を後にする。

 

「信じてる…私は大貴君が目を覚ますって信じてるからね」

 

カナエは笑みを浮かべると大貴の手に自身の手を重ね合わせる。

 

すると、不意に眠り続ける大貴の指が一瞬ピクリと動く。

 

「えっ!?」

 

カナエは驚き目を見開くと、今度は両手を重ね合わせる。

 

その直後、大貴の目がゆっくりと開かれていく。

 

「…済まないカナエ君…待たせてしまった」

 

「ほんと…本当に待ってたんだから!…お帰りなさい♪」

 

無事大貴が目覚めたのを確認すると、カナエは泣き笑いの表情を見せ彼に抱き付く。

 

それに対し大貴もカナエを優しく抱きしめ、2人は口付けをする。

 

「愛しているよカナエ君」

 

「私もよ♪ でも2度と私にこんな思いをさせないでね?」

 

「勿論だとも、約束だ」

 

「フフッ♪ ならよろしい♪」

 

2人は愛を確かめ合うように再び口づけを交わすのだった。





というわけで大貴の目覚めと真の最強の眼の開眼の話でした。

かなり無理矢理開眼させましたが、愛する者の為に鍛冶場の馬鹿力を発揮したと思っていただければ良いかと…

不完全ながらも透き通る世界を発動しましたが、ブラッドレイ相手では付け焼き刃でしたね。

しかもブラッドレイは全力では無かったという…

本気ならば大貴を瞬殺していましたが、愛する女の為に死力を尽くして戦う大貴の姿に興味を見せたブラッドレイが手心を加えて敢えて負けてくれたから現実世界に戻れました。

まあ、前話でのカナエへの発言から分かる通りブラッドレイは最初から負ける気だったのですがね…

ブラッドレイは意外と女性に甘かったりしますし。

特に奥さんとか。

大貴とカナエの姿に自分と夫人を重ね合わせていたのかもしれません。

まあ、それは置いといて…

次回は大貴とカナエの祝言の話になるか、最終選別の話になると思いますので次回もまたよろしくお願いします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。